スイホウガン(水泡眼)といえば、目の下にある特徴的な水泡がかわいい金魚ですが、繊細で破れやすく、取り扱いには注意が必要です。
今回はそんなスイホウガンの生態や特徴、寿命、餌など飼育方法について詳しく紹介していきます。
スイホウガン(水泡眼)の生態と特徴
スイホウガンは中国で品種改良された金魚の仲間です。
眼球は上向きについており、大きな水泡を目の下に2つぶら下げています。この袋の中はリンパ液で満たされています。突然変異で水泡をもった金魚が出現し、この奇妙な姿に関心を持った方が、定着させるためになんども繁殖を繰り返した、観賞用の金魚です。水泡は一度つぶれたら元に戻ることはないので、取り扱いには注意してください。
水泡はより大きく、左右対称なほど人気がでます。水泡の大きさは遺伝によるところが強く、稚魚の時には水泡はほとんどみられませんので、ある程度成長している個体を購入して、大きさ水槽でゆったりと泳がせてください。
体系はリュウキンに似ていますが、背びれはなく、ランチュウ型の金魚です。
体の大きさ
スイホウガンの大きさは、他の金魚と同じように最大で30cmまで成長します。普通に育てていれば20cm前後で成長が止まります。
寿命の長さ
スイホウガンの寿命は平均して5年~10年です。老衰の症状などは金魚の寿命で紹介しているので、ご参考ください。
スイホウガン(水泡眼)に必要な水槽と飼育設備
必要なもの
- 水槽
- ろ過フィルター
- ライト
水槽の選び方
スイホウガンは上から鑑賞すると綺麗なので、金魚鉢やトラ舟などの飼育容器が適しています。
ガラス水槽であれば、上下に泳ぎ回るのが苦手なので、水深は浅めの15cm~20cmを目標にロータイプ水槽がおすすめです。普通の金魚用のガラス水槽でも問題にはなりません。奥行きが狭いスリムタイプだけは避けて置いてください。
体が丈夫な金魚ですが、スイホウの部分は破れやすくて繊細なので、広々とした水槽で丁寧に飼育してあげてくださいね。
ガラス水槽で飼育するときは45cm水槽で1匹、60cm水槽で5匹、90cm水槽で8匹が目安になりますよ。
金魚の水槽の選び方でも紹介しているので、ご参考ください。
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ろ過フィルターの選び方
スイホウガンのろ過フィルターで注意して欲しいのが横の水流の強さです。スイホウガンは泳ぐのが苦手なので、強い水流は体力を奪ってしまいます。
45cm以下の水槽では外掛け式フィルターを、60cm以上の水槽では上部フィルターを使います。しかし、水流の向きには注意してください。
ロータイプの水槽ではこれらのフィルターが使えないことがあるため、投げ込み式フィルターを使いましょう。
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ライト
ライトは鑑賞しやすいだけではなく、スイホウガンの体色をよくする効果もあります。水槽の大きさに合ったものを選んでください。
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レイアウトは水泡が割れないように注意
スイホウガンのスイホウは壊れやすいため、流木など先端がとがった障害物は入れないようにしてください。水泡が割れても生死に関わる問題ではありませんが、見ていてとてもかわいそうです。
レイアウトではアナカリスやミクロソリウム、アヌビアスナナなど飼育が簡単な水草をいれましょう。金魚の水草で紹介しているので、ご参考ください。
スイホウガン(水泡眼)の飼育方法について
値段と販売場所
スイホウガンの値段は1匹あたりで500円~700円ほどです。
金魚の販売に力を入れているペットショップや熱帯魚専門店で探してみましょう。1つの水槽でまとめて販売するのが難しいので、店舗で見つけるのはなかなか苦労します。
実物を見ることは出来ませんが、ネットショップを使うと便利です。桜スイホウガンや黒スイホウガン、キャリコスイホウガンなど珍しい種類を見つけることも出来ますよ。
適している水温
スイホウガンに適している水温は15度~28度です。
体を大きくしたいときは28度前後と高温にして、小さくしたいときは23度前後にしておきます。
低水温に強いので、水が凍らなければ冬でもヒーターは必要ないですが、動かなくなるので、鑑賞したいときはヒーターを入れておきましょう。ヒーターの必要性や電気代については金魚のヒーターでより詳しく紹介しているので、ご参考ください。
夏に30度を超える日が続くときは冷却ファンで水温を下げておきましょう。
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スイホウガンの水温管理については金魚に適している水温で詳しく紹介しているので、ご参考ください。
おすすめの餌と与え方
スイホウガンは泳ぎが苦手で、水底で生活しているので、ゆっくりと沈むタイプで粒状の人工飼料が食べやすいです。
おすすめの餌は同じ生態系をしているらんちゅう専用の「咲くひかり金魚」などです。少々値段が上がりますが、赤色の色揚げ高価もありますのでおすすめです。
金魚の仲間は餌の量によって体の大きさをコントロールすることが出来ます。大きく育てたいときは餌の頻度は1日2回にし、普通に育てたいときは2日に1回にしておきましょう。
餌の種類別の特徴や与え方は金魚におすすめの餌で詳しく紹介しているので、ご参考ください。
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かかりやすい病気と治療方法
スイホウガンがかかりやすい病気は転覆病やポップアイです。
転覆病とは腹部を上にして、水面近くに浮く病気で、一度発症すると完治するのは難しいです。原因は水温の急激な変化であることが多いです。発症したときは水温を25度まで上げて、3%%ほどの食塩水で1週間落ち着かせましょう。
ポップアイは目が飛び出す病気で、最悪の場合、スイホウガンの目玉が取れることがあります。原因は水質悪化によるエロモナス菌の繁殖です。グリーンFゴールドで1週間ほど薬浴してください。
他にも体に白色の綿のような物が付着する水カビ病にかかることがあります。水質悪化が原因ですので、すぐに1/2ほど水を交換して、1週間様子を見てください。金魚の水換え方法で紹介しています。
他の病気については金魚の病気と治療方法で紹介しているので、ご参考ください。
混泳はできる?
スイホウガンはおとなしい性格をしていますが、接触してスイホウが壊れる危険性があるので、混泳はおすすめできません。
生活層が異なるグッピーやヤマトヌマエビ、コリドラス、オトシンクルスとなら上手くいきやすいです。
混泳相性については金魚の混泳方法で詳しく紹介しているので、ご参考ください。
スイホウガン(水泡眼)についてまとめ
今回は眼球の下に特徴的な水泡があるスイホウガンについて紹介していきましたが、いかがでしたでしょうか。
飼育自体は難しくありませんが、水泡が壊れてしまわないように、水流の強さやレイアウト、取り扱いには十分注意するようにしてください。また、泳ぎが苦手なので、余計な体力を使わせないようにしておきましょう。
何年も飼育することで、水泡も立派に育ち、見事な体型になってくれますので、ぜひ大切に飼育してあげてくださいね。
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