ネオンテトラは初心者向けの熱帯魚として親しまれており、ほとんどのショップで販売されています。飼育も簡単で初めて熱帯魚を飼う方におすすめしたい魚です。100匹のネオンテトラを水槽の群泳させてずっと眺めていたいと夢を持った愛好家も少なくありません。
今回はそんなネオンテトラについて水槽のレイアウト、水流の強さ、餌、水温、値段など飼育方法について紹介していきます。
水槽の立ち上げ方法や混泳魚、水温、おすすめの餌など飼育方法を詳しく紹介していきます。
ネオンテトラはどんな熱帯魚なの?
ネオンテトラは魚の種類が豊富なカラシンの仲間で、南米のアマゾン川の淡水に生息する熱帯魚です。天敵が少ない、流れが穏やかで水深が浅い場所を好んでいます。
体の上半分は青色、下半分は赤色をしており、熱帯魚らしい鮮やかな体色をしています。美しさだけではなく、値段が安くて、丈夫で水槽飼育しやすいので、初心者におすすめされる種類です。
水質管理をしっかりとしていれば、発色はどんどん濃くなり、高価な熱帯魚にも負けない存在感を出してくれるようになります。特に群泳したときの美しさは素晴らしく、ネオンテトラ100匹を群泳させたい!と思う人は少なくありません。
温和な性格をしており、他の熱帯魚を攻撃するといった行動はほとんどしません。同時に臆病な一面があり、同種との群泳できない時は奥に隠れて出てきません。群れで泳ぐのが好きで、喧嘩をすることはないので、トラブルなく飼育する事ができます。
体の大きさ
ネオンテトラの大きさは平均して3cmです。最大サイズだと3.5cmになります。
寿命の長さ
ネオンテトラの寿命は平均して3年です。病気にかかりやすいですが、水槽での飼育だと長生きさせやすく、最長で8年は生きてくれます。
年老いてくると体色のつやがなくなり、水底でじっとしている時間が増えてきます。
ネオンテトラと似ているテトラの種類
※画像はカージナルテトラです。
ネオンテトラと似ている個体にカージナルテトラとグリーンネオンテトラというテトラの種類がいます。
カージナルテトラはネオンテトラが腹部後半から尾柄まで赤色が入っているの対して、顎下からえら、腹部全体と真っ赤に染まっています。とても発色がよく、美しい個体が多いです。
グリーンネオンテトラは腹部後半から尾柄まで赤色なのはネオンテトラと同じですが、ブルーのラインがネオンテトラより長く、尾柄まで続いています。別名でロングラインネオンとも呼ばれています。
ネオンテトラの飼育に必要な水槽と器具
ネオンテトラは小型の熱帯魚で、遊泳力があるわけではないので、小型の水槽で飼育を楽しむことができます。初期費用では2万円ほど用意すれば十分ですよ。
水槽の大きさと飼育数
ネオンテトラは規格サイズで最も小さい30cm水槽から飼育することができます。
飼育数の目安は30cm水槽で10匹、45cm水槽で30匹、60cm水槽で60匹です。飼育数の増加につれて水が汚れやすくなったり、酸素量が不足してくるのでフィルターはワンランク上の物を選びましょう。
ろ過フィルター
ネオンテトラは水質の変化に強く、ろ過フィルターは市販されているものであればなんでも問題ありません。45cm以下の水槽ではスリムタイプや静音タイプなどインテリア性が高い外掛け式フィルターを、60cm以上の水槽ではろ過能力が高い上部式フィルターがおすすめです。
過密飼育するときは45cm水槽に60cm水槽用のフィルターを使うか、サブで投げ込み式フィルターを入れるなどろ過能力の強化が必要です。
ライト
ネオンテトラの体色は光量が強いと発色がよくなるので、照明はいれておきましょう。白系だけではなく、赤色、青色など様々なカラーがあるので、好みのものを選ぶといいですよ。2灯式の光量が多いものがおすすめです。
ネオンテトラ水槽の立ち上げ
ネオンテトラの水槽の立ち上げ方法について紹介していきます。水は熱帯魚にとって、人間でいう空気みたいなものであり、悪い環境では長期間生きていくことはできません。下準備をしっかりと行いましょう。
水槽の立ち上げ手順
立ち上げたばかりの水槽にそのままネオンテトラをいれるとそのまま死んでしまう可能性が高いです。
原因は初期の水槽には有害物質を無害なものへ分解してくれるバクテリアがほとんどいないからです。バクテリアがいない環境ではフンなどの有害物質がどんどん蓄積していって、すぐに住めない環境になってしまいます。
バクテリアはフンを餌にして自然に増殖していくため、体が丈夫なパイロットフィッシュなどの生き物を飼育して、バクテリアを増やす必要があります。ネオンテトラは丈夫なのでパイロットフィッシュは不要です。
最初はバクテリアの数が少なく、水質悪化が早いため、飼育数を1〜2匹にしておき、週に2回の水換えを継続して行います。
水槽の置き場所は直射日光やテレビなどの騒音がでる場所をさけておきましょう。
アクアリウム水槽の立ち上げ方で詳しく紹介していますので、ご参考ください。
水槽立ち上げの手順
- 水槽の置き場所を決める。
- 水槽台と水槽をセットする
- 照明、フィルター、ヒーター、底砂をセットする
- カルキ抜きした水を水槽に入れる
- 各器具の電源を入れる
- フィルターを2日まわして水槽を落ち着かせる
- ネオンテトラを2匹、水槽に入れて1ヶ月飼育する
- 徐々に飼育数を増やしていく
水合わせの方法
水槽を立ち上げたら、ネオンテトラをショップの飼育水から水槽に移動させるために水合わせが必要です。
ネオンテトラに限らず、熱帯魚は急激な水温と水質の変化に弱いので、買ってきたばかりの生体をそのまま水槽に入れてはいけません。新しい水にならすことを水合わせといい、全ての熱帯魚に必要な作業です。
下に手順を紹介していますが、時間をかけてやるほど、ネオンテトラの体に負担が小さくなるため、長ければ長いほどいいです。
水合わせの手順
- ネオンテトラが入った袋を水槽に浮かべる
- 30分ほどして水温差を確認する
- 袋の水を1/3ほど捨てて、水槽の水を入れる
- 30分おきに上の作業を3回繰り返す
- ネオンテトラを水槽に入れる
ネオンテトラ水槽のレイアウト
ネオンテトラ水槽のレイアウトには、隠れ家をたくさんいれて安心して生活してもらう方法と、広い遊泳スペースを確保して群泳している姿を楽しむ方法があります。
少数飼育で美しさを際立たせる水槽レイアウト
ネオンテトラの発色をよくするためには安心できる環境で、餌を食べさせて健康的に成長させることが大切です。飼育数を10匹以下にして、1匹1匹の飼育に注力します。底砂にソイルや流木をいれることで弱酸性をキープして、ネオンテトラの発色をよくしていきましょう。
群泳を楽しむ水槽レイアウト
ネオンテトラの群泳を楽しむレイアウトでは遊泳スペースを広く取るために、背丈の低い水草を底にしきつめて緑の絨毯をつくります。砂だけをひいたシンプルなレイアウトでも十分に綺麗です。
青色と赤色の体色を目立たせるために光量を強くしてあげることがおすすめです。60cm水槽であれば、最低でも20w×2灯、できれば20wを3〜4灯設置してあげてください。
同じアマゾン産のアマゾンソードプラントなどを植えることでアマゾンレイアウトを作るのも楽しいです。水草を楽に育てたいならアナカリスやカボンバがおすすめです。
水草なしの水槽レイアウト
大量のネオンテトラを飼育するときは、水槽の水換えや掃除のしやすさを優先して、水草や流木などでレイアウトを作らない方法も効果的です。隠れ家になる水草がないので、他の熱帯魚との混泳はやめておいてください。
底面がライトの光で反射するのと体色が薄くなるので、底砂は敷いておいた方が良いですよ。
水流を弱くする
ネオンテトラは泳ぐのが苦手なので、水槽内の水流は弱めにしておきましょう。水流を弱くしておくことで、ネオンテトラが餌を食べるのも簡単になります。
ろ過フィルターの水の吐き出し口を壁面にむけるか、スポンジをとりつけるといいですよ。
ネオンテトラの飼育方法
ネオンテトラは体が丈夫で、初心者でも簡単に飼育する事ができる熱帯魚です。体が小さいので、急激な水温と水質の変化には注意してあげてください。
購入してきたばかりの1ヶ月は特に注意が必要です。ここを水合わせして、しっかりと乗り切れば、大丈夫です。
値段と販売場所
ネオンテトラの値段は1匹あたり90円~100円になります。10匹単位で販売されていることが多いです。
人気の熱帯魚なので、ホームセンター、熱帯魚専門店、ネット通販などほとんどの熱帯魚ショップで販売されていますよ。
1つの水槽に100匹近く入って売られているため、個体を指定することが難しいですが、丸々としていたり、元気よく泳いでいる子を選ぶようにしてくださいね。
飼育に適している水温
ネオンテトラに適している水温は25度〜28度です。最低でも水温は15度を保つようにしてください。
低水温に弱いので、冬は水槽用ヒーターを用意してください。夏の高水温にも弱いですが、暑さ対策が必要なほどではありません。
水温が大きく変化するとそのまま死んでしまうことがあるため、なるべく大きな水槽で飼育して、水温の変化を小さくしてあげましょう。
適している水質
ネオンテトラはph5.0〜7.0の弱酸性の水質を好むので、少し古めの水で飼育することをおすすめします。
水質の適応範囲が広いので、あまり神経質になる必要はありませんが、弱酸性を保つととても綺麗な発色を見せてくれます。流木やソイル、ph調整剤を使うことで弱酸性を維持することができます。
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水槽での混泳方法
ネオンテトラは温和な性格のため多くの小型熱帯魚と水槽での混泳を楽しむことができます。
おすすめの相手は同じくらい温和で小型のメダカ、プラティ、グッピー、カージナルテトラなどになります。水槽の掃除役としてはヤマトヌマエビ、ミナミヌマエビ、オトシンクルス、コリドラスなどが飼育もしやすくおすすめです。
ラミレジィなどのシクリッド系やスマトラ、ベタなどは縄張り意識が強く、攻撃性が強いので、いじめられてしまいます。また、ゼブラダニオのような泳ぎが得意な魚は餌を横取りしてしまうので混泳はやめておきましょう。
ネオンテトラにおすすめの混泳相手や注意点についてはネオンテトラの混泳方法で詳しく紹介しています。
水槽の水換えと掃除方法
ネオンテトラの水槽ではフンや餌の食べ残しなど有害な物質が水槽の中に蓄積してしまうので、週に1回は1/3ほど水換えが必要になります。その時にガラス面に付着したコケや底砂にたまったフンをしっかりと取り除きましょう。
掃除の手順
- カルキを抜いて水温を同じにした水道水を用意する
- フィルターのスポンジを水道水で洗う
- ガラス面や石に付着したコケをスポンジでこすり落とす
- ホースで水中や水底のゴミを水ごと吸い出す。
- 減らした分の水を水槽に戻す。
繁殖と産卵方法
ネンテトラの繁殖はプロでも難しく、販売されている個体の95%以上は現地から輸入されてきた個体です。原因はネオンテトラの繁殖のきっかけになるアマゾンの雨季の水質変化の再現の難しさにあります。
繁殖方法や難易度はネオンテトラの繁殖方法で詳しく紹介していますので、ご参考ください。
かかりやすい病気と治療方法
ネオンテトラは購入してから1ヶ月は白点病にかかりやすく、水換えを怠っていると尾ぐされ病や水カビ病にかかります。どの病気もきちんと水換えや水合わせなど管理できていればしっかりと予防することができますよ。
白点病 | 多くの熱帯魚がかかる寄生虫が原因の病気です。導入初期に輸入元やペットショップからもらってくることがいいので、最初の1週間は特に注意して観察しましょう。感染力が強いので、病気になったネオンテトラをすぐに別水槽に移動させてください。水温を少し高めの28度に設定してメチレンブルーで薬浴させましょう。 |
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尾ぐされ病 | 細菌が原因で水質悪化したときになりやすい病気です。こちらも病気になったネオンテトラを別水槽に移動させて薬浴させてください。予防のためにも定期的な水換えをきちんと行なってあげてくださいね。 |
水カビ病 | 体表に白いワタのようなものが付着する病気で、菌が傷口から侵入することで発症します。すぐに別の水槽に隔離して10%の塩水に1週間ほどつけて様子を見ましょう。 |
ネオン病 | 体にできた傷から細菌が侵入することでかかる病気です。体色が薄くなって、出血で赤い点ができることがあります。1匹でもかかっていると水槽全体に蔓延していると言われている病気で対応方法がほとんどありません。早期であれば、すぐに別の水槽に隔離してグリーンFで薬浴してあげてくださいね。 |
ネオンテトラの餌やり
ネオンテトラは餌の好き嫌いが少ないので、餌やりのトラブルは少ないです。
おすすめの餌
ネオンテトラにおすすめの餌は「テトラプランクトン」という小型熱帯魚向けの人工餌です。粒が小さくて、ゆっくりと沈んでいくので、ネオンテトラが食べやすい餌です。
メダカの餌も食べてくれますが、安価なものは栄養が少ないので熱帯魚専用の餌を与えてください。
泳ぎが苦手で口が小さいので、タブレット状の餌や沈下するのが早い粒状の餌はやめておきましょう。
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餌を与える量と頻度
ネオンテトラの餌やりでは混泳相手に餌をとられないように注意しておいてください。
餌を与える頻度は1日に2回、1〜2分程度で食べきれる量を与えてくださいね。
ネオンテトラが餌を食べない時は体調が悪かったり、ストレスを感じている可能性があります。水槽の水を1/3ほど水換えして様子を見ましょう。餌を吐き出す時は餌と認識していないので、別の餌をあげてくださいね。
旅行中の餌はどうする?
ネオンテトラは3日程度であれば、餌なしでも大丈夫です。水草をたくさん植えている水槽であれば自然と発生している植物性のプランクトンを餌にすることもできます。3日以上になる時は自動エサやり機か留守番フードという徐々に水に溶ける餌を使用しましょう。
長期の外出だからといって、餌をやりすぎると肥満になって短命の原因になります。忙しい時でも大量に与えるのは絶対にやめてくださいね。
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ネオンテトラについてまとめ
ネオンテトラは丈夫で飼育しやすく、価格が安い、体色は美しいと三拍子そろった人気の熱帯魚です。熱帯魚飼育はネオンテトラから始まり、そこから熱帯魚の魅力にはまって、コリドラスやグラミーなど混泳相手を増やしていくという流れが多いのではないでしょうか。
それほどまでに初心者に親しまれており、混泳など多くの楽しみ方ができる熱帯魚です。安価でありながら、ネオンテトラが好きな環境を頑張って作れば、高価な熱帯魚にも負けない美しさを見せてくれます。それこそ飼育者冥利に尽きるのではないでしょうか。
初心者向けでありながら、玄人もしっかりと楽しめる。ネオンテトラに始まってネオンテトラで終わるという言葉もあるほどです。そんなネオンテトラを飼育してみて、その魅力に触れてみてくださいね。
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