シクリッド

ラミレジィの種類と飼育方法|混泳や寿命、難易度は?

2018-06-04

ラミレジィは体色が美しく、水草をレイアウトした水槽がとても似合う熱帯魚です。長く大切に飼育しているとどんどん体色が綺麗になっていくのも魅力的です。

今回はそんなラミレジィの生態や特徴、必要な水槽の大きさ、混泳できる魚、寿命、おすすめの餌、繁殖など飼育方法について詳しく紹介していきます。

ラミレジィの生態と特徴

ラミレジィの飼育

ラミレジィは南米に生息するドワーフシクリッドの仲間です。

小型の熱帯魚だと体色は2〜3色が多いですが、ラミレジィには細かい配色美があり、単独飼育でも熱帯魚らしいきらびやかな水槽を作り出すことができます。緑でおいしげった水草水槽に、目を引く体色で優雅に泳ぐ姿はとても美しいです。

秋から春にかけて、南米から野生のワイルド個体が輸入されてきます。ヨーロッパからは一年を通して養殖されたブリード個体が輸入されてきます。ワイルド個体は少し気性が荒くなりますが、野生の凄みを味わえると同時に発色が強くなりやすいのでおすすめですよ。

繁殖期になるとオスは縄張り争いが激しくなるので、混泳相手を攻撃してしまう可能性がありますので、注意しておいてください。

同じ種類にアピストグラマという熱帯魚もおり、どちらもカラーバリエーションが豊富な熱帯魚として人気があります。

寿命の長さ

ラミレジィ

ラミレジィの寿命は平均して2年です。病気やストレスに強くて長生きさせやすいので、水槽の飼育だと3年は生きてくれます。

体の大きさ

ラミレジィの大きさは3cm〜7cmほどの小型の熱帯魚です。

参考ページ

ラミレジィの種類

ラミレジィは品種改良が盛んで、養殖された国名が名前についている種類が多いです。国によってこだわっているポイントが違うのがおもしろいところです。

バルーンラミレジィ

販売価格:500円〜3,000円
ドイツやオランダで品種改良されており、養殖された国によってオランダラム、ドイツラムという名前で呼ばれています。ラミレジィよりも小さく、お腹部分のふっくらと丸みを帯びた体形が可愛いですよ。

色違いで白色をベースに薄い金色が入ったゴールデンバルーンラミレジィや青みが強いコバルトブルーバルーンラミレジィなどがいます。

パピリオクロミスラミレジィ

販売価格:300円〜500円
コロンビアやベネズエラに生息しており、南米ドワーフシクリッドの中でもっとも美しいと言われている種類です。

販売している時は脱色していることが多く、薄い色をしているのですが、弱酸性を保って半年以上飼育していると見事な体色に変わってくれます。

養殖個体が多く輸入されて来るので、価格も安く初心者におすすめです。

ジャパンラミレジィ

販売価格:1,500円〜3,000円
日本で養殖された個体で、日本産らしく繊細で美しい体色をしています。販売数は少ないので、高価です。

ブリリアントラミレジィ

販売価格:1,000円〜2,000円
青みが強いことが特徴的ですが、体色はコバルトブルーラミレジィとラミレジィを合わせたような色合いをしています。

ラミレジィのもつ黄色や赤に、コバルトブルーラミレジィのもつブルーがかぶさっており、とても美しいですよ。

ドイツラミレジィ

販売価格:1,000円〜2,000円
ドイツで養殖されたラミレジィでドイツラムやジャーマンラミレジィとも呼ばれています。他の種類と比較して赤色と黄色の色味が強く、ラミレジィ本来の色を活かしている種類になります。

体高があり、ヒレも長いので存在感が強く人気がありますよ。

ブルーダイヤモンドラミレジィ

販売価格:500円〜1,000円
全身がブルーに染まり、頭部の黄色と目の赤色が際立って美しく見えます。不自然なまでの青色の発色は熱帯魚らしい派手さを感じられ、水槽の目を引くにはうってつけですよ。

ラミレジィの飼育に必要な水槽と設備

ラミレジィの飼育水槽

ラミレジィは一般的な熱帯魚飼育セットで飼育することができます。初期費用では2万円もあれば十分ですよ。

水槽の大きさと飼育数の目安

60cm水槽

ラミレジィは30cm水槽の小型水槽で飼育することができます。

混泳をさせずにペアでじっくりと飼育したいなら、この大きさが便利です。おすすめの30cm水槽で紹介しているので、ご参考ください。

45cm水槽だと4匹、60cm水槽だと8匹ほど飼育することができます。

ろ過フィルター

フィルター

ろ過フィルターは水槽に発生したゴミの除去や酸素供給のために必要になります。

45cm以下の水槽であれば、インテリア性に優れたスリムタイプや静音タイプの外掛けフィルターがおすすめです。60cm水槽だと強力なろ過が必要なので、上部フィルターが必要となります。

水槽の蓋

ラミレジィは水面を飛び出したりすることはめったにありませんが、飛び出し事故防止のためにも蓋はしっかりとしておきましょう。

ラミレジィの飼育に適している水槽作り

ラミレジィの飼育

水槽に入れる前に水合わせをしよう

ラミレジィを購入してきてもすぐに水槽に移動させてはいけません。

もともといたペットショップの水と水槽の水では、水質や水温に大きな差があり、急激に変化するとストレスで弱ってしまうことがあるからです。

phショックと呼ばれ、最悪死に至ることもあります。ここでは元気な状態を保てるように、水あわせの手順を紹介しますね。

水合わせの手順

  1. ラミレジィが入った袋をバケツに移動させる
  2. バケツの水が倍になるように30分かけて飼育水を移す
  3. バケツの水を半分になるまで捨てる
  4. 再度バケツの水が倍になるように30分かけて飼育水を移す
  5. バケツの水温をチェックして水槽と差がないことを確認する
  6. バケツの水をギリギリまで捨てて、そのままラミレジィを水槽に入れる

飼育に適している水温

ラミレジィに適した水温は22度〜28度です。

冬にはヒーターを入れて加温してあげましょう。W数の目安は30cm水槽なら50W、45cm水槽なら100W必要です。

電気代やおすすめの商品などは水槽用ヒーターの使い方で紹介しているでのご参考ください。

飼育に適している水質

ラミレジィの水質の適応範囲は広く、ph5.5〜7.0まで大丈夫なので、飼育しやすい熱帯魚と言えます。

しかし、新鮮な水を好みますので、1週間に1回は1/3〜1/2ほど換水してあげてくださいね。

レイアウトは水草をたくさん入れる

ミクロソリウム

ラミレジィの水槽には水草と流木をふんだんに使ったレイアウトがおすすめです。

緑がおいしげった空間にこそ、黄色と青色の美しい体色が際立ちます。水草をたくさんいれたい時は、底砂ソイルを使って、二酸化炭素供給の設備が必要になってきます。

水草は飼育が難しいので、初心者の方は水質を弱酸性にできる流木を多めにいれておくことをお勧めします。平らな石を入れておけば産卵床に使えます。

ラミレジィの飼育方法

ラミレジィの飼育

おすすめの餌と与え方

ラミレジィの餌は熱帯魚専用の人工飼料を与えてください。

おすすめの餌は同じシクリッドの仲間であるディスカス専用の餌で、色揚げ効果も期待できます。さらに一口で食べられる粒状の餌なので、食べ残しが少なくて、水を汚しません。

食いつきがいい冷凍赤虫を与えれば、どんどん成長して発色が良くなります。

餌の頻度は1日2回、朝と晩に1〜2分で食べきれる量を与えてくださいね。

混泳できる魚

ネオンテトラ

ラミレジィは多くの小型熱帯魚と混泳させることができます。シクリッドの仲間では珍しく温和な性格をしています。

しかし、繁殖期は攻撃性が増して他の熱帯魚を追い回すようになるので、ペアで飼育している水槽での混泳はさけておきましょう

混泳相手はネオンテトラグラミーエンゼルフィッシュコリドラスがおすすめです。

ヤマトヌマエビミナミヌマエビなどのエビ類は餌として攻撃されることが多いので、混泳はやめておきましょう。

同種のシクリッドとは縄張り争いで喧嘩がすることが多いので、ラミレジィは1種類だけにしておいてくださいね。

色揚げする4つのポイント

ラミレジィは水槽でも野生に近い環境を用意してあげると見事な発色を見せてくれるようになります。

その美しさはペットショップでみかけるくすんだ色とは比べ物になりませんので、ぜひ色揚げに挑戦してください。

重要なポイントは水槽を弱酸性に保ち、栄養価の高い餌をあげてしっかりと成熟させることです。

色揚げのポイント

  • 暗めの底砂を選ぶ。周りが明るいと色が飛びやすいです
  • 弱酸性を維持する。流木、ソイルを使う
  • 栄養価の高い餌をあげて飼い込む
  • 隠れ家を増やしてストレスを減らす

かかりやすい病気と治療方法

ラミレジィは丈夫な熱帯魚なので病気にかかることは少ないです。水温の急激な変化と水質悪化には弱いので、そこだけ注意してあげてくださいね。

ここでは熱帯魚の病気で代表的な2つを紹介しておきます。

白点病 体中が白い点々で覆われる病気で、輸入されたばかり個体が感染していることが多いです。感染力が高く、またたくまに水槽内に広がっていくので、病気を確認したらすぐに別の水槽に隔離しましょう。メチレンブルーで1週間薬浴すれば元気になりますよ。
エロモナス病 ウロコが逆立つ松かさ病や、目が飛び出すポップアイを引き起こします。水質の悪化が原因でエロモナス菌に寄生されて発症します。病気を確認したらすぐに水槽の水を全て交換して、発症した個体は別の水槽に隔離しましょう。完治の難しい病気ですが、初期症状であればエルバージュで薬浴すれば治ることがありますよ。

ラミレジィの繁殖方法

ラミレジィの飼育

ラミレジィの繁殖は簡単なので、飼育に慣れてきたらぜひ挑戦してください。産卵方法はオープンスポウナーと呼ばれ、流木のくぼみや石の表面に行います。

オスとメスの性別の見分け方

メスは体高があり、オスよりも一回り大きくなります。メスのお腹はピンク色に染まり、腹びれの後ろから1mmほどの産卵筒が出てくるので、それで見分けましょう。

ペアづくりと親の育成

ペットショップではすでにペアになっているラミレジィが販売されていることがあり、それを購入するのが近道です。

自分でペアを作るときは60cm水槽で8匹ほど飼育して、ペアになるのを待ちましょう。

親魚には栄養価の高いブラインシュリンプを食べさせてしっかりと成熟させていきます。

水槽の準備と産卵まで

まずオスとメスのペアだけを飼育するための繁殖用の水槽を準備しましょう。混泳水槽でも隠れ家を多く入れることで自然に繁殖を狙うことができます。

30〜45cmの小型水槽がおすすめで、ろ過フィルターは稚魚を吸い込まないスポンジフィルターを使います。砂はソイルを引いて、産卵床に水草や流木をいれてくださいね。

産卵が近づくとオスがメスを追い回し、メスが産卵管を、オスは輸精管をだして受精を行います。翌日には1mmほどの卵を50個〜300個産卵しています。

産卵後はペアで卵の世話を行うので、隔離する必要はありません。このときに黄色の発色が濃くなりいつも以上に美しい体色を見せてくれます。

産卵周期は短く、産卵を終えてから2〜3週間で次の産卵ができるようになります。

産卵しない時は?

産卵しない原因は親の健康状態が悪いことが多いです。毎日しっかりと餌を食べているのか、体は丸みを帯びているか確認しましょう。

痩せている個体では繁殖をすることはできません。また、ペアの仲が悪いことも考えられるので、別の個体をいれて相手を変えるのも効果的ですよ。

産卵から孵化まで

産卵を終えた卵は、水温を25度〜27度に設定していると2〜3日で孵化が始まります。

初産は無精卵が多く、白カビがはえることもありますが、親魚が処理してくれるので見守ってあげてください。

低水温では孵化が遅くなり、高水温では早くなります。どちらも卵によくないので適温である26度前後に調整しましょう。

稚魚の育て方

ラミレジィの稚魚の餌は、稚魚用の餌として有名なブラインシュリンプが必要になります。この餌は栄養価が抜群で、稚魚の口に入る大きさなので、安心してあげることができます。体が大きくなるにつれて親魚と同じ餌に慣らしていきましょう。

水質の変化に弱いので、水換えの量は少なくして、1週間に1回、1/4ほどに抑えておいてくださいね。

4〜5ヶ月で成魚に近い体色をしはじめてくれますよ。

ラミレジィについてまとめ

ラミレジィは美しい体色をもちつつも、体が小さいので、小型水槽で簡単に飼育することができ、初心者にも人気の熱帯魚です。

いい環境を用意して、色揚げや繁殖に挑戦していってくださいね。

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  • この記事を書いた人

高木 浩二

ペットの中でも熱帯魚が一番好きで、飼育履歴は10年以上あり、ペットショップでアルバイトをしていました。今は多くの書籍やショップ店員との交流で最新情報をアップデートしています。あいまいな情報をなくして、はっきりと最後まで責任を持って飼育ができるのかどうかイメージを湧いてもらえるようにしていきます。正しい情報の掲載に努めてまいりますので、よろしくお願いいたします。

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