ネオンテトラは熱帯魚の代表種と言えるほど人気の魚です。小柄でありながら青と赤の発色の美しさは見事の一言です。これほど一般的でありながら、ネオンテトラの繁殖は難しく、コツが必要になってきます。
今回はネオンテトラの繁殖のきっかけの作り方や稚魚の育て方など、繁殖方法を詳しく紹介していきます。
ネオンテトラの繁殖は難しい?
ネオンテトラは飼育が簡単ですが、繁殖はかなり難しい熱帯魚です。これだけ多く販売されていながら、国内での繁殖の成功例はほとんどありません。
しかし、日本で販売されている個体は東南アジアで大量に養殖されて来たのがほとんどなので、コツさえ掴めば繁殖が可能な熱帯魚といえます。
ネオンテトラの繁殖が難しい理由
チェックポイント
- 繁殖のきっかけが水温と水質の変化
- 稚魚が小さい
繁殖のきっかけが水温と水質の変化
ネオンテトラの繁殖時期はアマゾン川に雨季で大量の水が流れ込んできて、水温と水質に大きく変化した時に始まります。熱帯魚飼育では水温と水質は一定にされているため、ネオンテトラが自然繁殖することはありません。
さらに水温と水質の変化は小さい体に大きな負担をかけてしまうので、死亡させるリスクがあります。
稚魚の体が小さい
ネオンテトラは成魚でも3cm程度の小型の熱帯魚です。稚魚になるとさらに小さく、餌を満足に食べられずに餓死することが多いです。また、親魚がネオンテトラの稚魚を食べてしまうので、早い段階で隔離しないといけません。
ネオンテトラを繁殖させるための環境作り
チェックポイント
- 親を成熟させる
- オスとメスの見分け方
- 産卵用水槽に必要なもの
- 水温と水質を固定する
- 水換えで水温と水質を変化させる
親を成熟させる
ネオンテトラの繁殖を促すためには栄養をたくさんとって、しっかりと成長した親魚がいることが大切です。
親の成熟度合いは若い時にどれだけしっかりと餌を食べたかで大きく変わってきます。なるべく若い個体を購入してきて栄養価がたっぷりのブラインシュリンプや冷凍赤虫で育成をしていきましょう。
オスとメスの見分け方
ネオンテトラのオスとメスは、成熟していれば簡単に見分けることができます。メスはオスと比べて体が大きく、丸みを帯びています。反対にオスはスマートな体型で細長くなっています。
成熟していないと体型の特徴が出てこないので、判別することはほとんどできません。
産卵用水槽に必要なもの
ネオンテトラの産卵用水槽は小型水槽が便利です。静かで暗い環境におく必要があるので、場合によっては段ボールか何かで覆ってしまうといいですよ。
シュロ網やウィローモスは水底に敷き詰めて、産卵床として使います。
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水温と水質を固定する
水温と水質はアマゾン河に近い環境を目指しましょう。
水槽用のヒーターを使って水温を26度に固定します。水質は弱酸性を好むので、ソイルや流木を使うことでph6.5前後に調整します。
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水換えで水温と水質を変化させる
上記の環境で3ヶ月ほど飼育し、親魚が成熟したと思ったら水換えを行います。
一気に水温を15度まで落として2週間ほど飼育して、そこから1/2ほど換水して水温を24度まで上昇させましょう。
ネオンテトラの繁殖行動
ネオンテトラは繁殖できる状態になるとオスがメスを追いかけ回すようになります。無事にペアができると1週間ほど寄り添って泳ぐようになりますよ。
妊娠したかどうか見分ける方法
ネオンテトラのメスが妊娠をすると、餌をあげる前でもお腹がパンパンに大きくなっているを観察できます。そこまでなっていると産卵が近い証拠なので、別の産卵用水槽に移動させましょう。
産卵前の兆候や産卵行動は?
ネオンテトラのメスは産卵が近づくと、水底でじっとしていたり、呼吸が速くなったり、急に立ち止まって少しバックしたりと落ち着きがなくなってきます。
底砂にばらまくように産卵し、その上からオスが精子をかけて受精させます。1回の産卵で30個ほど卵を産みます。卵が捕食されないように底にはウィローモスや大きめの砂利を敷き詰めておきましょう。
捕食をさけるために、産卵が完了したら親魚はすぐにもとの水槽にもどしておきましょう。
ネオンテトラの卵の孵化方法
ネオンテトラの卵は産卵されてから2日〜3日程度で孵化し始めます。新鮮な水が必要になるので、エアレーションを回して、毎日1/4は水を交換してあげましょう。
卵から孵った稚魚は3時間ほどたつと元気に泳ぎ始めますよ。泳ぎが得意ではないので、水流はかなり弱くしておいてあげてくださいね。
ネオンテトラの稚魚の育て方
ネオンテトラの稚魚の飼育環境は産卵水槽をそのまま使います。泳ぐのが苦手なので、水流を弱めにしてください。環境の変化に弱いので、水換えは週に1回1/7ほどに抑えておきます。
稚魚の餌
ネオンテトラの稚魚が孵化してから3日経過すると餌を与えはじめます。稚魚はとても体が小さいので、最初はインフゾリアかPSB(生きた微生物が含まれた液体)を与え、成長してきたらブランシュリンプを食べさせましょう。
毎日欠かさずに1日3回、1〜2分で食べきれる量をあげてください。餌を食べてくれれば死ぬことはほとんどありません。
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ネオンテトラの赤ちゃんはいつから親魚の水槽に戻せるの?
ネオンテトラの稚魚は生後1ヶ月経過して、体長が1cmを超えたあたりから親魚と混泳することができます。
最初は自分より大きな魚がいることでストレスをためやすいので、隠れ家になる水草をたくさん植えてあげてくださいね。
ネオンテトラの繁殖についてまとめ
今回はネオンテトラの繁殖方法について紹介していきましたが、いかがでしたでしょうか。
ネオンテトラは丈夫で初心者にも飼育しやすいですが、繁殖はプロでも難しい熱帯魚です。
体が小さかったり水質の変化を再現したりと苦労がたくさんありますが、立派に育った個体がいればぜひ挑戦してみてくださいね。
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