カージナルテトラは体色が非常に美しい魚で、ぜひ大きな水槽で50匹以上の群泳をしてその美しさを楽しんでいただきたい熱帯魚です。頑張れば頑張るほど発色が濃くなり、飼育の楽しさが増してくることでしょう。
今回はそんなカージナルテトラについて繁殖や寿命、混泳できる魚、病気、水温など飼育のコツを詳しく紹介していきます。
カージナルテトラの生態と特徴
カージナルテトラは南米のネグロ川やアマゾン川に生息している小型の熱帯魚です。
最大の特徴は原色である赤色と青色の発色が濃さであり、熱帯魚の中でもトップクラスの美しさを誇っています。安価で入手しやすいので、初心者におすすめです。弱酸性の水でしっかりと育て上げるとさらに色が濃くなって魅力的な姿を見せてくれますよ。
体の大きさ
カージナルテトラは平均して3cmほどの大きさになります。最大だと4cmまで成長します。
寿命の長さ
カージナルテトラの寿命は平均して2〜3年です。飼育初期は病気にかかりやすいですが、水槽の環境に慣れると丈夫です。上手に飼育すると最長で5年ほど生きることがあるので、大事に育ててあげてくださいね。
カージナルテトラとネオンテトラの違いは?
カージナルテトラと非常によく似ている熱帯魚にネオンテトラがいます。違い3つあり、体色の違い、大きさの違い、値段の違いです。
体色の違い
腹部の赤色の多さで見分けることができます。
カージナルテトラはエラから尾柄まで赤く染まっており、鼻先まで広がっています。ネオンテトラよりも赤色が少し薄く、口先から腹部が赤色で腹部から鼻先までは銀色です。ですので、カージナルテトラの方が存在感が強くなります。
大きさの違い
カージナルテトラの方が少しだけ大きいです。カージナルテトラの最大の大きさは4cmですが、ネオンテトラは3cmです。
値段の違い
どちらも安価ですが、ネオンテトラの値段は1匹あたり100円以下なのに対して、カージナルテトラは100円〜200円と少しだけ値段が上がります。
ネオンテトラの飼育方法で詳しく紹介しているので、ご参考ください。
カージナルテトラの飼育に必要な水槽と設備
カージナルテトラの飼育に必要な水槽と周辺器具を紹介します。初期費用では2万円ほどをみておくといいですよ。
水槽の大きさと飼育数
カージネルテトラなどの熱帯魚の水槽は透明度が高いガラス水槽がおすすめです。
水槽のサイズと飼育数は45cm水槽で3匹、60cm水槽で30匹、90cm水槽で50匹が目安です。
ろ過ィルター
ろ過ィルターは酸素の供給や水を綺麗にするのに必要です。
45cm以下の水槽であれば投げ込み式フィルターや外掛けフィルター、60cm以上の大型の水槽では上部フィルターを使いましょう。
ライト
ライトは鑑賞しやすくするだけでなく、カージナルテトラの色揚げ効果があります。暗い環境で飼育すると体色が薄くなるので、なるべく用意してください。
水槽用のヒーター
カージナルテトラは低水温に弱いので冬はヒーターが必要です。昼夜の気温差が激しい春や秋にも電源を入れておいてください。
30cm水槽 | 50w 300円 |
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45cm水槽 | 100w 700円 |
60cm水槽 | 150w 1000円 |
90cm水槽 | 300w 2000円 |
おすすめの水槽用のヒーターで紹介しているので、ご参考ください。
水槽の蓋
水槽の蓋は飛び出し事故の予防や水の蒸発を防ぎます。隙間なく蓋をしておきましょう。
カージナルテトラの飼育方法
カージナルテトラは熱帯魚の中でもかなり飼育しやすい種類なので、初心者でも容易に育てることができます。しかし、体が小さく、環境の変化には弱いので油断は禁物です。
水槽のレイアウト
カージナルテトラは青色と赤色の発色が強く、水草を多く植えたレイアウトがとても似合います。
水槽内を広く遊泳する姿が最大の魅力なので、前景には背丈の低いグロッソスティグマ、リシア、後景でもあまり高くならないミクロソリウムやヘアーグラスなどがおすすめです。
泳ぐのが苦手のため、水流が強いと隠れてしまいます。上部式フィルターの場合には水の吐き出し先をガラス面向けたり、スポンジを設置して水槽内の水流を弱めるようにしてください。
適している水温と水質
カージナルテトラに適している水温は24度~28度です。低水温に弱いので、冬は水槽用のヒーターを用意してあげましょう。
水温は25度を下回ると白点病にかかりやすくなるので、27度くらいがおすすめです。
適している水質は弱酸性です。水質の適応力が高いので、元気をなくすことはなかなかありませんが、弱酸性を維持していると、非常に綺麗な体色を見せてくれます。
古い水は病気にかかりやすくなるので、週に1回は1/3ほど換水しておきましょう。
おすすめの餌と与え方
カージナルテトラは餌の好き嫌いも少なく、熱帯魚専用餌のテトラプランクトンやテトラミン、メダカの餌までなんでも食べてくれます。
餌のバリエーションが豊富にしたり栄養価が高いほど、健康になり発色も良くなります。なるべく多くの人工飼料や好物のアカムシなど準備してあげましょう。
餌の頻度は朝と夜の毎日2回、1〜2分で食べきれる量を与えてください。
餌を食べないときはストレスを感じている可能性が高いです。隠れ家を増やしたり、気の強い魚がいないか観察してください。泳ぎかたが弱々しいときは1/3ほど水換えをしてみましょう。
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かかりやすい病気と治療方法
カージナルテトラは体が小さく、病気にもかかりやすい魚です。病気の予防は細菌の進入を防ぐことと、きちんと水換えを行うことです。
かかりやすい病気を紹介していきますね。
白点病 | 白点病は体中に白い点々ができる病気で、感染力が強く、あっというまに水槽中に広がっていきます。導入初期や環境の急激な変化で体が弱っているときに、線虫という寄生虫にかかることで発症します。別の水槽に隔離して1週間ほどメチレンブルーで薬浴しましょう。 |
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腹水病 | 腹水病はお腹がボコボコと出たり、パンパンにふくれる病気です。水質悪化でエロモナス菌が繁殖したことが原因です。水を全て交換し、発症した個体は別の水槽に隔離してグリーンFで薬浴してください |
気泡病 | 気泡病にかかると体に水泡ができて、放置していると大きくなって泳げなくなっていきます。水が古くなった時に発症しやすくなります。こちらもすぐに全ての水を交換しましょう。発症した個体は別の水槽に隔離してメチレンブルーで薬浴してください。 |
イカリムシ | イカリムシに寄生されると魚がかゆそうに、石や流木に体をこすりつけるようになります。川水や井戸水など自然の水を使っているときに、水槽に侵入して発症します。水槽や流木、石、水草など徹底的に掃除をして駆除しましょう。発症した個体はメチレンブルーで薬浴してください。 |
ネオン病 | ネオン病は体の色が薄くなり、出血のため赤い点が見えるようになります。水質悪化が原因で繁殖するカナムナリス菌が原因です。ほかの魚にうつるので、すぐに飼育水を全て交換してください。初期ならグリーンFの薬浴で治ることもありますが、完治は難しいです。 |
水カビ病 | 体に白いわたのようなものが付着する病気です。サプロレグニアという菌が傷口から侵入して発症します。別の水槽に隔離して、塩分濃度が10%ほどになるまで徐々に塩を追加していきましょう。 |
尾ぐされ病 | 各ヒレが溶けていく病気で、ギザギザになっていきます。水質悪化が原因でカナムナリス菌が水槽内に繁殖したことが原因です。飼育水をすぐに全て交換してください。病気の個体は別の水槽に隔離して、グリーンFで薬浴しましょう。治療の途中で体色が黒くなることもありますが、きちんと治るので気にしないでくださいね。 |
皮下線虫 | 体表に白い線のような寄生虫がついている病気で、寄生された場所がふくれあがったりします。皮下線虫という寄生虫が原因です。治療薬の効果は薄いため、ピンセットで直接取り除かないといけません。濡れたガーゼで優しく包んで、ピンセットで除去しましょう。その後、患部にヨード剤を塗ってあげてくださいね |
カージナルテトラの繁殖方法
カージナルテトラは産卵までは比較的用にしてくれますが、稚魚がとても小さいため、稚魚を育てるのが難しいです。カージナルテトラの繁殖方法で紹介しているので、ご参考ください。
カージナルテトラの群泳と一緒に飼える混泳魚
カージナルテトラは温和な性格で多くの熱帯魚と混泳することができます。混泳魚を選ぶときのポイント温和な性格、同じ大きさ、泳ぐ層の違いが大事になってきます。
混泳相性がいい魚
カージナルテトラとの混泳に向いている魚は、ネオンテトラ、グッピー、アカヒレ、プラティ、ラスボラ、プリステラ、ブラックテトラなどの温和な小型熱帯魚です。
特にコリドラスやミナミヌマエビ、オトシンクルスなどは水槽の掃除役として活躍してくれるので、水草水槽には必須の存在です。
混泳に向いていない魚
カージナルテトラは中型種や攻撃性の高い魚と混泳できません。エンゼルフィッシュ、ベタ、グラミー、スマトラ、ゼブラダニオなどはやめておきましょう。
群泳の方法
カージナルテトラは臆病な性格をしており、中型以上の水槽で数十匹で飼育していると、群れで泳いでくれるようになります。
体色の綺麗なカージナルテトラの群泳はとても美しく、緑色の水草水槽がよく似合います。
反対に1匹や2匹の少数で飼育していると、小競り合いをしたり、怖がって餌の時以外は水槽の奥に隠れて動かないことがあります。単独飼育ではもったいないので、ぜひ群泳してあげてくださいね。
カージナルテトラの飼育をもっと楽しむなら色揚げに挑戦しよう!
カージナルテトラは飼育環境次第で発色の濃さが大きく変わる熱帯魚です。
色揚げを狙うなら、ワイルド個体がおすすめです。値段は200円~300円と高めですが、美しいことが多いため、最初からこちらを購入しておきましょう。
色揚げに適している環境
カージナルテトラはネグロ川に生息しており、その環境に合わせることで発色がとてもよくなります。
水温は26度、水質は弱酸性を維持して、ブラックウォーターなどのネグロ川の成分を再現する調整剤をいれてあげましょう。
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色揚げ用の餌やり
カージナルテトラの餌は栄養に偏りなく、多くの種類の餌を与えてください。特に赤色の色揚げに最適な栄養分を含んでいるクリルやテトラ・ディスカスというディスカス専用の餌がおすすめです。
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ストレスのない環境を用意する
最後にストレスがなく、落ち着ける環境であることが大切です。照明の消灯時間は日光の日の出、日の入りに合わせて夜間はきちんと暗くしてあげましょう。水草や流木など配置して隠れ家を多く作ってあげてくださいね。混泳相手は体が小さくて生活スペースの異なるコリドラスにしておきましょう。
1ヶ月もすれば素晴らしい赤と青の発色をみせてくれるようになりますよ。
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