コリドラスは初めて熱帯魚を飼育する人が混泳相手として購入していくことが多い熱帯魚です。餌を探すために口さきを左右に動かしている姿はとても愛くるしく、性格もおとなしく他の魚を攻撃することもないので、多くの小型魚と混泳を楽しむことができます。
今回はそんなコリドラスについて寿命や水温、水質など飼育方法を詳しく紹介していきます。
コリドラスの生態と特徴
コリドラスはナマズ目カリクティス科に分類されるナマズの仲間で、南米のアマゾン川を中心に広く分布しています。
コリドラスという名前にはヘルメットのような皮をかぶったナマズという意味があり、体は硬く大きな鱗板(りんばん)で覆われています。
アマゾン川には天敵が多いため、10匹以上の群れで生活することが多いです。大きな群れだと数百匹を超えることがあります。
飼育下では水底をゆったりと泳ぐ姿が観察できますが、自然下では酸素量が多く、水の流れが早い河川を素早く泳ぎ回っています。砂中に潜んでいる昆虫を捕食するために、常に口先を砂に入れて餌を探しています。
性格は大人しく、他の魚を襲うことはほとんどありません。ネオンテトラなどのメインの小型熱帯魚は中層〜上層を泳いでおり、下層が寂しい・・という時や、トラブルなく混泳できる相手として選ばれることが多いです。
寿命の長さ
コリドラスの寿命は平均して3年〜5年です。病気やストレスに強く、水槽の飼育でも長生きさせやすいです。大切に飼育していると10年は生きることができます。
コリドラスの種類
コリドラスは種類が豊富で、初心者からマニア向けまで幅広く飼育を楽しむことができます。
赤、青、白コリドラスといった100円前後のコリドラスは安価で丈夫なので、初心者はこの種類からはじめることをおすすめします。
飼育に慣れてコリドラスが好き!という気持ちが強くなってきたら、値段が200円〜400円前後になるコリドラスジュリィ、コリドラスパンダ、コリドラスステルバイなど模様付きのかわいい種類にも挑戦してみましょう。
マニア向けだと1匹あたり4,000円以上はするとても珍しい種類もいます。
コリドラスの種類でより詳しく紹介しているので、参考にしてみてくださいね。
コリドラスの飼育に必要なもの
コリドラスの飼育に必要な水槽や周辺器具を紹介します。初期費用で3万円〜4万円ほどみておくといいですよ。
必要な水槽の大きさと飼育数
コリドラスは種類が多く、体が小さいもので3cm程度、大きいものだと15cm近くになる種類がいます。よく販売されているコリドラスは成長しても4cm〜5cmほどです。
4cm前後のコリドラスであれば45cm水槽で15匹、60cm水槽であれば20〜25匹程度は飼育できます。混泳をするのであれば10〜15匹程度には抑えておいたほうがいいでしょう。
ろ過フィルター
ろ過フィルターはろ過力に違いがあるため、水槽の大きさに合わせて選びます。
45cm以下の小型水槽であれば、値段が安くて設置が簡単な外掛け式フィルターがおすすめです。水質の安定性を求めるなら、底面式フィルターも便利です。
60cm以上の大型水槽であれば、ろ過力がある上部フィルターが必要です。
ライト
ライトは鑑賞しやすくしたり、コリドラスの発色をよくするために必要です。
商品情報と価格をチェック
ヒーター
コリドラスは低水温に弱いので、冬はヒーターを準備してください。
水槽の大きさと必要なワット数、電気代の目安はこちらになります。
30cm水槽 | 50w 300円 |
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45cm水槽 | 100w 700円 |
60cm水槽 | 150w 1000円 |
ヒーターの寿命や設置方法についてはおすすめの水槽用ヒーターで紹介しているので、ご参考ください。
蓋
水槽の蓋はホコリがはいったり、水が蒸発するのを防ぎます。冬場は水温差で水がどんどん蒸発していくので、必ず蓋をしておいてください。
底砂の選び方
コリドラスは砂に口をいれて餌を探しますので、砂には角がなく、細かく、柔らかい砂が適しています。飼育が簡単なコリドラスには田砂などを選びますが、飼育が難しい種類には弱酸性の水質を維持するため、ソイルなどを使うのがおすすめです。
水質の変化に強い熱帯魚でありますが、水槽の底で生活していますので、床の掃除はこまめに行なってあげてくださいね。水換えの時にホースの先端を砂の中にいれて、中のゴミを吸い出しましょう。
田砂 | コリドラスと相性がいい田砂やボトムサンドを使うことが多いです。粒が小さくて丸いので、コリドラスにもっとも適している砂といえるでしょう。 |
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ソイル | 飼育が難しい種類は水質を弱酸性で維持するのが必須で、ソイルは弱酸性を維持してくれるため管理が楽になります。デメリットは砂底を掘り起こしてしまうので、パウダータイプだと泥が水中を舞ってしまいます。底の掃除もしにくいので、底にたまった有害物質の影響を直接受けてしまいます。 |
コリドラスの飼育方法
コリドラスは丈夫な熱帯魚なので、初心者でも簡単に飼育することができます。混泳飼育をするときは、餌を食べられているか、こまめに確認してあげてください。
値段と販売場所
白コリドラスや赤コリドラスなど初心者にも飼いやすい種類であれば、値段は100円前後で販売されています。コリドラスジュリーやコリドラスパンダなどの人気種の値段は300円前後です。
野生で採集されたワイルド個体や高価格帯の種類の値段は1,000円~5,000円近くになります。このクラスは販売量が少ないので、熱帯魚専門店かネット通販で探すことをおすすめします。
おすすめのネット通販はcharmやかねだいです。どちらも多くのコリドラスを販売しており、珍しい種類を見つけることができますよ。
おすすめのレイアウト
コリドラスは水底を生活スペースにしている熱帯魚なので、障害物になる流木や水草は少なめにして、遊泳スペースを広めにとるシンプルなレイアウトが好まれます。30cmや45cmの小さめの水槽だと流木は1、2本におさえておきましょう。
シンプルにしつつも、フィルターの水の吐き出し口を底砂にして湧き水を作る遊びごごろのあるレイアウトが人気です。
コリドラスに限らずナマズの仲間は光が苦手なので、隠れ家になる土管が大好きです。他にも水草をいれたり、石組みをしてあげてくださいね。
水草水槽を作るときは、ソイルを全体に敷いて、そこに水草を植えます。中央の遊泳スペースにはプラスチックケースに川砂を入れて、砂場を作る方法がとられます。砂を掘り返して水草が引き抜かれることがあるので、注意しておきましょう。
飼育に適している水温
コリドラスに適している水温は22度〜26度になります。生息地の水温は22度前後とあまり高くありません。
高水温が苦手なので30度を上回ると危険です。夏場は冷却ファンが必要になります。低水温に強いですが最低でも18度は必要なので、冬は水槽用のヒーターをいれてください。
おすすめの餌と与え方
コリドラスの餌で一般的なものはコリドラス専用のタブレット人工飼料です。栄養価が高いので、これ一つで生涯飼育することができます。
大好物は冷凍アカムシが大好物です。たまに与えてあげると喜んで近づいてきてくれますよ。繁殖を狙うときには積極的にあげたい餌ですね。
餌の種類や量についてはコリドラスの餌で詳しく紹介しています。
かかりやすい病気と治療方法
コリドラスは丈夫な魚でめったに病気にかかりませんが、薬に弱く一旦病気になってしまうと治療が難しい魚です。ここではコリドラスがかかりやすい病気を紹介します。
多くの病気は水質の悪化によって引き起こされます。きちんと1週間に1回、1/3ほど交換して予防してあげましょう。また寄生虫や菌は30度前後の高水温と塩分に弱いので、治療薬がない時には試してみてくださいね。
phショック、水質悪化 | 特に病気にかかっている様子もないのに、コリドラスがひっくり返ったり、水面に浮いてしまっている時は、コリドラスが住める水質環境ではないことが考えられます。こうなってしまうと対応しようがありません。水換えは手順を守り、定期的に水換えをすることで予防してあげてくださいね。 |
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白点病 | 体中が白い点々に覆われてしまう病気で寄生虫が原因です。感染力が強いので、病気を確認したらすぐに別の水槽に隔離してメチレンブルーで薬浴してください。輸入されてきたばかりの個体が病気にかかっていることがおおいので、最初の1週間は注意して観察しましょう。 |
エロモナス病 | エロモナス菌が原因で、ウロコが逆立つ松かさ病や、目が飛び出すポップアイを引き起こしたり、体が赤くなって充血したりします。完治はほとんどできませんが、他の魚への感染を予防するために別の水槽に隔離しましょう。初期症状であれば、エルバージュで薬浴したら治せることがあります。 |
水カビ病 | 体中に白いワタのようなものが付着する病気で、細菌が傷口から侵入することが原因です。塩分に弱いので、濃度10%の水で1週間ほど飼育しましょう。 |
口ぐされ病、尾腐れ病 | どちらもカムナリス菌という細菌が原因の病気で、感染場所が口かヒレかという違いです。感染場所はボロボロになって、餌を食べられなくなったり、泳げなくなったりします。末期になると対応できませんが、初期症状であれば別の水槽に隔離してエルバージュで薬浴しましょう。 |
コリドラス特有の病気 | 体中に白い膜が付いているコリドラス特有の病気です。輸入された個体が菌を持っていることがあります。伝染力が強く水槽内のコリドラスがあっというまに死んでしまうことがあるので、購入はさけるようにしてください。 |
コリドラスと一緒に飼える混泳相手は?
コリドラスは温和な性格をしているに多くの熱帯魚と混泳することができます。
また、別種のコリドラスとも問題なく混泳することができます。個体によっては交雑してしまうので、繁殖を狙う時はやめておきましょう。
おすすめの混泳相手
生活スペースがかぶらない上層を泳いでいる金魚、メダカ、ネオンテトラ、グッピー、グラミー、エンゼルフィッシュがおすすめです。
コリドラスを主役にしたいときは、体色が地味なペンシルフィッシュなどを選びます。模様の違うコリドラス同士を混泳させると華やかになるでのおすすめです。コリドラスの種類をご参考ください。
混泳に向いていない魚
ベタやスマトラなどコリドラスを攻撃する魚や、コリドラスを食べられるポリプテルスなどの大型魚は混泳することができません。
エビなども問題ありませんが、体がぶつかってストレスになるので、できる限りやめておきましょう。
コリドラスの繁殖方法
コリドラスの繁殖は値段が500円以下の安価な種類であれば、比較的簡単に繁殖させることができます。
繁殖でもっとも重要なポイントは健康な親を育て上げることで、そのためにたくさん餌を食べさせる必要があります。
個体よって好物が変わってくるので、アカメやイトメ、栄養価の高いブラインシュリンプ、コリドラス専用の人工飼料など餌の種類を揃えて、何が好きかよく観察してあげてくださいね。
コリドラスの繁殖方法で詳しく紹介しているので、参考にしてみてくださいね。
コリドラスの魅力は可愛さだけじゃない!体を大きくしたり、群泳飼育を楽しもう
コリドラスは混泳水槽で寂しい水底用のマスコットとしてだけではなく、単独飼育でも魅力たっぷりの熱帯魚です。
5種類以上の模様が違うコリドラスを群泳させた水槽は、体色が派手で主張してくる熱帯魚ではできない楽しみ方ですし、違う種類なのに仲良く群泳している姿はまさに癒しです。
他にもしっかりと育て上げることで体は6cm近くなり、ショップで見るような3cmほどの大きさの個体とはその存在感は圧倒的に異なります。
楽しみ方もいろいろあるコリドラスをぜひ、飼育してみてくださいね。
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