ピンポンパールは丸くてとてもかわいい姿で、金魚の中でもダントツに人気の種類です。
今回はそんなピンポンパールについて生態や体の大きさ、おすすめの餌、病気、混泳相手など飼育方法を詳しく紹介していきます。
ピンポンパールの生態と特徴
ピンポンパールはピンポンのような体型に真珠(パール)を半分に切ったようなウロコが規則正しく並んでいることから名付けられました。正式名称はパールスケールやチンシュリンといい、真珠の鱗と書きます。この鱗は一度剥がれると再生しないので、体の傷や障害物には注意する必要があります。
リュウキンを品種改良した種類で、腹部をより丸く、頭を小さくなっています。丸くて可愛らしい姿で、大きな尾びれを動かして泳ぐ姿はとてもかわいいです。
寿命の長さ
ピンポンパールの寿命は4年〜5年ですが、最長だと10年は生きた記録があります。長生きさせる方法は金魚の寿命で紹介しているので、ご参考ください。
ピンポンパールの大きさ
ピンポンパールは平均して15cmほどの大きさになります。最初は5cmほどの大きさなので、ピンポン玉と言えますが、この大きさになるとソフトボール級です。
最大では25cmまで成長し、サッカーボールよりも少し大きいくらいまでなります。ここまでくるとかわいらいしい姿もなく、大迫力です。
大きくするためにはたくさんの餌と高い水温が大切です。一度にたくさんは食べられないので、1日4回餌をあげて、水温は27度をキープしてください。3年もあれば巨大にすることができますよ。
ピンポンパールの種類と特徴
ピンポパールは人気がある金魚なので、品種改良がさかんに行われています。
体色に着目した種類では虎柄、桜色、ピンク色、黒入りがいます。体系だと尾びれが長いロングテール、頭部の水泡が多いコウトウパール、目が少しだけ飛び出している出目パール、尾びれがフナ尾のちょうちんピンポンパール、体が1/3以下のまめピンポンパールなどがいます。
金魚は色が変化しやすく、黒色、茶色、赤色、白色の割合が変わることもよくあります。
ピンポンパールの飼育に必要な設備
必要な水槽の大きさ
ピンポンパールの飼育には最低でも45cm以上の水槽の大きさが必要です。飼育数は15リットルに対して1匹とが目安で、45cm水槽で2匹、60cm水槽で4匹、90cm水槽で10匹です。
上下に泳ぐのが苦手なので、可能であれば水深が浅いらんちゅう用の水槽がおすすめです。
金魚におすすめの水槽で紹介しているので、ご参考ください。
ろ過フィルターの選び方
ピンポンパールは泳ぐのが苦手なので、濾過器は水流を発生させないことが大切です。投げ込み式フィルターか上部フィルターで水流が発生しないように工夫してください。
水槽の立ち上げ方法
ピンポンパールの水槽立ち上げで最も大切なことは、立ち上げたばかりの水槽にはフンや餌の食べ残しなどの有害物質を分解してくれるバクテリアがいないため、水が汚れやすい環境にあるということです。
この状態でたくさんの数を飼育し始めると、すぐに水槽環境は悪化してしまうため、立ち上げの手順を守る必要があります。
- 水槽の置き場所を決める
- カルキを抜いた水道水を準備する
- 水槽とフィルター、照明をセットする
- 水道水をゆっくり入れる
- フィルターを動かして水の濁りを取る
- ピンポンパールを1匹いれる
- 週に1回水換えを行い、1ヶ月飼育する
- 飼育数を徐々に増やす
アクアリウム水槽の立ち上げ方でも詳しく紹介しているので、ご参考ください。
ピンポンパールの飼育方法
ピンポンパールは特殊な体型から、他の魚よりも飼育が難しい生き物です。特に長生きさせるためには、水の管理や混泳相手、環境を整えることが欠かせません。
値段と販売場所
ピンポンパールの値段は国産と外国産で異なります。国産は品質管理がされており、値段は高く1,000円〜2,000円、外国産は模様もまばらで500円〜800円で販売されているます。
大きく成長したピンポンパールが出回ることは少なく、どちらも6cm前後の幼魚で販売されています。体の丸さは遺伝によるので、最初から丸っこい個体を選ぶようにしてください。
水槽に入れる前にすること
まず最初にピンポンパールなどの金魚は体が丈夫なので、管理が徹底されていないことが多く、病気を持っている可能性が高いので、トリートメントをする必要があります。塩分濃度0.5%の水で5日間飼育すれば病原菌を殺すことができます。
次に水槽とショップの水は水温と水質の差があるので、水槽の水に慣らすために水合わせが必要です。
手順はピンポンパールが入った袋を浮かべて、30分おきに水槽の水を袋の中にいれる事を3回ほど繰り返せばいいですよ。
飼育に適している水温
ピンポンパーツに適している水温は15度〜28度です。水温の変化には弱いので、水槽は直射日光が当たらない場所に置いておき、24度前後を保てるようにしてください。
低水温に強く、5度以下になると冬眠することで越冬することができます。まったく動かなくなってしまうので、冬でも鑑賞したいときは水槽用のヒーターを準備しておいてくださいね。
季節別の水温対策については金魚の水温で詳しく紹介しているので、ご参考ください。
水槽のレイアウトはシンプルに
ピンポンパール水槽のレイアウトは餌の食べ残しが多く水が汚れやすいため、初心者は掃除のしやすさを重視して、底砂などなにもいれないベアタンクがおすすめです。特に流木や石組みなどは体がぶつかって怪我をする原因にもなってしまいます。
上下に泳ぐのが苦手なので、水位は20cm〜25cmくらいにすると調子がよくなります。これ以上の水位があっても問題ありませんが、疲れていたり、病気にかかった時は水位を浅くしてあげましょう。
飼育に慣れてくると、底砂を入れて、アナカリスなどの飼育が簡単な水草を数本いれておくといいですよ。金魚におすすめの水草で紹介しているので、ご参考ください。
餌は人工餌がおすすめ
ピンポンパールは泳ぐのが苦手なので、上手に餌を食べることができず、ゆっくりと沈む人工飼料が食べやすいです。
おすすめの餌はらんちゅうにも使われる咲ひかり金魚です。こちらの餌は栄養価が抜群で、赤色の色揚げ効果もあるので、メインの餌に使えます。
餌の頻度は1日に2回、1〜2分で食べきれる量を与えてくださいね。
おすすめの人工餌については金魚の餌でも詳しく紹介しているので、ご参考ください。
病気は転覆病に注意して
ピンポンパールなどの丸型の魚は転覆病にかかりやすいです。
転覆病とはたまにひっくり返って、水面に浮くようになる病気です。重度になると自分で水底に沈むことができず、餌を食べられなくなります。水温が急激に下がる冬に多く、消化不良が原因であると考えられています。
発症したときは水温が25度になるように徐々に上げていき、0.5%の食塩水で1週間塩浴してください。同時に5日ほど断食しましょう。
他の金魚の病気については金魚の病気10種類で詳しく紹介しています。
ピンポンパールの混泳といじめ対策
ピンポンパールは泳ぐのがとても苦手なので、メダカや他の金魚などの他の生き物と混泳をすると餌を取られたり、いじめられることが多く、混泳はやめておいてください。いじめの対策には、隠れ家になる水草を多めに植えたり、飼育数を増やして縄張り意識を減らしたり、レイアウトや水換えで環境をがらりと変えてしまうのが効果的です。
ピンポンパール同士であれば問題なく飼育できるので、群泳がおすすめです。
他にも生活スペースが異なるヤマトヌマエビや石巻貝も混泳が可能です。どじょうは水底で生活していますが、気性が荒いので、やめておきましょう。
ピンポンパールについてまとめ
今回はピンポンパールの生態や飼育方法についてまとめさせていただきましたが、いかがでしたでしょうか。
そのかわいさから衝動買いしてしまうこともありますが、他の魚よりも飼育が難しく、事前に知識を得ておくことはとても大切です。基本を押さえつつ、飼育を始めてみて、ピンポンパールライフを楽しんでくださいね。
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