琉金(リュウキン)は丸くてかわいい体に、長いヒレを漂わせながら、優雅に水槽を泳ぐ金魚です。室内飼育の観賞用金魚としてかなり優れており、飼育しやすいので初心者にもおすすめです。
今回はそんな琉金について値段や寿命、混泳できる魚、水槽の選び方、尾びれの種類など飼育方法を詳しく紹介していきます。
琉金ってどんな金魚なの?
琉金は和金から品種改良された金魚です。胴体は丸く膨らみ、尾びれは長く伸長しているのが特徴的です。ほぼ円形の個体もいるほどです。体が丸い理由は腸が長いからで、植物性の餌を与えることでさらに体が丸くなることがあります。
種類によって尾びれの形が変わっており、尾びれが大きい三ツ尾、四ツ尾、さくら尾があります。土佐金の尾びれは反転しており、反り尾といわれています。胴体が丸いので、泳ぎやすいように尾びれが長く発達してきました。立派な尾びれを見るために、横から鑑賞する水槽飼育に適しています。
体の大きさ
琉金の大きさは平均して10cmです。最大サイズだと20cmまで大きくなります。
金魚は餌の量によって大きさをコントロールしやすいです。大きくしたい時はたくさん餌をあげましょう。
寿命の長さ
琉金の寿命は平均で5年です。餌の量は少なめに、水質の管理をしっかりとできていれば、10年以上生きることもあります。
寿命が近くなると泳ぐは弱々しく、ヒレにハリがなくなり、ウロコのツヤがなくなってきます。
長生きさせるコツについては金魚の寿命で詳しく紹介しています。
琉金の種類
琉金からさらに品種改良が進められて、体をより丸くしたもの、体色を変えたもの、尾びれを短くしたものなど様々な種類がいます。
更紗琉金(さらさりゅうきん)
更紗琉金と琉金の違いは、更紗は透明なウロコの上に赤白がはいっているので、輝きとメリハリが強くなります。
一般的な更紗琉金は1,000円前後で販売されています。産地によってブランドがあり、赤色が濃い飯田産の琉金だと値段は4,000円前後になります。
キャリコ琉金
キャリコとは赤色と白色、黒色が3色混ざったまだら模様のことをさしています。性格は温和で10cmほどの大きさなので買いやすい種類です。
こちらもブランドで深見産という白色が濃い種類が人気です。
だるま琉金
だるま琉金は琉金をさらに胴体が短くなるように品種改良され、立派な体高へ育つようになった種類です。
トリカラーと言われる3色のカラーが入っている種類が人気で、特に黒色の量が多い個体は3万円を超えることも珍しくありません。
黒琉金
黒琉金は黒色の琉金で、なかなか見つけることが出来ない珍しい種類です。黒色と銀色がかった黒琉金が多いですが、稀に真っ黒な琉金もおり、かなりレアです。値段は3,000円以上で販売されています。
白琉金
白琉金は黒琉金ほど珍しくなく、頭部にオレンジがかっていることが多いです。白変種は体が弱いので、基本種よりも飼育は難しくなります。
ショートテール琉金
丸い体型をそのままに、長い尾びれが短くなった種類です。全体的に丸みを帯びている様子がかわいく、人気が高いです。しかし、泳ぐのがとても下手なので単独飼育してあげてくださいね。
琉金に必要な水槽と飼育設備
琉金は一般的な水槽セットで飼育することができます。初期費用では2万円ほどみておきましょう。金魚飼育セットとしてセット販売しているものを選ぶのもいいですよ。
必要な水槽の大きさ
琉金の体型を味わうためには横からの鑑賞がおすすめです。
透明度が高い熱帯魚用のガラス水槽を使いましょう。水槽サイズと飼育数は30cm水槽で1匹、45cm水槽で3匹、60cm水槽で5匹が目安です。
金魚の水槽の選び方で詳しく紹介しています。
ろ過フィルターの選び方
おすすめのフィルターは安価な外掛け式フィルターか投げ込み式フィルターです。琉金は泳ぐのが苦手なので、水面は波立たせず、水流を弱めにしてあげてくださいね。
蛍光灯
照明があると発色が良くなったり、水槽がはっきりと見えて鑑賞しやすくなります。長く点灯しているとコケが生えやすくなるので、点灯時間は9時間前後にしてください。
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水槽の蓋
水槽の蓋は、ほこりが入ったり、水が蒸発するのを防ぐのに必要です。特に冬場にヒーターを入れていると温度差でどんどん水が蒸発するため、蓋は必須です。
水温計
水の温度を測るのに使います。水温の変化は琉金の状態に大きく関わるので、毎日チェックしましょう。
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琉金の飼育方法
琉金は丈夫な魚なので、初心者でも飼育は簡単です。それでも管理を怠ると病気になってしまいます。しっかりと面倒を見てあげてくださいね。
値段と販売場所
一般的な琉金は200円〜300円の値段で5cm前後の個体が販売されています。少し珍しい種類だと500円〜800円、高価な種類だと値段は5,000円を超えてきます。
販売場所はホームセンターや金魚専門店、ネット通販を探してみましょう。
レイアウトはシンプルにして遊泳スペースを作る
琉金のレイアウトには水草、流木、アクセサリーが使えます。飾りは水槽の奥に置いて、真ん中は泳ぐスペースとして確保しましょう。
統一感が大切なので、人工素材、日本庭園、日本の川などテーマを決めて、飾るものを決めていきましょう。
主役は琉金なので、背丈が低いものを選び、数は少なめが基本です。
金魚におすすめの水草で紹介しているので、ご参考ください。
飼育に適している水温
琉金に適している水温は15度〜28度です。冬の寒さに強く、水温は1度以上あれば越冬することができます。しかし、10度を下回るとまったく動かなくなるため、冬も観賞したいときは、金魚用のヒーターを入れる必要があります。
日本の四季に適応しているので、ヒーターを入れる場合でも夏は28度、春と秋は23度、冬は15度と水温差をつけてあげることが長生きのコツです。
琉金の夏冬などの水温対策については金魚の水温でも詳しく紹介しているので、ご参考ください。
おすすめの餌の給餌方法
琉金は餌の好き嫌いが少ないので、どんな餌でもしっかりと食べてくれます。100均などの餌は栄養価が低く、短命になりやすいため、きちんとしたメーカーの餌を購入しましょう。
おすすめの餌は金魚用の餌で色揚げ効果もある咲ひかりです。ゆっくりと水に沈んで琉金に食べやすい餌ですよ。
餌の頻度は1日2回、1〜2分で食べきれる量を与えましょう。
餌の種類や与え方については金魚におすすめの餌でも詳しく紹介しています。
混泳相手の選び方
琉金は泳ぐのが苦手なので、混泳相手は同じくらい泳ぐのが苦手な魚を選ぶ必要があります。基本的に性格は温和ですが、気が強い個体もいるので、混泳を初めても、喧嘩をしていないか注意してください。
おすすめの混泳相手は同じ金魚だとらんちゅう、出目金、玉サバと混泳に向いています。生活スペースが下層のドジョウやヤマトヌマエビなどのエビ類だと食べ残しを処理してくれるのでおすすめです。
やめておいたほうがいい相手は和金など、体がしっかりとしており、水槽を泳ぎ回る魚です。近くで泳ぎ回られるとストレスを感じてしまいます。和金の体が一回り以上小さければ問題にはなりません。
金魚の混泳でも紹介しているので、ご参考ください。
かかりやすい病気と治療方法
琉金は飼育環境が悪くなると、病気にかかりやすくなります。週に1回は1/3の水換えを行なって新鮮な水を維持してあげましょう。
白点病 | 全身が白い点々に覆われる病気で、水温が15度前後に時にかかりやすくなります。感染力が強いので発症した個体はすぐに隔離して、1週間メチレンブルーで薬浴してください。 |
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尾腐れ病 | ヒレの先端が白く濁りながら溶けていく病気です。水質悪化によって発生したカナムナリスに規制されることで発症します。すべての水を交換して、発症した個体はグリーンFゴールドで薬浴して下さい。 |
転覆病 | 琉金に多い病気でお腹にガスが溜まることで、腹部が上にきてひっくり返った状態になります。低水温時やたくさん餌を食べた時に消化不良で発生します。水温を28度まであげて、1週間断食して様子をみてください。 |
松かさ病 | ウロコが逆立つ病気で、上から見ると松かさのように見えます。水質悪化によって発生したエロモナスに寄生されることで発症します。すぐに水槽の水をすべて交換してメチレンブルーで薬浴して下さい。 |
黒斑病 | 体の表面が黒くなる病気ですが、これは白雲病(しらくもびょう)が治っている時に出てくる症状です。完治とともに消えていくので心配する必要はありませんよ。 |
琉金の他の病気については金魚の病気でも詳しく紹介しています。
琉金についてまとめ
琉金はかわいらしい丸みを帯びた体型と、立派な尾びれを漂わせながら泳ぐ姿が人気の金魚です。上手に育てるとヒレはさらに伸長して美しく育ってくれます。
飼育はとても簡単で、手軽さがありながら、しっかりと愛情を持って育てるほど綺麗な姿を見せてくれるようになります。他の高級金魚にも負けない魅力たっぷりな魚ですので、ぜひ飼育に挑戦してみてくださいね。
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