アカメカブトトカゲはドラゴンのようなかっこいい体型と、小さくてかわいい体からペットとして人気があるトカゲです。しかし、飼育は難しく、安易に手を出すことはおすすめできません。
今回はそんなアカメカブトトカゲの生態や特徴、レイアウト、飼育環境、水場の大切さ、病気など飼育方法について詳しく紹介していきます。
アカメカブトトカゲの特徴
アカメカブトトカゲはトカゲ科カブトトカゲ属に分類されるトカゲの仲間です。インドネシアやニューギニアなどオーストラリアの上部に位置する、赤道に近い島に生息しています。
全身は黒色で目の周りがオレンジ色になっており、別名でベニメカブトトカゲとも呼ばれています。カブトトカゲの名前の通り、兜をかぶったような頭部をしています。
成長するにつれて、背中から尻尾にかけてかぎ状の突起が並び、体の側面にも小さなとげとげの鱗が発達してきます。
体の大きさ
アカメカブトトカゲの大きさは16cm〜20cmほどの小型のトカゲです。
寿命の長さ
アカメカブトトカゲの寿命は平均して5年です。飼育下で多湿な環境を維持するのは難しく、短命になることが多いです。
アカメカブトトカゲの生態
アカメカブトトカゲは湿気の多い水場近くの森林地帯に生息しています。
陰性のトカゲで、普段は日光を浴びることはなく、暗い落ち葉の下や土のくぼみの中でじっとしていて動きません。性格は臆病で、他の生き物を見つけるとすぐに隠れ家に逃げてしまいます。
ケージ内でも飼育者が近づくと逃げてしまったり、歩き回るトカゲではないので、積極的に鑑賞しあり、ふれあいを楽しみたい方には適しません。
夜行性で小型の昆虫を捕食しています。
アカメカブトトカゲの飼育環境
アカメカブトトカゲは小型のトカゲなので、初期費用で4万円もあれば十分です。飼育に必要なものを詳しく紹介していきますね。
必要なケージの大きさ
アカメカブトトカゲはケージを歩き回ることはないため、小型のケージで飼育することができます。大きさの目安は横幅で体調の2倍、奥行きで1倍あれば大丈夫です。目安として体長18cmの個体だと、36cm(横幅)×18cm(奥行き)以上あれば大丈夫です。
上からの接近を嫌うので、ケージは前びらきものをにしてください。また、水槽など密閉されるケージは、蒸れやすいので避けたほうがいいです。グラステラリウムなど爬虫類専用のものがおすすめです。
おすすめの爬虫類用ケージで紹介しているので、ご参考ください。
ケージに水槽を使いたいときは、脱走しないように網式の蓋にしておきましょう。おすすめの45cm水槽で紹介しているので、ご参考ください。
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ライトは観賞用に
アカメカブトトカゲは暗い環境で生活しており、日光浴をする必要がないため、照明を準備する必要はありません。といっても、暗くては鑑賞することができないため、紫外線などを含んでいない熱帯魚用の蛍光灯をいれておきましょう。
点灯時間は最高でも8時間として、鑑賞の時だけ点灯させる方法でも問題ありません。
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床材の選び方
アカメカブトトカゲの床材には保湿性が高い水ゴケや腐葉土、ヤシガラ土、ソイルなどを使います。水をしっかりと含ませて、床面が乾燥しないように注意して下さい。
フンを見つけたら、すぐに取り除くようにしてください。多湿な環境では床材に菌が繁殖しやすく、病気にかかりやすくなったり、臭いも強くなってきます。床材は年に2回は全交換して、清潔な状態を保ってくださいね。
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隠れ家になるシェルターは必須
野生のアカメカブトトカゲだと一日中隠れ家で休んでいることも珍しくなく、ストレスを感じやすいので隠れ家になるシェルターや樹皮のコルクは必ずいれてください。
シェルターから出てきてくれるかどうかは個体差になってきます。出てこないからといって、シェルターを無くしたり、強引に引っ張り出すのはやめてあげましょう。
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水浴びに使う水容器
水浴びをすることが好きなので、全身が入る大きさの水容器を用意してください。プラスチック製のタッパなど使うと便利です。水の中でフンをしたて汚してしまうため、週に3回はカルキを抜いた水に交換して、新鮮な状態を保ってあげましょう。
レイアウトはアクアテラリウムが似合う
アカメカブトトカゲのレイアウトは床材、シェルター、水容器といったシンプルなものから、生息地の環境に見立てたアクアテラリウム水槽が人気です。
アクアテラリウムとは陸地と水場が半々になっており、陸地にはたくさんの植物を植えます。本来爬虫類はよく動くので、植物は抜かれてしまいますが、アカメカブトトトカゲはおとなしいので、こういった複雑なレイアウトを楽しむことができます。広い水場があると、泳ぐ姿も見せてくれますよ。
アカメカブトトカゲの飼育方法
アカメカブトトカゲは湿度の維持や臆病で餌を食べないことがあり、飼育は簡単ではありません。
値段と販売場所
アカメカブトトカゲなどの爬虫類は対面販売が義務付けられているため、ネット通販で購入することはできません。販売量が少なく、ホームセンターにもなかなかいないため、爬虫類専門店で探しましょう。
値段は10cm前後のベビーが7,000円〜13,000円で販売されています。ペアで販売されていることもあるため、繁殖を狙うときは探してみてください。
なつくことはなく、ハンドリングは難しい
アカメカブトトカゲは臆病な性格をしており、ストレスを感じやすいため、ハンドリングで楽しむことはやめておいたほうがいいです。なつこともほとんどありません。
飼育を始めて1ヶ月は新しい環境に慣らすため、なるべく鑑賞したり触るのはやめておきましょう。そこから何度か餌を与えることで飼育者の匂いを徐々に覚えて、慣れていってくれます。捕まえても逃げる様子がなくなれば安心している証拠です。
人に慣らしておくことで、ハンドリングを楽しむほどにはなりませんが、脱皮の時の温浴やケージの清掃が楽になりますよ。ストレスを感じているときはギュウウウウと低い声で鳴き声を出すため、鳴き始めたらケージに戻してあげてください。
飼育に適している温度と湿度
アカメカブトトカゲに適している温度は25度〜28度です。
寒さには弱いので、冬はヒーターを用意してください。ヒーターはパネル式のものを購入して、ケージの下にいれることで、床面を温めます。床全体を温めると逃げ場がなくなるので、床の1/3ほど温まるようにしてください。
乾燥に弱く、湿度は50%〜70%を保つようにしてください。蒸れも弱いので、ケージの中は風通しをよくしましょう。
おすすめの爬虫類用ヒーターで紹介しているので、ご参考ください。
餌は昆虫がメイン
アカメカブトトカゲは肉食性なので、生きた餌を準備する必要があります。
餌には爬虫類餌として市販されているコオロギやデュビア、レッドローチ、ミルワーム、ハニーワームなどを与えます。特にイエコオロギは安価で入手もしやすいので、メインの餌に使えます。水場の多いレイアウトだと泳いでいるメダカも食べてくれますよ。
慣れてきたらピンセットから食べるようになるので、冷凍コオロギや冷凍マウスを与えるといいでしょう。個体によっては人工飼料であるレオパゲルを食べてくれることもあります。
生き餌だけでは栄養バランスに偏りが出てくるため、コオロギには人参などの野菜から爬虫類の人工餌をバランスよく与えて栄養満点にしておきましょう。トカゲにあげる直前には専用のカルシウム剤をまぶしてくださいね。
餌の頻度は2日に1回、2〜3匹ほど与えて下さい。
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多頭飼いできるの?
アカメカブトトカゲはおとなしい性格をしているため、多頭飼いをすることができます。45cmのケージで2匹、60cmのケージだと5匹ほど飼育することができます。
お互いに見られるのを嫌がるので、落ち葉や流木など障害物を多めにいれてあげてください。
フィルターの中が取り合いになるので、休めていない個体が出てきていないか確認しましょう。またフン量も増えるので、こまめに掃除してくださいね。
慣れてきたら繁殖も狙おう
アカメカブトトトカゲはペアで飼育することで、比較的容易に繁殖をさせることができます。
性別の見分け方は後ろ足の薬指と中指の付け根が白くなっているのがオスで、色の変化がないのがメスです。成熟してくると自然と色の違いがでてきます。
卵は樹皮コルクの裏などに1個〜3個ほど産み付けます。卵を見つけたら別のケージに移動させて、同じ湿度や温度を維持することで、2ヶ月ほどで孵化します。
子供には小さな生き餌を与える必要があるので、ハニーワームやデュビア(ゴキブリ)を自家繁殖しておきましょう。
かかりやすい病気と死因
アカメカブトトカゲは他の観賞用トカゲよりも病気にかかりやすいため、飼育には注意が必要です。
拒食 | 拒食は臆病な個体に多く、飼育を始めてからまったく餌を食べない時があります。湿度と温度を確認して、問題ない状態で1週間以上の拒食が続いたら強制給餌を行います。コオロギやクラブパイなどのトカゲ専用人口餌、カルシウム剤、水をすり鉢で粉々にして、スポイトで強引に口の中に入れます。 |
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皮膚病 | 皮膚病はアカメカブトトカゲなどの水が好きな生き物に多い病気です。水には多くの菌が発生しており、それが体に付着していきます。1ヶ月に1回は25度前後の水に温浴させて、歯ブラシで汚れを擦り落としてください。 |
突然死 | 突然死で一番多い原因は栄養不足です。シェルターに隠れていることが多く、餌を食べるのは夜間のため、多頭飼いをしているときは、きちんと餌を食べ得られているのか確認できないことが多いです。痩せていても見た目で大きく変わったりしないので、体重計をつかって測ってあげることも大切です。 |
アカメカブトトトカゲについてまとめ
アカメカブトトカゲはドラゴンのようなかっこよさと、小型のトカゲというみための可愛さから人気を高めてきたトカゲです。
しかし、多湿な環境を好む性質から、慣れないうちは飼育に戸惑ってしまうことが少なくありません。さらに臆病な性格で拒食を引き起こしたり、観察のし辛さも出てきます。それほど苦労した子が慣れてくれて、ハンドリングを楽しめるまでなったら、飼育者としてこれほど嬉しいことはありません。
決して上級者にしか飼育できない生き物というわけではないので、しっかりと情報を得て、飼育に挑戦してみてくださいね。
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