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カナヘビの飼育方法|寿命や大きさ、温度、噛むことはある?

2019-04-24

カナヘビは日本人に馴染みの深い爬虫類で、たまにみつけるとおっとなることがありますよね。珍しさもさながら、顔つきはシャープでつぶらな瞳がとてもかわいいトカゲです。

今回はそんなカナヘビの生態や特徴、生息地、脱皮、なつかせる方法、冬眠など飼育方法について詳しく紹介していきます。

カナヘビとは?

カナヘビの飼育

カナヘビはカナヘビ科カナヘビ属に分類されるトカゲの仲間です。生息地は北海道から本州、四国、九州地方と日本全国に幅広く分布しています。

背中のウロコはざらざらしており、体色は薄茶色で、腹部は薄黄色になっています。英語ではロングテールラセルタと呼ばれており、体長の2/3は尻尾になっています。この長い尾を使うことで細い木の枝も上手に登ることができます。

体の大きさ

カナヘビの大きさは15cm〜20cmほどになります。

寿命の長さ

カナヘビ

カナヘビの寿命は平均して7年です。飼育下では長生きで10年ほど生きた記録があります。

手を噛むことがある?

カナヘビは臆病な性格なので、自分から攻撃してくることはありませんが、餌と間違えて指を噛まれることがありました。歯は短く、噛まれても少し痛い程度ですので、気にしなくて大丈夫です。

カナヘビとトカゲの違い

ニホントカゲ

※画像はニホントカゲです。

カナヘビはよくニホントカゲと混同されますが、全く別の生き物です。体型や生態の違いもありますが、一番わかりやすいのは体色の違いです。ニホントカゲの幼体はとても美しく、胴体に黒色をベースに黄色のラインが入っており、尻尾は鮮やかな青色になっているのに対して、カナヘビは茶色です。

ニホントカゲの特徴と飼育方法で詳しく紹介しています。

カナヘビの生態

カナヘビの飼育

カナヘビは人里や草原などの低地を好んで生息しています。

昼行性のトカゲで、日が昇るとコンクリートや石の上、木に登って日光浴をして体を温めます。その後、落ち葉や地表を活発に動き回り、餌となる昆虫を探し始めます。夜は石の隙間や落ち葉の間で寝ています。

天敵に襲われた時は、尾切りをして、尾がじたばたと動いて天敵の注意がそっちにいっている間に、逃げようとします。素手で触る時は尻尾を掴まないように注意してください。

2ヶ月に1回は脱皮をする

カナヘビは体が成長すると、古くなった皮を脱ぎ捨てるために脱皮をします。脱皮の頻度は子供だと月に2回、大人だと2ヶ月に1回のペースで行われます。脱皮の時間は1日以上かかることが多いので、すぐに古い皮が脱げなくても心配しないでください。

ケージの湿度が不足している脱皮不全といって、皮が余ることがあります。これを放置していると皮のある部分が壊死してしまうことがあるため、25度前後のぬるま湯で温浴して皮をこすり落とす必要があります。

繁殖方法

カナヘビは生後1年で産卵が可能になり、気温が暖かくなる3月から8月にかけて繁殖を行います。1回の産卵で4個前後の卵を地表に産みます。卵は乾燥しないように、毎日霧吹きで水滴をつけてあげましょう。2ヶ月で孵化が始まります。

冬は冬眠して越冬する

カナヘビは越冬をすることができるトカゲで、気温が15度を下回る11月から3月にかけて冬眠を行います。冬眠は石の隙間や土の中などで行います。

冬眠前には餌をたくさん食べて、カロリーを食い貯めておく必要があります。冬眠から明けたらすぐに餌を与えていきましょう。

飼育下で冬眠をさせると温度の管理や餌不足で死ぬことが多く、ヒーターで温度を一定に保つ方が簡単です。

カナヘビの入手方法

カナヘビの飼育

カナヘビを入手するためには自分で捕まえる方法と購入する方法の2つがあります。捕まえることに自信がなければ、購入するのがおすすめです。

野生での捕まえ方

カナヘビは朝になると日光浴のために見つけやすい場所で止まっているため、捕まえに行く時は朝の時間帯を狙います。

警戒心が強く、人間が接近するとすぐに逃げ出してしまうため、捕まえるにはなんども挑戦して感覚をつかんでいかなければいけません。ゆっくりと後ろから近づいて、尾切りされないように、腹部めがけて手で押さえつけます。

お店で購入する

カナヘビは活発になる春から夏にかけてホームセンターなどで販売量が増加してきます。値段は1匹あたり800円前後ですので、こちらで入手するのは簡単でおすすめです。

カナヘビの飼育に必要な設備

カナヘビの飼育

カナヘビは虫かごで飼育している方も多いですが、活発に動き回る習性があるため、飼育容器としては小さすぎます。長期飼育をねらっているときは、次に紹介する器具をしっかりと準備しましょう。

必要なケージの大きさ

カナヘビは運動量が多いため、横幅で60cm以上のケージを用意してください。縄張り争いはしないため、3匹ほどでの多頭飼いがおすすめです。

ケージは風通しがいい爬虫類専用のケージや、大型の虫かごでも問題ありません。少しでも隙間があると脱走してしまいますが、呼吸ができるように密閉しないように注意してください。

本格的にレイアウトや観察を楽しむなら爬虫類用ケージの方が良いです。おすすめの爬虫類用ケージで紹介しているので、ご参考ください。

ライトは紫外線とバスキングが必要

カナヘビの飼育

カナヘビは日光浴を好んでおり、バスキング用の照明と紫外線を含んだUVライトの2つを準備します。

バスキングライトとは35度前後のバスキングスポットを部分的に作り出し、体を温めてくれます。UVライトはビタミンの生成に必要です。点灯時間は日光浴の時間と同じく、8時間を目安にして下さい。

体は丈夫なので、長期間の飼育を目指していない時はこれらのライトを使用しなくても飼育することができますよ。ライトをつけるときは、虫かごなどのプラケースではなく、熱に強いガラスケージが必要です。

カナヘビのライトについては爬虫類に必要なバスキングライトと紫外線ライトで詳しく紹介しているので、ご参考ください。

床材の選び方

床材は保湿性が高いヤシガラマットや赤玉土を使います。どちらもホームセンターで容易に入手することができます。床材がないとガラス面でつるつると滑り、足腰が悪くなるので、かならず何か敷いてあげましょう。

水浴びのための水容器

カナヘビは水浴びをしたり、飲み水として使うため、全身が入る大きさの水容器が必要です。プラスチック製のタッパなどが便利です。水は汚れやすいので、毎日交換してください。

たまに水容器から水を飲まない個体もおり、そんなときは霧吹きで落ち葉などを濡らすことで水滴を舐めてくれます。

カナヘビの飼育方法

カナヘビの飼育

カナヘビは体が丈夫なので、飼育は難しくありません。それでも野生の個体は性格のムラがはげしく、どうやっても飼育できない子とかもでてきます。これは無理だ!と思ったら、粘らずにすぐに逃がしてあげましょう。

なつくことはある?

カナヘビはなつくというよりもなれるという方が正しいです。爬虫類は匂いや音によって周りの環境を判断しており、飼育者の匂いに慣らすことで警戒心を減らすことができます。

同時に地表を動き回る習性のため、ピンセットで直接の餌やりに挑戦できる機会が多く、慣らしやすい生き物です。なんどもピンセットから餌を与えていると指を餌と間違って噛まれることもあります。力は弱いので、痛くもなく、むしろほほえましいくらいです。

素速く動き回るため、ハンドリングを楽しむのは難しいです。

レイアウトは落ち葉で隠れ家を作ろう

カナヘビは臆病な性格をしているため、隠れ家が多いレイアウトにすると落ち着いてくれます。落ち葉をたくさんいれて、立体移動できるように枝を何本か立てかけておきましょう。

しかし、この環境では隠れてばかりで観察は難しいです。ケージでの飼育に慣れてきたら、落ち葉の量を徐々に減らして、環境に慣らしていってくださいね。

飼育に適している温度

カナヘビに適している温度は24度〜27度です。夜間は20度に、バスキングスポットは35度にしてメリハリをつけることが大切です。しかし、温度の適応範囲は広いため、そこまで神経質になる必要はありません。

冬になると全く動かなくなるため、鑑賞用として飼育するのであればパネルヒーターを入れて、底面の1/3ほど温めるようにしてください。底面すべてを暖めると、暑い時に逃げ場所がなくなるので全面を温めてはいけません。

おすすめの爬虫類用ヒーターで紹介しているので、ご参考ください。

餌は昆虫などの生き餌を用意する

クモ

カナヘビは完全な肉食性で、飼育下では生きた昆虫を与える必要があります。

おすすめの餌は爬虫類用餌として販売されているコオロギミルワーム、ミルワーム、ハニーワームなどです。虫が多い春や夏などであれば、捕まえた昆虫をひたすらに与えてみて、何を食べるのか試してみるといいでしょう。

カナヘビにおすすめの餌で詳しく紹介しているので、ご参考ください。

カナヘビについてまとめ

カナヘビの飼育

カナヘビは身近に生息している生き物で、子供の頃に捕まえて飼育したことがある人もいるのではないでしょうか。私の子供時代で一番好きな生き物はカナヘビで、捕獲するための技術を身につけて、通算で50匹以上は捕まえてきたと思います。

そのなかで3匹ほど飼育していたのですが、そのうちの1匹が白い卵を産んでいる姿を見たときの感動はいまでも忘れられません。結局は原因不明で孵化しなかったのですが、あのときに今ほどの知識があり、しっかりと飼育できていれば結果はわかっていたのかなと後悔しています。

コツさえわかっていれば、飼育は難しくなく、お子様でもしっかりと飼える生き物ですので、ぜひ挑戦してみてくださいね。

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  • この記事を書いた人

高木 浩二

ペットの中でも熱帯魚が一番好きで、飼育履歴は10年以上あり、ペットショップでアルバイトをしていました。今は多くの書籍やショップ店員との交流で最新情報をアップデートしています。あいまいな情報をなくして、はっきりと最後まで責任を持って飼育ができるのかどうかイメージを湧いてもらえるようにしていきます。正しい情報の掲載に努めてまいりますので、よろしくお願いいたします。

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