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ニホントカゲの飼育方法|珍しさや寿命、餌、大きさは?

2019-03-30

ニホントカゲはカラフルな見た目とかわいい顔つきで、日本の民家にもよく出没する身近な爬虫類です。しかし、飼育は難しく、軽い気持ちでペットにすることはおすすめできません。

今回はそんなニホントカゲについて生態や特徴、カナヘビとの見分け方、寿命、餌など飼育方法について紹介していきます。

ニホントカゲの特徴

ニホントカゲの飼育

※画像はニホントカゲの幼体です。

ニホントカゲはトカゲ亜目トカゲ科トカゲ属に分類されるトカゲの仲間です。北海道から本州、沖縄などの日本国内だけではなく、ロシアにも生息しています。

西日本に生息するニシニホントカゲ、東日本やロシアに生息するヒガシニホントカゲは遺伝的に異なりますが、見た目にはほとんど差がありません。

体色は光沢があり鱗はツヤツヤで滑りやすいです。ニホントカゲの幼体は黒褐色をベースに5本の黄色いラインが頭部から尾の付け根まで続いており、尻尾は綺麗なメタリックブルーになっています。ニホントカゲは成体になると色が変わります。メスはメタリックブルーが薄くなる程度ですが、オスは茶褐色に黒褐色の模様が入る地味な色へ変化します。幼体の頃がもっとも明るい色をしています。

体型はずんぐりとしており、太さがあります。指先は細長く、先端のかぎ爪が発達しています。このかぎ爪で木登りや水平なコンクリート壁も自由に登ることができます。

体の大きさ

ニホントカゲの大きさは、頭部から尻尾の先までで平均して15cm、最大だと25cmまで成長します。メスの方が体は一回り太く、迫力があります。

寿命の長さ

ニホントカゲ

ニホントカゲの寿命は平均で5年です。最長だと10年ほど生きることができます。飼育下では餌不足と運動不足に注意することで、長生きさせることが出来ます。

ニジイロトカゲと呼ばれることも?

ニホントカゲ

子供のニホントカゲの尻尾の色はとても美しく、見事なグラデーションになっている個体もいます。特に美しい個体はニジイロトカゲという愛称で親しまれており、スピリチュアルなところでは、出会えたら幸運の兆候とも言われています。

ニホントカゲの生態と習性

ニホントカゲの飼育

ニホントカゲは地表での生活がメインですが、たまに低い木に登ることがあります。普段は日光浴をしているか捕食のために歩き回っているのかのどちらかで、敏捷性が高く、素早い動きで敵から逃げたり餌を捕食をすることができます。

完全な肉食性で餌はクモ、バッタ、アリ、コオロギなどの小型の昆虫を捕食します。

石垣や落ち葉、草木が多い場所、木の付け根などの隠れ家が多くて入り組んだ場所をすみかにしています。餌を探すときも隠れ家が多い場所からは離れません。

ニホントカゲの捕まえ方

ニホントカゲを捕まえる時は頭部から接近すると確実に逃げられるため、後ろに回り込んで、前足を狙って素早く手で押さえつけましょう。このときに尻尾を捕まえてしまうと尾切りしてしまうので注意が必要です。

冬の時期は冬眠する

ニホントカゲは気温が15度を下回る11月から3月にかけて冬眠を行います。冬眠は土中や石の隙間で行い、その間は仮死状態になるので全く動きません。

ニホントカゲとニホンカナヘビの見分け方

ニホンカナヘビ

※画像はニホンカナヘビです。

ニホントカゲと混同しやすい爬虫類にニホンカナヘビがいます。どちらもトカゲとして名が通っており、カナヘビという名前を知っている方が珍しいですね。

ニホントカゲとニホンカナヘビは体色が大きく異なるので簡単に見分けることができます。ニホンカナヘビは表面がザラザラしており濃い茶色をしています。

ニホンカナヘビの方が尻尾が長く、ニホントカゲは全長の半分が尻尾なのに対して、2/3ほどあります。

カナヘビの特徴と飼育方法で詳しく紹介しているので、ご参考ください。

ニホントカゲの飼育に必要な設備

ニホントカゲの飼育

ニホントカゲはたくさん動き回るので、体が小さい割には大きなケージが必要になります。

必要なケージの大きさ

ニホントカゲは地表で生息する爬虫類なので、ケージは床面積が広くて高さの低いものがおすすめです。ケージの大きさは最低でも横幅は60cmで、前開きのものを選んでください。

風通しの良い環境を好むので、上部と側面が金網になっているものが理想です。脱走しやすいので、開閉するときに逃げられないように注意してください。

収容するくらいなら小型プラスチックケースでもいけそうですが、ストレスがたまり拒食症で餌を食べなくなるなど、長期間飼育することができません。

本格的にレイアウトや鑑賞を楽しむなら爬虫類専用のケージがおすすめです。おすすめの爬虫類用ケージで紹介しているので、ご参考ください。

ライトは紫外線とバスキングの2つが必要

ニホントカゲの照明は紫外線を含んだUVライトとバスキング用の照明の2つが必要です。

紫外線はカルシウムの吸収に必要なビタミンを作るため、紫外線が不足するとクル病などの骨の病気を引き起こします。準備できない時は毎日3時間ほど日光浴をさせてください。

爬虫類の仲間は日光浴で体を温めてから活動を開始します。そのため飼育下でもバスキングスポットと呼ばれる30度〜35度高温地帯を部分的に作る必要があります。

ニホントカゲのライトについては爬虫類に必要なバスキングライトと紫外線ライトで詳しく紹介しているので、ご参考ください。

床材の選び方

床材は滑らず、吸水性のいいものを選びます。おすすめはヤシガラマットですが、新聞紙やペットのトイレシート、落ち葉でも大丈夫です。フンをした時はこまめに交換するようにしてください。

落ち葉を使うときも、フンや菌がたまっていきますので、月に1回はすべての落ち葉を交換するようにしてくださいね。

水浴びできる大きさの水容器

水容器は水を飲むためだけではなく、脱皮に必要な水分を補う役割があります。全身が浸かる大きさの水容器を準備してあげてください。カルキを抜いた水道水を2日に1回交換してあげてくださいね。

レイアウトは隠れ家をたくさん用意する

ニホントカゲ

ニホントカゲは臆病な性格をしているため、最初は隠れ家になる石組みや流木をたくさん入れてあげてください。

そのままでは観察することも難しいので、飼育環境に慣れてきたと思ったら、隠れ家を少しづつ減らしていきましょう。ニホントカゲはなつくことはないので、完全に隠れ家をなくすのはやめてください。

ニホントカゲの飼育方法

ニホントカゲの飼育

ニホントカゲは体が丈夫で飼育しやすいですが、餌は生き餌を準備する必要があるので、軽い気持ちで飼育することはできません。成体と幼体の飼育方法は大きく異なりませんが、幼体の方が餌不足や温度などの環境への適応力は弱くなります。飼育に大切なポイントをそれぞれ紹介していきますね。

値段と販売場所

ニホントカゲはほとんど販売されていないので、欲しい時は野生で捕まえにいくほうが早いです。とはいえ簡単に見つけられるものではなく、草木の多い場所をひたすらに探す必要があります。

部分的に日がさしており、落ち葉の多い公園が狙い目です。

まれにホームセンターなどで販売されている個体だと、値段は1,000円ほどになります。

飼育に適している温度

ニホントカゲの飼育

ニホントカゲに適している温度は20度〜27度です。

飼育下で冬眠させるのは難しいので、冬はパネル式のヒーターをケージの下に設置して底面を温めてください。最低でも20度は保てるようにしてくださいね。

ケージ内の蒸れに弱いので、風通しがいい場所にケージを置いておきましょう。屋外飼育では直射日光に当てると暑くなりすぎるので、日陰の下に置いておきましょう。

おすすめの爬虫類用ヒーターで紹介しているので、ご参考ください。

飼育に適している湿度

ニホントカゲに適している湿度40%〜60%です。床が乾燥してきたなと思ったら、数回ほど霧吹きしてあげましょう。頻度は1日1回が目安です。

餌は昆虫がメイン

クモ

ニホントカゲは基本的には生きた餌しか食べないため、体が小さくて入手が簡単なイエコオロギかミルワームが主食になります。ネット通販やホームセンターで1匹10円ほどで販売されているので、それを入手してください。慣れてきたら自家繁殖をしてコストカットしていきましょう。

他にも小さいバッタやクモを食べるので、時期があえば捕まえにいきましょう昆虫食だけではカルシウム不足になるため、専用のカルシウム剤を昆虫にまぶしてから与えます。

可能性は低いですが、個体によっては小さく刻んだ鶏肉やレオパゲルなどの人工飼料を食べることがあるので、試してみるといいですよ。

餌の頻度は子供の時はコオロギと一緒に生活させて食べたいときに食べさせる、大人になると2日に1回、量は体の大きさにあったコオロギを1匹与えてくださいね。餌の大きさは頭部の1/3の大きさが目安です。

ニホントカゲの餌についてはカナヘビと同じです。カナヘビの餌で詳しく紹介しているので、ご参考ください。

多頭飼いできる?

ニホントカゲのオスは縄張り意識が強く、単独でしか飼育できません。自分のテリトリーに侵入してきた相手はしつこく追いかけ回して殺すことがあります。

ニホントカゲについてまとめ

ニホントカゲの飼育

ニホントカゲは見た目が綺麗なだけではなく、捕まえる難しさや、見つけにくさから憧れの生き物でもありました。

身近な生き物でありながら大きなケージがいることや生き餌を準備するなど長期飼育は簡単ではありません。短期間でも無理なく飼育できるのはせいぜい1週間程度でしょう。飼育環境が準備できない時は早めに逃がしてあげてくださいね。

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  • この記事を書いた人

高木 浩二

ペットの中でも熱帯魚が一番好きで、飼育履歴は10年以上あり、ペットショップでアルバイトをしていました。今は多くの書籍やショップ店員との交流で最新情報をアップデートしています。あいまいな情報をなくして、はっきりと最後まで責任を持って飼育ができるのかどうかイメージを湧いてもらえるようにしていきます。正しい情報の掲載に努めてまいりますので、よろしくお願いいたします。

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