コオロギは爬虫類や両生類用の餌としてよく使われる餌ですが、一度も自宅で飼育したことがない人にとって、大量のコオロギを飼育するのは不安になるかと思います。
今回はそんなコオロギの餌用として販売されている種類や鳴き声、生存率を上げるコツ、必要な容器、餌など飼育方法について紹介していきます。
コオロギとは?
コオロギは昆虫綱バッタ目キリギリス亜目に分類される昆虫です。
日本でも草むらや森林、洞窟などいたるところに生息しているので、活動が活発な春~秋にかけて簡単に捕獲することができます。夜行性で暗い環境を好んでおり、岩陰や流木の下で休んでいることが多いです。
雑食性ですが、獰猛な性格をしています。ミミズやバッタなどの小型の昆虫を襲うだけではなく、共食いするほど肉食性に偏っている種類が多いです。
体色は茶褐色から黒色で、頭部は固く、頭部から生えた長い触角でまわりの環境を探っています。後ろ足は大きく発達しており、天敵からジャンプして逃げるときに役立ちます。
コオロギの種類
餌用のコオロギとして普及している種類は2種類です。
基本的にはイエコオロギが使われることが多いですが、飼育しているペットに合わせて切り替えていくといいですよ。
ヨーロッパイエコオロギ
ヨーロッパイエコオロギは茶褐色のコオロギで、最大でも2.5cmの小柄な種類です。
乾燥した環境に強いので、飼育ケージを清潔に保ちやすく、フタホシコオロギよりも丈夫で飼育しやすいです。
繁殖力が高く、過密飼育でも共食いしにくいので、自家繁殖にうってつけです。しかし、小柄で移動速度が速かったり、ジャンプ力があるので脱走には注意が必要です。
ヤドクガエルやタイガーサラマンダーなど小柄な生き物や、各生き物の子供のころの餌として重宝されます。
フタホシコオロギ
フタホシコオロギは黒色のコオロギで最大で3cmと一回り大きくなります。
日本を含む東南アジアに生息しており、イエコオロギよりも多湿な環境を好んでいるため、水切れには注意が必要です。
体が大きい分、ジャンプ力が小さかったり移動速度が遅いので捕獲が簡単です。
肉付きがしっかりとしているので、フトアゴヒゲトカゲやツノガエルなどの中型のペットにおすすめの餌です。
コオロギを餌用にするときの注意点
コオロギは繁殖が簡単で、両生類や爬虫類に与えるエサとして代表格ですが、餌として自宅で飼育するときや与えるときの手間の部分を紹介しておきます。
- 鳴き声がうるさい
- 共食いをする
- ペットを傷つける
下の2つの問題に関しては飼育方法を見直すことでなんとかなりますが、鳴き声だけは人が耐えられるようになるしかありません。
鳴き声がうるさい
コオロギのオスは夏~秋にかけて繁殖のために鳴き声を出すようになります。
数匹程度の鳴き声であれな美しいものかもしれませんが、百匹近くになると騒音で近所迷惑の心配もしなければなりません。
フタホシコオロギよりもイエコオロギの方が鳴き声は小さめです。
共食いをする
コオロギはタンパク質が不足すると共食いを始めます。
過密飼育をしていると、共食いは起きるものとして考えておいたよいです。餌をしっかりと食べさせることでなんとか減らせるようにしていきましょう。
ペットを傷つける
コオロギは強力な顎をもっており、かなり獰猛な性格をしているため、ペットのケージに放っていると、ペットの体に噛みついて怪我をさせることがあります。
後ろ足も強力な武器なので、後ろ足を切り離してからピンセットで直接食べさせる方法がおすすめです。
コオロギの飼育に必要なもの
コオロギの飼育容器はとてもシンプルなもので、全部で2000円もあれば十分にそろえることが出来ます。
飼育環境を作る上で意識しておいて欲しいのは次の2つです。
- 蒸れがない風通しのいい環境
- 水切れは絶対禁止
それでは飼育に必要なものについて紹介していきます。
飼育ケージの大きさ
コオロギの飼育ケージは脱走しないように、ツルツルとしたプラスチックケースを使います。
本格的に餌用として飼育するのであれば、横幅で70cm程度の衣装ケースがニトリやホームセンターで販売されているので、それを購入しておきましょう。
適している湿度は50%以下であり、ケージ内の蒸れには弱いので、蓋をするときはメッシュ式の風通しが良いものか蓋に穴を開けるなど工夫をしましょう。
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水容器
コオロギは水が不足するとすぐに死んでしまうので、水容器はとても大切です。しかし、泳ぐことができないので、少しの水でも溺れてしまいます。
水容器にウールマットやミズゴケ、赤玉土をぎっしりと詰めておき、乾燥しないように毎日霧吹きをしましょう。体が濡れるのを嫌がったり、ケージの蒸れにとても弱いので、水が水容器からはみ出さないように注意してください。
フンで汚れてくるので、2週間に1回は全交換するようにしてくださいね。
床材
コオロギはフンをよくするため、掃除しやすいように床材は何も入れない方がいいです。
ただし、プラスチックの床面では歩きにくいので、隠れ家になるものをたくさんいれることでカバーします。
隠れ家
コオロギの隠れ家には次の2つの役割があります。
- 落ち着ける場所をつくる
- 移動できる表面積を増やす
よく卵のパックが使われますが、これは表面積を増やすために使います。他にも落ち葉や流木など、かさばらずに大きな物をいれておくといいですよ。
新聞紙は乾燥しづらく、濡れるとコオロギが苦手な多湿な環境になりやすいので、おすすめできません。
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コオロギの飼育方法について
コオロギの普段の世話としては次の3つを日課としておけば、ほとんど放置状態で飼育することができます。
- 餌をあげる
- 水をあげる
- 掃除をする
もっとも重要なのが水切れの防止ですので、最初はこまめに水容器をチェックして、乾燥しないように注意しておきましょう。
値段と販売場所
コオロギの値段はSサイズの小さいコオロギだと100匹単位で、1匹あたり15円。大きいサイズだと20匹単位で1匹あたり50円ほどで販売されています。
餌としてそのまま食べさせるときは、飼育しているペットに合っている大きさのコオロギを購入します。
繁殖させるときは大きなサイズのコオロギを50匹ほど購入しておきましょう。
適している温度
コオロギに適している温度は20度~32度と適応範囲はかなり広いです。
冬はパネル式ヒーターをケージの側面に設置してケージ内全体を温めるようにしてください。
おすすめの餌
コオロギは雑食性でどんな餌でもよく食べてくれますが、飼育数が多くてたくさんの餌を食べるので餌切れには注意が必要です。
メインはラビットフードやドックフードなどの安くて乾燥している人工餌を砕いたものを与えます。たまにニンジンやほうれん草、きゅうりなどの野菜の切れ端を水気を拭き取ってから与えましょう。
餌は床材にそのままおいておけば問題ありません。
餌用コオロギではなく、大切に飼育したいときは昆虫ゼリーやコオロギ専用の人工餌など栄養価が高い餌を与えます。
餌不足になると共食いをしはじめるので、毎日1回はしっかりと餌を与えるようにしてください。
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ケージの掃除
コオロギのケージはフンや死骸、脱皮後の殻でケージの環境が悪化しやすいので、週に1回は掃除をする必要があります。
掃除は床にたまっているゴミを取り除くだけで大丈夫です。隠れ家になるものを全て取り出し、刷毛でゴミを集め、そのままティッシュでつかんで捨てましょう。
コオロギの繁殖方法
コオロギは湿っている土の中に産卵を行うので、繁殖させるためには、これまでに説明した飼育方法とは別に産卵用の場所が必要になります。
大きめのタッパを用意して、土を5cmほどの厚みにして、霧吹きでしっかりと湿らせた状態で1週間ほどおいておけば産卵してくれます。土の代わりにティッシュを何層にも重ねていれてもOKです。
産卵から2週間程度で孵化が始まるので、親と同じ餌をバラバラにくだいたものをあげてください。
赤ちゃんも水切れに弱いので、水の管理は徹底して行いましょう。少しの水滴でも溺れてしまうので、直接水がかからないように注意してくださいね。
コオロギの飼育の注意点まとめ
今回はコオロギの飼育方法について紹介していきましたが、いかがでしたでしょうか。
爬虫類や両生類など、活きた昆虫を主食にするペットには必須のコオロギですが、たくさんの飼育数を維持するのは慣れが必要です。
最初に何匹か死んでしまうのは仕方の無いことですので、水切れとケージ内の蒸れには注意しつつ、自家繁殖に挑戦してみるといいですよ。
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