ヒョウモントカゲモドキはペットとして飼育できる爬虫類の中でダントツの人気を誇っているヤモリの仲間です。姿のかわいさや飼育のしやすさ、なついてくれた時のふれあいなど楽しいポイントがたくさんあります。
今回はそんなヒョウモントカゲモドキの生態や特徴、種類、モルフ、飼育環境など飼育方法について詳しく紹介していきます。
ヒョウモントカゲモドキの特徴
ヒョウモントカゲモドキはトカゲモドキ科アジアトカゲモドキ属に分類されているヤモリです。
レオパードゲッコーという愛称で親しまれており、短縮したレオパという名前もよく使われています。名前の由来は豹(ヒョウの)ような模様をしていることから、レオパード(ヒョウの英語名)とゲッコー(ヤモリの英語名)やヒョウモン(ヒョウ柄)と呼ばれるようになりました。
トカゲモドキ属とはヤモリの仲間ではありますが、ヤモリ特有の足裏にある無数の毛がないため、天井など上ることができず、どちらかというとトカゲの性質に似ていることから、トカゲモドキと名付けられました。
体型は頭部、胴体、尻尾とそれぞれが太く、全体的にぷよぷよしています。かわいい体つきに反して、黒目は縦に細長く、よくみると怖い顔つきをしています。
尻尾には栄養を蓄えている。尾切れに注意
ヒョウモントカゲモドキの特徴の一つに立派な尻尾があります。尻尾は栄養を蓄える働きがあり、餌不足になると、尻尾から栄養を吸収し、尻尾は細くなってしまいます。
他にも威嚇をするときには尻尾を左右に震わせたりします。
尻尾を掴んだりして身の危険を感じると尾切りしてしまいます。栄養価の高い餌を与えることで再生尾として新しい尻尾が生えてきますが、もともとの尻尾とは模様や表面が異なるため、違和感がでてきます。なるべく尻尾を掴んだりしないように注意しましょう。
体の大きさと体重
ヒョウモントカゲモドキの大きさは平均して20cm、最大だと25cmまで成長します。
体重は生後3ヶ月で20g、1年で50gまで成長します。最終的な体重は60g〜90gほどになります。
体の大きさと体重は成長期のベビーの頃にどれだけたくさんの餌を食べられたかで決まるので、大きくしたいときは、ベビーを購入してたくさんの餌をあげましょう。少食な個体もおり、たくさん食べられる才能があるかどうかは遺伝と言われています。
寿命の長さ
ヒョウモントカゲモドキの寿命は平均して10年~15年です。野生化ではもっと長くて、20年以上は生きることができます。
ヒョウモントカゲモドキの寿命で詳しく紹介しているので、ご参考ください。
ヒョウモントカゲモドキの生態
ヒョウモントカゲモドキは砂漠地帯や周辺の草原など、比較的乾燥している地域を好んでいます。
夜行性で、昼間は石や流木の隙間や地面の巣穴などで休み、夜になると活動します。決まった場所に生息し、運動量は多くないので、巣穴からそれほど離れることはありません。巣穴は涼しくて湿度が高い場所を好みます。
餌はガやコオロギ、クモなどの小型の昆虫を捕食しています。
飼育下ではカメ?と思うくらいゆっくりと動き回る印象が強いですが、野生種は活発で走ったり素早く動くことができるため、簡単に捕まえることはできません。
脱皮をする
ヒョウモントカゲモドキは体の成長につれて、古く小さくなった皮膚を脱ぎ捨てるために脱皮を行います。小さい怪我であれば脱皮することで綺麗になくなります。
脱皮の頻度はベビーの頃は月に1回、大人になると2ヶ月~3ヶ月に1回のペースで行います。
脱皮前には食欲が落ちたり、拒食したり、あまり動かないようになることがありますので、必要以上に気にしないようにしてください。
初めての脱皮や脱皮が下手な個体は皮が残ることがあります。放置していると脱皮不全で皮が余った部分が壊死することがあるため、ぬるま湯につけて皮を脱ぐのを手伝って上げましょう。
レオパードゲッコーの種類とモルフ
ヒョウモントカゲモドキはペットとしての人気の高さと繁殖の簡単さから、世界中で品種改良が盛んに行われており、モルフ(カラーバリエーション)が豊富です。
代表的なモルフを紹介していきますので、お気に入りの1匹を見つけるための参考にしてくださいね。
原種のワイルド
ワイルドは野生に生息しているモルフで、ノーマルとも呼ばれています。薄っぽい黄色をしており、ところどころに茶色が混ざっています。
黄色が濃いハイイエロー
ハイイエローは黄色の発色がきれいで、もっとも人気があり販売量も多いモルフです。ワイルド個体の中でも黄色の発色が強い個体同士を繁殖させて、黄色を定着させました。
模様がないパターンレス
パターンレスとはヒョウ柄の模様がないモルフで、全体的に薄いオレンジ色をしています。
白色がベースのマックスノー
マックスノーは白色をベースに黒いヒョウ柄が入っているモルフです。マックスノー同士を掛け合わせると、白と黒色のメリハリが強いスーパーマックスノーが生まれることがあります。とてもレアなモルフで、高値で取引されています。
ヒョウモントカゲモドキの飼育環境に必要なもの
ヒョウモントカゲモドキは体が小さくて、ライトなども必要ではないため、飼育環境を整えるのに、初期費用で1万円もあれば十分です。安価に揃えようと思ったら5千円を切ることもできますよ。
ケージの大きさと選び方
ヒョウモントカゲモドキの飼育に必要なケージの大きさは30cm(横幅)×20cm(奥行き)の小型サイズで、高さは最低限あれば問題ありません。
環境の変化に強いため、タッパや衣装ケース、虫かごなど、どのようなケージでも飼育することができます。飼育と管理を簡単にしたい時はアクリル製ケージのレプタイルボックス、レイアウトを楽しみたい時は透明度が高い爬虫類専用のガラス製ケージがおすすめです。
シンプルに飼育するなら爬虫類用ケージで人気のグラステラリウム3030、レイアウトを楽しむならワンサイズ上の4530がおすすめです。
おすすめの爬虫類用ケージで紹介しているので、ご参考ください。
ライトは観賞用に
ヒョウモントカゲモドキは夜行性のため、バスキング用の照明や紫外線を含んだUVライトは必要ありません。観賞用に熱帯魚の飼育で使用される蛍光灯を設置しておくと良いでしょう。
アルビノ系のモルフは視力が低く、光を苦手としているので、なるべく蛍光灯がない環境で飼育してあげましょう。
床材の選び方
ヒョウモントカゲモドキの床材は吸水性が高く、湿度が保ちやすいヤシガラマットやウォールナッツ、デザートソイルなどがおすすめです。フンをしたらすぐに取り除くようにしてください。臭いがするようになってきたら全交換します。
レイアウトを気にしなければ、ペット用のトイレシートにすることで交換が簡単になります。トイレシートは誤食をすることがなく、特に繁殖や多頭飼育している方は交換の手間が多いため、ペットシートを用いることが多いです。
ベビーサイズの頃は床材の誤食が致命的になることが多いため、ペット用のトイレシートで飼育しましょう。
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水容器
水入れは飲み水としてだけではなく、水浴びをすることで体の湿度を保つ役割があります。水容器の中でフンをすることが多いので、汚れやすく、毎日新鮮な水に交換してあげましょう。水容器はタッパなどフチが浅くて倒れにくい物を用意してください。
隠れ家にシェルターを置いておく
ヒョウモントカゲモドキは日光を嫌がるため、日中は隠れられるシェルターが必要です。特に巣穴には高い湿度を作り出すために、シェルターの上に水を入れられるものか、シェルターの中には水苔をいれるなど工夫が必要です。
ヒョウモントカゲモドキの飼育方法
ヒョウモントカゲモドキは体が丈夫で人工飼料への餌付けがいいため、初心者にも飼育しやすい爬虫類です。
販売場所
ヒョウモントカゲモドキなどの爬虫類は対面販売が義務づけられているため、ネット通販で購入することはできません。
人気の生き物ですので、爬虫類専門店で比較的容易に見つけることができます。他にも全国で開催されているイベントや、どうしても欲しいモルフがあるときはブログで有名なブリーダーさんを探して、連絡を取ってみるといいですよ。
種類別の値段や購入時のチェックポイントについてはヒョウモントカゲモドキの値段で詳しく紹介しているので、ご参考ください。
レイアウトは少しだけ立体的に
レイアウトは床材をベースに、背の低い流木や石組をすることで、少しだけ立体移動させると野性味が出てきます。石と床材の隙間に潜り込んで、圧迫されてしまうことがあるので、しっかりと埋め込んで、移動させられないように注意してください。
ハンドリングしやすい大人しい性格
ヒョウモントカゲモドキは大人しい性格をしているので、簡単にハンドリングを楽しむことができます。
飼育を初めて1ヶ月ほどは新しい環境に慣れておらず、警戒していて、なついてくれないので、餌を何度か与えることで飼育者の匂いに慣らしていきましょう。
ハンドリングをするときは腹部からそっと抱きかかえて、4本の指で腹部を、親指で背中を軽く押さえることで固定してください。
飼育に適している温度と湿度
ヒョウモントカゲモドキに適している温度は25度~30度です。低温に弱いので、冬はパネル式ヒーターをケージの底面に設置して、腹部から温めるようにしてください。床全体を暖めると、暑すぎるときに逃げ場がなくなるので、床面積の1/3ほど埋まるようにヒーターを設置します。
おすすめの爬虫類用ヒーターで紹介しているので、ご参考ください。
湿度は40%~60%を好みます。乾燥しやすい冬は朝と夜に霧吹きすると良いですよ。
温湿度計を設置して、毎日数字をチェックしてくださいね。
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餌の主食は昆虫。慣れたら人工餌も可能
ヒョウモントカゲモドキの主食となる餌はコオロギやゴキブリなどの昆虫か、レオパゲルやレオパブレンドフードの人工餌になります。特に昨今は食いつきが良い人工餌が開発されてきたので、餌やりが簡単になりました。
餌を1種類だけ与え続けていると、食べてくれないことがあるため、バリエーションを組んで上げましょう。いくら人工餌があるといっても、昆虫が大好きな個体が多いので、なるべく用意してあげるといいですね。
餌の頻度はベビーの頃は食べられるだけ与えて、大人になると週に3回、コオロギだと4匹~6匹ほど与えます。育て方については餌用コオロギの繁殖と飼育方法をご参考ください。
与える餌の量や他の餌の種類などはヒョウモントカゲモドキにおすすめの餌で詳しく紹介しているので、ご参考ください。
ヒョウモントカゲモドキについてまとめ
今回はペットで飼育できる爬虫類の中で最も人気があるヒョウモントカゲモドキについて紹介していきましたが、いかがでしたでしょうか。
初心者に飼育しやすく、のっそりとした動きや餌を食べる姿はとてもかわいく、ハンドリングもできるので、触れあえるペットとして飼育することができます。費用もあまりかかりませんので、気になってみた方はぜひ飼育に挑戦してみてくださいね。
ヒョウモントカゲモドキにそっくりな生き物にニシアフリカトカゲモドキというヤモリがいます。体の大きさは同じくらいですが、手足は短く、ぽてっとした姿がかわいらしいです。ニシアフリカトカゲモドキの特徴と飼育方法で詳しく紹介していますので、よければご参考ください。
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