マツカサトカゲは松ぼっくりのような見た目がかわいく、胎生で子育てをする珍しいトカゲです。しかし、野生の個体の輸出は禁止されており、国内での販売価格は非常に高く、入手が難しいです。
今回はそんなマツカサトカゲの特徴や販売価格、繁殖方法、おすすめの餌など飼育方法について紹介していきます。
マツカサトカゲの特徴
マツカサトカゲはトカゲ科アオジタトカゲ属に分類されるトカゲの仲間です。オーストラリアの半草原地帯や砂漠地帯に生息しています。
名前の通り、ウロコは松ぼっくりの傘のような見た目をしています。体型は全身がずんぐりとしており、頭部は一回り大きく、尻尾は短めです。アオジタトカゲと同じように舌は青色で、威嚇をするときに大きく口を開けて舌を伸ばします。
活発なトカゲではなく、岩陰に隠れて休んでいることが多いです。
餌は果物や植物、昆虫、動物の死骸などを食べる雑食性です。
体の大きさ
マツカサトカゲの大きさは30cm~40cmになる中型のトカゲです。尻尾が短いので、体長の割には体が大きく感じます。
寿命の長さ
マツカサトカゲの寿命は20年~30年です。飼育下では運動不足で肥満になりやすく、短命になることが多いです。
マツカサトカゲの繁殖方法
胎生で直接子供を出産する
マツカサトカゲは珍しい胎生のトカゲで、1回の出産で1匹~2匹の赤ちゃんを直接産みます。繁殖させやすいですが、繁殖の頻度は年に1回なので、増やすのは大変です。
子育てをする
マツカサトカゲの親は生後半年くらいまでは、子供の身を守るために子育てをします。他のトカゲのような共食いはしないので、寄り添って行動する仲良しの親子を観察することができます。
オスとメスの見分け方
※画像のマツカサトカゲはメスです。
マツカサトカゲのオスとメスは比較すると簡単に見分けることが出来ます。オスの尻尾は細長く、メスの尻尾は短くて丸いです。
オスとメスがペアになると、寄り添って暮らすようになります。
野生のマツカサトカゲの輸入が禁止されている理由
マツカサトカゲが生息しているオーストラリアでは、商業目的での野生の動植物の輸出を禁止しているため、ワイルド個体が日本に輸入されることはありません。
国内で販売されているマツカサトカゲの全てはブリーダーの手によって繁殖された個体です。しかし、非常に高価な生体なので、オーストラリアから密輸される事件がたびたび発生しています。
マツカサトカゲの種類
ヒガシマツカサトカゲ
ヒガシマツカサトカゲは茶褐色と白色のまだら模様や全身がクリーム色などカラーバリエーションが豊富な種類です。マツカサトカゲといえば、このヒガシマツカサトカゲを指すことが多いです。
ロットネスマツカサトカゲという体長が30cm以下の小型種も人気です。
ニシマツカサトカゲ
ニシマツカサトカゲは赤みが強い種類です。ヒガシマツカサトカゲよりも砂漠に近い場所に生息しており、暑くて乾燥した環境を好んでいます。
マツカサトカゲの飼育環境と必要なもの
必要なケージの大きさ
マツカサトカゲに必要なケージの大きさは横幅で体長の2倍、奥行きは体長と同じ大きさです。
体長が40cmの個体であれば、80cm(横幅)×40cm(奥行き)の大きさが目安です。ケージが狭いと運度不足で肥満になってしまうため、長生きさせたいときは120cm以上のケージを用意しておきましょう。
90cm以下のケージについてはおすすめの爬虫類用ケージで紹介しているので、ご参考ください。
バスキングライトと紫外線ライト
マツカサトカゲのライトはバスキングライトと紫外線ライトの2つが必要です。
バスキングライトはバスキングスポットと呼ばれる35度~40度の高温地帯を部分的に作り出します。この高温地帯は体を温めるためにあり、活動前や食後に消化を促進するために必要です。温度が十分に上がらないときはバスキングスポットの直下に石を置いて、ライトとの距離を近づけます。
紫外線ライトはカルシウムの吸収に必要なビタミンを作るために必要です。紫外線量が不足するとクル病などカルシウム不足の病気にかかるので注意してください。
爬虫類のバスキングライトと紫外線ライトで詳しく紹介しているので、ご参考ください。
床材
マツカサトカゲの床材はヤシガラマットや砂漠砂がおすすめです。何も敷かないとガラス面でツルツルと滑って足腰を悪くしてしまいます。
90cm(横幅)×45cm(奥行き)のケージだと、2.5kgの砂で1cmほどの厚みになります。汚れている環境を嫌うので、床材はフンをしたらこまめに交換しましょう。
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水入れ
マツカサトカゲは野菜から水分をとるため、ほとんど水を飲みませんが、水不足は危険なので水入れを用意しておいてください。
水は毎日交換して新鮮な状態を維持しましょう。
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エサ入れ
床材の上に直接餌を置くと、マツカサトカゲが床材を誤飲するため、エサ入れを用意しておきましょう。
ピンセットから直接餌を与えるなら、エサ入れは必要ありません。しかし、バランス良く餌を与え始めると時間がかかるので、必要になる可能性が高いです。
マツカサトカゲの飼育方法
値段と販売場所
マツカサトカゲの値段の相場は40万円~60万円で販売されています。ベビーは次の繁殖候補としてブリーダーが抱えていることが多く、販売されることはほとんどありません。
入荷量が少ないため、成体でも入手は困難です。爬虫類ショップの人と仲良くなっておき、入荷したらすぐに連絡をもらえるようにしておきましょう。
飼育に適している温度
マツカサトカゲに適している温度は24度~27度です。
ケージの中には温度が高い場所と低い場所の2つを用意して、温度勾配を作ってください。バスキングライトをケージの端っこに作り、反対側をクールスポットにしましょう。
冬は寒さ対策のために、パネルヒーターで床面から暖め、暖突でケージ全体を暖めます。爬虫類のヒーターで紹介しているので、ご参考ください。
おすすめの餌
マツカサトカゲの餌は昆虫や人工餌、野菜などをバランスよく与えます。
昆虫はデュビアやレッドローチなどのゴキブリ、コオロギなどの生き餌が爬虫類ショップで販売されています。野菜はスーパーで購入できる小松菜やカボチャ、ニンジンなどの切りくずを与えます。人工餌はフトアゴヒゲトカゲ専用フードがおすすめです。
カルシウム不足になりやすいため、餌にはカルシウムパウダーを振りかけておいてください。
餌の頻度の目安は2日に1回、頭部と同じくらいの量を与えます。肥満になりやすく、餌の量には注意が必要です。栄養分を尻尾に蓄えるので、餌の量は尻尾の太さを見ながら調整してください。
食生活はフトアゴヒゲトカゲとほとんど同じです。フトアゴヒゲトカゲにおすすめの餌で紹介しているので、ご参考ください。
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マツカサトカゲについてまとめ
マツカサトカゲは名前の通り松ぼっくりのような見た目をしており、胎生で子育てをする珍しいトカゲです。
非常にかわいらしい見た目ですが、入荷量は少なく、販売価格が高いので入手は困難です。
飼育の際には肥満にならないように大きなケージを用意して、餌の与えすぎには注意をしておきましょう。
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