熱帯魚の飼育に慣れてくると、次は餌を豪快に食べる肉食魚を飼育してみたい!と思う方もいらっしゃるのではないでしょうか。
私自身もネオンテトラの飼育から始まり、45cm水槽→群泳のために60cm水槽を購入→ポリプテルスを購入という流れで肉食魚の魅力にはまっていきました。
今回はそんな肉食魚で人気の大型種や小型種、凶暴な種類、必要な水槽、餌など飼育方法について詳しく紹介していきます。
人気の肉食魚の種類
肉食魚の魅力はなんといっても生き餌を豪快に食べる姿ではないでしょうか。しかし、夜行性の種類が多く、実際には泳ぎ回る小魚を上手に捕食できる肉食魚は多くありません。それぞれに捕食のスタイルがありますので、豪快な餌食いを楽しみたい方は、事前に餌食いの様子を見させてもらうといいかもしれません。
肉食魚はその食いっぷりだけではなく、飼い込むことで美しく発色したり、大きな体に育ってくれます。その迫力で泳いでいる姿だけでも、楽しく鑑賞することができます。
それでは、観賞魚として人気の肉食魚についてそれぞれ紹介していきますね。
紹介する種類
- アロワナ
- ポリプテルス
- スネークヘッド
- ガーパイク
- タライロン
- ピラニア
- ダトニオ
- レッドテールキャット
- 肺魚
アロワナ
分布 | 東南アジア、アメリカ |
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体長 | 60cm~100cm |
寿命 | 10年~15年 |
水槽の大きさ | 120cm水槽~180cm水槽 |
販売価格 | 1,000円~50,000円 |
アロワナは肉食魚の中で最も人気があります。
種類が豊富で紅色から金色、青色、黄色、銀色など様々な光り輝くウロコを持っており、水槽内をゆったりと優雅に泳ぎ回ります。その姿から龍魚とも呼ばれており、大きな水槽で気に入った1匹をじっくりと飼育するスタイルが人気です。
さらに大人しい性格をしているので、他の大型魚とも混泳がしやすく、いろいろな楽しみ方をすることができます。アロワナの特徴と飼育方法で詳しく紹介しているので、ご参考ください。
ポリプテルス
分布 | 西アフリカ |
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体長 | 20cm~70cm |
寿命 | 10年~15年 |
水槽の大きさ | 60cm水槽~120cm水槽 |
販売価格 | 500円~30,000円 |
ポリプテルスは背中に恐竜を思わせるヒレがあり、ヘビのような長い体をしています。
体の大きさには似合わない、小ささの丸い胸びれをぱたぱたと動かしながら水中を泳ぎ回ります。泳ぎが下手なので、餌を捕まえるのも上手ではありません。肉食魚の野性味よりもとぼけた顔がかわいい愛嬌を持った肉食魚と言えます。
20cmの種類も小型種から中型種まで幅広くそろっており、60cm水槽で肉食魚が飼える手軽さもあります。
種類や餌の与え方などはポリプテルスの特徴と飼育方法で詳しく紹介していますよ。
スネークヘッド
分布 | 東南アジア、西アフリカ |
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体長 | 20cm~120cm |
寿命 | 5年~10年 |
水槽の大きさ | 60cm水槽~180cm水槽 |
販売価格 | 500円~15,000円 |
スネークヘッドは蛇のような細長い体をしています。
泳ぐのが上手なので、飼育下でも餌を追いかけ回す、肉食魚らしい食いっぷりを見ることが出来ますが、水槽が小さいと泳ぎにくくてその魅力を引き出すことが出来ません。
レインボースネークヘッドやバイオレットスネークヘッドなどカラフルで模様が美しい種類も豊富なので、鑑賞に優れています。
種類別の特徴や混泳の注意点など、スネークヘッドの特徴と飼育方法で詳しく紹介しているので、ご参考ください。
ガーパイク
分布 | ミシシッピ川 |
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体長 | 60cm~200cm |
寿命 | 10年~30年 |
水槽の大きさ | 120cm水槽~400cm水槽 |
販売価格 | - |
ガーパイクは長い口先に鋭い牙がたくさん生えており、いかにも肉食魚らしい見た目をしています。
その獰猛な顔つきが人気を集めていましたが、体が大きくなることと寿命が長いことから日本の川に放流され、越冬することが出来るほど体が強いので、日本の生態系を壊す生き物として特定外来生物に認定されて、新しく入手することができなくなりました。
人気の種類や飼育規制についてはガーパイクの特徴と飼育方法で詳しく紹介していますよ。
タライロン
分布 | アマゾン川 |
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体長 | 50cm~100cm |
寿命 | 8年~20年 |
水槽の大きさ | 90cm水槽~120cm水槽 |
販売価格 | 2,000円~30,000円 |
タライロンは猛魚と呼ばれるほど、攻撃性が強く、飼い主さんが顔を近づけようものなら、噛みついてくる個体もいるほどです。特に自然で採集されたワイルド個体ほど凶暴性があります。
顔つきの個体差も激しく、養殖個体は丸い印象を受けますが、野生種は凶悪な顔つきで、生息地でも微妙に変わってきます。
実に肉食魚らしい肉食魚で、その獰猛さに魅了された愛好家は少なくありません。ザ・肉食魚がほしい!という方におすすめです。タライロンの特徴と飼育方法で詳しく紹介していますよ。
ピラニア
分布 | アマゾン川 |
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体長 | 20cm~45cm |
寿命 | 3年~15年 |
水槽の大きさ | 60cm水槽~90cm水槽 |
販売価格 | 500円~30,000円 |
ピラニアは言わずと知れた肉食魚で、口には鋭い歯が生えています。
口が小さいので身を引き千切るように捕食をする姿が特徴的です。これが好きな人もいれば、水槽掃除の手間が増えて嫌がる人もいます。
肉食魚のイメージが強い魚ですが、飼い込むほど腹部の赤色は濃くなり、銀色のウロコは輝くため、美しい観賞魚になってくれます。
ピラニア同士で混泳させることが出来ますが、混泳をさせているとお互いの歯が当たって傷ついてしまうので、綺麗に育てたいときは単独で飼育しましょう。ピラニアの特徴と飼育方法で詳しく紹介していますよ。
ダトニオ
分布 | 東南アジア |
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体長 | 40cm~50cm |
寿命 | 10年~15年 |
水槽の大きさ | 120cm水槽 |
販売価格 | 10,000円~50,000 |
ダトニオは白色をベースに黒色のバンド模様が美しい肉食魚です。
バンド模様の個体差が激しく、白と黒のコントラストがはっきりと出ている個体は高値で取引されています。体色は調子の良さによってもコロコロと変わるので、いい状態を維持するのがとても難しく、販売されている個体は黒ずんでいることが多いです。
さらに、成長スピードが遅い肉食魚としても有名で、大きく成長させるのが難しいです。
そんなことから、体色が美しく大きな個体は非常に高い値段がつけられます。じっくりと飼育して、最高のダトニオを育て上げる楽しみがありますね。ダトニオの特徴と飼育方法で詳しく紹介していますよ。
レッドテールキャット
分布 | アマゾン川 |
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体長 | 100cm~120cm |
寿命 | 15年~20年 |
水槽の大きさ | 150cm水槽~180cm水槽 |
販売価格 | 1,000円~2,000円 |
レッドテールキャットは大型ナマズの代表種です。
愛嬌のある顔立ちとつぶらな瞳がとってもかわいいです。肉食魚ですが、泳ぐのが苦手で捕食が下手くそなので、夜間の寝静まったときに獲物を襲います。そのため豪快な食べっぷりを観察とはいきません・・ザリガニならいけますね。
餌の好き嫌いが少なく、人工飼料をよく食べるので、餌のトラブルはほとんどありません。レッドテールキャットの特徴と飼育方法で詳しく紹介していますよ。
肺魚
分布 | アフリカ、オーストラリア |
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体長 | 60cm~200cm |
寿命 | 10年~15年 |
水槽の大きさ | 90cm水槽~180cm水槽 |
販売価格 | 3,000円~30,000円 |
肺魚とは名前の通り肺呼吸をすることが出来る魚で、4億年前から姿を大きく変えていない古代魚の代表種です。
ヒレは触覚のように細長くなっており、両生類と見間違えられることもよくあります。
のほほんとした顔つきのわりには、あごの力が強力で貝殻も平気でかみ砕いてしまいます。肺魚の捕食が下手なので、食べている様子を観察するのには適していません。肺魚の特徴と飼育方法で詳しく紹介していますよ。
肉食魚の飼育方法について
肉食魚は総じて体が丈夫なので、飼育自体は難しいことはありません。
体が大きいので比例して大きなサイズの水槽が必要であることと、水が汚れやすいので、水の交換はしっかりとするようにしてください。
飼育に必要な水槽と設備
肉食魚を飼育していく上で最も大切なのが大きな水槽を準備することです。
たくさんの餌を食べるので成長スピードが速く、すぐに飼育容器が狭くなってしまうことも珍しくありません。とくに成長期に狭い水槽で飼育してしまうと、体がまっすぐ綺麗に育たなくなります。
同時に餌を消化するために、たくさんの酸素を供給しつつ、フンなどのゴミを取り除くために、可能な限り強力なろ過フィルターを用意する必要があります。フィルターを2個入れることも珍しくありませんよ。
水槽のレイアウトはどうする?
肉食魚のレイアウトは餌の肉片が飛び散ったり、たくさんのフンをするので、掃除のしやすさを重視してなにも置かないベアタンクが人気です。
特に餌を追いかけるために突進をすることがあり、角のある流木などは入れないように注意してください。
なにもいれないとつまらないという方には、底砂を薄く敷いてあげるといいですよ。何も敷かないと底のガラス面が光を反射するので、底砂をいれることで落ち着かせることが出来ます。
水質維持に水換えはとても大事です
肉食魚はたくさんの餌を食べて、たくさんのフンをだすので、すぐに水質が悪化してしまいます。水質悪化ですぐに状態を崩すことはありませんが、ヒレなど繊細な部分が溶け始めたり、餌食いが悪くなってしまいます。
餌の食べ残しやフンは毎日取り除くようにして、週に1回は1/2ほど水を交換するようにしてください。
水換えの量が大量ですので、ポリタンクを複数用意しておきましょう。
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おすすめの餌と与え方
肉食魚の餌は体の大きさに合わせて、冷凍アカムシ、メダカ、和金(金魚)と大きくしていきます。メダカを食べられないときは、グッピーを繁殖させて、その稚魚を食べさせていました。
成長期の子供の頃は、餌が足りなくなるとすぐに栄養不足になるので、食いつきが良い生き餌を毎日食べられるだけしっかりと食べさせてください。
大人になると一度にたくさんの量を食べるようになるので、餌代を節約しつつ飼育を楽にするために人工飼料に慣らしていきます。人工飼料は浮上性のカーニバルやクリル、沈下性のキャットなどがおすすめです。
他にもアジやコオロギ、ミルワーム、ゴキブリ、トンボ、ザリガニ、ドジョウ、牛ハツなどいろいろなものを食べてくれます。飽き性な子もいるので、食べられる餌のバリエーションを増やしておくといいですよ。
生き餌から人工飼料への切り替えはそう簡単にはいかないので、根気を持って続けてください。生きた餌を水面に落として食べさせる、そのまま人工飼料を落として勘違いさせて食べさせる方法などが効果的です。
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肉食魚についてまとめ
今回は肉食魚について紹介していきましたが、いかがでしたでしょうか。
いよいよ念願の肉食魚を手に入れた!メダカを食べさせよう!と意気揚々を水槽にいれましたが、捕食が下手すぎて、こいつ自然界生きていけるのか・・と本気で心配したことを覚えています。実際には夜行性の種類が多いので、夜間に食べることが多かったです。
種類によって捕食するのが下手であったり、泳ぎ回って追いかけ回したり、じっと待っていたり、いろいろな種類がいますので、野性味あふれる個体を求めているのであれば、捕食方法については事前に調べておくと良いかもしれません。
少しでも肉食魚に興味を持っていただけたなら、ぜひ飼育に挑戦してみてくださいね。