タライロンは大昔から姿を変えておらず、原始的な雰囲気を味わえる古代魚です。強力な牙で小魚に食らいつく姿はまさに肉食魚といえます。個体によって顔つきが変わってくるので、より野生的な個体を探す楽しみもあります。
今回はそんなタライロンについて種類別の特徴や飼育方法を詳しく紹介していきます。
タライロンの生態と特徴
タライロンはカラシンの中でも昔からいる種類で、淡水のシーラカンスと呼ばれています。生息地によって顔つきや性格が変わってくる魚で、アマパ産、ベネズエラ産、コロンビア産、サンフランシスコ産、アタバポ産などが代表的です。
最大の特徴は鋭く尖った牙で、攻撃性が強く、近くに泳ぐ生き物を見つけると鋭い牙ですぐに噛み付こうとします。カショーロと並んで牙魚として知られています。
人間でも水槽に手を入れると勢いよく迫ってくるので注意が必要です。この肉食魚らしい野生にマニアが多く、怪魚ファンにはたまらない熱帯魚です。
特にリアルタライロンという名前で販売されている品種は気性が荒く、人が近くと睨みつけるように顔を向けてきます。猛魚の名前に恥じない熱帯魚です。
寿命の長さ
タライロンの寿命は平均して10年です。体は丈夫なので水槽飼育でも長生きさせやすいです。
体の大きさ
自然環境のタライロンの大きさは最大で100cmになります。飼育環境ではおよそ60cmほどで成長が止まることが多いです。20cm以下の幼少期にどれだけたくさん食べ、運動できたかで最大サイズは決まってきます。特に最大サイズは水槽の奥行きで決まることが多く、90cmの規格水槽で飼育していると45cmほどで成長が止まってしまいます。体が硬いため、奥行きは最低でも60cmのものを用意してあげてください。
タライロンの種類
タライロンは産地によって様々な名前がつけられていますが、大きく分類すると3種類しかいません。
タライロン
分布 | 南米、アマゾン川、オリノコ川 |
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体長 | 100cm |
販売価格 | 10,000円〜30,000円 |
本物のタライロンは滅多に販売されておらず、「ジャイアント・タライーラ」や「ビックアイ・タライロン」がタライロンとして販売されています。本物かどうかはショップの人の確認するといいでしょう。大型になる品種で、体色は茶色をベースに黒い斑点模様が入っています。飼育下では70cm程度まで成長するので、横幅120cm、奥行き60cmの水槽を用意してあげてくださいね。
タイガーホーリー
分布 | アマゾン河 |
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体長 | 50cm |
販売価格 | 2,000円〜5,000円 |
タイガーホーリーは別名でタライーラと呼ばれている種類です。名前の通り、トラ柄のストライプ模様に茶褐色の体色をしています。タライロンの中では比較的小型になるので、90cmの水槽で飼育することが可能です。こちらも飼育者の手を恐れずに噛み付いてくる凶暴な性格をもっています。丈夫で飼育が容易な品種ですが、生きた小魚を与えなければいけません。
ブラックタライロン
分布 | 中南米、エクアドル、パナマ |
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体長 | 70cm |
販売価格 | 10,000円〜20,000円 |
ブラックタライロンは通常のタライロンよりも体が黒くなっている種類です。黒さを際立たせるために、照明の光や底砂は暗めのものを選びましょう。水槽内の飼育では40cm程度で成長が止まるので、90cm水槽で飼育することが可能です。タライロンには珍しく、水槽内を遊泳するので、観察を楽しむこともできますよ。その場合は120cm水槽を用意する必要があります。
リアルタライロン(アイマラ)
分布 | アマパ、サンフランシスコ |
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体長 | 100cm |
販売価格 | 50,000円〜100,000円 |
リアルタライロンはタライロンの野生種であるワイルド個体のことをさしており、別名でアイマラと呼ばれています。性格は極めて凶暴で、顔つきは野生に溢れており、タライロンの中では最も人気が高い種類です。
体も大きくなりやすいため、リアルタライロンなら水槽飼育でも100cm近くまでいけることがあります。
産地によって体色や顔つきがまるで異なっており、個体によっても微妙に変わってくるので、購入する前に実際に見てみることをおすすめします。現地ではフィッシングの対象になっており、1m近い個体を釣ることができます。ピラニアよりも凶暴なので、絶対に手を近づけないようにしてくださいね。
ポルトデモスタライロン
分布 | ベネズエラ |
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体長 | 70cm |
販売価格 | 30,000円〜80,000円 |
ポルトデモスタライロンはタライロンよりも体高があり、太さを感じられる体形をしています。通常のタライロンのような凶暴さはなく、混泳することができるタライロンとして人気を集めています。餌付けもよく、肉食魚専用の人工飼料やクリルをしっかりと食べてくれます。
タライロンの飼育方法について
タライロンは丈夫な熱帯魚なので、飼育は簡単ですが、鋭い牙を持っているので、取り扱いには注意が必要です。
また基本的には生き餌しか食べないので、それなりに手間もかかります。
飼育の注意点
ヒーターのコードや水温計は鋭い歯で簡単に噛み砕かれてしまうため、それぞれコーナーガードで守るようにしましょう。
安易に水槽内に手を入れることも絶対にやめましょう。噛みつかれると流血はさけられませんよ。なるべく水槽内に手を入れずにメンテナンスできる飼育環境を作っておくことが大切になります。
レイアウトは掃除しやすいように最小限におさえて、フィルターはメンテナンスが容易な上部式フィルターにしてください。
値段と販売場所
タライロンはホームセンターで見かけることはあまりなく、熱帯魚専門店やネット通販で販売されています。
輸入量が少ないので、成魚を見かけることはほとんどありません。稚魚でも値段は高く、10,000円〜100,000円前後で販売されています。
適している水温と水質
タライロンは水質の変化に強く、一度飼育水に慣れてくれれば簡単に飼育することができます。適した水温は20度〜28度なので、冬場は水槽用ヒーターを設置してあげましょう。phは6.0〜7.0の弱酸性にすると元気になってくれますよ。
大食感で水が汚れやすいため、食べ残しはすぐに取り除くようにしてください。換水は週に1回は1/3ほどしてあげましょう。
レイアウトの方法
タライロンは水底でじっとしていることが多いので、砂をうすく引いてあげると落ち着きます。川魚なので、川底を意識して石組みや流木を多めにおいてあげると環境に慣れるのが早くなってくれますよ。
また流れの早い場所を好んで生息しているため、酸素量も大切になってきます。外部フィルターで水流を作りつつ、サブで投げ込み式フィルターを追加するなどして十分なエアレーションを用意してあげましょう。
おすすめの餌
野生のタライロンは待ち伏せで狩りをしており、目の前を通った小魚に一瞬で噛み付きます。生き餌が大好物で、人工飼料には見向きもしてくれない個体が多いです。
最初は金魚(和金)やメダカ、ドジョウなどの生き餌を中心にあげていきましょう。栄養が偏ってくるので餌のバリエーションは豊富に準備しておきます。飼育に慣れてきたらスーパーで販売している牛ハツや冷凍ワカサギの餌付けにチャレンジしていってくださいね。
生き餌を中心にあげていると、餌代で月に1,000円でおさまるくらいになります。
混泳は難しい
タライロンは攻撃性が強く、水槽での混泳に向いていません。鋭い牙に少し当たっただけでも混泳相手が傷ついてしまいます。
ただ、タライロンよりも大型のアロワナと一緒の水槽で混泳している方もいらっしゃいます。これは個体同士の相性の問題ですぐに喧嘩が始まることがあるので注意が必要です。
混泳のコツはタライロンを後からいれることです。単独で飼育していると水槽全体をテリトリーと認識して、侵入してくる魚に攻撃をしてしまうためです。
他の混泳のコツとして、幼魚のときから一緒に飼育していたり、生き餌を与えないようにして魚を餌と認識させないようにします。
かかりやすい病気と治療方法
タライロンは丈夫な熱帯魚で、ほとんど病気にかからない魚でありますが、長期間換水をしていないと、弱ってしまうので注意してあげて下さい。
エロモナス病 | 目が飛び出すポップアイやウロコが逆立つ松かさ病、穴あき病を引き起こす病気です。水質が悪化した時にかかりやすく、一度発症すると完治が難しい病気です。発症を確認したらすぐに水を全て交換して、エルバージュを規定量の1/4に薄めて1週間ほど薬浴してあげてくださいね。 |
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飛び出し事故 | タライロンに限らず、体の大きな熱帯魚はパワーが強く、驚くと蓋や照明を押しのけて飛び出してしまうことがあります。蓋は隙間なく設置して、固定するか重石を置いておきましょう。 |
タライロンについてまとめ
タライロンの生態や飼育方法についてまとめてみましたがいかがでしたでしょうか。
タライロンは野生を感じさせる見た目と凶暴さを兼ね備えており、1mを超える巨大な姿も肉食魚ファンにとってはたまらない熱帯魚です。肉食魚を飼ってみたいという人にはとてもおすすめですよ!
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