生きた化石、肺魚(ハイギョ)とは?生態と特徴、飼育方法を紹介します!

肺魚は肺呼吸する魚としてだけではなく、昔からまったく姿が変わっていない生きた化石として有名な熱帯魚で、プロトプテルスの名前でも知られています。他にも奇妙な体型やクリクリの目、あくびをする習性など話題が尽きません。体が丈夫で人なつっこく、寿命も平均して15年以上あるので犬や猫のようにペットとして長期間飼育することができます。

今回はそんな肺魚について生体や特徴、人気の種類や値段、おすすめの餌など飼育方法について紹介していきます。

生きた化石、肺魚(ハイギョ)とは?生態と特徴

肺魚の飼育

肺魚は約4億年前の古代シルル紀に誕生した魚です。ウーパールーパーなどの両生類に似ていますが、魚類に分類されます。

名前の通り、肺を持った魚で、肺呼吸をすることができます。反対にエラがないので水中で呼吸することはできません。

肉鰭類(にくきるい)に属しており、魚類よりも四足歩行の動物に近く、ヒレは手足のように長く発達しています。

現地での肺魚の捕まえ方

肺魚は水が少なくなってくると、土の中で繭(まゆ)をつくり夏眠(かみん)します。水が乾燥すると泥の表面に肺魚の空気穴を見つけることができるので、そこをスコップで掘ることで発見することができます。

小さな個体だと見つけれることもなく、泥がレンガに加工されることがあります。現地では雨が降ると家のレンガ壁から肺魚が出てくることもあるようです。

アフリカの人たちは肺魚を食べることがありますが、体に多くの泥を含んでいるため味はおいしくありません。

肺魚が肺で呼吸を出来るようになった理由

肺魚は元は1つの大陸に生息していましたが、大陸の移動によりアフリカ、南米、オーストラリアと生息域を拡大し、それぞれの環境に適応して進化していきました。

湖や湿地帯などの雨季と乾季の影響を受ける過酷な環境で生き残るために、浮き袋を肺に進化させて空気呼吸が出来るようになりました。同時に乾季の乾燥地帯でも生き残れるように、泥の中で乾眠という冬眠状態に入ることが可能になりました。

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肺魚の種類

肺魚にはレピドシレン属、プロトプテルス属、ネオケラトドゥス属の3種類がいます。観賞魚としてメジャーなのはプロトプテルス属になります。人気の肺魚を紹介していきますね。

プロトプテルス・エチオピクス・エチオピクス

プロトプテルス・エチオピクス・エチオピクス

分布
スーダン、ザイール
体長
200cm
水温
25度〜30度
寿命
15年
販売価格
20,000円〜50,000円

エチオピクスは肺魚の中で最大の大きさになり、飼育下でも楽に1mを超えてきます。胸ビレと腹びれが長いのが特徴で、体色は灰色と茶色で模様は少なく、地味な個体が多いです。巨体になることを除けば、飼育が難しい魚ではありません。

プロトプテルス・エチオピクス・コンギクス

プロトプテルス・エチオピクス・コンギク

分布
コンゴ川
体長
100cm
水温
25度〜30度
寿命
15年
販売価格
5,000円〜20,000円

エチオピクス・コンギクスは日本でエチオピクスとして販売されている種類です。体色は灰色や茶色で亀甲模様が入っています。少数ながらアルビノ個体が輸入されることもあります。

プロトプテルス・アネクテンス・アネクテンス

プロトプテルス・アネクテンス・アネクテンス

分布
西アフリカ
体長
60cm〜90cm
水温
24度〜26度
寿命
10年
販売価格
5,000円〜10,000円

アネクテンスは体色と模様はバリエーション豊富で共通点が少なく、不規則なスポットがはいっているのが特徴的です。ごく稀にアルビノ個体がおり、非常に価値が高くなります。販売されているのを見つけることができたらとてもラッキーです。

プロトプテルス・アンフィビウス

プロトプテルス・アンフィビウス

分布
ザンベジ川、ルドルフ湖
体長
60cm
水温
24度〜26度
寿命
10年
販売価格
10,000円〜30,000円

アンフィビウスは肺魚の中では最も小型で頭部が大きくて寸胴型なので、可愛らしくて人気が高いです。水槽は90cmあれば単独飼育が可能です。

プロトプテルス・ドロイ

プロトプテルス・ドロイ

分布
ザイール
体長
80cm
水温
24度〜26度
寿命
10年
販売価格
3,000円〜10,000円

ドロイは食が細くて成長はきわめて遅い品種です。細長い体形で体色は無地や一部分に点が入っています。性格は大人しく、他の魚との混泳も狙えるポリプテルスです。しかし、ヒレが長く齧られてしまうことがあるので注意が必要です。

ネオケラトドゥス・フォルステリ

ネオケラトドゥス・フォルステリ

分布
オーストラリア
体長
180cm
水温
22度〜28度
寿命
100年
販売価格
200,000円〜

ネオケラトドゥスはシーラカンスと同じ分類をされている肺魚の一種で、オーストラリアハイギョとも呼ばれています。

非常に長生きをし、寿命は100年以上とも言われています。鱗は大きく、胸ビレと腹びれは他の肺魚と違って幅広くなっています。

そして唯一、空気呼吸が苦手で乾眠が出来ない肺魚です。オーストラリア大陸は魚類にとって恵まれた環境であり、肺魚の中で最も進化が少なかった種類になります。

肺魚の飼育に必要な水槽と設備

肺魚の飼育

肺魚はとても丈夫な魚なので、多くの飼育設備を必要としていません。初期費用では2万円もあれば大丈夫です。しっかりとした水槽で飼育したい時は7万円ほど必要になります。

水槽

体が柔軟なため、体長と同じ幅の水槽を用意すれば飼育が可能です。水を入れられればいいので、衣装ケースに水をいれて飼育をする方もいるほどです。頻繁に鑑賞するときは透明度が高いガラス水槽がおすすめです。

エチオピクス・エチオピクスだと大型になるので180cm水槽が必要です。他の種類の肺魚は横幅90cmの水槽で飼育することができますよ。

フィルター

肺魚はたくさんの餌を食べて、フンの量が多いため、ろ過能力が高くて掃除しやすい上部式フィルターがおすすめです。

酸素欠乏には強いので、フィルターのない環境で飼育することもできてしまいます。そのときはゴミがたまり続けるので、こまめにフンを除去して、3日に1回は水換えしてください。水量が多くて水替えも楽ではないため、おすすめはできません。

照明

照明はあってもなくてもどちらでもかまいません。鑑賞するなら設置しておきましょう。

水槽のふた

飛び出し事故が多く、小さな隙間でもにょろっと逃げ出すので、隙間がないように蓋をしてください。力が強いので重石などでしっかりと固定しておきましょう。

肺魚の飼育方法について

肺魚の飼育

肺魚は体が丈夫なので、巨体になることを除けば、比較的簡単に飼育することができます。

しかし、肺魚は顎の力が非常に強く、貝を殻ごとバリバリと食べてしまうほどです。1mほどの個体なら指を噛みちぎる力をもっているので、安易に水槽に手をいれるととても危険です。水槽の設備や電源コードにも噛み付くので、安全カバーをつけておきましょう。

値段と販売場所

肺魚は毎年春に輸入されてきますので、その時に熱帯魚専門店やネット通販で探して見ましょう。日本国内で養殖はされていないため、販売されている肺魚は海外のワイルド固体か養殖個体になります。

よく5cmほどのサイズでプロトプテルスSP.として販売されている個体はポリプテルス・ドロイの養殖個体です。これらの個体は1,000円前後になりますが、ワイルド種は30,000円〜販売されていることが多いです。

元気な肺魚を見分けるコツ

元気な肺魚はひれを動かして、しっかりと泳いでいます。長期間、お店で販売されている個体は餌を少なめにして成長を抑制されて、障害が出てくることもあるので避けたほうがいいですよ。

胸ビレや腹びれの欠けは成長とともに完治していきます。背びれから尾びれの怪我は完治しますが、時間がかかります。頭部や胴体の傷は直りますが、傷跡が残ることがあります。

これらのことを考えて、いい個体を選んでくださいね。

適している水温

肺魚に適した水温は25度〜30度です。低水温に強いですが、20度を下回ると元気がなくなるので、冬はヒーターをいれてあげてください。必要なワット数の目安は60cm水槽で150W、90cm水槽で300Wになります。

水がとても汚れやすいため、水換えは週に1回、1/3ほど交換してあげましょう。

水槽のレイアウト

肺魚は基本的におとなしい性格をしていますが、驚くと突然に暴れることがあります。そのため怪我しないように、水槽には何もいれないベアタンク式で飼育するのがおすすめです。

しかし、なにも置かないと底面から光が反射してストレスがたまりやすくなります。そのため、落ち着けるように底砂だけ引くことも多いです。口から砂をいれてエラから出す行動をとるので、詰まらないように小さくて丸い形状の砂を少しだけいれてあげましょう。

また、肺魚は肺呼吸しかできないので、空気がないと溺れて溺死してしまいます。また、泳ぐのも苦手なので、水深が深い環境は苦手で、溺れる可能性が高くなります。

飼育するときは水槽の上に空気呼吸できるだけの余裕が必要です。水面を口にだせれば良いので、水位は6cmほどの余裕をもたせておけば大丈夫ですよ。

おすすめの餌や捕食方法は?

金魚

肺魚は味覚を感じることが出来る胸ビレを上下に振りながら餌を探します。

野生の肺魚は貝、エビ、昆虫、両生類、魚類などを食べています。魚類は主食ではないので、メダカや金魚を食べない個体もいます。泳ぎが苦手のため、小魚を与える時は尻びれを切るなどして食べやすいようにしてあげましょう。

おすすめの餌は肉食魚用の人工飼料であるキャット、鳥のササミ、牛ハツ、ムキエビ、コオロギなどです。鯉の専用餌を与えることもあります。肺魚は胃がない魚で、鯉も同じく胃がないので、餌の相性が良く消化しやすいのです。

肺魚を大きく成長させるにはどうしたらいいの?

肺魚は餌の量で成長スピードをコントロールしやすい魚です。幼魚の時から、大きめの水槽で飼育を開始して、太りすぎない程度にしっかりと餌を与えましょう。また新陳代謝を促すために水温を29度前後と高めにし、定期的に水流をおこして運動させてくださいね。

かかりやすい病気

肺魚は丈夫な魚なので、あまり病気にかかりませんが、水質悪化には弱いです。また、古代魚は薬に弱いため、薬浴はさけて、病気を見つけたら水換えやろ過装置の環境をチェックして、水質改善を行い、自然治癒を目指しましょう。

塩水浴は多くの病気に対して効果がある治療法です。塩が溶けやすいように水温を28度前後にして60cm水槽で一つまみ程度の塩をいれましょう。

●水カビ病
体の一部に綿のような白い物体が付着する病気で、水質変化が原因です。スポイトやピンセットで綿を取り除き、毎日1/10ほどの水換えを行いましょう。

●ヒレ溶け病
ヒレが溶けていく病気で、水が新しすぎたり水質悪化した時にかかります。飼育水に少量の塩をいれて様子を見ましょう。

肺魚についてまとめ

肺魚の飼育

肺魚はかわいい見た目と飼育しやすさはありつつも、体は大きくなるため、初心者向けの熱帯魚ではありません。一番怖いのは、安易に飼育を始め、その寿命の長さから途中で飼育を断念されてしまうことです。体が丈夫で地域によっては日本の四季を乗り越え、自然環境に悪影響を与えてしまうので、絶対に放流はしないでください。

愛情をもって育てた肺魚は、個人差はあると思いますが、きもかわいい顔つきが魅力的で、独特な泳ぎ方はみていて飽きることがありません。ぜひ大きな水槽を用意して、長いひれを活かし、水槽いっぱいに優雅に泳がせてあげてくださいね。

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