アロワナは迫力ある大きな体と、美しい体色で多くの人を魅了してきました。その存在感は一度見ると忘れることができません。アロワナ愛好家も多く、一度は憧れる存在です。
今回はそんなアロワナについて詳しい飼育方法や人気の種類、価格や寿命、販売場所や体の大きさなど紹介していきます。
アロワナの生態と特徴
アロワナは主に東南アジアやオーストラリア、南アメリカに生息している大型の肉食魚で、その姿から龍魚と呼ばれて親しまれています。恐竜が生息していた1億5000万年前には存在しており、姿を変えずに現代まで生息してきました。
頑丈なウロコで全身が覆われており、大きな口で小魚や昆虫を丸呑みします。回復力が高く、多少の傷だと数週間で完治してしまいます。すさまじい生命力をもった魚です。
カラーバリエーションが豊富で全身が真っ赤な種類や金色に輝く種類など、まるで宝石のような輝きを誇っています。体色によって価格が変わってきており、綺麗な個体だと数百万円を超えることもありますよ。
寿命の長さ
アロワナの寿命は平均して10年~15年です。病気やストレスに強く、水槽飼育でも長生きさせやすいです。なるべく大きな水槽を用意して、健康的に育ててあげましょう。
アロワナの人気の種類
アロワナは大きく分けて2種類おり、ブラックアロワナなど体が細長い種類が属しているオステログロッスム属と、体が分厚いアジアアロワナなどが属しいているスクレロパゲス属がいます。種類によって体色や体の大きさ、必要な水槽のサイズなど変わってきますので、詳しく紹介していきますね
シルバーアロワナ
分布 | ブラジル、ギアナ、アマゾン川 |
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大きさ | 100cm |
寿命 | 10年 |
値段 | 1,000円〜5,000円 |
シルバーアロワナは日本で最初のアロワナ人気をつけた種類で、最大の大きさになるアロワナです。
現地では食用魚やフィッシングとして人気があります。水槽飼育の個体だと全身が銀色の鱗に覆われておすが、野生種では赤さや青さもでており、一味違います。
最も多く日本に輸入されており、大量の稚魚が安価に販売されているので、入手も簡単です。
体が大きいので水槽の大きさが必要になります。成長速度は極めて早く、生後半年で40cmなり、最終的には70cmは超えてきます。最低でも180cmの水槽を準備する必要がありますよ。
攻撃性が強いため、水槽内に2〜3匹しかいないと喧嘩しやすくなります。混泳させるときは5匹以上いれて縄張り争いをさせないようにしましょう。
シルバーアロワナの飼育方法で詳しく紹介しているので、ご参考ください。
ブラックアロワナ
分布 | ネグロ川 |
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大きさ | 60cm |
寿命 | 10年 |
値段 | 5,000円〜40,000円 |
ブラックアロワナは派手さはないですが、繊細な美しさをもつアロワナです。アロワナの中では小型で温和な性格なので大型魚の混泳相手として人気があります。稚魚が販売されていますが、水質の変化に敏感で成魚まで成長させるのが難しいです。飼育をするときは水質の維持が大切になるので、混泳は避けて、強力なろ過フィルターと定期的な水換えが必須になります。
成魚になるとシルバー・アロワナと似ていますが、すこし黒っぽい銀色のウロコに覆われます。稚魚の頃は黒をベースに黄色の線ラインが入っており、そのことからブラックアロワナと名付けられました。この種の最大に魅力は黒い体色が成長するにつれて銀色へと移り変わっていくことでしょう。大事に育てていると、背びれや尻びれの先端がオレンジ色になり、斑点模様のオレンジ色も綺麗にでてきますよ。
ブラックアロワナの飼育方法で詳しく紹介しているので、ご参考ください。
ノーザンバラムンディ
分布 | オーストラリア北部、ニューギニア |
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大きさ | 60cm |
寿命 | 10年 |
値段 | 5,000円〜10,000円 |
ノーザンパラムンディは気性の荒い個体が多く、同種のアロワナだけではなく下層に生息するナマズ類すらも攻撃することがあります。水槽に2匹で飼育していると、高い確率で片方は殺されてしまいますので、単独飼育が必要になってきます。
体は丈夫で野性味が強く、肉食魚らしい肉食魚という点がこの魚の魅力です。
他の品種と比べると体高があり、ずんぐりとした印象を受けるアロワナです。体表には特徴的な赤いリング状の模様がはいっており、エラまで広がっています。
もともと小型のアロワナで、飼育下では50cm前後で成長が止まりますが、最低でも120cm水槽は必要になります。
ノーザンパラムンディの飼育方法で詳しく紹介しているので、ご参考ください。
スポッテッドバラムンディ
分布 | オーストラリア東部 |
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大きさ | 90cm |
寿命 | 10年 |
値段 | 20,000円〜50,000円 |
スポテッドバラムンディは日本で1981年に初登場した最も新しいアロワナです。シルバーアロワナ系の細長い種類と、ノーザンパラムンディ系のしっかりした種類の中心にあたり、体長が1m近くになりつつも体が硬い珍しいアロワナです。なので水槽は最低でも2mは必要になってきます。体色は名前の通り、スポット状の赤い斑点模様が入っています。体色はアジアアロワナと比べて地味ですが、体型の存在感は随一といえます。
荒い性格で混泳が難しく、巨大な水槽が必要になることから、マイナーな種類になっています。販売していることをみかけるもの少なく、しっかりと育っている個体をみかけることもありません。
アジアアロワナ
分布 | マーレシア、インドネシア |
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大きさ | 60cm |
寿命 | 15年 |
値段 | 20,000円〜 |
アジアアロワナは光り輝く美しい体色を見せてくれる、アロワナの中で一番人気がある種類です。
カラーバリエーションが豊富でコレクション性が高いです。色によって種類が分けられており、それぞれ過背金龍、紅尾金龍、紅龍、青龍、黄龍と呼ばれています。色彩や発色度合いによって値段は大幅に上下し、100万円を超える個体もいるほどです。幼魚だと5万円、成魚で30万円ほどで売られています。
血統も大切ですが、飼育者の腕によって発色の度合いが大きく変わってくるので、飼育しがいのあるアロワナと言えます。餌や飼育環境をしっかりと整えて、最高の1匹に育てあげてくださいね。
アジアアロワナの種類で詳しく紹介しているので、ご参考ください。
アロワナの飼育に必要なもの
アロワナの飼育には大きい水槽が必要です。魚体が大きいということもありますが、水質を安定させる必要があるからです。
必要な水槽の大きさ
どのアロワナも90cm水槽で飼育することができず、最低でも120cm水槽が必要です。Uターンするための奥行きが大切で、最低でも60cmは必要です。
大型のアロワナや、元気に泳がせたい時には180cm水槽が必要になります。
アロワナに必要な水槽のサイズで詳しく紹介しているので、ご参考ください。
必要なろ過フィルターは?
アロワナは大食感で糞量も多いので、強力なろ過フィルターを設置しないとphがどんどんと下がり、すぐに生息できない環境になってしまいます。
大型魚のフィルターで重要になってくるのは、バクテリアをつかった生物ろ過よりも、フンなどをしっかりと取れる物理ろ過になります。
おすすめのフィルターは掃除が簡単な上部フィルターかオーバーフロー方式です。フィルターのパワーが適切かどうかは、毎日水質測定器でチェックをして、大きな変動がないかをこまめに確認していくとわかりますよ。
アロワナの飼育方法
適している水温は?
アロワナは幼魚のときは高水温の浅瀬を好み、成魚になると低水温の場所へ移動します。
体長が40cmになるまでは水温を28度と高めに設定します。高い水温にすることで病気の予防や新陳代謝の活性化にもなります。40cmを超えてくると水温を25度前後まで下げます。活動量を低下させることで肥満を防止し、筋肉質の綺麗な個体に仕上がりますよ。
温度調整機能付きの水槽用のヒーターを使いましょう。
おすすめの餌
アロワナは飽き性で、餌を急に食べなくなることも多く、5種類以上用意しておくと安心です。
幼魚のときは食いつきがいいメダカや金魚を与え、40cmを超えてきたらカーニバルなどの人工飼料に切り替えていきます。色揚げ効果があるクリルもおすすめです。たまに好物であるコオロギやミルワームなどの昆虫類をあげてくださいね。
詳しい餌の種類や与え方についてはアロワナの餌で紹介しているので、ご参考ください。
飼育水の注意点
アロワナは水質の悪化に弱い魚です。大食感で糞量も多いため、週に2回は水換えを行なってあげるといいでしょう。急激な水質の変化にも弱いため、一回の水換え量は1/4以下になるように注意してください。
長年アロワナを飼育している人は毎日自動で新鮮な水が少しづつ入れ替わる仕組みを作っています。これらの条件を考えると、大きな水槽で飼育するメリットは非常に大きくなってきますね。
大きく育てる方法
アロワナを大きく育てるのに最も重要なポイントは、大きな水槽を用意してあげることです。アロワナは周りの環境に合わせて成長速度を変えていきます。
成長期である幼魚のときに食べた餌の量で将来の大きさが決まります。体長40cmまでは食いつきが抜群の天然餌を中心にしっかりと与えていきましょう。個体によって好物が変わってくるので、食いつきがいい餌を見極めて多めに与えてくださいね。
他にも十分なエアレーションを準備し、水換えの頻度を増やし、水流を作って運動させてあげるなどがおすすめです。
ヒゲが切れたらどうする?
アロワナには顎下に2本の丈夫なヒゲがあります。これはセンサーの役割をしており、餌を見つけたり、周りの環境を把握するためにあるといわれています。
水槽や木にぶつかるとヒゲが切れてしまうことがありますが、ヒゲの根元が残っていれば再生することがあります。もし再生しなかったら少しだけハサミでカットしてあげることで、また生えてくることがあります。傷口から感染症にならないように注意してあげましょう。
かかりやすい病気や死因
アロワナは基本的には丈夫な魚であり、病気にかかることはほとんどありません。しかし、体力の少ない幼魚のときや、水質悪化で元気がないときは病気にかかりやすくなります。
大型魚は薬に弱いので、病気にかかると治療が大変です。予防のために水温を28度まであげておいたり、水換えをきちんと行っておくことが大切です。
白点病 | 全身が白い点々に覆われる病気で、体力がない幼魚のときにかかりやすいです。高水温に弱いので、水温を28度〜30度に設定して塩分濃度を0.5%にして1週間様子をみてください。 |
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松かさ病 | ウロコが逆立ったようになります。エロモナス菌が原因で、水質悪化で繁殖してしまいます。水温を30度まであげて、グリーンFゴールドを規定量の1/5まで薄めて1週間薬浴します。 |
飛び出し事故 | 死因で一番多いのが水槽からの飛び出し事故です。成魚のパワーはかなり強くフタや蛍光灯を押しのけて外に出てしまいます。フタは隙間なく、しっかりと固定しておきましょう。 |
アロワナと混泳に向いている魚は?
アロワナは縄張り意識が強い魚なので、同種での混泳は難しいです。混泳相手は水底に生活する魚を選びます。混泳におすすめの魚を紹介していきますね。
パロットファイヤー
穏やかな性格で、アロワナを攻撃することがなく、色鮮やかなので混泳魚としてよく選ばれています。販売されているときは15cm程度と小さいですが。最大で40cmまで成長するので、いれすぎには注意しましょう。
パロットファイヤーの飼育方法で詳しく紹介しているので、ご参考ください。
スポッテッド・ガー
アロワナの混泳魚として非常に人気が高く、温和で喧嘩をすることがほとんどありません。泳ぎが苦手のため、十分に餌を食べれているか観察してあげましょう。
スポッテッドガーの飼育方法で詳しく紹介しているので、ご参考ください。
ダトニオ
ダトニオは最大で50cmほどの大きさになり、温和な性格で混泳魚として向いています。黒バンドと白がはっきりしている個体は非常に美しく、体高もあるためアロワナに負けない存在感を出してくれますよ。
ダトニオの飼育方法で詳しく紹介しているので、ご参考ください。
ポリプテルス
ポリプテルスはアロワナと生息層が違うため、トラブルが少なく安心して混泳させられます。ポリプテルスの方が大人しいため、2〜3匹ほど多めに水槽に入れるか、流木などで隠れ家をつくってあげるのがポイントになります。
ポリプテルスの飼育方法で詳しく紹介しているので、ご参考ください。
カラープロキロダス
カラープロキロダスは水槽の底にたまったアロワナの糞や食べ残しを食べてくれます。残り餌だけだと餌が十分に行き渡らないことがあるので、注意が必要です。
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