ラスボラは一般的な知名度はあまり高くありませんが、水族館での小型熱帯魚コーナーでは必ずみかける熱帯魚です。じっくりと飼いこむほど発色に輝きますので、ネオンテトラなどの代表種にも負けません。
今回はそんなラスボラについて人気の種類や混泳できる魚、繁殖方法、寿命など飼育方法を詳しく紹介していきます。
ラスボラの特徴
ラスボラは東南アジアの細い川や沼地に生息しているコイの仲間です。ネオンテトラなどの小型カラシンと人気を二分している種類で、とてもポピュラーな小型熱帯魚です。大きさは2.5cm〜4cmの種類が多いです。
餌の選り好みがなく、水質の適応能力が高いので、初心者向けの熱帯魚です。同時に水質の管理がしっかり出来ていると発色はどんどんよくなるので、飼育の奥深さも兼ね備えています。
体色が鮮やかで美しく、温和な性格をしているので、水草水槽で見事な群泳を楽しむことができますよ。
ラスボラの人気の種類
ラスボラは種類が豊富で観賞魚として名前が通っているだけでも40種類を超えてきます。ここでは代表的なラスボラを紹介しますね。
ラスボラヘテルモルファ
分布 | マレーシア |
---|---|
体長 | 4cm |
寿命 | 2年~3年 |
販売価格 | 100円~150円 |
ラスボラヘテルモルファは最もポピュラーな種類です。オレンジ色の体をベースに、体の真ん中なら尾びれの付け根に向かって三角形の黒い模様が入っいます。
色違いの改良品種も盛んで、ブルー、ブルーネオン、ゴールド、プラチナブルー、ディープブルーなど多くの種類を見つけることができます。コレクション性が高いラスボラです。
ラスボラエスペイ
分布 | タイ、マレーシア、インドネシア |
---|---|
体長 | 3.5cm |
寿命 | 2年〜3年 |
販売価格 | 150円〜200円 |
赤い体色をベースに、黒の細長い三角形の模様が入っています。
体色は美しく、価格が手ごろで、入手が難しくなく、飼育も簡単なので初心者にうってつけの熱帯魚と言えます。群れを好むので、10匹単位で群泳をさせて広々とした水槽で泳がせてあげてくださいね。
ラスボラエスペイの特徴と飼育方法で詳しく紹介しているので、ご参考ください。
ラスボラマクラータ
分布 | マレー半島、スマトラ |
---|---|
体長 | 2cm |
寿命 | 1年〜2年 |
販売価格 | 100円〜200円 |
ラスボラマクラータは最小のラスボラで大きさは最大でも2cmにしかなりません。大きな水槽ではあまりにも目立たず、45cm以下の小型水槽で美しさを発揮できる種類です。
輸入直後の個体は弱っていることが多いので、購入前にしっかり観察してください。熱帯魚専用餌でも大きすぎるので、潰しやすいフレーク状の餌かブラインシュリンプをあたえるといいですよ。
ミクロラスボラ
分布 | ミャンマー |
---|---|
体長 | 4cm |
寿命 | 2年〜3年 |
販売価格 | 200円〜300円 |
ミクロラスボラの基本種はとても地味な種類で、背びれの先端と尾びれに黒い斑点があるラスボラです。
しかし、色違いが多く見つかっており、花火のような模様をしているミクロラスボラハナビや、星のような模様がたくさんついているミクロラスボラギャラクシー、青色と緑色が薄く輝いているミクロラスボラブルーネオンなどがいます。芸術品かのような美しい体色をしています。
ミクロラスボラハナビの特徴と飼育方法で詳しく紹介しているので、ご参考ください。
ラスボラヘンゲリー
分布 | インドネシア |
---|---|
体長 | 3cm |
寿命 | 1年〜2年 |
販売価格 | 200円〜300円 |
ラスボラヘンゲリーはラスボラエスペイによく似ていますが。黒い三角形の周りがオレンジ色になるので、それで区別することができます。
ラスボラアクセルロディブルー
分布 | インドネシア |
---|---|
体長 | 2.5cm |
寿命 | 1年〜2年 |
販売価格 | 300円 |
メタリックブルーに美しく輝く種類です。大きく分けるとブルータイプとレッドタイプがおり、飼いこんでいるとそれぞれの色合いが深く出てきます。
体が小さいので環境の変化に弱く、状態がいい個体を購入するように注意してください。
ラスボラの飼育に必要なもの
ラスボラは一般的な熱帯魚の飼育設備で飼育することができます。
必要な水槽の大きさ
ラスボラを飼育するのであれば30cm水槽、45cm水槽、60cm水槽のどれかがメインになります。
30cm水槽は飼育数が少なくなるのでラスボラを少数で飼育、45cm水槽ならラスボラメインに飼育、60cm水槽なら多種混合で混泳を楽しめます。
ろ過フィルターの選び方
ろ過フィルターは酸素供給や水をきれいにする役割があります。
ろ過力の観点から水槽のサイズによって使い分けることが多く、30cm水槽と45cm水槽なら外掛けフィルターか底面フィルター、60cm水槽なら上部フィルターが一般的です。色揚げを狙うのであれば水質維持がしやすい外部フィルターを使いましょう。
水槽の蓋
水槽の蓋はホコリの侵入や、飛び跳ね事故の防止につながります。隙間がないようにしっかりとしておきましょう。
水槽の立ち上げ方法
水槽の立ち上げで注意して欲しいのは、いきなりたくさんの熱帯魚を水槽に入れないことです。
水槽を立ち上げたばかりの時は、フンや餌の食べ残しなどの有害物質を無害な物質へ分解してくれるバクテリアがおらず、水質悪化のスピードがとても早いです。最初は少数から飼育してバクテリアの数を増やしていきましょう。
最初は2日に1回は1/3ほど水を交換してあげてくださいね。水質が安定すると飼育数を増やしても大丈夫ですよ。
水槽の立ち上げの手順
- ラスボラ水槽の置き場所を決める
- 水槽と水槽台をセットする
- 照明、フィルター、ヒーター、底砂をセットする
- カルキ抜きした水を入れる
- 各器具の電源を入れる
- 1時間ほどフィルターを動かして水の濁りを取る
- ラスボラを2匹ほどいれて1ヶ月飼育する
- ラスボラの数を徐々に増やしていく
アクアリウム水槽の立ち上げ方で詳しく紹介しているので、ご参考ください。
ラスボラの飼育方法
ラスボラは丈夫な熱帯魚なので、初心者にも飼育しやすいです。周りの環境によって色の濃さが変わってくるので、ラスボラに最適な環境を用意してあげましょう。
水槽のレイアウト
ラスボラは水槽レイアウトは群泳を意識して作ります。
温和な性格をしており、群泳を好んでいるので、10匹以上で飼育してあげましょう。
水槽レイアウトで水草はラスボラと同じアジア産の物を使うと味がでます。おすすめの水草はリスノシッポ、シベルス、ミクロソリウム、バリスネリアなどです。
弱酸性の水で飼育していると発色が良くなるので、水質を弱酸性に変える流木やソイル、水質調整剤で育ててあげましょう。
泳ぐのが得意ではないので、水流は弱めにしておいてください。
水合わせの方法
ラスボラは急激な環境の変化に弱いので、購入してきた個体をそのまま水槽に入れると水温差と水質差(phショック)で死んでしまうことがあります。予防するために水合わせをしっかりと行いましょう。
水合わせの手順
- ラスボラを水ごとバケツに入れる
- バケツの水が倍になるように30分かけて水槽の水を入れる
- バケツの水を半分捨てる
- 再びバケツの水が倍になるように飼育水を入れる
- 水温差がないことを確認してラスボラを水槽に入れる
適している水温は?
ラスボラに適している水温は22度〜26度です。低水温に弱いので、冬はヒーターを準備しましょう。
通常のヒーターでは水温が27度で固定されるので、温度調整機能付きのヒーターで24度に設定してあげます。
ヒーターのW数や電気代は水槽の大きさによって異なるので、おすすめの水槽用ヒーターをご参考ください。
適している水質と水換えの頻度は?
ラスボラに適している水質はph5.0〜5.5の弱酸性です。
水質の適応力が高いので、中性でも飼育することができますが、phを維持できると綺麗な体色を見せてくれますよ。
水換えの頻度は週に1回、1/4交換してあげましょう。
おすすめの餌
ラスボラにおすすめの餌は熱帯魚専用の人工飼料であるフレーク状のテトラミンや粒状の餌です。メダカの餌でも飼育することができますが、栄養価が少ないので、メインであげるのはおすすめできません。
赤色の色揚げ効果がある餌も相性がよく、乾燥エビやクリルをバラバラにしたものや、ディスカス専用の餌などもおすすめです。
飼育しているラスボラの好物を見極めることが大切なので、色々な餌をあげて見極めていくといいですよ。
餌の頻度は毎日2回、1〜2分で食べきれる量をあげてください。
商品情報と価格をチェック
かかりやすい病気と治療方法
ラスボラは体が小さい分、水換えなど環境が変わった時に病気にかかりやすいです。
白点病
全身が白い点々に覆われる病気で、寄生虫が原因です。輸入してきたばかりの個体に発症していることが多く、購入して1週間はしっかりと観察しておきます。感染力が非常に強いため、発症を確認したらすぐに別の水槽に隔離しましょう。メチレンブルーで1週間薬浴すれば元気になりますよ。
尾ぐされ病
ヒレ先が溶けてくる病気で、カナムナリスという病原菌が原因です。水質悪化がすすんだ水槽で繁殖するので、定期的な水換えが大切になります。発症を確認したらすぐに水槽の全換水を行ってください。
完治が難しい病気です。発症した個体は別の水槽に隔離して水温を30度にして、エルバージュで1週間薬浴してほど様子を見てみましょう。
ラスボラと混泳できる魚
ラスボラは温和な性格をしているので、多くの小型熱帯魚と混泳することができます。
おすすめの混泳相手
ラスボラにおすすめの混泳相手はネオンテトラ、プラティ、カージナルテトラ、グッピーなどの大人しい熱帯魚です。
ただし、熱帯魚同士であまりに色とりどりにすると煩雑になってしまいます。水底で生活するコリドラス、ヤマトヌマエビ、ミナミヌマエビであればラスボラをメインにした水槽にできます。
混泳に向かない相手
ラスボラとの混泳に向かないのは気性が荒いスマトラや泳ぎが得意なゼブラダニオ、体の大きなエンゼルフィッシュなどになります。
ラスボラの繁殖方法
ラスボラの繁殖難易度は初心者向けではありませんが、十分に狙えるくらいのレベルです。
繁殖には成熟した親魚がいることが大切なので、毎日しっかりと餌をあげます。10匹ほどで群泳させていると自然とペアができますよ。
ペアができると産卵用の水槽に隔離します。葉幅の大きい水草に産卵するので、ミクロソリウムなどを入れておきます。産卵後は食卵を防ぐために、親魚は元の水槽に戻しておきます。
稚魚の育て方
ラスボラの稚魚は産卵から2日前後で孵化します。最初はヨーサックと呼ばれる栄養のはいった袋で育つので、餌をあげる必要がありません。孵化して2日たつと餌を探して泳ぎ回るので、餌が必要になります。
稚魚は体が小さいので、餌には小さくて栄養価が高いブラインシュリンプが必要になります。乾燥卵を購入してきて孵化させないといけないので、手間がかかりますが、稚魚の生存率をあげるためには必須です。ブラインシュリンプの沸かし方と与え方で詳しく紹介しているので、ご参考ください。
1ヶ月ほどブラインシュリンプで飼育していると体が大きくなりラスボラらしくなるので、親魚の水槽に戻すことができますよ。
ラスボラについてまとめ
ラスボラはいい環境で長く飼育するほど体色が美しくなるため、飼育しがいのある熱帯魚です。ペットショップではくすんでしまっていることが多いですが、その美しさは他の熱帯魚に負けることはありません。
ラスボラをどこまで美しくできるのか?に挑戦するのはなかなかの楽しみ方だと思います。興味を持たれた方はぜひ飼育に挑戦してくださいね。
-
おすすめの熱帯魚を12種類|初心者向けや小型種は?