ミクロラスボラハナビはなんといっても美しい体色が魅力的な熱帯魚です。小さな体に綺麗に散りばめられた色彩は芸術を感じさせ、群れで泳がせることでさらに美しくなります。
今回はそんなミクロラスボラハナビについてレイアウトや繁殖方法、痩せた時の餌の対処方法、寿命など飼育方法を詳しく紹介していきます。
ミクロラスボラハナビの特徴
ミクロラスボラハナビはミャンマーなどの東南アジアの河川に生息するコイの仲間です。名前の通りラスボラと同じグループに属しています。
ダークブルーの体色をベースに花火が開いたような散りばめた黄色の斑点とヒレのオレンジ色が美しい熱帯魚です。
2006年に発見された熱帯魚のため、まだまだ養殖業者が少なく、日本での販売はほとんどみかけません。
大人しい性格で丈夫なので飼育も簡単です。体が小さいながらも見応えある体色をしているので、小型水槽の主役にぴったりの熱帯魚です。
寿命の長さ
ミクロラスボラハナビの寿命は平均して1年〜2年です。水温の変化や騒音、混泳相手などからストレスを受けやすく、1年以内に死んでしまうことが多いです。
体の大きさ
ミクロラスボラハナビの大きさは最大でも2cm〜3cmのサイズにしかならない小型の熱帯魚です。小型熱帯魚の中でもダントツに小さいです。
ミクロラスボラハナビの飼育環境
必要な水槽の大きさ
ミクロラスボラハナビは小型の30cm水槽から飼育することができます。
飼育数の目安は30cm水槽で10匹、45cm水槽で20匹、60cm水槽で30匹になります。
飼育に適している水温と水質
ミクロラスボラハナビに適している水温は25度〜27度の高めの水温を好みます。低水温に弱いので冬はヒーターを用意してください。
水質はph5.5〜6.0の弱酸性を好んでいますが、適応力は高いので神経質になる必要はありません。
水換えの頻度は週に1回、1/4ほど行いましょう。
おすすめの水槽用のヒーターで紹介しているので、ご参考ください。
ミクロラスボラハナビのレイアウト
ミクロラスボラハナビの水槽レイアウトは隠れ家がたくさんあることが大切です。
臆病な性格をしているので、5匹以上の群れで群泳させましょう。飼育数が少ないと奥に隠れて姿を見せてくれなくなります。
隠れ家になる水草や流木、石組みをたくさん置いてあげてください。原産地である東南アジアレイアウトを作るのであれば、ミクロソリウム、クリプトコリネやルブラ、ハイグロフィラ、ロタラなどの水草がおすすめです。
泳ぐのが苦手なので、水流は弱めにしてあげましょう。
ミクロラスボラハナビの飼育方法
ミクロラスボラハナビの飼育方法について紹介していきます。初心者向けとは言えず、体が小さいことで、餌やりや水質の管理が大変です。
値段と購入場所
ミクロラスボラハナビの値段は200円〜300円で販売されています。
購入場所はホームセンターや熱帯魚専門店などの店頭で見かけることが少ないため、ネット通販を利用しましょう。
体が小さいため餌不足で痩せていることが多くあります。可能であれば個体の様子を確認したり、入荷して日が経っていない個体はさけておきましょう。
水合わせの方法
ミクロラスボラハナビは水質の変化に弱いので、水合わせは慎重に行いましょう。水合わせの手順を紹介します。
水合わせの手順
- ミクロラスボラハナビを袋の水ごとバケツにいれる
- バケツの水が倍になるようにコップで30分かけて少しづつ飼育水をいれていく
- バケツの水を半分捨てる
- 再びコップで飼育水をバケツに入れていく
- バケツの水を入れないようにミクロラスボラハナビを水槽に入れる
ミクロラスボラハナビの混泳
ミクロラスボラハナビは混泳できますが、単独飼育がおすすめです。
体が小さく、臆病な性格をしているので、ネオンテトラなどの小型熱帯魚の代表種でも怖がって隠れてしまいます。そうなると餌不足やストレスで本来の美しさを発揮することができません。
中層~上層を泳ぐ熱帯魚なので、コリドラスやミナミヌマエビなどの生活スペースが異なる種類ならトラブル無く混泳することができます。最初は怖がりますが、慣らすことができれば、食べ残した餌を掃除してくれるので、管理が楽になりますよ。
ミクロラスボラハナビの色揚げ方法
ミクロラスボラハナビは飼いこむほど色揚げしていくので、まずは餌をしっかりとあげて大切に育ててあげましょう。2ヶ月も飼育すれば鮮やかになってきます。
周りの環境が白っぽいと色が飛びやすくなるので、蛍光灯は白系を避けてください。バックスクリーンやサイドも何か貼っておくとよいです。
弱酸性を維持するために流木をいれたり、底砂に黒色のソイルをひいておきましょう。
餌は赤色の色揚げ効果があるエビ系の餌である乾燥エビがあります。しかし、たくさんの餌の量を食べることが大切なので、種類にこだわるよりも、食いつきがいい餌をあげてください。
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ミクロラスボラハナビの死因や病気
ミクロラスボラハナビは水槽飼育が安定するまでは死にやすい熱帯魚なので、最初の1ヶ月は注意が必要です。
一度病気にかかるとそのまま死んでしまうことも珍しくないので、よく観察しておきましょう。
白点病
白点病は尻びれや尾びれに白い点々が発生し、全身に広がっていく病気です。輸入されたばかりで体力がないときにかかりやすくなります。購入して1週間はこまめに観察して、発症した個体を見つけたらすぐに別の水槽に隔離します。メチレンブルーで1週間薬浴してください。
奇形
体が弱いため奇形種が生まれることがよくあります。治療することはできないので、購入前にしっかりと確認しましょう。
phショック
水換えや導入時の水温や水質の急激な変化に対応できず、元気がなくなり死んでしまう症状です。一度発症すると直すことはできないので、慎重に水あわせをするようにしてください。
ミクロラスボラハナビの餌やりは大変
ミクロラスボラハナビは体が小さいので餌やりは大変です。普通の熱帯魚の餌をそのまま与えても、大きすぎて食べられません。
メインの餌は熱帯魚専用のフレーク状の人工飼料をすりつぶしたものになります。
餌の量が不足するとすぐに痩せてしまいます。そんなときは稚魚用の餌で有名なブラインシュリンプを食べさせてください。栄養価が高く、サイズも小さいので喜んで食べてくれますよ。赤虫をすりつぶしたものも効果的です。
餌の頻度は1日2回、少量づつ様子を見ながら与えてください。
ミクロラスボラハナビの繁殖方法
ミクロラスボラハナビはコイ科のなかでは珍しく、水槽飼育でも繁殖が狙える熱帯魚です。水草をたくさん植えている水槽であれば自然繁殖することもあります。
繁殖を狙うときに最も大切なのは状態がいい親魚を購入して育て上げることです。元気のない個体が多いので、泳ぎ方や腹部の状態などしっかりと見極めてください。
水温で27度を維持していると繁殖期に入り、ミクロラスボラハナビのオスは縄張り争いを始めます。
親魚の餌は栄養価が高いブラインシュリンプを中心にして太らせていきます。ペアができると寄り添って泳ぐようになり、ウィローモスやヒモ状のものに産卵を行います。
稚魚の餌にもブラインシュリンプを与えてくださいね。
雌雄の見分け方
オスとメスは尻びれで見分けることができます。オスは尻びれに黒いラインが入りますが、メスには入っていません。成熟するとはっきりと判断することができます。
ミクロラスボラハナビについてまとめ
今回はミクロラスボラハナビの特徴や飼育方法について紹介していきましたが、いかがでしたでしょうか。
ミクロラスボラハナビは花火のような派手な体色が非常に美しい熱帯魚で、飼いこむほど濃く綺麗になっていきます。ぜひ群れで飼育したいですね。
体が小さいことから餌やりや水質管理が大変ですが、頑張っただけ美しく育ってくれるので、その価値はあると思います。興味を持たれた方はぜひ飼育に挑戦してみてくださいね。
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