バタフライフィッシュは小さな体ながら、肉食系古代魚として人気をあつめている熱帯魚です。一般家庭の水槽でも飼える反面、餌の好みが激しく、飼育するには少しコツが必要です。
今回はそんなバタフライフィッシュについておすすめの餌や特徴、混泳できる魚など飼育方法を詳しく紹介していきます。
バタフライフィッシュの特徴
バタフライフィッシュは南アフリカにあるニジェール川やザンベジ川に生息しています。アロワナ目パントドン科パントドンに属しており、体形がアロワナにそっくりなことから小さなアロワナと呼ばれています。パントドンの種族は非常に珍しく、バタフライフィッシュのみの1種類しかいない属です。
大きく発達した胸ビレが特徴的で、上から見ると蝶々のように見えることからバタフライフィッシュと名付けられました。
体の大きさ
バタフライフィッシュの大きさは13cmほどの中型の熱帯魚です。最大だと15cmほどまで成長します。
寿命の長さ
バタフライフィッシュの寿命は平均で3年です。最長だと5年になります。
バタフライフィッシュの生態
バタフライフィッシュは泳ぎ回る熱帯魚ではなく、ゆるやかな流れの河川や淀んでいる池の水面下でじっとしている事が多いです。
夜行性で、日光が出ている時間帯は日陰で身を隠しています。飼育下でもじっとしている時間が長いので、泳ぎ回る姿を見たい方には物足りないかもしれません。
水面を飛ぶ
バタフライフィッシュは発達した胸びれと尾びれを使って水上に飛び上がり、水面近くを飛んでいる昆虫を捕食します。
水槽のレイアウトでは陸上を作ったアクアテラリウムを用意すると、飼育下でも餌を見つけると勢いよく飛び上がる姿が観察できます。
小さな体ながら、大きな口で餌にかぶりつく野生的な姿を味わうことができますよ。
バタフライフィッシュの飼育に必要なもの
バタフライフィッシュの飼育に必要な水槽や器具について紹介していきます。
ほとんど動かずに、穏やかな水流を好んでいるため、環境には少しだけ工夫が必要です。初期費用で5万円ほどみておくといいですよ。
必要な水槽の大きさ
バタフライフィッシュは水面近くを横移動するので、水深はあまり必要にならず、横面積が大切です。
30cm水槽では飼育できないので、最低でも45cm水槽、余裕を持って60cm水槽を準備すると群泳にもチャレンジできますよ。
ろ過フィルターの選び方
水流の少ない穏やかな水面を好むので、エアレーションは弱めにして水流を発生させないようにしてください。
45cm以下の水槽であれば、外掛けフィルターか底面フィルター、60cm以上の水槽ではろ過力がある上部フィルターを使うことが多いです。
壁面に水流をぶつけるなどして弱くするための工夫をしてください。
照明
観賞しやすくしたり、昼夜の変化をつけるために照明をいれてあげましょう。強い光は苦手なので、日陰が必要です。
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飛び出し防止の水槽の蓋
バタフライフィッシュは騒音や振動で驚いたりするとよく水上に飛び出すので、必ず隙間がないようきっちりと蓋をしておきましょう。
バタフライフィッシュの飼育方法
バタフライフィッシュは体が丈夫なので、飼育は難しくありません。しかし、ほとんど泳がないので混泳相手に注意したり、生き餌を準備するのが大変になります。
値段や販売場所は?
バタフライフィッシュは5cmほどの個体が1,000円〜3,000円前後で販売されています。
ホームセンターではあまり販売されていることがなく、熱帯魚専門店かネット通販でさがしてみましょう。ネット通販ではチャームという店舗が有名ですよ。
適している水温と水質
バタフライフィッシュに適した水温は24度〜28度です。
寒さには弱いので、冬は安全カバーがついたヒーターを用意してあげましょう。
水質はpH6.5〜7.25の弱酸性を好みます。水質に敏感な魚ではないので、飼育しやすくそこまで注意する必要はありません。水換えは週に1回1/3ほど行ってあげてくださいね。
おすすめの水槽用のヒーターで紹介しているので、ご参考ください。
レイアウトは陸上部分も作るアクアテラリウム
バタフライフィッシュの魅力を最大限に引き出すためには、レイアウトで水を半分だけいれて、上半分を陸地にするアクアテラリムがおすすめです。
流木や地上の植物を植えておき、そこに生きたコオロギやミルワームを置いておくと、ジャンプして餌を食べる姿を観察することができますよ。
アクアテラリウムにしない時は、泳ぎの邪魔にならないように水面に障害物をあまりおかないようにしておきましょう。
餌は生き餌がメイン
バタフライフィッシュは肉食性が強く、生き餌が大好物です。メダカやコオロギをメインに与えましょう。
人工飼料に餌付けるには時間がかかりますが、慣らすと浮上餌であるカーニバルやクリルなど食べてくれるようになります。水面に軽く叩きつけるようにしてあげると、反応しやすくなりますよ。
食生活はアロワナに似ているので、アロワナの餌を参考にしてください。
餌を食べてくれない時は割り箸などを使って目の前で動かしてあげましょう。
水中に沈んでしまった餌はほとんど食べないので、すぐに取り除いてください。冷凍赤虫も好んで食べますが、沈んでしまうと食べなくなるので、一度にたくさんあげるのはやめておいてください。
餌の頻度は1日に2回、1〜2分で食べきれる量を与えてくださいね。
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混泳できるの?
バタフライフィッシュは温和な性格で、普段は水面でじっとしているので、混泳向きです。
しかし、臆病な性格で近くに魚がよってくると驚いて水槽内をせわしなく泳ぎ回ります。ストレスを感じやすいので、生活層が異っている熱帯魚を選んであげてください。
おすすめの混泳相手は下層に生息するプレコやポリプテルスの小型種であるデルヘッジなどです。
泳ぐのが苦手なので、活発なスネークヘッドなどはさけておいたほうがいいですよ。エビ類は小型で捕食対象になるのでやめておきましょう。
かかりやすい病気と治療方法
丈夫なので病気にはあまりかかりませんが、導入初期は白点病に注意が必要です。
白点病とはヒレ先に白い点々が出来はじめて、全身に広がっていく病気です。輸入された個体が発症していることが多く、購入してから1週間は注意して観察しておきましょう。症状を確認したらすぐに別の水槽に隔離して、メチレンブルーで規定量の1/3で薬浴してあげてくださいね。
繁殖は難しい
バタフライフィッシュの繁殖は国内でも例が少ないほど難しいため、狙ってやるというよりも出来たらいいなという感じにしておきましょう。
産卵は水面近くに浮遊性の卵を産むので、水上に到達するくらいの長い水草や浮き草を入れておいてください。
繁殖には毎日餌を食べて、しっかりと成熟した親魚がいることが大切になります。大好物を昆虫を中心に人工飼料などバリエーションを組んであげましょう。
卵を食べてしまうので、卵を見つけたらすぐに隔離してあげてくださいね。
雌雄の見分け方は簡単で、尻びれの形状に違いがあります。メスは上半分がかけており下半分は発達していますが、オスはかけている部分がなく、綺麗に一体化しています。
バタフライフィッシュについてまとめ
バタフライフィッシュはあまりメジャーな熱帯魚ではないので、その姿をみかけることはなかなかありません。実際には水族館で小さなアロワナと奇妙な熱帯魚として紹介されることが多いです。
それでも餌を狙って水面を飛び跳ねる姿や独特な風貌はバタフライフィッシュにしかない魅力ですので、一度その姿を見てみてくださいね。
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