ナイルモニターは気性が荒い性格として有名なオオトカゲですが、販売されているベビーの体色はあまりにも美しく、飼育したいと思った方も少なくないのではないでしょうか。
今回はそんなナイルモニターの生態や特徴、性格、給餌方法など飼育方法について詳しく紹介していきます。
ナイルモニターの生態と特徴
ナイルモニターはオオトカゲ科オオトカゲ属に分類されるトカゲの仲間で、正式名称はナイルオオトカゲといいます。アフリカのエジプトにあるナイル川付近の熱帯雨林に生息しており、高温で多湿な環境を好んでいます。
モニターという名前には監視者という意味があり、木に登って上から相手の様子をうかがっていることからそう呼ばれるようになりました。よくに木に登り、水中を泳ぐが得意、陸地も走り回ると万能型のオオトカゲです。
非常に美しい体色をしたオオトカゲで、黒色をベースに黄色のスポット模様やバンド模様がはいります。ベビーの頃は黄色の色味が強いですが、成長するにつれて少し薄くなっていきます。より濃い黄色の体色を求めている方にはオルナータナイルモニターという種類がおすすめです。
肉食性でベビーの頃はゴキブリなどの昆虫を食べ、成長すると鳥や小動物を食べるようになります。犬や猫、子供にとってはかなり危険な存在なので、市街に出現したナイルモニターを駆除するために警察が出動することがあります。
体の大きさ
体の大きさは平均して120cm~150cm、最大だと200cmまで成長します。飼育下では170cmを超えることはほとんどありません。
寿命の長さ
ナイルモニターの寿命は平均して15年です。運動不足や肥満になると短命になるので、注意してください。
ナイルモニターの性格は荒い?
ナイルモニターの性格は気性が荒く、攻撃性が強いので、ペットとしての飼育には向いていません。ケージに入れていても、顔を近づけようものなら威嚇をして、すごい勢いで飛びつこうとしてきます。
大型のトカゲで噛む力が強く、一度噛まれると話してくれないので、ケージを掃除するときは革手袋などの体を守る装備は必須です。外に出すと飼い主さんの足にめがけて、ものすごい勢いで突撃してきます。
慣れることはあるのか?
一部のブログではナイルモニターをベビーの頃から飼育することで飼い主さんにベタ慣れしていたり、臆病な性格で攻撃性は無い個体などの紹介されています。
しかし、それはほんの一部であり、総じて攻撃性が強いと思っておいた方がいいですよ。
ナイルモニターの飼育環境
ナイルモニターは市販されているサイズでは最後まで飼育することができないので、特注のケージを準備する必要があります。初期費用では10万円ほどみておきましょう。
ケージの大きさと選び方
ナイルモニターは大型のトカゲで運動量が多いので、巨大なケージが必要になります。
ケージのサイズは最低でも180cm(横幅)×90cm(奥行き)×45cm(高さ)を用意してください。このサイズは市販されていないので、自作するか特注品をオーダーします。
それでも運動量が多くて狭く感じしてしまうため、可能な限り大きくすることをおすすめします。
大きなケージで飼育をしていると、飼い主さんの目に触れる機会が減り、ますます人慣れしにくくなってしまいます。少しでも攻撃性を弱めたいときは、体の大きさに合わせて60cmのケージ、90cmのケージと徐々に大きくして、毎日観察することで慣れやすい環境を整えていきましょう。
ライトはバスキングライトと紫外線ライトが必要
ナイルモニターは日光浴をよくするため、バスキング用の照明と紫外線を含んだUVライトの2つが必要です。
バスキングスポットとは体温を上げるためにある高温地帯で40度近くのホットスポットを作り出します。温度が上がらないときは床に石や流木を置いて、ライトとの距離を近づけます。
紫外線は体に必要なビタミンを作り出すために必要です。
他にも観賞用に蛍光灯をいれてあげるといいですよ。
ライトはケージの内部に入れていると、しがみついて火傷することがあるため、ケージの外から照射するようにしてくださいね。
ナイルモニターのライトについは爬虫類に必要なバスキングライトと紫外線ライトで詳しく紹介しているので、ご参考ください。
床材の選び方
ナイルモニターの床材は滑るのを防止するのが目的になります。滑っている状態で歩き回ると足腰が悪くなってしまうからです。
床材の候補はヤシガラマットや、交換が簡単なペット用のトイレシートやユニットターフ(人工芝)などになります。床面積が広いので交換が簡単なペットシートがおすすめです。
フンや尿などをしたら清掃しなければなりませんが、安易にケージの中に手を入れることができないので、飼育スタイルに合わせて管理が楽な物を選んでくださいね。
水容器
ナイルモニターはよく水に入るので、全身が浸かる大きさの水容器を用意してください。飲み水としても使うので、毎日交換して新鮮な状態を維持してくださいね。
ナイルモニターの飼育方法について
ナイルモニターの飼育は気性の荒さと体の大きさから、飼育難易度はかなり高い生き物です。他にも成長過程で食性が変わり、それに対応しないと栄養不足になってしまうので、初心者にはまったくおすすめできません。飼育には覚悟が必要です。
チェックポイント
- 気性が荒いので、日々の世話が大変。
- 体の大きさがそれを助長する
- 餌の切り替えが必要
値段と販売場所
ナイルモニターは20cm以下のベビーが7千円~1万円と、トカゲの中でも非常に安価に販売されています。
シーズンが始まる4月から入荷量が増えていきますので、その頃になったら爬虫類専門店で探してみてくださいね。
適している温度と湿度
ナイルモニターに適している温度は25度~30度と高温を好みます。
低温に弱いので、25度は下回らないようにしてください。冬は上部からケージを暖める暖突と、ケージの下部から暖めるパネル式ヒーターの2つを用意してくださいね。
湿度は60%~70%の多湿な環境を好んでいます。
ベビーの頃は乾燥した環境に弱いので、必要に応じて霧吹きをしましょう。大人になると体は丈夫で、水容器をいれておけば自分で調整してくれるので、たいして気にする必要はありません。
おすすめの餌と与え方
ナイルモニターはベビーの頃はコオロギやデュビア、レッドローチなどの昆虫を与えます。成長すると食性が変わり、ヒナウズラやマウス、鶏肉、ササミ、はつなどの肉類が中心になります。
成体のときに昆虫をメインにしていると栄養不足で突然死することがあるため、両方をバランス良く与えるようにしてください。食性が変わると肉類に強い興味を示すようになりますよ。
餌の頻度はベビーの頃は毎日、食べられるだけ与え、大人になると肥満防止もかねて週に3回ほどに減らします。
まれに温度不足や餌に飽きたことが原因で、拒食をすることがあります。事前に多くの餌を食べられるようにしておいてくださいね。
ナイルモニターについてまとめ
今回は気性が荒いとして有名なナイルモニターについて紹介していきましたが、いかがでしたでしょうか。
非常に美しい体色をしており、実際に人気があるトカゲです。
しかし、飼い主さんに慣れることはほとんどなく、常に威嚇と攻撃されるものだと思っておいてください。ベビーの頃に人慣れしていて、もしかしたら成体でも慣れてくれるかも?と思ってしまうのは非常に危険です。
ちゃんと飼育するためには巨大なケージでゆうゆうと生活している姿を観察するのがおすすめです。ですので、楽しむためにはそれなりに費用がかかります。
性格が大人しいオオトカゲではミズオオトカゲやサバンナモニターが人気です。生態や特徴など紹介していますので、よろしければご参考くださいね。
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