パンサーカメレオンは青、黄、赤、オレンジなど様々な色をもったカラフルなカメレオンです。目をあちこちに動かしてこちらの様子をうかがいながら、ばれないようにか風にあおられたように、体をゆったりと左右に振る姿はとってもかわいいです。
今回はそんなパンサーカメレオンの生態や特徴、モルフ、寿命、おすすめの餌など飼育方法について詳しく紹介していきます。
パンサーカメレオンの生態と特徴
パンサーカメレオンはカメレオン科フサエカメレオン属に分類されるトカゲの仲間です。
アフリカ南東に位置するマダガスカル島の北部に分布しており、他にも数多くの動植物が生息している、巨大な熱帯雨林があります。地上に降りることはなく、ずっと木の上で生活しています。
カメレオンの舌の長さは体長の2倍あり、パンサーカメレオンの舌の長さは80cm近くになります。先端はネバネバしており、昆虫は少し触れただけで逃げられません。
名前の由来は体色がヒョウ柄に見えるとからパンサー(豹)と名付けられました。他のカメレオンと違い、頭部にエボシ(でっぱり)が無く、平らになっているのが特徴的です。
性格は神経質で臆病のため、飼育者になれるには時間がかかります。たくさん触れ合ったりするとストレスを与えてしまうため、観察するためのペットだと思っておいてください。
体の大きさ
※画像はメスです。
パンサーカメレオンの大きさは40cm~50cmです。飼育下ではここまで大きくなることは少なく、35cmを超えることはあまりありません。メスは一回り小さく30cm以下になります。体重は250g~300gほどになります。
寿命は5年
パンサーカメレオンの寿命は平均して8年です。適している環境の維持が難しく、飼育下では5年以下になることが多いです。
パンサーカメレオンのモルフ(種類)とローカリティ
パンサーカメレオンはマダガスカル島に分布していますが、その中でもローカリティ(産地)によって発色が大きく異なるため、産地名+パンサーカメレオンで販売されていることが多いです。メスはどの産地でも地味な褐色をしており、体色から産地を判断するのは難しいです。
人気のモルフは、青い体色がベースになったノシベや赤茶色がベースになったタマタブ、赤ピンクがベースになったアンカラミー、黄色がベースになったサンバーバ、緑色の発色が濃いジャンゴアなどです。
どの品種もベースになる色だけではなく、体長や気分次第でも発色は変わります。お気に入りの一匹を見つけてあげましょう。
パンサーカメレオンの飼育環境
必要なケージの大きさ
パンサーカメレオンのような木の上で生活する生き物は床面積よりも高さが大切になります。
ケージは最低でも高さで体長の1.5倍、横幅は同じくらいの大きさが必要です。おすすめの爬虫類用ケージは45cm(横幅)×45cm(奥行き)×60cm(高さ)のグラステラリウム4650です。
大きめの鳥かごで飼育することもできます。そのときは湿度をたもつために加湿器を作動しておきましょう。
カメレオンは上から見られるのが苦手なので、ケージの置き場所は人間の目よりも上になるようにして、前開きのものを選んでくださいね。
おすすめの爬虫類用ケージで紹介しているので、ご参考ください。
ライトはバスキングと紫外線の2つが必要です
パンサーカメレオンは昼行性で日光浴をするため、バスキング用の照明と紫外線を含んだUVライトの2つが必要です。
バスキングスポットとは32度前後の高温地帯を部分的に作り出し、体を温めるのに使います。UVライトはカルシウムの吸収を助けるビタミンDの生成に必要です。電球にくっついて火傷する恐れがあるため、ケージの外から照射するようにしてください。
バスキングライトの温度は、照射場所にいる時間が長いと感じたら温度を上げ、あまりいかないようなら温度を下げてください。ケージ全体の温度が上がると逃げ場所がなくなるので、バスキングスポットはケージの端に作り出しましょう。
直射日光を当たり続けると落ち着かないので、葉で日陰になるようにレイアウトしてくださいね。
パンサーカメレオンのライトについては爬虫類に必要なバスキングライトと紫外線ライトをで詳しく紹介しているので、ご参考ください。
床材の選び方
床材にはヤシガラマットやウッドチップなど保湿性が高くて、ケージ内の湿度を保ちやすい物がおすすめです。糞をしたらこまめに交換してあげてくださいね。
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鳥かごを使うときはペット用のトイレシートを底に敷いておきましょう。
水容器
パンサーカメレオンは止まっている水を飲むことはありません。水を飲ませるためには動きをつけて、水玉がキラキラと光る状態を作る必要があります。
1つめの方法はタッパに水を入れて、エアレーションで水の動きをつけることです。キラキラと光る水に反応して飲んでくれます。2つめが少しずつ水が垂れてくるドリップ式の容器を設置して、ケージ上部から水を落とすことです。葉っぱの上に落ちるように調整してください。3つめが毎日朝と夜に葉っぱの上に霧吹きすることです。
一番確実なのは、水差しを浸かって直接口元までもっていって飲ませる方法です。飼育しているパンサーカメレオンによって飲む飲まないがあるので、それぞれ挑戦していってください。
水をなかなか飲まない個体もおり、水不足になると目がくぼんだり、舌先の粘着力が失われたり、脱水症状を引き起こします。どうしても飲まないときは威嚇させて、開けた口にむかって強引に水を霧吹きしましょう。
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パンサーカメレオンの飼育方法
パンサーカメレオンの飼育では温度と湿度の管理が大変になります。当然ですが、彼らが野生で生きている環境は日本とは全く異なるため、最初はそれを維持するのに苦労します。慣れてくると飼育は難しいことはありません。運動不足にならないようにだけ注意してください。
値段と販売場所
パンサーカメレオンの値段は3万円~6万円です。ベビーサイズはなかなか流通しておらず、15cm~の大きさの個体が多いです。繁殖が比較的容易のため、国内外で繁殖された養殖個体が多いです。
爬虫類は動物愛護法の問題で対面販売が義務づけたれているため、ネット通販で購入することができません。
爬虫類専門店か全国で行われているペット即売会で入手することができます。初心者の方は爬虫類専門店で相談できる店員さんを作っておいた方が良いです。飼育になれてくると、イベントなど販売数が多い場所で、お気に入りの1匹を探しに行きましょう。
レイアウトは木の枝を上手に組み合わせる
パンサーカメレオンは木の上で生活しているので、なるべく多くの木の枝をいれてあげましょう。枝の太さは手でしっかりとつかめる大きさで、横向きと斜め30度くらいを意識してしっかりと固定します。
臆病な性格をしているため、隠れ家になる葉っぱも多めに入れて、人目につかないようにします。最初はあまり観察できませんが、飼育になれてきたら徐々に葉っぱの数を減らすことができるようになりますよ。
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飼育に適している温度と湿度
パンサ-カメレオンは環境の変化に敏感なので、温湿度計を設置して、毎日チェックするようにしてください。
適している温度は25度です。冬は上部に暖突をつけてケージ全体を暖めます。
湿度は50%~70%を好むので、毎日朝と夜に霧吹きをしてあげましょう。ケージの蒸れには弱いため、風通しが悪いときは小型の扇風機を使います。湿度が安定しないときは部屋に加湿器を設置しましょう。
おすすめの爬虫類用ヒーターで紹介しているので、ご参考ください。
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餌はコオロギなどの昆虫がメイン
パンサーカメレオンは生きている昆虫しか食べないので、爬虫類餌として市販されているコオロギやデュビア、レッドローチが主食になります。ミルワームも与えられますが、脂肪分が多く肥満になりやすいので、メインの餌には使えません。
昆虫だけでは栄養に偏りがあるので、与えるときは爬虫類専用のカルシウム剤であるマルベリーCaなどをまぶしてから与えます。これをダスティングと言います。
慣れている個体であれば、ピンセットで直接与えることができますが、最初は逃げてしまうので、逃げないように深めのプラスチックケースにダスティングした昆虫を入れて放置しておきます。勝手に食べにくるのを待っておきましょう。
餌の頻度はベビーの時は骨格を作る大切な時期なので、毎日食べられるだけ与え、大人になると3日1回、10匹前後の昆虫を与えます。
餌を吐き出すときは餌が大きすぎることがあるため、餌のサイズを小さくするか、コオロギなら固い後ろ足を取り除いてあげましょう。
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パンサーカメレオンについてまとめ
今回はパンサーカメレオンの生態や飼育方法について紹介していきましたが、いかがでしたでしょうか。
飼育の注意点としては水を飲まない時の対処と湿度維持が大切なポイントになります。特に神経質な性格が多く、最初にじろじろと見続けて、かまってしまうと元気がなくなるので、注意してください。
そこさえクリアできれば、体は比較的小さく、飼育しやすいカメレオンです。興味が持った方はぜひ飼育に挑戦してみてくださいね。
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パンサーカメレオンの飼育方法|寿命やモルフ、値段は?