ミシシッピニオイガメは小さい亀で、亀特有のこんなにも大きくなる?と思うこともなく、初心者でもそのかわいさを全力で楽しむことができる亀です。
今回はそんなミシシッピニオイガメの生態や特徴、水槽の臭い、性格、混泳相性、水換え、紫外線ライトなど飼育方法について紹介していきます。
ミシシッピニオイガメとは?
ミシシッピニオイガメはドロガメ科ニオイガメ属に分類される亀です。生息地は北米のミシシッピ川を中心に分布しています。
甲羅は黒褐色で模様がありませんが、個体差が激しく、はっきりと模様がある個体もいます。甲羅は綺麗なドーム状で丸みを帯びています。頭部も黒褐色をベースに薄い黄色の模様がランダムに入っています。
日本に帰化しているミシシッピアカミミガメとは同じ生息地で見た目もそっくりですが、アカミミガメには臭腺がなく、耳の近くが赤くなっているため、簡単に見分けることができます。ミドリガメ(ミシシッピアカミミガメ)の特徴と飼育方法で紹介しているでのご参考ください。
臭いがする?
ニオイガメは危険を感じると腹部にある臭腺から強い匂いをだす亀の仲間で、ミシシッピニオイガメも臭腺をもっています。
飼育下ではその臭いをだすことはほとんどないのですが、亀特有の臭いはありますので、苦手な人は避けておきましょう。
寿命の長さ
ミシシッピニオイガメの寿命は平均で15年、最長だと25年は生きることができます。体が丈夫なので、水槽飼育でも長生きさせやすいです。かなり長寿ですが、日本の生き物ではないので、絶対に放流はしないでください。
ミシシッピニオイガメの魅力
ミシシッピニオイガメは水棲の亀の中で人気が高く、その最たる理由は体が小さいことです。観賞用の亀はだいたい25cm前後になる個体が多い中、ミシシッピニオイガメは最大でも12cmにしかならないので、水槽も大きくなく、飼育のハードルが下がります。人の手のひらにすっぽりおさまるのもかわいいポイントです。
次に人気の理由が温和な性格で人になついてくれることです。なんども餌をあげて慣れ始めたら、飼育者の顔を見つけると餌のクレクレダンスを踊るようになりますよ。
また、水中内の酸素を取るために大きく口をあげるのですが、その仕草があくびにみえたりと、とてもキュートな一面も見せてくれますよ。
ミシシッピニオイガメの生態と習性
ミシシッピニオイガメは泳ぎが得意で手の水かきが発達しています。水深が60cm以下の浅くて、水流が穏やかで少し暗がりの河川を好んで生息しています。
夜行性のカメで、昼間は水中の泥や落ち葉の中に隠れており、夜になると泳ぎ始めます。肉食性が強く、寝静まった小魚やエビなどの甲殻類、タニシなどの貝類を捕食します。
体が小さいので天敵が多く、カラスなどの鳥類からイタチなどの哺乳類、ヘビなど様々です。
冬眠して越冬する
ミシシッピニオイガメは変温動物のため、水温が15度を下回ると冬眠の準備を行います。冬眠は水の流れが穏やかな落ち葉や泥の中で行い、一旦仮死状態になるので、まったく動きません。そして再び水温が15度を超える春頃になると冬眠から目覚めます。
飼育下での冬眠は難しいため、ヒーターで温度調節しておきましょう。
脱皮をする
ミシシッピニオイガメも他の爬虫類と同様に体が大きくなったら脱皮を行います。ヘビのようにスルっと古い皮膚を脱ぎ捨てるのではなく、ぺりぺりと小さな塊で剥がれていきます。だいたい2ヶ月に1回のペースで脱皮しますよ。
ミシシッピニオイガメの飼育環境
ミシシッピニオイガメは熱帯魚の水槽と同じ環境で飼育することができます。初期費用では4万円ほどみておくといいですよ。
必要な水槽の大きさ
水槽は透明度が高く、傷がつきにくい熱帯魚用のガラス水槽がおすすめです。
かなり泳ぎ回るため、水槽の横幅は体長の5倍以上、奥行きは3倍以上と広めのものが必要です。体長が12cmのミシシッピニオイガメだと60cm(横幅)×36cm(奥行き)が目安で、水深は30cmあれば十分です。
脱走をしないように隙間なく蓋をしておいてください。また力が強いのでしっかりと固定するのを忘れないでくださいね。
おすすめの60cm水槽で紹介しているので、ご参考ください。
ライトは紫外線とバスキングの2つが必要
ミシシッピニオイガメは体を温めるためのバスキングライトと甲羅を育てるために紫外線ライトが必要です。水槽の上部に設置するタイプのライトがあるのでそれを使いましょう。
甲羅の成長がほとんどない大人は紫外線なしだと元気が少し無くなるくらいですが、子供の成長には必須で不足すると甲羅の形がおかしくなったりします。
ミシシッピニオイガメのライトについては亀の紫外線ライトやバスキングライトで詳しく紹介しているので、ご参考ください。
フィルターの選び方
ミシシッピニオイガメは肺呼吸を行うため、酸素供給という意味でエアレーションは必要ありませんが、フンの量が多いので、ろ過するためにフィルターを設置することをおすすめします。
投げ込み式フィルターかコーナー式フィルターでいけますが、ろ過が不足していると感じたら上部フィルターを使いましょう。強い水流は苦手なので、ガラス面に向けるなど、弱めるための工夫をしてください。
おすすめの上部フィルターで紹介しているので、ご参考ください。
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レイアウトは水位を上げて、陸を作る
ミシシッピニオイガメは完全に水中で生活するカメなので陸地は必要ありません。それでも空気呼吸のために水面に顔を出すので、前足をひっかけるための浮島をおいてあげると使ってくれます。
流木や石組など入り組んだレイアウトにするとひっかかって溺れることがあるので、なるべくシンプルなものにしてください。水草は食べてしまうので、入れないでおきましょう。
水換えや清掃がしやすいように、底砂や流木など何も入れないベアタンクでの飼育が人気です。どうしても味気ないと思う時は、誤食しないように粒の大きい砂利だけをいれることがあります。
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ミシシッピニオイガメの飼育方法
ミシシッピニオイガメはとても丈夫な亀なので、飼育は簡単です。飼育の注意点としては、子供の時はしっかりと欠かさずに餌を与えて、成長させることが大切です。
値段と販売場所
ミシシッピニオイガメの値段は3cmほどの子供が3,000円〜5,000円で販売されています。この大きさだと指先にも乗るくらいです。
爬虫類は対面販売が義務付けられているのでネット通販で購入することはできません。販売量は多くないため、入荷量が多くなる秋から冬にかけて爬虫類専門店をまわってみましょう。
輸入状態によってはすでに弱っていることもあり、元気に泳ぎ回っている個体を選んでくださいね。
毎週水換えと掃除をする
ミシシッピニオイガメは大量のフンで水を汚すので、水質維持のための水換えは必須です。臭い対策にも効果的ですよ。
水換えの前日にバケツに水を張って1日天日干ししてカルキを抜いてください。最初にガラスの苔をスポンジで落とし、ホースを使って、水底に溜まったフンと水中にまっているコケを吸い出します。その後にカルキを抜いた水を30分かけてゆっくりと水槽にいれていきます。
毎週1回は1/3ほど水を交換してくださいね。
水換えと同時に甲羅に付着したコケを指の腹で優しくこすり落としてくださいね。放置しているとこびりついてなかなか取れなくなってしまいます。
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飼育に適している水温と水質
ミシシッピニオイガメに適している水温は23度〜30度です。低水温に弱いので、冬は火傷防止カバー付きのヒーターを導入してください。
おすすめの水槽用のヒーターで紹介しているので、ご参考ください。
餌は人工餌がメイン
ミシシッピニオイガメの餌は栄養バランスが整っているカメ専用の人工飼料がおすすめです。乾燥エビも食べてくれますが、栄養の偏りがあるので、やはり人工飼料は餌付けしておいて欲しいです。
肉食性が強い個体はなかなか人工飼料を食べてくれないので、熱帯魚専門店で販売されている餌用のメダカやスジエビ、コオロギを用意する必要があります。他にもレバーや牛ハツなど脂肪分が少ない餌も使えます。子供には冷凍赤虫を与えましょう。
体が7cmを超えるまでは骨格を作る大切な時期なので、毎日食べられるだけ餌をあげてください。7cmを超えてきたら餌は3日に1回にして肥満にならないように制限していきます。大人の個体であれば断食に強く1週間程度の旅行であれば餌無しでも大丈夫です。
ミシシッピニオイガメの餌については亀におすすめの餌で詳しく紹介しているので、ご参考ください。
混泳と多頭飼い
ミシシッピニオイガメは大人しい性格をしているため、混泳や多頭飼いに向いています。
混泳相手はカブトニオイガメなどの同じくらいの大きさのカメを選びましょう。
肉食性が強いため、小型の熱帯魚や弱った生き物は餌となり、混泳できません。餌不足に注意しておけば、プレコやアカハライモリなど同じサイズの生き物とも混泳できます。
病気は皮膚病に注意
ミシシッピニオイガメは皮膚に膿がたまり、めくれたり赤く炎症する皮膚炎にかかることがあります。水質の悪化が原因で水換えをしていないと高確率で発症します。
治療するためにはカメを日光浴させて甲羅を乾燥させてください。同時にすぐに全ての水を捨てて完全に交換します。週に2回甲羅の乾燥と全換水を行うことで、2週間ほどで良くなってきますよ。
ミシシッピニオイガメについてまとめ
ミシシッピニオイガメはとても小さい亀で、気軽に飼育できるペットとして人気を集めてきました。
飼育についてはフン量が多いため、水質の悪化に注意しておけば問題なく、水換えの手間だけはおしまないようにしてください。あとは広い水槽を準備して、元気に水中を泳ぎ回っている姿を見て、癒されてくださいね。
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