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ミドリガメの飼育方法|最大の大きさや寿命、餌は?

2019-03-27

ミドリガメ(ミシシッピアカミミガメ)は亀特有のかわいらしい顔つきと飼育のしやすさ、値段もお手頃なことから、ペットとして人気があります。上手に飼育することでなついてくれるので、触れ合う楽しさも味わえます。

今回はそんなミドリガメについて生態や特徴、寿命、水槽の大きさ、おすすめの餌など飼育方法について詳しく紹介していきます。

ミドリガメの特徴

ミドリガメの飼育

ミドリガメはカメ目ヌマガメ科アカミミ属に分類されている亀の仲間です。正式名称はミシシッピアカミミガメです。現在は日本国内に広く分布していますが、外来種でもともとはアメリカからメキシコへと流れるミシシッピ川に生息しています。

体色は子供の時はミドリガメの名前の通り緑色をしていますが、成長するにつれて黒褐色になっていきます。他にもアカミミガメの特徴として目の後ろの耳の部分が赤色になっています。顔や甲羅には薄い黄色状の模様が不規則に広がっています。

ミドリガメの飼育

※耳の付近が赤いです。

甲羅の形は綺麗なドーム状でキール(甲羅にある線状の尖った部分)もありません。

体の大きさと成長速度

ミドリガメは最大で25cmの大きさになります。成長速度は1年で8cm、2年で15cm、4年目に最大の大きさまで成長します。

餌不足になりやすく、このペースで大きくならない時は栄養失調の可能性があり、甲羅の成長に悪影響をもたらすので注意が必要です。

寿命の長さ

ミドリガメの寿命は平均して30年です。水槽飼育では長生きさせやすく、30年以上は生きる可能性が高いです。かなり長寿の生き物で、ギネス記録では50年とされています。

クサガメとの違い

クサガメ

※画像はクサガメです。

ミドリガメはよくクサガメと比較されますが、クサガメは甲羅にキールがあったり、ミドリガメのアカミミで簡単に見分けることができます。

クサガメの特徴と飼育方法で詳しく紹介しているので、ご参考ください。

ミドリガメの生態と習性

ミドリガメの飼育

ミドリガメは河川や沼池、湖などの水量が多くて、水の流れが遅い場所を好んでいます。普段は水辺付近の陸地で日光浴をしており、移動したいときには水辺に移動して泳ぎ始めます。

雑食性の生き物で水生の植物や果実、花、昆虫、甲殻類、小魚、小動物の死骸などなんでも食べます。

なつく性格

ミドリガメは大人しい性格をしており、飼い主になつきやすいです。反対に、子供のころから人と接していない野生のミドリガメは臆病な性格をしており、人が近づくとすぐに水中に潜ったり、首をひっこめたりします。

食欲が旺盛で動くものを餌と認識します。口に入るサイズの小さい生き物には積極的に噛みついたりと、荒い気性ももちあわせています。

毒性がある?

ミドリガメなどの爬虫類は体内にサルモネラ菌を持っています。口から摂取してしまうと、腹痛や下痢などの食中毒を引き起こします。素手で触った後は必ず手を洗うようにしてください。

サルモネラ菌は清潔な環境で飼育をしても完全に除去することはできず、体内にいるサルモネラ菌は2日程度で飼育水にも繁殖を始めます。飼育水を捨てるときは食器の洗い場を避け、ベランダなどで捨てましょう。

冬眠して越冬する

ミドリガメは気温が10度を下回る11月頃から3月にかけて冬眠を行います。冬眠は水中と土中のどちらでも行えます。水の中だと水底に溜まった泥の中にもぐり、水辺近くの土に穴を掘って冬眠を行います。

飼育下で冬眠をさせる時は水が完全に凍らないように注意してください。保温効果のある発泡スチロールに大量の水と落ち葉を入れておきます。水温の変化があるとよくないため、屋外の直射日光に当たらない場所に置いておきましょう。起こす時は2時間に1度のペースで少しつづ水温を引き上げてくださいね。

繁殖方法

ミドリガメは冬眠から覚めた3月から繁殖と求愛行動を開始し、1年間で3回ほど繁殖を行います。

産卵は水辺付近の土の上で行い、一度の産卵で直径3cmの卵を20個ほど産み落とします。卵は2ヶ月ほどで孵化します。生まれたばかりの赤ちゃんはそのまま水辺へと移動して、小型の水生生物や植物を食べて成長していきます。

親亀がしっかりと成熟していれば性別の見分け方は簡単です。オス限定で第二指と第三指の爪が大きく伸張するのでそれで判断しましょう。

ミドリガメは飼育禁止になる日が近いかも

ミドリガメの飼育

ミドリガメはペットとして輸入されてきた個体が日本の自然に放流される問題が起きています。

通常の外来種であれば日本の四季の厳しさを耐えることはできませんが、ミドリガメは体が丈夫で冬眠をすることもできるのため、そんな環境でも生き抜くことができます。今では繁殖を重ねて日本の生態系を破壊したり、作物への被害が大きくなっています。

生後1年ほどはカラスやネコ、ヘビが天敵になりますが、成体になるとほとんど天敵はおらず、生存率も高いです。

すでに日本に生息する亀の半数以上はミドリガメとも言われており、環境省は緊急対策外来種として認定しています。ペットとして人気があるので、強制力のある規制はまだありませんが、特定外来生物一覧に登録されると、登録前に飼育している人は許可証の申請、その後は販売や譲渡の禁止となり、飼育ができなくなってしまうのではと懸念されています。

ミドリガメの飼育に必要な設備

ミドリガメを飼育する上でもっとも大切なのが、大きな飼育容器を準備することと、新鮮な水を保てるように環境を整えてあげることです。観賞用のガラス水槽を使うと初期費用で5万円ほど必要になってきます。

必要な水槽の大きさ

ミドリガメの飼育水槽は最低でも横幅で90cm、奥行きで45cm以上必要です。60cm以下の水槽では狭くて生涯飼育することはできません。

飼育容器はプラケース、衣装ケース、発泡スチロール、ガラス水槽、トロ舟など水を入れられるものならだいたい使用できます。ご自身の飼育環境に合わせて選んであげてくださいね。

脱走したり、屋外だとカラスに襲われることがあるので、通気性の高い金網などでしっかりと蓋をしておいてくださいね。

おすすめの90cm水槽で紹介しているので、ご参考ください。

ライトは紫外線とバスキングの2つが必要

屋内で飼育する時は紫外線を含んだUVライトと、体を温めるためのバスキングライトの2つが必要です。

多くの亀は紫外線からビタミンを生成しており、不足すると体の成長に支障をきたします。また起きてから行動する前に体を温める必要があるため、バスキングスポットという温度が30度〜35度になる部分を作ってあげましょう。

屋外の飼育であれば日光に当てれば大丈夫です。直射日光を当てる時は温度が上がりすぎないように注意してください。

ミドリガメのライトについては亀に必要なライトで詳しく紹介しているので、ご参考ください。

ろ過フィルターの選び方

酸素供給という意味ではエアレーションは不要ですが、フンの量が多いので水質の悪化が早いです。そのため水質を維持するために投げ込み式フィルターをいれるか、週に2回の水の交換が必要です。

成長の早いアナカリスなどの水草を入れることで、水質悪化を防ぐ方法もありますが、食害にあうので、しっかりと餌を食べさせておく必要があります。

レイアウトはシンプルに掃除のしやすさを優先

ミドリガメの飼育環境は水が汚れやすいので、掃除がしやすいようにレイアウトは最小限にすることをおすすめします。砂利は隙間にゴミが溜まるので、使わない方がいいです。

レイアウトには陸地と水場の2つが必要です。水量が多い環境を好んでいるため、水位は20cm以上を確保してあげましょう。陸地は浮島を使うか、レンガや大きな石を積み重ねて安定した土台を作ってあげてくださいね。

ミドリガメの飼育方法

ミドリガメの飼育

ミドリガメは体が丈夫なので飼育はとても簡単です。先に紹介した飼育環境さえととのえてあげれば、特に注意することはありません。

価格と販売場所

ミドリガメの値段は500円~1000円で販売されています。

亀などの爬虫類は対面での販売が義務付けられているため、ネット通販では販売されていません。購入する時は4月頃からホームセンターで探してみましょう。

近くに水辺があれば採集しにいくのもおすすめです。寄生虫がいる可能性が高いので、体の傷や取り扱いには注意してくださいね。

飼育に適している温度

ミドリガメに適している温度は20度〜25度です。夏場は問題ありませんが、冬に冬眠させない時は対策が必要です。熱帯魚用の水中ヒーターを使って20度以上になるようにしてください。

おすすめの水槽用のヒーターで紹介しているので、ご参考ください。

餌は人工餌をメインに

テトラレプトミン

ミドリガメは雑食性で好き嫌いも少ないので、どんな餌でもしっかりと食べてくれます。

おすすめは亀専用の人口餌で栄養バランスが整っているので、これ一つで飼育することができます。他にもキャベツやニンジンなどの野菜から脂肪分の少ないササミ、牛ハツなど多くのものを与えることができます。おやつとして餌のバリエーションを増やすと喜んでくれますよ。

餌の頻度は赤ちゃんの時は毎日1回、大人であれば3日に1回、2分ほどで食べきれる量を与えてください。慣れないうちは難しいですが、なるべく飼育者の手から直接餌をあげることで、飼育者の匂いを覚えて、なついてくれるようになりますよ。

他の餌の種類や費用、与え方については亀におすすめの餌で詳しく紹介しているので、ご参考ください。

ミドリガメについてまとめ

ミドリガメの飼育

今回はミドリガメの生態や特徴、飼育方法についてまとめてみましたがいかがでしたでしょうか。

亀は体が丈夫で寿命が長く、体も大きくなるので、最後までしっかりと飼育しきるにはそれなりに準備が必要です。絶対に飼育を諦めて放流することはやめてください。他にも水質悪化しやすいので、水の状態をこまめにチェックして、いい環境で育ててあげてくださいね。

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  • この記事を書いた人

高木 浩二

ペットの中でも熱帯魚が一番好きで、飼育履歴は10年以上あり、ペットショップでアルバイトをしていました。今は多くの書籍やショップ店員との交流で最新情報をアップデートしています。あいまいな情報をなくして、はっきりと最後まで責任を持って飼育ができるのかどうかイメージを湧いてもらえるようにしていきます。正しい情報の掲載に努めてまいりますので、よろしくお願いいたします。

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