プリステラは小型熱帯魚らしく、体色のアクセントと群泳する姿がとてもかわいい熱帯魚で、初心者にもおすすめです。
今回はそんなプリステラの種類や繁殖方法、寿命、混泳できる魚など飼育方法を詳しく紹介していきます。
プリステラの特徴
プリステラはブラジル南部の河川に生息するカラシンの仲間です。
銀色っぽい体色をしており、背びれと尻びれに白と黒と黄色のアクセントをもっています。地味な体色をしていますが、群泳した時にはそのワンポイントに可愛らしさを感じられます。体高があるので、ネオンテトラなどの細長い小型熱帯魚と混泳させた時にはいいアクセントになってくれます。
とても温和な性格をしているので、多くの小型熱帯魚と混泳を楽しむことができます。
体の大きさ
プリステラの大きさは4cmほどの小型の熱帯魚です。
寿命の長さ
プリステラの寿命は平均して3年〜4年と小型熱帯魚の中では長生きする種類になります。
小型熱帯魚を長生きさせるのは難しく、立派に育ちきった個体は水族館などでしか見る機会がありません。長年育てあげた個体の成長は、飼育者の醍醐味ともいえるので、じっくりと愛情を持って育て上げてくださいね。
プリステラの人気の種類
プリステラはそのかわいさと繁殖の容易さから品種改良がさかんに行われている熱帯魚です。色違いでもゴールド、ホワイトがいたり、体型違いではバルーンやパンダ、ゴーストなどなかなか種類が豊富ですよ。
プリステラバルーン
プリステラバルーンはプリステラの改良品種で体型が前後にキュッと縮まって、体高がある種類です。風船のような体型をしており、ゆっくりと水中を泳ぎます。丸々とした体に、ひょこひょことしながら泳ぐ姿がとてもかわいいです。泳ぎが得意ではないので、混泳する時は注意しておきましょう。
値段は1匹500円前後で販売されています。
ゴールデンプリステラ
ゴールデンプリステラはプリステラの改良品種で、背びれと尻びれのアクセントは薄くなり、銀色っぽい体が薄い金色になっています。金色を維持するのは難しく、弱酸性の水槽で飼育をしないと色褪せていってしまいます。
値段は1匹200円前後で販売されています。
バルーンパンダプリステラ
バルーンパンダプリステラはバルーンプリステラの体型で目の周りがパンダのように真っ黒になっている種類です。もともとの可愛らしさからずいぶんと様変わりして、奇怪な印象を受けるプリステラです。マニア向けの種類と言えます。
プリステラゴーストバルーン
プリステラゴーストバルーンはプリステラバルーンの改良品種で、体色が幽霊のように透明になっています。
白プリステラ
白プリステラはゴールドプリステラと非常に似ていますが、体色が白っぽくなっています。背びれと尻びれのアクセント部分も薄くなっています。同時に見比べないと判別するのが難しいくらいです。
値段は1匹150円前後で販売されています。
プリステラの水槽の立ち上げ方
必要な水槽の大きさ
プリステラの飼育容器は透明度が高くて傷つきにくい、ガラス水槽がおすすめです。
水槽の大きさは30cmの小型水槽で飼育することができます。
飼育数の目安は30cm水槽で10匹、45cm水槽で20匹、60cm水槽で30匹です。
ろ過フィルターの選び方
ろ過フィルターは水槽の大きさによって必要なろ過力が変わります。
45cm以下の水槽だと外掛けフィルターや底面フィルター、60cm以上の水槽では上部フィルターを使います。
水槽の立ち上げ方
プリステラに限らず、どんな熱帯魚でも最初の水槽には下準備が必要で、それを怠ると購入して1週間でしまったということが起きてしまいます。はじめが肝心ですので、水槽の立ち上げ方を紹介します。
- 水槽を置く場所を決める
- 水槽台と水槽をセットする
- 照明、フィルター、水温計、底砂をセットする
- カルキ抜きした水をいれる
- 各器具の電源を入れる
- 魚をいれずに2日ほどフィルターを動かす
- バクテリア繁殖のためにプリステラを2匹ほどいれて1ヶ月飼育する
- 徐々に魚の数を増やしていく。
水槽の立ち上げ方で詳しく紹介しているので、ご参考ください。
水槽に生体をいれる手順
プリステラは体が小さいので、水質の急激な変化に弱くなります。買ってきたばかりのプリステラをそのまま水槽にいれると水質差によるphショックでそのまま死んでしまうこともあります。安全に飼育を始めるために、水あわせの手順を紹介します。
- プリステラを水ごとバケツにうつす
- バケツの水が倍になるように30分かけて水槽の水をいれる
- バケツの水を半分捨てる
- 再びバケツの水が倍になるように水槽の水を入れる
- バケツと水槽の水温差をチェックする
- 問題なければプリステラを水槽にいれる
プリステラの飼育方法
プリステラは丈夫な魚なので、初心者でも簡単に飼育することができます。
しかし、体が小さいので外部環境の変化には弱く、購入して最初の1ヶ月は毎日様子を見てあげるようにしてくださいね。
飼育に適した水温と水質
プリステラに適している水温は22度〜26度です。
低水温に弱いので、冬はヒーターが必要です。おすすめの水槽用のヒーターで紹介しているので、ご参考ください。
水質は弱酸性を好みますので、流木のアクで少し茶色くなった水で飼育すると元気になります。
水換えの頻度は週に1回、1/4ほど交換してあげてくださいね。
おすすめの餌と与え方
プリステラにおすすめの餌はフレーク状か粒状の人工飼料です。
ネオンテトラやグッピーと同じ餌を食べてくれるので、家にあればそのまま使うといいですよ。
基本的になんでも食べてくれますが、100均などで販売されているメダカの餌などは栄養価が少ないので、メインの餌として使うのはおすすめしません。熱帯魚専用の餌をあげるようにしてくださいね。
餌の頻度は1日1回、食べ残して水底に落ちないくらいの量を与えてくださいね。
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レイアウトは水草を多めにする
プリステラは群泳が基本となるため、水槽のレイアウトは中心に広々と泳ぐスペースを確保することが大切です。
水槽の後ろ側や両はしに背丈の高い水草を植えて、真ん中には背丈が低い水草や流木を横向きに設置します。
水草は水底にグロッソスティグマやリシアなどの背丈が低い水草をぎっしりとひきつめて、後方にアクセントとしてミクロソリウムなどの中景の水草を植えましょう。背丈の高い水草や流木は群れを分断してしまうので、少なめにするのがおすすめです。
臆病な性格でありますが、隠れ家をあえてなくすことで人馴れをさせて、かわいく群泳する姿を楽しんでくださいね。
水流は弱くしておく
プリステラは泳ぐのが苦手なので、水流は弱めにしておきましょう。水流が強いと体力を奪われて、元気がなくなってしまいます。
中層~上層で泳ぎ回っているので、横向きの強い水流は避けてください。
かかりやすい病気と治療方法
プリステラは丈夫な熱帯魚ですが、購入してきたばかりや水質の悪化で病気にかかってしまうことがあります。ここではプリステラがかかりやすい病気と治療方法を紹介します。
白点病 | 白点病は全身が白い点々に覆われる病気です。購入したばかりの個体で発症していることが多いので、最初の1週間は注意深く観察しておきます。感染力が強いので、発症している個体を見つけたらすぐに別の水槽に隔離してメチレンブルーで1週間ほど薬浴してください。 |
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転覆病 | 転覆病はバルーン系の熱帯魚に多い病気で、お腹の部分が水面にきてひっくり返ってしまっている状態です。原因は餌にあり、古い餌や消化の悪い餌、餌をあげすぎた時にかかります。水を1/2ほど交換して様子を見ましょう。餌をあげていないのに転覆している時は水質の悪化や急激な水の変化でphショックになっていることが考えられます。毎週の換水は怠らずにやっておきましょう。 |
プリステラと一緒に飼育できる混泳相手
プリステラは温和な性格をしているので多くの熱帯魚と混泳を楽しむことができます。
おすすめの混泳相手はネオンテトラ、グッピー、プラティ、ヤマトヌマエビ、コリドラスなどの温和な小型熱帯魚になります。
反対に混泳できないのはスマトラなどの気性が荒い熱帯魚やゼブラダニオなど泳ぐスピードが早い熱帯魚になります。
混泳の注意点
プリステラは地味な熱帯魚なので、派手な熱帯魚と混泳させると、目立たなくなってしまいます。引き立て役としてはいいですが、メインにしたい時はコリドラスなど、下層の生き物と混泳させましょう。
プリステラの繁殖方法
プリステラの繁殖は比較的簡単な熱帯魚です。
繁殖を狙う時は10匹以上で群泳させて、しっかりと餌をあげながら半年以上は飼育します。水温を28度近くまでにすると繁殖期を迎えて、オスとメスのペアができているのを見つけられます。
こうなると産卵が近いので、ペアを別の水槽に隔離します。水底にばらまくように産卵します。砂にくっつくと手入れが面倒なので、底砂はしかずに、ウィローモスなどをいれておきましょう。
雌雄の見分け方
プリステラの雌雄の見分け方は大きな特徴がありませんが、親魚が成熟してくるとメスは腹部が膨らんで、体に丸みを帯びてきます。オスはスマートな体型になってきます。
卵が産まれたらどうするの?
卵が生まれたら食卵を防ぐために親魚を元の水槽に戻します。卵には新鮮な水が必要なので毎日水換えをしていると、2〜3日で孵化が始まります。
白いカビが生えてきた卵は無精卵なのですぐに取り除くようにしてください。
繁殖の注意点
プリステラの卵は水底にばら撒かれるので、繁殖用の水槽を用意しないと簡単に食べられてしまいます。自然繁殖は難しいのでしっかりと用意しておきましょう。
稚魚の育て方
プリステラの稚魚は生まれてから2日で餌を食べるために泳ぎ始めます。
餌には栄養価が高く、稚魚の小さい口でも食べやすいブラインシュリンプがおすすめです。餌の準備ができなければ親魚の餌をすりつぶしたものでも大丈夫です。ブラインシュリンプの与え方で紹介しているので、ご参考ください。
食いだめするほど胃が大きくはないので、餌の頻度は多くなり、1日に5回ほどあげる必要があります。稚魚が死んでしまう原因のほとんどが餌不足なので、餌をしっかりと食べているかよく観察しましょう。
水の変化に弱いので、換水はせずに、気になった時はコップで少量の水を交換するだけに留めておきましょう。
プリステラについてまとめ
今回は黄色と黒色ののワンポイントがかわいらしいプリステラについて紹介していきましたが、いかがでしたでしょうか。
プリステラはおとなしい性格をしているので、小型熱帯魚水槽の相手として選びやすい熱帯魚です。プリステラの魅力は5匹以上の群泳にありますので、なるべく大きな水槽を用意して、飼育してあげてくださいね。
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