ラミーノーズテトラは頭部のはっきりとした赤色が綺麗な熱帯魚です。さらに飼いこむほど赤色の部分は濃く深くなっていくので、どんどん美しくなってくれます。水草水槽で群泳している姿は見応えがありますよ。
今回はラミーノーズテトラについてかかりやすい病気や餌、色揚げの方法など、飼育のコツを詳しく紹介していきます。
ラミーノーズテトラの特徴
ラミーノーズテトラはアマゾン河に生息している熱帯魚で、ネオンテトラなどの代表的な熱帯魚が属しているカラシンの仲間です。体色が特徴的で銀色をベースに真っ赤な頭部と尾びれにしましま模様が入っています。
ラミーノーズという名前は酔っ払いの鼻という意味があり、頭部が赤くなっていることからこの名前がつけられました。
最大の魅力は小型熱帯魚ではなかなか見られない遊泳力です。水草水槽に映える綺麗なワンポイントの赤色をもちつつも、すらっとした体型で群れをなして元気に泳ぎ回ってくれる姿を見せてくれるのは、ラミーノーズテトラならではです。
体の大きさ
ラミーノーズテトラの大きさは5cmほどの小型の熱帯魚です。
寿命の長さ
ラミーノーズテトラの寿命は平均で3年です。最長だと5年は生きるので、小型熱帯魚の中でもかなりの長寿です。
ラミーノーズテトラの種類
ラミーノーズテトラは体色の品種改良がされている熱帯魚で、赤色を強調したりベースの銀色が綺麗な種類がいます。
銀色の部分が光沢に輝くダイヤモンドラミーノーズテトラや、頭部の赤色にすこしオレンジ色が入って鮮やかになり、体に光沢があるブリリアントヘッドラミーノーズテトラなどが人気があります。
ラミーノーズテトラとレッドノーズテトラの違いは?
ラミーノーズテトラと見た目がそっくりな種類にレッドノーズテトラという熱帯魚がいます。レッドノーズテトラも頭部が赤いですが、赤い部分が小さく、体型が細身になります。
また、尻びれにある黒いラインが体にまで伸びているのでそれで見分けることができますよ。
ラミーノーズテトラの飼育設備
ラミーノーズテトラの飼育に必要な水槽や周辺設備について紹介します。初期費用は2万円ほどみておくといいですよ。
水槽の大きさと飼育数
ラミーノーズテトラは30cmの小型水槽から飼育することができます。水槽の素材は透明度が高いガラス水槽を選びましょう。
30cm水槽 | 3匹まで |
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45cm水槽 | 10匹まで |
60cm水槽 | 25匹まで |
ろ過フィルターの選び方
それほどろ過能力を必要としないので、フィルターはなんでも構いません。
45cm以下なら取り付けが簡単で安価に販売されている外掛けフィルターがおすすめです。水質維持をするなら底面フィルターの方が楽です。
60cm以上の水槽では強いろ過が期待できる上部フィルターを使いましょう。
蛍光灯
暗い環境では水槽の中が見難かったり、赤色が薄くなるので、鑑賞するなら蛍光灯は必須です。
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飛び出し防止の水槽の蓋
水面付近を泳いでおり、水槽の飛び出し事故が多いため、水槽の蓋は必須です。隙間がないようにしっかりとしておきましょう。
ラミーノーズテトラの飼育方法
ラミーノーズテトラは飼育自体は難しくありませんが、水質の調整をしないと綺麗な赤色を楽しむことができません。
基本的な飼育方法について紹介していきますね。
値段と販売場所
ラミーノーズテトラはホームセンターや熱帯魚専門店、ネット通販など多くの場所で販売されています。東南アジアで養殖された個体が年中コンスタントに入荷されてきます。
値段は安く、1匹100円〜200円ほどで販売されていますよ。たまに野生種であるワイルド個体が販売されていますが、こちらは値段が少し上がって300円〜500円になります。
水合わせの方法
ラミーノーズテトラはネオンテトラなどの入門種と比べると水質に敏感な熱帯魚なので、最初の移動には気を使わないといけません。購入した時の水あわせの手順を紹介していきます。
順番
- 購入してきたラミーノーズテトラを水ごとバケツに入れる
- バケツの水が倍になるように30分かけて水槽の水を移す
- バケツの水を半分捨てる
- 再びバケツの水が倍になるように30分かけて水槽の水を移す
- バケツの水をギリギリまで捨てて、水ごと魚を水槽に入れる
レイアウトは強い水流を活かす
ラミーノーズテトラは群れで行動することが多いので、群泳させるためのレイアウトがおすすめです。中央前面はしっかりと遊泳スペースを確保してください。
臆病な性格なので後方には隠れ家になる流木や水草を多めに用意してあげましょう。
水流に向かって泳ぐ習性があるので、適度な強さがあるといい運動になります。水流にのって遊ぶのも好きなので、遊泳スペースに水流をあててあげましょう。
ラミーノーズテトラの赤色と緑がおいしげった水草水槽は見栄えがいいので、水草をたくさんうえてあげれると綺麗なレイアウトになりますよ。
しかし、葉が柔らかい新芽は食害にあいやすいので、アヌビアスナナやミクロソリウムなどを使う必要があります。
適している水温と水質
ラミーノーズテトラに適した水温は25度〜28度になります。日本の冬は10度を下回るので、ヒーターをいれてあげましょう。
必要なワット数は次の通りです。おすすめの水槽用のヒーターで紹介しているので、ご参考ください。
30cm水槽 | 50w 300円 |
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45cm水槽 | 100w 700円 |
60cm水槽 | 150w 1000円 |
好んでいる水質はpH5.5〜7.0の弱酸性になります。適応範囲は広いので、特に意識する必要はありませんが、この水質を維持できると発色のツヤがでて元気になってくれますよ。
おすすめの餌と与え方
ラミーノーズテトラは餌の好き嫌いをしないので、生き餌から人工飼料までほとんどの餌を食べてくれるようになります。メダカの餌でも食べてくれますが、栄養価が高い熱帯魚専用の餌をあげてください。
餌の頻度は1日2回、1〜2分で食べきれる量を与えてください。
餌を食べない時は体調が悪いことが考えられます。水質が悪化していることが多いので、すぐに1/3ほど換水を行いましょう。1週間ほどは2日に1回、水換えをおこなって様子をみてくださいね。
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繁殖させる方法
ラミーノーズテトラの繁殖はとても難しいですが、成功している例もいくつかあります。
アマゾン河に生息している魚の多くは雨季になると水量が増加して、水質が大きく変わることをきっかけに繁殖行動にはいります。水の交換を毎週1/5程度に抑えて水質を維持しつつ、急に1/2ほど交換してあげると繁殖する確率が高くなりますよ。
繁殖には健康に育った親がいることが大切なので毎日しっかりと餌を与えておきましょう。産卵が近くなるとメスのお腹が大きくなることが確認できます。卵は水底にばらまくように産卵するので、隠れ家になるウィローモスをしきつめておけると安心です。
卵は3日〜5日程度すると孵化します。稚魚には栄養価が高い稚魚用餌であるブラインシュリンプをあげてくださいね。
かかりやすい病気と治療方法
ラミーノーズテトラはあまり病気にかからない魚ですが、導入初期は白点病にかかりやすいので注意が必要です。
白点病 | 全身が白い点々に覆われる病気で、入荷したばかりの弱っている個体が感染していることがあります。購入して1週間は各ヒレをよく観察して白い点が出てこないかよく見ておきましょう。感染力が強いので発症している個体を見つけたらすぐに別の水槽に隔離してメチレンブルーで1週間薬浴してください。水槽の水はすべて交換しておきましょう。 |
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尾ぐされ病 | 尾ぐされ病は尻尾が溶けていく病気です。水質悪化によって発生するカナムナリス菌が原因です。症状を確認したら全ての水を交換して、水温を30度近くまで引き上げます |
飛び出し事故 | 遊泳力のある熱帯魚は飛び出し事故が多いので、隙間なく水槽の蓋をしておきましょう。 |
ラミーノーズテトラの混泳と群泳方法
ラミーノーズテトラは温和な性格で、ほとんどの小型熱帯魚と混泳することができます。
おすすめの混泳相手
おすすめの混泳相手は性格がおとなしい小型のテトラ類であるネオンテトラやブラックテトラ、グッピー、プラティ、ラスボラなどです。
ラミーノーズテトラをメインにしたいときは下層に生息するヤマトヌマエビやミナミヌマエビ、コリドラスなどを選びましょう。
混泳に向いていない相手
ラミーノーズテトラを食べれる大きさの熱帯魚とは混泳させないでください。エンゼルフィッシュは体の大きさによって危険です。
スマトラやベタなどの気性が荒い熱帯魚もさけておきましょう。相性の悪い相手と混泳させるとストレスで赤い部分も薄くなってしまいますよ。
魅力たっぷりの群泳
ラミーノーズテトラは3匹程度の少数でも群れをなして生活するほど群れを作るのが好きな熱帯魚です。群泳するときには10匹以上で飼育すると見応えがでてきますよ。
臆病な性格をしているので、群泳させないと奥に隠れで出てこないことがあるので、飼育には必須の条件とも言えます。混泳させるときには混泳相手よりも飼育数が多いようにしておきましょう。
混泳の注意点
ラミーノーズテトラはおとなしい性格をしていますが、飼育数が少ないと上下関係ができて、一方的に追いかけることが増えるので、5匹以上で混泳してください。
また、水槽の環境に慣れてくると泳ぐスピードが早くなり、他の魚の餌を横取りしてしまう可能性が出てきます。混泳相手が餌不足にならないように確認しておきましょう。
ラミーノーズテトラの飼育を楽しむなら色揚げに挑戦しよう!
ラミーノーズテトラの発色をよくするためには、明るすぎず暗すぎずの環境を用意します。明るいと色がとび、暗いとくすんでしまいます。
光量は通常の2/3程度に抑えて、ソイルなどの黒めの底砂を使いましょう。水質をアマゾン河の弱酸性に維持することも大切なので、ソイルは重要な役割を果たします。
餌は赤色の発色をよくする甲殻類系の餌が効果的なので、クリルや乾燥エビをあたえましょう。ディスカス専用のテトラディスカスもおすすめです。
個体によってはおでこの部分が緑になることもあります。赤も緑も状態がよくなってくると自然と色が濃くなる性質なので、心配する必要はないですよ。
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顔が赤くならない原因
ラミーノーズテトラはストレスを感じていたり、弱っていると赤色が薄くなってきます。購入したばかりは環境の変化でストレスを感じているので、問題ありませんが、1ヶ月以上たっても赤くならない時は対応が必要です。
原因として考えらえるので、同種のラミーノーズテトラで群泳させていない、いじめられている、水質が悪くなっていることがあります。群泳のために追加で購入してくるか、喧嘩する魚を隔離する、隠れ家を増やすなど対応してあげましょう。
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