チェリーバルブは小型の熱帯魚でありながら、綺麗な紅色をしており、長く飼育するほど色の深みがましていく魚です。色揚げするもの比較的簡単なので、初心者でもその魅力を引き出すことができます。
今回はチェリーバルブの特徴やおすすめの混泳相手など飼育のコツを詳しく紹介していきます。
チェリーバルブの特徴
チェリーバルブは東南アジアのスリランカに生息するコイ科の仲間です。
4cmほどの小型の熱帯魚で同属のスマトラと比較すると細身の体型が特徴的です。
チェリーのような赤い体色をしており、繁殖期のオスはさらに赤く濃く美しくなります。長く飼育するほど赤色に深みが増してくるので、小さい熱帯魚ながら水槽内で存在感をだしてくれるようになります。
種類は体色が白くて目が赤いアルビノチェリーバルブ、尻尾が金魚のコメットのように伸長したスーパーコメットチェリーバルブが人気です。
寿命の長さ
チェリーバルブの寿命は3〜5年で小型熱帯魚の中でも長生きします。
チェリーバルブは水槽の害虫駆除に大活躍
チェリーバルブは貝類が大好物なので、水槽の害虫と言われている、スネールやタニシ、ラムズホーン、プラナリアなど多くの害虫を食べる駆除役として重宝されています。
水草を食べることはないので、水草水槽で繁殖してしまった時はぜひ入れてみましょう。
口が小さく、稚貝しか食べられないので、大きな貝は手で除去する必要があります。スネールを食べない時は餌を減らして、食べやすいように殻を手で潰してみてください。
スネールの駆除方法で詳しく紹介しているので、ご参考ください。
スネールだけではなく、プラナリアが繁殖している水槽に1週間もいれておけば、目に見えて数が減っていきます。しかし貝類は繁殖力が高いので、短期間では完全に撲滅することはできません。1ヶ月ほどは様子をみてください。
チェリーバルブの飼育に必要な設備
チェリーバルブの飼育には普通の小型熱帯魚に使用する飼育設備で問題ありません。飼育に必要な基本的なものを紹介していきますね。
必要な水槽の大きさ
チェリーバルブの水槽は一番小さい30cmで飼育することができます。
飼育数の目安は30cm水槽で5匹、45cm水槽で12匹、60cm水槽で25匹飼育することができますよ。
ろ過フィルターの選び方
ろ過フィルターは水槽の大きさに合わせて必要なろ過力が変わります。
45cm以下の水槽なら手軽に設置できる外掛けフィルターがおすすめです。ろ過力を上げたいときや水質維持をしたいときは底面フィルターを使います。
60cm以上の水槽ではさらに強力なろ過が必要になるので、上部フィルターを使いましょう。
冬はヒーターが必要
ヒーターは水槽の大きさにあったものを選びましょう。水槽の大きさと必要なワット数は次の通りです。
30cm水槽 | 50W |
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45cm水槽 | 100W |
60cm水槽 | 150w |
ヒーターの電気代や設置方法についてはおすすめの水槽用ヒーターで紹介しているので、ご参考ください。
ライト
ライトは鑑賞しやすくするだけでなく、発色を良くする効果があります。
1日8時間の点灯を目安に、電源をつける時間と消す時間をきめておきましょう。決まった時間にすることで、ラミーノーズテトラの生活リズムが整えられたり、コケが生えにくくなります。
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チェリーバルブの飼育方法
チェリーバルブは丈夫な熱帯魚で、初心者にも飼育しやすいです。
長生きをさせたい時は、ストレスを感じさせないように、群れで飼育して、水草などの隠れ家をしっかりと用意してあげてくださいね。定期的な水換えも大切です。
レイアウトは水草をたくさん植える
チェリーバルブの水槽レイアウトでは、濃い赤色は水草をたくさん植えた水槽で群泳させることでとても綺麗に映えますよ。少量ながらコケも食べてくれるので、苔がはえやすい水草水槽と相性が抜群です。
水草はミクロソリウムやアヌビアスナナ、アナカリスなど丈夫な種類がオススメです。
臆病な性格で群れを好むので、10匹以上で群泳させてあげてくださいね。
飼育に適している水温
チェリーバルブの適温は22度〜27度です。
低水温に強いですが、日本の冬は10度を下回るので、無加温飼育は難しく、水槽用のヒーターが必要です。
26度と高めに設定してあげると病気の予防にもなって安心です。
飼育に適した水質
チェリーバルブはpH5.5〜7.0の弱酸性の水質を好んでいますが、水質の変化には強いのであまり注意する必要がありません。
しかし、弱酸性を維持していると見事な体色を見せてくれるので、底砂のソイルや流木をたくさんいれておくと効果的です。
飼育水はカルキを抜いた水道水をそのまま使うことができますよ。週に1回は1/4ほど水を交換してあげましょう。
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餌は人工餌がメイン
チェリーバルブは餌の好き嫌いが少ないので、ほとんどの餌をしっかりと食べてくれます。メダカの餌でも大丈夫ですが、健康のためにも熱帯魚専用の餌をあげてくださいね。
赤色を濃くしたい時はエビなどの甲殻類に含まれているアスタキサンチンという栄養素が効果的です。乾燥エビが販売されているのであげてあげましょう。ディスカス専用の餌(テトラ ディスカス)も色揚げ効果があるのでおすすめですよ。
餌の頻度は1日に2回、1〜2分で食べきれる量をあたえてくださいね。
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かかりやすい病気と治療方法
チェリーバルブをはじめとしたコイ科の熱帯魚は丈夫で病気にかかることはありません。しかし、水質変化には弱いので、飼い始めはよく観察して注意しておいて下さいね。
白点病 | 体が白い点々で覆われる病気で寄生虫が原因です。飼育をはじめて1週間くらいは発症しやすいので、注意して観察しておきましょう。感染力が強いので発症した個体を見つけたらすぐに隔離してください。メチレンブルーで1週間薬浴すれば元気になりますよ。 |
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エロモナス病 | 目が飛び出てくるポップアイやウロコが逆立つ松かさ病を引き起こします。水質の悪化が原因で弱っているときにエロモナス菌に感染して発症します。症状を確認したらすぐに水を全て交換して、飼育設備を掃除しましょう。発症した個体は隔離してエルバージュで薬浴してあげてくださいね。 |
チェリーバルブの混泳
チェリーバルブは温和な性格で、混泳向きの熱帯魚です。
おすすめの混泳相手
チェリーバルブと混泳相性がいいのはネオンテトラ、コリドラス、メダカ、グッピー、アカヒレなど温和な小型魚です。
エビは好物。追いかけてつついてしまう
チェリーバルブはエビが大好物なのでヤマトヌマエビやミナミヌマエビは追いかけて、つつこうとします。エビとの混泳はなるべく避けましょう。混泳する時は隠れ家になる水草をいれておいてあげてくださいね。
混泳できない相手
攻撃性の高いスマトラやベタ、泳ぐのが早くて餌を横取りしてしまうゼブラダニオなどは混泳をやめておきましょう。
チェリーバルブの繁殖方法
チェリーバルブは繁殖が簡単で、繁殖期の体色は見事な赤色になるので、ぜひ挑戦してみましょう。繁殖をするには成熟したペアがいることが大切なので毎日しっかりと餌をあげてください。
繁殖期になるとチェリーバルブのオス同士だけではなく、混泳相手とも激しく喧嘩をするため、隠れ家になる水草をたくさんいれておきましょう。
群泳をさせていると自然とペアができてお腹が大きくなっているのを確認できますよ。メスは水草やウィローモスの上にばらまくように産卵します。水温25度前後に保っていると5〜8日程度で孵化しますよ。卵を食べることも少ないので、隔離する必要がありません。親魚にはちゃんと餌をあげておいてくださいね。
雌雄の見分け方
オスは濃い赤色をしており、メスは薄い黄色なので簡単にわかりますよ。
チェリーバルブの稚魚の育て方
チェリーバルブの稚魚は生まれてから2〜3日ほどで餌を食べるようになります。稚魚の飼育でもっとも難しいのは餌をしっかりと食べさせることです。
手ですりつぶした人工飼料でも問題ありませんが、稚魚用の餌で栄養価が高いブラインシュリンプをあげましょう。餌が食べられればしっかりと成長していってくれますよ。
親魚に食べられないように隠れ家になる水草をたくさん植えて、泳ぎが苦手なので水流は弱めにしておいてくださいね。
チェリーバルブについてまとめ
今回はチェリーバルブの特徴や飼育方法について紹介していきましたが、いかがでしたでしょうか。
チェリーバルブはスネールやプラナリアなどの外注を食べてくれる熱帯魚として重宝されているだけではなく、飼いこむことで、真っ赤な美しい体色を見せてくれるようになります。
興味を持たれた方は、ぜひ飼育に挑戦してみてくださいね。
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