ノーザンパラムンディは体の厚みがあるアロワナで、迫力を求める方におすすめの熱帯魚です。しかし、アジアアロワナのほうが美しく圧倒的な人気を誇っているため、そこまで知名度があまりない熱帯魚でもあります。
今回はノーザンバラムンディとアロワナの違いや特徴、成長速度、寿命、混泳できる魚など飼育方法を詳しく紹介していきます。
ノーザンパラムンディの生態と特徴
ノーザンバラムンディはオーストラリア大陸やニューギニアに生息している熱帯魚です。体が大きくて力があることから、現地ではゲームフィッシングの対象として人気があります。
アジアアロワナと比べると色が地味なので、あまり普及していませんが、プラチナやプラチナゴールドなど派手なノーザンバラムンディも発見され始めて人気が出てきました。これらの色違いは非常に貴重でなかなかお目にかかることができません。価格も50万円を超えてきますが、圧巻の美しさを誇っています。
体の大きさと成長速度
ノーザンバラムンディの大きさは最大で90cmになる大型魚ですが、一般的な飼育環境では50cm〜60cmで止まります。
成長速度は遅めで、最初の1ヶ月で15cmになり、そこから半年かけて30cmを超えるようになってきます。
寿命の長さ
ノーザンバラムンディの寿命は平均して10年です。自然下では15年は生きていると考えられています。
ノーザンバラムンディとアロワナの違いは?
※画像はアロワナです。
ノーザンバラムンディはアロワナの仲間ですが、体の特徴に違いがあり、受ける印象も変わってきます。違いを紹介していきますね。
アロワナとの体高と厚みの違い
ノーザンバラムンディはアロワナと比べて体高と厚みがあり、ずんぐりとした印象を受けます。厚みがある分、同じ体長でも迫力が増します。しかし、体が硬いので、アロワナだと水槽の奥行きが45cmあれば十分ですが、ノーザンバラムンディでは奥行きが60cm以上必要です。
アロワナとのヒレの違い
ヒレの違いがもっとも特徴的です。アロワナはヒレが細長く、背びれ、尾びれ、尻びれがくっつくいて見えますが、ノーザンバラムンディはそれぞれがはっきりと独立しています。
アロワナとの体色の違い
ノーザンバラムンディの体表にはリング状の赤い模様が入っており、エラ付近まで広がっています。
ノーザンパラムンディの飼育設備と水槽の立ち上げ方
ノーザンバラムンディの飼育に必要な水槽と周辺設備について紹介します。
必要な水槽の大きさ
ノーザンバラムンディは体が硬いので、水槽の奥行きが最低でも60cmは必要です。水槽の大きさは横幅で120cmあればギリギリ飼育が可能で、余裕をもたせるなら150cm水槽が必要になります。
成長速度に合わせて水槽を大きくしていくのが理想的です。体長20cmまでは60cm水槽で飼育して、体長30cmまでは90cm水槽、それ以上は120cm水槽で飼育していきましょう。
アロワナに必要な水槽のサイズでも紹介しているので、ご参考ください。
ろ過フィルター
フィルターはろ過能力が高い上部式フィルターかオーバーフロー式が必要です。
90cm水槽なら上部フィルターを、150cm以上ならオーバーフローが必要です。
大食感でフンを大量にするので、こまめにスポンジを洗うようにしてください。
ライト
ライトをつけることで水槽は明るく、鑑賞が楽しくなります。色揚げ効果もあるので、ぜひ入れておきましょう。
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水槽用のヒーター
低水温に弱いので秋頃から冬にかけてヒーターを用意してください。120cm水槽になると部屋の大きさにもよりますが暖房を入れたほうが電気代が安くなることがあります。
水槽の大きさと必要なワット数、電気代の目安です。
60cm水槽 | 150w 1,350円 |
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90cm水槽 | 300w 1,800円 |
120cm水槽 | 500w 2,700円 |
おすすめの水槽用のヒーターで紹介しているので、ご参考ください。
飛び出し防止の水槽の蓋
びっくりして水槽から飛び出すことがあるので、水槽の蓋は必須です。飛び跳ねる時のパワーが強いので、蓋はしっかりと固定しておいてくださいね。
水槽の立ち上げ方法
立ち上げたばかりの水槽にはフンなどの有害物質を分解するバクテリアがいないので、水質悪化がとても早く、すぐに住めない環境になります。
バクテリアは実際に魚を飼育していると増えてきますので、実際に本命ではないパイロットフィッシュを飼育して、バクテリアを増やす期間が必要です。
立ち上げの手順
- 水槽の置き場所を決める。
- 水槽にヒーターとフィルター、照明を設置する
- カルキ抜きした水を水槽に入れる
- ヒーターとフィルター、照明の電源を入れる
- パイロットフィッシュを1ヶ月飼育してバクテリアを繁殖させる
- 水質が安定したらノーザンパラムンディが飼育できる環境になったといえます
アクアリウム水槽の立ち上げ方でも紹介しているので、ご参考ください。
ノーザンパラムンディの飼育方法
ノーザンバラムンディは丈夫な魚なので、大きな水槽を用意できれば飼育は難しくありません。
ただし気性は荒いので単独飼育で1匹をじっくりと育てるスタイルが基本となります。
値段と販売場所
ノーザンバラムンディ値段は体長20cm以下の幼魚だと5,000円〜10,000円、それ以上の大きさだと10,000円〜20,000円で販売されています。
ホームセンターでは販売していることは少ないので、熱帯魚専門店かネット通販を利用しましょう。
水合わせの方法
購入してきたばかりのノーザンバラムンディをそのまま水槽に入れると、急激な環境の変化についていけずphショックで弱ってしまいます。
元気に迎えるために水槽の水に慣らすための水合わせを行う必要があります。
水合わせの手順
- ノーザンバラムンディが入っていた水ごとバケツに入れる
- バケツの水が倍になるように30分かけて水槽の水をいれる
- バケツの水を半分捨てる
- 再びバケツの水が倍になるように30分かけて水槽の水をいれる
- バケツと水槽の水の水温差がないことを確認する
- ノーザンバラムンディを水槽にいれる
適している水温と水質
ノーザンバラムンディに適した水温は22度〜30度です。冬は水槽用のヒーターを用意してあげてくださいね。
水質は弱酸性を好みます。水質の変化や悪化に強いので、特に気にする必要はありません。
成長期には毎日1/3ほど水を交換して新陳代謝を促しましょう。ノーザンバラムンディの幼魚は水質の変化に敏感なので、水替えは時間をかけて行います。大きくなってくると週に2回、1/3ほど換水すればいいですよ。
おすすめの餌と与え方
ノーザンバラムンディはアロワナと同じく、コオロギやムカデなど昆虫が好物です。
幼魚の時はメダカや冷凍赤虫を与えて、成長してきたら和金(金魚)を与えましょう。
生き餌を準備し続けるのは大変なので、タイミングを見てカーニバルなどの人工飼料を餌付けてしておきます。好き嫌いが少なく人工飼料への餌付けも難しくありません。
同じ餌を与え続けていると飽きてくるので、バリエーションを増やしてください。コオロギ、ミルワーム、牛ハツ、クリル、カエル、バッタ、セミ、ムキエビ、アジなどがおすすめです。
餌を食べない時は水質が悪化して元気がないことが多いです。水を毎日1/3ほど変えて様子を見てみましょう。ほかに餌を吐き出してしまう時は餌に飽きてしまったことが考えられます。餌を変えるか、食いつきがいい昆虫系の生き餌を与えてみてくださいね。
アロワナの餌でさらに詳しく紹介しているので、ご参考ください。
ベビーの飼育方法
ノーザンバラムンディのベビーを育てるポイントは3つです。
チェックポイント
- たくさん餌を食べさせる
- 酸素量を増やす
- 水温を高めにする
- 広い水槽を用意する
大切なことは、たくさんの餌を食べさせて早く、大きく成長させることです。餌を抑制すると、将来体が曲がったりすることがあります。餌をしっかりと食べた個体は、成魚になった時に立派な体をみせてくれるようになりますよ。
最初は食いつき抜群の金魚やメダカ、ドジョウなどの生き餌を積極的に与えて、体を大きくしていってください。人工餌は成長速度が遅くなってから慣らしていきましょう。
消化を良くするためのサブでエアレーションを追加するなど、酸素量を増やす工夫もしてください。
かかりやすい病気と治療方法
ノーザンバラムンディはアロワナほどではないですが、目垂れになることがあります。
原因は下に魚がいる、肥満になっている、下から光が入ってくる、人間が下から覗いているなどがあります。なるべく下に目線が行かないようにレイアウトや水槽の位置に注意しておきましょう。
ノーザンバラムンディの混泳方法
ノーザンバラムンディは攻撃的な性格で、水槽飼育での混泳は難しいです。
混泳を成功させるポイント
ノーザンバラムンディを混泳をするときは150cm以上の大きな水槽を用意してください。2〜3匹の少数で飼育すると上下関係ができて、一方的に攻撃されてしまいます。縄張り意識をさせないように5匹以上で飼育してください。
ノーザンバラムンディよりも体が大きい魚だとうまくいきやすいです。混泳相手はしっかりと育てておきましょう。
混泳できるかもしれない相手
個体の相性次第ですが、ポリプテルスやオスカー、スポテッドガー、プレコなどの大型魚だと混泳がうまくいくことがあります。
混泳が難しい相手
同種のアロワナやシルバーアロワナには攻撃的なので混泳は避けておきましょう。
ノーザンバラムンディの飼育を楽しむなら色揚げに挑戦しよう!
ノーザンバラムンディは色揚げをすることで深い赤色できてきて、より迫力が増してきます。
色揚げするには水質を弱酸性に保つことが大切です。水槽には弱酸性を維持できるソイルや流木をいれておきましょう。ブラックウォーターという水質調整剤もおすすめです。
色揚げ用の餌はクリルやザリガニ、エビなどの甲殻類を与えるといいですよ。
過密飼育などストレスを感じる環境では体色は薄くなってしまいます。水槽は静かな場所において単独飼育で落ち着ける環境を整えてあげてくださいね。
ノーザンバラムンディについてまとめ
ノーザンバラムンディはアロワナに比べると体色の派手さはありませんが、体高や厚みがしっかりとしており、大型魚としての迫力は負けていません。
気性の荒さも野性味を感じられる魅力的なポイントです。
水槽が大きいのでお金がかかったり、販売量が少ないので、入手は大変ですが、興味を持たれた方はぜひ飼育に挑戦してみてくださいね。
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