ブラックアロワナは他のアロワナと比較すると体が小さく、柔らかいので120cm水槽でも生涯飼育が可能な魚です。おとなしい魚なので、混泳できる大型魚として人気が高いんですよ。
今回はブラックアロワナについて水槽の大きさやおすすめの餌など、飼育のコツを紹介していきます。
ブラックアロワナの特徴
ブラックアロワナは南アメリカのネグロ川に生息するアロワナの仲間です。
成長するにつれて、背びれと尻びれのオレンジ模様が綺麗に出てきます。体全体にも薄いオレンジと黒色が混ざり合って、繊細な色彩の美しさを見ることができます。
穏やかな性格をしているので、大型魚の混泳相手として人気があります。幼魚の販売量は多いですが、体を大きく成長させるのが難しいので、立派な成魚を見かけることは少ないです。飼育する時には15cmほどの幼魚から育てる必要があります。
体の大きさと成長速度
ブラックアロワナは最大で90cmの大きさになる大型の熱帯魚ですが、水槽の飼育では70cm程度で止まってしまいます。
成長速度は餌の量や水槽の大きさによって変わってきます。しっかりと育てていると、半年で体長40cmまで成長します。3年経過すると成魚になり、大きさは70cmくらいになります。成魚になると最初の細身からは想像も付かないほど肉厚がでて、体高は20cmを超えてきて、迫力ある熱帯魚になってくれます。
寿命の長さ
ブラックアロワナの寿命は平均して10年になります。大きな水槽で飼育すると長生きさせやすく、15年は生きてくれます。
ブラックアロワナの種類
ブラックアロワナは同じ種類でも体色の違いで別名で販売されていることがあります。
ブルーブラックアロワナはウロコが薄く青色に輝きます。30cmまでは青色がみれますが、50cmを超えると、通常のブラックアロワナと似たような体色になります。
プラチナブラックアロワナは白変種に近く、ウロコが白く輝きます。幼魚の色が黄色いラインではなく白いラインになっているので見分けることができます。
ブラックアロワナとシルバーアロワナの違いは?
ブラックアロワナとシルバーアロワナは見た目がそっくりで、初心者には見分けるのが難しいです。詳しく違いを説明しますね。
体色の違い
最大の違いは幼魚の時の体色に違いです。ブラックアロワナの稚魚にははっきりとした黒色の体に黄色いラインがはいっており、コントラストが綺麗な魚です。成長するにつれて色が大きく変わり、薄い灰色っぽくなっていきますよ。成魚の体色はシルバーアロワナとあまり変わりません。
大きさの違い
シルバーアロワナは大食感で餌を食べる量がブラックアロワナと比べ物になりません。シルバーアロワナの方が体も大きくなり、1年で60cmを超え、最大で1mになります。ブラックアロワナは1年で40cmまで成長して、最大で60cmになります。
シルバーアロワナの特徴と飼育方法で詳しく紹介しているので、ご参考ください
ブラックアロワナに必要な水槽と飼育設備
水槽の大きさ
ブラックアロワナの飼育には最終的に120cmの水槽が必要です。美しく体型に育て上げたいなら150cm水槽を用意してください。
ベビーの頃から大きい水槽で飼育するとストレスを感じるため、成長スピードに合わせて60cm水槽〜120cm水槽と大きくしていけるのが理想です。
体長30cmまでは60cm水槽で飼育し、体長50cmまでは90cm水槽、それ以降は120cm水槽で飼育してあげましょう。最低でも60cm水槽と120cm水槽の2つは用意してあげてくださいね。
アロワナの水槽で詳しく紹介しているのでご参考ください。
ろ過フィルター
ブラックアロワナはたくさんの餌を食べて、たくさんのフンをするので、物理ろ過に優れているろ過フィルターが必要です。
水槽も大型なので、ろ過力がある上部フィルターかオーバーフロー式を選びましょう。
ライト
ライトは鑑賞しやすくするだけではなく、体色を濃くする効果があります。
しかし、まわりの環境が明るすぎると色が飛んでしまうので、光量は抑えめにしておくのがいいでしょう。
120cm水槽で使えるライトの種類は少なく、色にこだわるなら60cm水槽用のものを2つ使うといいですよ。
商品情報と価格をチェック
水槽の蓋
ブラックアロワナの飛び出し事故防止に必要です。隙間なくおいて固定しておきます。
セパーレーター
水槽を区切るセパーレーターです。ベビーの頃から120m水槽で飼育するときは必要です。
ブラックアロワナのベビーの飼育のコツ
ブラックアロワナのベビーの飼育は同種のシルバーアロワナやアジアアロワナよりも難しいです。ベビーは水質や水温などの変化に弱く、食欲も少ないので、死ぬ可能性が高いからです。
水質と餌について詳しく紹介します。
水質の維持
ブラックアロワナのベビーは水質の変化に弱いので、水が悪くなるとすぐに弱ってしまいます。毎日水温と水質はしっかりと管理しておきましょう。
水換えの時は新しい水と飼育水の水温差と水質差を確認し、数時間かけてゆっくりと水を入れ替えます。
餌不足に気をつける
ブラックアロワナのベビーは食が細いため、急に餌を食べなくなることも珍しくありません。たくさんの餌の種類を用意して、ローテーションを組んで食欲を刺激してあげてください。
おすすめの餌は冷凍イトメや冷凍赤虫などの冷凍餌です。最初は餌付けが悪いので、ショップの人に何を与えていたか確認しておきましょう。
餌の食べ残しは水を悪くしてしまうので、すぐに取り除いてください。
ブラックアロワナの飼育方法
ブラックアロワナは40cmを超えてくると、水質の敏感さもなくなり、飼育は難しくありません。
しかし、食の細さは引き続きありますので、餌のバリエーションは増やせるだけ増やしておき、餌に飽きた時にすぐに対応できるようにしておきましょう。
生体の値段と販売場所
ブラックアロワナは15cm程度の幼魚が5,000円〜40,000円ほどの値段で販売されています。
大型のブラックアロワナはかなり珍しいですが、幼魚ならシルバーアロワナの次に流通量が多いので、見つけるのは難しくありません。
販売時期は春から夏のシーズンでブリード個体の幼魚が入荷されてきます。
生体は熱帯魚専門店かネット通販で探してみましょう。
飼育に適している水温と水質
ブラックアロワナに適している水温は少し高めの25度~28度です。
低水温に弱いので、冬は安全カバー付きの水槽用のヒーターを用意してあげてくださいね。
適している水質は弱酸性です。
肉食魚は糞や食べ残しで水が汚れやすいため、水質の悪化に注意しつつ、週に1回1/4ほど水を交換してあげてください。
かかりやすい病気と治療方法
ブラックアロワナは他のアロワナと比べて食が細く、水質変化にも敏感な種類で、管理を怠るとすぐに弱ってしまいます。
特に注意して欲しいのが目垂れです。肥満や老衰が近い個体に多い病気で、目が常に下を向いている状態になります。放置をしていると悪化してきます。飼育者がアロワナの目線よりも下から観察しているときになりやすいです。手術をするか、混泳水槽に切り替えて、上を向く回数を増やすことで解消されていきますが、完治は難しいです。
他にも白点病や松かさ病にかかりやすく、どちらも水質が悪化することでなる病気です。ブラックアロワナは薬に弱いので、最初の1週間は毎日1/5ほど水換えをおこなうことで様子をみてみましょう。治らなければ、規定量の1/5ほどの薬をいれてあげましょう。
飛び出し事故には要注意
ブラックアロワナに限らず、大型魚はジャンプする力が強く、フタをおしのけて水槽の外に出てる飛び出し事故が多いです。
フタには重石をおくか、しっかりと水槽に固定しておいてください。飛び出しに気づいた時は慌てずに水槽の中に戻してあげてくださいね。
混泳に向いている?
ブラックアロワナは臆病な性格で、混泳には向いていません。自分よりも大きな相手がいると隠れて出てこなくなったり、餌を取られてしまうことがよくあります。
しかし、ブラックアロワナよりも体が小さくて大人しい性格の混泳相手を選べば十分に混泳させることが可能です。
おすすめの混泳相手はパロットファイヤーやポリプテルス、セルフィンプレコ、スポッテッドガーなどです。
混泳するときは120cm規格水槽では狭いので、最低でも150cm水槽を用意してください。
ブラックアロワナにおすすめの餌
ブラックアロワナは他のアロワナと比べても、餌の好き嫌いが激しいので、餌付けには苦労します。
なるべく多くの餌を用意して、好みの餌を見つけてあげましょう。
生き餌
ブラックアロワナの成長期には食いつきが良い生き餌が必要です。
最初は冷凍アカムシを与え、体が成長するにつれて餌用のメダカや和金(金魚)に切り替えていきます。
商品情報と価格をチェック
人工飼料
成魚になったブラックアロワナの主食になるのは肉食魚専用の人工飼料である「ひかりクレスト カーニバル」です。
生き餌とくらべても栄養の偏りがなく、餌を用意する手間もないので、きちんと餌付けしておきましょう。
他にはおやつとしてテトラクリルも食べてくれやすいです。アロワナの赤色の色揚げ効果がある乾燥エビです。
ブラックアロワナではあまり必要ありませんが、餌のバリエーションを増やしたい時におすすめです。
商品情報と価格をチェック
おやつに使える昆虫
野生のブラックアロワナはコオロギなど昆虫を主食にしています。
昆虫は食いつきが抜群で、食欲が減ってきた時にあげるといいですよ。コオロギやミルワームは古代魚に力をいれている熱帯魚専門店や爬虫類専門店で購入することができます。
脂肪分が多いため、あげすぎには注意してくださいね。おやつとして使うのがちょうどいいです。
餌を食べない時の対処方法
ブラックアロワナは拒食して餌を食べないことが多いです。
チェックポイント
- 水温が低い
- 水質が悪化している
- 新しい環境に慣れていない
- 好きな餌ではない
まずは飼育環境をチェックしてください。元気に泳ぎ回っているようなら好物の昆虫を与えてみましょう。
アロワナの餌でも詳しく紹介しているので、ご参考ください。
ブラックアロワナについてまとめ
今回はブラックアロワナの特徴や飼育方法について紹介していきましたが、いかがでしたでしょうか。
他のアロワナに比べると幼魚の頃は水質に敏感であったり、餌食いがよくないので、育て上げるのは大変です。
それでも成長したブラックアロワナの深みのある黒色は非常に美しく、ぜひ飼育に挑戦したい熱帯魚です。
-
アロワナの種類と飼育方法|寿命や体の大きさは?