アロワナなどの肉食魚を飼育したことがないと、どんな餌をあげればいいのかわかりませんよね。毎日金魚をあげないといけないの?や餌代はどのくらいかかるの?など心配は多いと思います。
今回はアロワナが好きな餌や餌を食べないときの対処法など、詳しく紹介していきます。
アロワナの餌やりについて
アロワナ飼育の醍醐味は餌を食べるときの、迫力ある捕食シーンだと思います。大きな体で餌に向かって突進し、丸のみする姿はまさに野生を感じさせてくれます。しかし、餌の好き嫌いが激しい個体が多く、食べない餌はどれだけお腹が空いていても食べないということがあり、飼育者を悩ませる一つでもあります。
アロワナにおすすめの人工飼料
アロワナが生き餌が大好きなので、昆虫食の美味しさを経験したアロワナが人工飼料を食べなくなったという話も少なくありません。しかし、人工飼料を食べるようになると、餌代や管理がぐっと楽になるので、ぜひ餌付けしておきましょう。
主食ならカーニバル(人工飼料)
アロワナの大きさが45cm以上になったときの主食になります。肉食魚用の人工飼料で浮遊性があるのでアロワナが食べやすいです。人工飼料は栄養バランスに優れており、食べるようになると、餌代や管理がぐっと楽になるので、ぜひ餌付けしておきましょう。
生き餌で育てたアロワナがすぐに人工飼料を食べてくれることはめったにありません。水面に叩きつけて、反射的に食べさせるか、最初にいつもあげている餌をあげて、次に人工飼料をいれるなど工夫が必要です。
他にもクリルと混ぜてエビの匂いを強くしてあげるのも効果的です。
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色揚げを狙うならならクリル
クリルは乾燥エビで、アロワナの赤い発色を濃くする効果があります。カーニバルよりも匂いが強いので、餌付けがしやすいです。
カーニバルと同様に、食べないときは生き餌を一緒に与えたり、水面に叩きつけるなど工夫が必要です。
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アロワナの主食におすすめの餌
アロワナの飼育には次に紹介する3種類の餌と人工飼料を与えれば、栄養面で問題はありません。ここで紹介する餌は入手が簡単なので、成長させていくために餌付けが必須の餌といえます。
幼魚のころは冷凍赤虫から
アロワナの幼魚がメダカを食べられる大きさでないときは冷凍赤虫を与えます。幼魚は熱帯魚専用の人工飼料を全く食べませんので、冷凍赤虫を用意するしかありません。
熱帯魚専門店やネット通販で1パック400円〜500円で販売されています。
冷凍赤虫はそのまま水槽に入れると、脂肪分を多く含んでいるので水面に油が浮いたり、アロワナの内臓を冷やしてしまいます。与えるときはいったん水につけて解凍をしてから、茶こしでろ過して水槽にいれましょう。
水を汚しやすいので、少量づつ与えて、食べ残しはすぐに取り除いてくださいね。
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最初の生き餌はメダカ
アロワナの大きさが15cm以下の幼魚のときはメダカが主食になります。幼魚のときは餌を常に食べられるようにしておく必要があるため、メダカを餌付け状態にしておきます。
幼魚は捕食が下手なので、なかなか食べられなくて心配になりますが、夜になるとメダカの数は減っていきます。1日で3匹〜5匹ほど食べます。
アロワナの栄養が偏らないように、メダカを与える前にメダカに熱帯魚専用の餌をしっかりと与えてください。餌用メダカは50匹単位で1匹20円ほどで販売されています。
メダカを食べらる大きさではない時はグッピーの稚魚を繁殖させる方法があります。
メダカの飼育方法で紹介しているので、ご参考ください。
体が大きくなったら金魚(小赤)
15cmを超えて、金魚を食べられる大きさになると、メダカから金魚へと変更します。餌用の金魚は小赤という名前で4〜5cmほどの大きさで、1匹30円ほどで販売されています。
金魚もメダカと同様に栄養価が高い熱帯魚専用の餌をあげてください。赤色の発色をよくするエビ類の餌をたくさんあげる方法も人気です。
金魚は60cm水槽で50匹ほど飼育することができます。酸素量が少ないと次々に死んでしまいます。エアレーションは2個以上用意して、2日に1回は1/3ほど水を交換してください。
この大きさになると金魚だけでは、食いつきが悪くなる可能性があるので、他の餌も与えていく必要があります。人工飼料を慣らし始めるのもいいですよ。
和金(金魚)の飼育方法で紹介しているので、ご参考ください。
アロワナの食いつきをよくする餌
アロワナは飽き性であり、同じ餌を与え続けていると食いつきが悪くなり、痩せてしまうことがあります。そんなときは別の生き餌をあげることで、見違えるように飛びつくことがあります。飽きが来ないように餌のバリエーションは多いほどいいですよ。
ここでは入手しやすい順に紹介していきます。野生のバッタやトンボを採取してコンスタントに与えられれば良いですが、なかなか難しいですよね。
餌用のスジエビ
肉食魚用の餌として5cmほどのスジエビが販売されています。
水底を生活スペースにしているので、アロワナがエビに気づくことが少ないです。餌漬けではなく、食べさせたい量を入れて、水底に落ちる前に食べられるようにしましょう。
反対に、混泳水槽になると水底に生息しているポリプテルスは金魚を捕食しにくいので、エビをいれてあげると安心できます。
50匹単位で1匹15円前後になります。餌用エビは値段が安いですが、販売量は少ないのでメインの餌としてあげるのが難しいです。肉食魚に力を入れている熱帯魚専門店かネット通販で購入します。
60cm水槽で50匹ほどストックすることができます。金魚と同様にエアレーションを2個用意してあげましょう。
スジエビの飼育方法で紹介しているので、ご参考ください。
昆虫食なら市販されているコオロギ
コオロギは野生のアロワナの主食で、大好物な餌です。体長20cmほどになったら与えていきます。肉食魚に力を入れている熱帯魚店かネット通販で5cmほどの個体が25円前後で販売されています。
まるまると太ったコオロギは肉の部分が多く、栄養価が高いです。
飼育は簡単で隠れ家に新聞紙を丸めたものをいれておきます。雑食性なので餌は野菜の食べ残しや熱帯魚の餌などをあげましょう。餌効率をあげたいときはコオロギ専用の餌をたくさんあげて太らせていきます。餌が少ないと共食いを始めるので注意してください。
湿気に弱いので、風通しがいい場所に置いておきます。15度以下になると動かなくなるので、餌としての魅力も無くなります。暖かい場所におくか、飼育はさけておきましょう。
コオロギの繁殖と飼育方法で紹介しているので、ご参考ください。
ゴキブリも嫌いじゃなければ・・
ゴキブリもアロワナの大好物なので、積極的に与えたい餌の一つです。熱帯魚専門店よりも爬虫類専門店で探す方が簡単に餌用ゴキブリを見つけることができます。4cm前後のアルゼンチンゴキブリやフルーツゴキブリが200円〜300円程度で販売されています。
ミルワームやコオロギと比べると過密飼育ができて、匂いも少なく、長期保存も簡単にできるのがメリットです。1匹あたりの値段は高いですが、繁殖するのが簡単なので、挑戦してみましょう。
ゴキブリの飼育には蓋つきのプラスチックケースと紙製の卵トレーを使います。飼育数が多く過ぎない?というくらいの方が繁殖する確率が上がるのでたくさんいれましょう。
気温は15度〜32度におさまれば問題ありません。湿気が苦手なので風通しがいい場所に置いてあげてください。
餌は昆虫用ゼリーか野菜の捨てる部分、ペットフード、熱帯魚用餌などなんでも食べます。餌の量が少ないと子供が食べられてしまうので、注意が必要です。
飼育数が多いと大量のフンをするので、1週間に1回は掃除をしてあげてくださいね。
手軽にストックできるミルワーム
アロワナの餌としてジャイアントミルワームが100g500円前後で販売されています。
ミルワームは場所をあまり取らず、販売量が多いので、アロワナの餌として人気があります。動物性タンパク質が多く、栄養の偏りが他の餌よりも強くなってしまいます。ミルワームは食べた餌がそのまま栄養となりやすいので、熱帯魚用の栄養価が高いものをあげるのがおすすめです。
ミルワームの飼育方法で紹介しているので、ご参考ください。
食欲を刺激するならカエル
アロワナ用の餌としてウキガエルやツメガエルが1匹50円前後で販売されています。とても丈夫なので、過密飼育が簡単です。アロワナの養殖業者にはメインの餌として扱われています。水面付近を泳いでいるので、アロワナの目の前におり、食欲が刺激されて捕食しやすい餌です。
臆病なアロワナだとカエルの姿に驚いて食べない時があります。最初は小さいサイズのカエルから慣らしていきましょう。
アフリカツメガエルの飼育方法で紹介しているので、ご参考ください。
野生で昆虫を採集するのも楽しい
近くに川や森があれば自分で採集した昆虫を使うことができます。そのときは汚染されていたり、農薬がまかれていないか注意します。
特に好んで食べる生き物はトンボ、バッタ、セミ、トカゲ、カエル、ムカデなどです。アマガエルは毒があり、カマキリはハリガネムシが寄生していることが多いのでやめておきましょう。
寄生虫の心配があるので、魚用の薬でトリートメントするか、1度冷凍して寄生虫を殺しておきましょう。
スーパーで販売している餌も与える
アロワナが45cmを超えてくると金魚などの生き餌ではコストパフォーマンスが悪くなってきます。このくらいの大きさになるとスーパーで食用として販売されている小魚が使えるので、積極的に試していきましょう。
コスパがいい小アジ、ワカサギ、イワシ
アロワナの体長が45cmを超えてきたら、スーパーで販売されている小魚を使っていきます。小アジだと15匹で200円前後で販売されています。
内臓には多くの油分が含まれており、アロワナの脂肪を増やしたり、水を汚してしまうので、取り除いて洗浄しておいましょう。
牛ハツ、鳥のササミ
アロワナの餌として牛ハツや鳥のササミは脂肪分が少ないので、与えることができます。どちらも白い脂肪の部分は取り除いてください。
牛ハツは消化しにくいので、包丁で切り込みをいれてあげます。鳥のささみはバラバラになりやすいので食べ残しに注意してください。
バリエーション増やす用のムキエビ
アロワナはスーパーで販売されているムキエビも食べることができます。昆虫よりは好きではなく、人工飼料よりは食いつきがいいという立ち位置です。餌のバリエーションを増やすために使ってください。
アロワナの餌の与え方
アロワナの給餌方法について紹介していきます。餌の好き嫌いが激しいといっても、栄養バランスの問題があるのでそれを無視することはできません。
与える餌の量と頻度は?
アロワナは20cmまでの成長期には多くの栄養を必要としているので、餌は絶対に制限せずにたくさんあげる必要があります。量は大好物の生き餌を食べられるだけあげるのがベストであり、1日に4回は必要になります。
20cm〜45cmは成長が鈍化してきますが、まだまだ成長期になります。食いつきを落とさないように餌のバリエーションを増やして1日2回しっかりとあげましょう。45cmを超えたあたりから成長スピードが落ちてくるので、人工飼料に慣らしたり、大きくしたくないときは餌の量を制限していきます。
断食せずに人工餌に慣らすコツ
アロワナを断食せずに人工飼料の餌付けをするときは、人工飼料を普段食べている餌と誤解させる方法をとります。最初に普段食べている生き餌をドボンと水槽に入れて、丸のみしたらすぐに人工飼料を同じ勢いでいれて食いつかせます。繰り返すことで人工飼料に匂いや味を餌と認識してくれるようになります。
人工飼料に餌付いている混泳魚がいると、人工飼料を食べられる餌だと認識してくれるので、餌付きがはやくなりますよ。
冷凍餌の与え方
アロワナの餌には保存がきく、冷凍ワカサギや冷凍ムキエビ、冷凍赤虫が便利です。しかし、このままアロワナにあげると内臓を冷やしてしまったり、解凍されたときに油分がでて水を汚してしまいます。
水で完全に解凍して、キッチンペーパーで水分や油をとってから与えましょう。
アロワナの餌やりのトラブル
アロワナの餌やりで多いトラブルと解決方法について紹介していきます。
偏食を直すには?
アロワナは個体によっては好き嫌いが激しく、クリルしか食べなかったり、ワームしか食べない個体がいます。人工飼料の餌付け方法と同様に、普段食べている餌をあげて、食べたらすぐに、食べさせたい餌をいれてみましょう。
餌漬けのメリットとデメリットは?
アロワナの飼育水槽に餌となる金魚やメダカを常時入れている状態を餌漬けといいます。餌漬けは体長が20cmまでの餌がたくさん必要な幼魚のときには積極的に採用したい方法です。
それ以上の大きさになると、餌の飽きが早くなったり肥満の原因など、デメリットが多くなるのでやめておきましょう。
消化不良に要注意
水温が低いときや寝る前にたくさんの餌を与えると消化不良になり、胃に負担をかけてしまいます。
低水温時には餌の量は控えめにし、餌やりは消灯の2時間前には終わらせるようにしてください。
餌を食べない、食べなくなってしまった原因
アロワナは拒食になることがあり、今まで食べていた餌を一切食べなくなるということも珍しくありません。どの餌をあげても食べてくれず1週間〜1ヶ月は続くことがあります。
毎日換水を行なって、様々な餌をあげてみてください。急に食べてくれることがあるので根気よく続けます。1種類の餌を食べてくれるようになると、それをあげてすぐに別の餌をいれるを繰り返して、慣らしていきます。
アロワナの幼魚は臆病な性格から特に拒食症になりやすいです。水流の強さや水槽の大きさ、レイアウトの違いでストレスを感じることがあるので、何に嫌がっているので詳しく観察しましょう。
チェックポイント
- 餌に飽きている→餌のバリエーションを増やす
- 他のおいしい餌を知ってしまった→餌のバリエーションを増やす
- 餌を餌として認識していない→好きな餌の後に、あげたい餌をあげる
- 病気になっている→病気を治す
- 水が古くなっている→定期的に換水する
- 新しい環境でストレスを感じている→慣れるまで待つ
餌を吐き出す原因
アロワナが餌を口に入れた後に吐き出してしまう原因は2つあります。
1つめは餌が大きすぎるので、飲み込めなかったときです。餌をふやかして柔らかくしたり、小さくバラしてからあげましょう。
2つめは好きな餌だと思って食べたのに、味が違う!となった時です。匂いで餌を判断しているので、クリルを食べているときは、あげたい餌にクリルの匂いをつけるなどが効果的です。
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