スッポンは一度噛みついたら離さないとで有名なカメですが、ペットとしても人気があり、なんどか餌を与えていると飼い主にもなついてくれるかわいい生き物です。
今回はそんなスッポンの生態や特徴、おすすめの餌、寿命、水槽のレイアウトなど飼育方法について紹介していきます。
スッポンの特徴と生態
スッポンはカメ目スッポン科に分類されるカメの仲間です。日本や中国、インドシナなどの東南アジアからアメリカまで世界中に幅広く分布しています。水の流れが穏やかな川や池、沼地を好んでおり、泥の中で休んでいることが多いです。
鼻先はニュッと伸びており、甲羅はぷにぷにとしていて柔らかいです。手先はヒレのようになっていますが、泳ぐのが苦手で、日光浴のために陸地にも頻繁に上がります。
攻撃的な性格の個体が多く、近づくものなら、なんでも噛みつこうとしてきます。稚亀のころは手乗りもできますが、大人に一度噛みつかれると離してくれないので、むやみに触ったりはしないでおきましょう。もし噛まれたときはスッポンを水中につけて、落ち着かせて、離してくれるのを待ちます。
危険性のある生き物ですが、スッポンを自宅で飼育するのに、許可は必要ありません。環境省の特定動物リストに登録されているカメの仲間はカミツキガメのみです。
ニホンスッポンは日本レッドデータにて一部の地域で準絶滅危惧種や絶滅危惧種に登録されています。野生種を見つけてもむやみに捕まえたりするのはやめておきましょう。
体の大きさ
スッポンの大きさは最大で30cmです。飼育下だと25cm前後で止まることが多いです。
寿命の長さ
スッポンの寿命は平均して25年、最長だと30年ほど生きることが出来ます。体が丈夫なので、よほど無理な飼育をしない限り、30年はしっかりと生きてくれますよ。
スッポンの種類
スッポンは生息域が幅広く、世界中でみかけることができます。
冬眠をしたり、なんでも食べる大食感で、環境の適応力が高く、海外からペットとして輸入されてきた個体も外来種として日本に住み着いています。
有名なところではニホンスッポンとして親しまれているシナスッポン、アメリカに生息しているフロリダスッポン、シナスッポンが突然変異を起こして、色素が抜けて白色になったアルビノスッポンなどがあげられます。
他にもハナガラマルスッポンやインドシナオオスッポンなど体長が70cmを超える、ペット向きではない大型のスッポンもいます。
スッポンの見分け方は、フロリダスッポンは甲羅のフチが反り返っており、シナスッポンも少しだけ反り返っていますが、ほとんど亀の甲羅のような形をしています。
スッポンモドキとの違い
※画像はスッポンモドキです。
スッポンと間違いやすい生き物にスッポンモドキという亀がいます。
スッポンモドキはスッポンのように陸地に上がることは出来ず、手足は完全にヒレになっており、泳ぐことに特化しています。
スッポンモドキの特徴と飼育方法で詳しく紹介しているので、ご参考ください。
スッポンの飼育に必要な水槽と器具
スッポンは甲羅が柔らかいので、奇形になりやすく、きちんと成長させるためには、大きな飼育容器が必要不可欠です。初期費用で5万円ほど見ておいてくださいね。
水槽の大きさ
スッポンを飼育する容器は最低でも90cm(横幅)×45cm(奥行き)が必要です。甲羅がぶつかって傷つかないように、透明度が高くて強度があるガラス水槽を使いましょう。
甲羅が柔らかい分、水槽が小さいと甲羅が変な形に育ってしまうことが多く、飼育容器の大きさはかなり重要なものになります。
上下に水中を泳ぎ回る生き物でもないので、上からの鑑賞も楽しく、屋外飼育が人気です。屋外で飼育するときは水量を確保するために、トラ舟など底面積が広いものを用意してくださいね。
おすすめの90cm水槽で詳しく紹介しているので、ご参考下さい。
ろ過フィルターの選び方
スッポンは酸欠には強いですが、フンの量が多くて水を汚すので、ろ過フィルターを入れておく方が管理が楽になります。
魚のように高さギリギリまで水を入れるわけではないので、水量が少なくても対応できるコーナーフィルターか投げ込み式フィルターを使います。
たくさんのフンをするので、週に1回はスポンジにたまったゴミを除去してくださいね。
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バスキングライトと紫外線ライトが必要
スッポンなどの水中生活が長い亀でも日光浴をするため、バスキングライトと紫外線ライトが必要になります。
バスキングライトはバスキングスポットとは35度近くの高温地帯を部分的に作り出し、朝起きたときや食後に体を温めるために使います。
紫外線はカルシウムの九州に必要なビタミンDを作り出すために必要です。成長期の頃に紫外線が不足すると甲羅が変形する可能性がありますが、大人の個体であればなくても大きな問題にはなりません。
亀に必要な紫外線ライトやバスキングライトで詳しく紹介しているので、ご参考ください。
底砂の選び方
スッポンは頻繁に砂の中に潜るため、全身が隠れるくらいの砂を敷いておきましょう。顔面をつっこんで体を隠すことで、落ち着いています。
砂は体を傷つけないように、粒が小さくて丸い「田砂」か「ボトムサンド」を使います。
あまりにもよく潜るため、砂を入れていると鑑賞しにくくなります。砂なしで飼育してみて、元気な状態が続くのであれば、そのまま入れずに飼育していくのもありです。
紹介した幅90cm×奥行45cmの水槽だと、砂の厚みを1cmにするためには砂の量は3.1kgほど必要になります。だいたい6cmほど必要なので、15kgを目安にしてください。
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水槽の蓋の役割
スッポンは意外にも器用に立ち上がるので、脱走しないように、水槽の蓋をしっかりとしておきましょう。
屋外で飼育するときは天敵になる猫やカラスに襲われないように、金網で蓋をしておきます。
スッポンの飼育方法について
スッポンは丈夫なカメなので、初心者にも飼育しやすいです。人工飼料の食いつきもよく、難しいところはほとんどありません。
あえて言うなら、攻撃的な性格をしているので、水槽の掃除をするときには注意が必要なことです。
値段と販売場所
生体のスッポンの値段は15cm前後の個体が3千円~6千円で販売されています。
スッポンは人気がある生き物ではないので、ホームセンターではなかなか見つけることが出来ません。爬虫類専門店もトカゲやヘビなどが多いので、熱帯魚専門店など水生生物を取り扱っているお店で探してみるといいですよ。
時期が合えば、全国で行われているペット即売会イベントに参加してみましょう。珍しい生き物が多く、10cm以下の小亀なども見つけることが出来るかもしれません。
水槽のレイアウト
スッポンは泳ぐのが得意ではなく、歩くようにして水中を移動します。そのため水位は浅めが基本で、後ろ足で立ち上がったときに水面に届くようにしておいてください。
また、陸地にもよく上がるので、登りやすいように、石組みなど階段を作ってあげましょう。陸地は亀用の陸地やレンガを積み上げると良いですよ。
フンの量が多いので、週に1回は掃除をする必要があります。掃除の前日にカルキを抜いた水道水を用意しておき、1/3ほどの水を交換してください。掃除しやすいように、レイアウトは複雑にしないでおきましょう。
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飼育に適している水温
スッポンに適している水温は25度~28度です。
低水温に強く、冬眠することが出来ますが、飼育下で冬眠させるのは難しいので、ヒーターで加温するようにしてください。加温は水中だけで大丈夫です。
水中でぼーっとしていることが多く、ヒーターに乗って火傷することがあるため、火傷防止カバーつきの商品を選んでおきましょう。
おすすめの水槽用のヒーターで紹介しているので、ご参考ください。
甲羅の掃除や日光浴をしてあげよう
スッポンなどの陸地に上がる水棲亀には、週に1回は甲羅干しといって30分ほど日光浴をさせる必要があります。
甲羅干しをすることで病気を予防したり、強くてしっかりした甲羅に育てることが出来ます。ベランダや庭に放してあげると、テクテクと歩き出して散歩にもなりますよ。
他にも月に1回は甲羅についたコケを柔らかいスポンジで落とすようにしてください。放置していると茶ゴケになった簡単には落ちなくなってしまいます。
かかりやすい病気と治療方法
スッポンは水換えを怠ったときに、水質悪化が原因で皮膚病や水カビ病になってしまいます。
自己治癒力が高いので、2日に1回は水換えをして、治るかどうか様子を見てください。完治しないようなら熱帯魚ショップでグリーンFリキッドを購入して、1週間ほど薬浴しましょう。
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混泳はできる?
スッポンは肉食性で攻撃的な性格をしているので、混泳することは出来ません。子供の頃は問題になりませんが、大人になると必ず噛みつくようになります。単独飼育にしておきましょう。
スッポンの餌は人工餌がメイン
野生のスッポンは川魚やザリガニなどを食べる肉食性です。飼育下では餌食いがよく、人工飼料から活き餌までなんでも食べてくれます。
メインの餌は栄養バランスが良いカメ用の餌であるレプトミンにしておき、サブで肉食魚用餌であるキャットや生の鶏肉などを与えます。
子供の頃は食べられるだけ餌を食べさせてしっかりと成長させる必要があるので、熱帯魚専門店で販売されている、冷凍赤虫やメダカ、和金(金魚)、スジエビなどの好物の生き餌をたくさんあげられるといいですね。
餌の頻度は子供の頃は毎日与え、大人になったら肥満防止のために2日に1回に減らします。食べ残しや屑はすぐに取り除くようにして下さい。
スッポンの餌については亀におすすめの餌で詳しく紹介しているので、ご参考ください。
スッポンについてまとめ
今回はスッポンの生態や飼育方法について紹介していきましたが、いかがでしたでしょうか。
スッポンは一度噛みついて放さないことで知られており、ペットとして飼育する人がいるの?と思うほどですが、そのワイルドな性格が逆に人気を集めています。生きた餌を与えたときの食いつきの豪快さは見ていてわくわくしますよ。
体が丈夫なので、飼育自体はとても簡単です。大きな容器で飼育して、立派なスッポンを育て上げてくださいね。
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