ジーベンロックナガクビガメは大きな口と、とぼけた顔がとてもかわいいカメです。ペットショップで見かける子は10cmもなく、すげえかわいい!となるのですが、大型水槽が必要なほど大きく成長するので、気軽に飼育することはできません。
今回はそんなジーベンロックナガクビガメの生体や特徴、成長速度、おすすめの餌など飼育方法について詳しく紹介していきます。
ジーベンロックナガクビガメとは?
ジーベンロックナガクビガメとはヘビクビガメ科オオナガクビガメ属に分類される水棲カメの仲間です。マニアの間ではジーベンの名前で親しまれています。生息地はインドネシアやオーストラリアなどの沼地や池など水の流れが穏やかで、泥が多くて濁っている場所を好んでいます。肉食性で小魚やエビなどの甲殻類を捕食します。
ナガクビガメの由来は名前の通り首が長いカメで、首の長さは甲羅の1.5倍ほどの長さになります。あまりにも長く、甲羅の中に頭をしまうことができないので、横向きにおさまるようになっています。
数十年前までは非常に高価で20万円近くの値段でした。しかし、今では養殖が進んで、販売価格が安定し、人気のナガクビガメとなりました。立派な水かきを持っており、泳ぐのが得意で運動量も多いので、水槽を元気に泳ぎ回る姿を観察できますよ。
体の大きさ
ジーベンロックナガクビガメの大きさは最大で35cmになります。飼育下では20cm~30cmの間におさまることが多いです。
成長速度は生後2年で20cmまで成長しますが、そこからは1年に3cmほどのペースでゆっくりと成長していきます。
寿命の長さ
ジーベンロックナガクビガメの寿命は平均して20年です。水槽飼育では長生きさせやすく、上手に育てることで30年は生きてくれますよ。
ジーベンロックナガクビガメの飼育環境
ジーベンロックナガクビガメは完全な水棲のカメなので、熱帯魚と飼育環境が必要になってきます。初期費用では10万円ほどみておくといいですよ。
必要な水槽の大きさ
ジーベンロックナガクビガメの飼育容器は熱帯魚の飼育で使うガラス水槽を使います。ガラス水槽は透明度が高く、甲羅がぶつかっても傷がつきにくいので、カメの鑑賞に優れています。
遊泳力があるので、水槽は大きいほどよく、水槽のサイズは最低でも横幅は甲羅の5倍、奥行きは2倍は必要です。体長が25cmの個体だと120cm(横幅)×60cm(奥行き)は欲しいところです。
この大きさになると水を入れたときに400kg近くになるため、自宅の床の耐荷重を事前に調べておく必要があります。
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ろ過フィルターの選び方
ジーベンロックナガクビガメはフンの量が多いので、物理ろ過に優れている上部式フィルターがおすすめです。スポンジを週に1回は掃除しましょう。
酸素量が多い環境を好んでおり、運動不足を解消するためにも、たまに強い水量をつけたあげたり、サブで投げ込み式フィルターをいれて酸素量を増やしてあげると良いですよ。
おすすめの上部フィルターで紹介しているので、ご参考ください。
バスキングライトと紫外線ライトが必要
ジーベンロックナガクビガメは水中での活動時間が長い亀ですが、日光を浴びて体を温めたり、紫外線を浴びる必要があります。
体を温めるためにバスキングライトを、紫外線を浴びるために紫外線ライトを使います。
紫外線の要求量は多くないので、大人の個体であれば、紫外線ライトは必須ではありません。成長期には甲羅の形がいびつになる可能性があるので、いれてあげるといいですよ。
ミズガメに必要な紫外線ライトやバスキングライトで詳しく紹介しているので、ご参考ください。
水槽の蓋の役割
水槽から脱走することがあるため、水槽の蓋は必須です。力があるので、水槽の蓋はしっかりと固定して動かされないようにしてください。
ジーベンロックナガクビガメの飼育方法について
ジーベンロックナガクビガメは体が丈夫なので、初心者にも飼育しやすい生き物です。しかし、肉食性なので生きた餌を用意したり、水替えの水量が多いなど手間はそれなりにかかります。
値段と販売場所
ジーベンロックナガクビガメの値段は1万円前後で販売されています。
カメなどの爬虫類は対面販売が義務づけられており、ネット通販で購入することはできません。熱帯魚コーナーにいることが多いので、ホームセンターか熱帯魚専門店で探しにいってくださいね。4月~8月の暖かい時期に8cmほどのベビーが入荷されはじめますよ。
水槽のレイアウト方法
ジーベンロックナガクビガメのレイアウトでまず最初に悩むのは水位かと思います。
泳ぐのがとても上手で、水深が深いほど上下に立体的な動きをしてくれるため、可能な限り深くすると良いですよ。しかし、急に水量が変わるとストレスを感じてしまうので、最初はショップで販売されていたときと同じ水位にして、徐々に減らすなり増やすと良いでしょう。
陸地には上がらないので、作る必要はありません。
水槽のレイアウトは何も入れないベアタンクがおすすめです。ジーベンロックナガクビガメは餌をたくさん食べて、たくさんのフンをするので結構な勢いで水が汚れていきます。水の交換と掃除がしやすい環境を整えるのが大切になるからです。
ただ、掃除の手間を惜しまなかったり、自然な状態で飼育したいとのことでしたら、底砂や、泳ぎを邪魔しない程度の大きさの石とかは絶対に入れた方が良いです。なによりもカメが落ち着いてくれますし、見た目も良いからです。
飼育に適している水温
ジーベンロックナガクビガメに適している水温は25度~28度と高めです。低水温には弱いので、冬は熱帯魚用の水中用ヒーターで保温する必要があります。
ヒーターに乗っかりながら休憩をすることもあり、火傷してしまうので、安全カバー付きの物を用意してくださいね。
おすすめの水槽用のヒーターで紹介しているので、ご参考ください。
おすすめの餌
ジーベンロックナガクビガメの餌は、熱帯魚専門店で販売されているメダカや和金(金魚)、スジエビなどの活き餌が主食です。
他にも慣らすことでカメ専用の人工飼料であるレプトミンや肉食魚用の人工飼料であるキャット、乾燥エビを食べてくれるようになりますよ。
幼体の頃は、成長にたくさんの栄養を必要としているので、生きた餌を毎日しっかりと餌を食べられるだけ食べさせます。常にメダカをいれておくのも効果的です。この頃に栄養が不足すると甲羅のゆがんだりしてしますので、空腹にさせないように注意が必要です。餌を食べないようになった時も、生き餌を与えましょう。
大人になると餌の回数を2日に1回に減らし、人工餌を食べてくれる個体であれば、それだけで終生飼育することができます。
ジーベンロックナガクビヘビの餌については亀におすすめの餌で詳しく紹介しているので、ご参考ください。
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病気は皮膚病と水カビ病に注意
ジーベンロックナガクビガメは水温が低かったり水質が悪化すると皮膚病や水カビ病にかかりやすいです。
亀は治癒力が高いので、病気にかかったときは、すぐに水換えをして、水温を25度以上にすれば1週間程度で治ることが多いです。
予防するためにも、水質悪化の原因になる餌の食べ残しやフンはすぐに除去して、週に1回は1/3ほど水を交換するようにしておきましょう。
水中で生活しており、陸地に上がることはないので、甲羅干しをする必要はありません。
混泳はできるの?
ジーベンロックナガクビガメは肉食性が強いですが、飲み込めない大きさの生き物を襲うことはないので、混泳をすることができます。
混泳相手にはジーベンロックナガクビガメ同士や、同じ水棲カメのマタマタなどがおすすめです。熱帯魚だとレッドテールキャットやポリプテルスと混泳することができます。
ただ、遊泳力があるので、単独飼育で広々と泳がせてあげられる方がいいですね。
脱皮をする
ジーベンロックナガクビガメは体が大きくなると脱皮します。脱皮は手足や頭だけではなく、甲羅の部分も脱皮をします。
甲羅の部分の脱皮は一気に剥がれるのではなく、一枚一枚時間をかけて剥がしていきます。脱皮した直後の甲羅は黒いですが、徐々に色がもどってきます。
皮は水を汚すので、こまめに取り除いてください。
ジーベンロックナガクビガメについてまとめ
今回は首が長くて、とぼけた顔がかわいいジーベンロックナガクビガメについて紹介していきましたが、いかがでしたでしょうか。
捕食の時に好物の餌を必死に追いかける姿はとてもかわいいのですが、魚ほど泳ぎが得意ではないので、なかなか捕まえることができず、見ているこっちも落ち着けません笑
水槽は横幅120cmと大型魚を飼育する並の設備が必要になってきます。しかし、広い水槽で元気いっぱいに泳いでいる姿は見飽きることがありません。少しでも興味を持っていただけたら、飼育に挑戦してみてくださいね。
同じ水棲カメでヘビクビガメ科のマタマタもクセがあってかわいいですよ。マタマタの特徴と飼育方法で詳しく紹介しているので、よろしければご参考ください。
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