マタマタは妖怪のような見た目でありながら、つぶらな瞳やにやっとした口元がとってもかわいいカメの仲間です。なかなか水族館などでしか見ることがありませんが、ペットとして飼育することもできます。
今回はそんなマタマタの生態や特徴、最大の大きさ、おすすめの餌、飼育環境など飼育方法について詳しく紹介していきます。
マタマタの特徴
マタマタはカメ目ヘビクビガメ科マタマタ属に分類されるカメの仲間です。マタマタという名前の由来は現地の言葉で皮膚という意味があります。特徴的な皮膚の形に注目して名付けられました。
頭部から甲羅部分にかけて平らな形をしており、石や流木の隙間に上手に隠れることができます。全体的に茶褐色をしており、頭部の横に伸びた複数のヒダで枯葉のように擬態することができます。
甲羅の中に首をしまうことができず、横向きにおさまるようになっています。目は非常に小さく、米粒ほどの大きさしかありません。口元はにやっと笑っているような形をしており、とてもかわいいです。
体の大きさ
マタマタの体の大きさは平均して30cm、最大サイズだと50cmまで成長します。成長速度はとても遅く、生後1年で15cm、2年で20cm程度です。成長させるのに時間がかかるため、大型のマタマタは高値で取引されています。
寿命の長さ
マタマタの寿命は平均して10年です。飼育下では運動不足で短命になりやすく、7年ほどになります。
マタマタの生態
マタマタは南米の河川や沼地に生息しており、流れが穏やかな場所を好んでいます。夜行性で、繁殖の時以外は陸地に上がることはありません。
泳ぐのが苦手なので、呼吸をするときでも長い鼻先と足を使ってなんとか泳がずに呼吸できるように頑張る様子を観察できます。
普段も泳ぎ回ることはなく、水底でじっとしていて、獲物になる小魚が目の前を通るのをじっと待っています。他のカメのように歯がなく、噛む力は弱いので、獲物を周囲の水ごと丸呑みしてしまいます。
マタマタの飼育に必要なもの
マタマタは大型魚と同等の水槽が必要なので、安易に飼育することができる生き物ではありません。初期費用では7万円ほど用意して、しっかりと飼育設備を整えてくださいね。
必要な水槽の大きさ
マタマタは普段はじっとしていますが、夜間は運動量が多いため、120cm(横幅)×60cm(奥行き)の水槽が必要になります。
それでもこのサイズの水槽では肥満で短命になりやすく、可能であれば180cm(横幅)×90cm(奥行き)の水槽を準備してあげてください。
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ライトはバスキングと紫外線の2つが必要
マタマタは水中で生活していますが、浅瀬で日光浴をするため、バスキングライトと紫外線を含んだUVライトの2つが必要です。
バスキングライトは35度前後の高音地帯を作り出し、体を温めて活動しやすくしたり、消化を促進します。
爬虫類の仲間は紫外線からカルシウムの吸収を助けるビタミンを生成しており、特に成長期である体長が30cm以下の時は甲羅の形成にたくさんのカルシウムが必要になるからです。大人の個体であれば紫外線の要求量は減るため、紫外線ライトなしで飼育することもできます。
亀に必要な紫外線ライトやバスキングライトで詳しく紹介しているので、ご参考ください。
ろ過フィルターの選び方
マタマタはよく餌を食べて、たくさんのフンをするので、生物ろ過よりも物理ろ過を強化して、水替えの回数を増やす必要があります。
120cm水槽では掃除が簡単な上部式フィルターを設置し、それ以上のサイズではオーバーフロー式を使います。スポンジ部分にたまったゴミは毎週1回は水で洗い流してくださいね。
おすすめの上部フィルターで紹介しているので、ご参考ください。
底砂の厚み
マタマタは水底を歩くように泳ぎます。底砂がないガラス面ではツルツルと滑って歩きにくいので、床材を入れてあげましょう。誤食があるため、喉に詰まらせないように小さて丸い砂粒を選びます。厚みがあると水底の掃除が大変なので、3cm以下で薄く敷くといいですよ。
幅120cm×奥行45cmの水槽で1cmの厚みにしたい場合、砂の量は3.2kgあれば大丈夫です。
水槽の蓋
水槽の蓋は脱走やほこりが入ったり、水が蒸発するのを防ぎます。意外にも脱走が上手で力が強いため、蓋はしっかりと固定しておきましょう。
マタマタの飼育方法
マタマタは水質悪化の防止のために、水替えをしっかりと行っておけば、体は丈夫で飼育は難しくありません。しかし、10cm以下のベビーサイズは水質の変化に敏感なので、初心者の方はさけておきましょう。
値段と販売場所
マタマタの生体の値段は2万円から3万円が多いです。体が大きいほど良個体とされており、30cmを超えると値段は15万円前後になります。繁殖は難しく、海外から輸入されてきたワイルド個体が販売されています。
カメなどの爬虫類は対面販売が義務づけられているので、ネット通販で購入することができません。4月から入荷され始めるため、爬虫類専門店か全国で開催されているペットの即売会で探してみましょう。ペットの即売会では数多くの生き物を販売しており、珍しい種類を見つけることができますよ。
飼育に適している水温
マタマタの飼育に適している水温は26度~30度です。低水温が苦手なので、冬はヒーターで温めてあげてください。ヒーターは火傷防止カバーつきのものを購入しましょう。
おすすめの水槽用のヒーターで紹介しているので、ご参考ください。
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水槽のレイアウト方法
マタマタの水槽は掃除がしやすいように、底砂だけを敷いたシンプルなレイアウトが好まれます。反対に小さな石や流木などを入れても泳ぐスペースが小さくなって、邪魔になるだけです。
水深は足で立ち上がって、首を伸ばしたときにギリギリ口先が出るくらいの水量がベストです。呼吸の方法を観察して、水深を調整していってくださいね。水量が多いほど、水質が安定するので管理が楽になります。そのせいで水深が深くなるときは、流木などを入れて足場を作ってあげましょう。
餌はメダカや金魚などの生き餌
マタマタは完全な肉食性のため、餌には生き餌である和金(金魚)やメダカ、スジエビ、ドジョウを与える必要があります。人工飼料を食べてくれることはほとんどありません。丸呑みが基本となるので、少し小さめの餌を与えます。
生き餌はネット通販や熱帯魚専門店で50匹単位で販売されているため、餌用の60cm水槽を用意して、ストックしておきましょう。
餌の頻度は成長期のベビーの頃は毎日食べられるだけ与え、大人になると3日に1回に減らします。飼育下では運動不足で肥満による突然死が多い生き物です。餌を与えすぎないように注意してください。
マタマタの餌についてはミズガメにおすすめの餌で詳しく紹介しているので、ご参考ください。
水質維持のために、毎週水の交換をしよう
マタマタはフンの量が多く、よく脱皮もするので水が汚れます。水質悪化スピードが速く、毎週1回は1/3ほど水を交換してください。水質悪化に弱いので、放置していると皮膚がボロボロになってしまいます。特に体にたくさんの水カビが付着することで、体が衰弱して突然死を招くこともあります。
水を抜いた時に甲羅についているコケを柔らかいスポンジでこすり落としてください。放置していると頑固な黒ゴケになって、簡単に落とせなくなってしまいます。
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混泳はできるの?
マタマタは大人しい性格をしているため、口に入らない大きさの生き物であれば混泳することができます。オスカーなど中型の熱帯魚がおすすめです。
しかし、水槽に十分な大きさがないときは、1匹でも遊泳スペースがとれないため、単独飼育が基本の生き物です。
マタマタについてまとめ
今回はマタマタについて紹介してみましたが、いかがでしたでしょうか。
見れば見るほどかわいい顔つきをしており、第一印象のゴツゴツとした野生味とは全く違う魅力を感じ取ることができます。最初は威嚇をしてくることもありますが、何度か餌を与えていると慣れてきてくれるようになります。
大きさな水槽を用意して、しっかりと餌を与えて、立派なマタマタを育て上げてくださいね。
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