アルマジロトカゲはドラゴンとも思える姿で、野性味溢れる顔つきとゴツゴツした体型が人気を集めているトカゲです。見た目の強烈さに反して体は小さく、つぶらな瞳がとてもかわいいトカゲです。
今回はそんなアルマジロトカゲについて生態や特徴、値段、大きさなど飼育方法について紹介していきます。
アルマジロトカゲとは?生態と特徴
アルマジロトカゲはヨロイトカゲ科ヨロイトカゲ属に分類されるトカゲです。生息地は南アフリカ共和国の岩場と砂漠が半々くらいにある乾燥地帯です。
全身が鎧のような固い鱗で覆われており、敵に襲われた時は自分の尻尾の先端を噛んで全身の棘を逆立てて丸くなります。その丸くなった姿がアルマジロのように見えることから名付けられました。動きは遅く、身を守るための体は固く、丸まれるように進化しました。
昼行性のトカゲで夜間は岩の間で休んでおり、朝に日光浴で体を温めてから活動を始めます。肉食性で餌は昆虫やクモを好んで捕食します。トカゲには珍しく10匹前後の集団行動をする種類なので、多頭飼いに向いています。
とても臆病な性格で、人に懐くことはほとんどなく、すぐに隠れてしまいます。
体の大きさ
アルマジロトカゲの大きさは全長で20cm、平均だと17cmほどになります。海外に生息する観賞用トカゲは30cm〜50cmの種類が多く、トカゲの中では小型といえます。
寿命の長さ
アルマジロトカゲの寿命は平均で10年ほどです。上手に飼育すると13年は生きてくれます。
繁殖方法は珍しい胎生
アルマジロトカゲの繁殖方法は爬虫類には珍しい胎生のトカゲで、卵ではなく子供を直接産みます。生まれたばかりのアルマジロトカゲはトゲが柔らかく、時間の経過とともに乾燥してトゲトゲしくなります。
アルマジロトカゲの飼育に必要な設備
アルマジロトカゲは小型のトカゲなので生体価格を除けば初期費用はあまりかかりません。だいたい3万円ほどみておけば十分ですよ。
必要なもの
- ケージ
- 照明
- 床材
- 水容器
- シェルタ-
必要なケージの大きさ
アルマジロトカゲは小型のトカゲなので、大きいケージは必要なく、横幅は体長の2倍、奥行きと高さは体長の1.5倍ほどあれば十分です。
大きさが20cmの個体だと40cm(横幅)×30cm(奥行き)以上の大きさがあればいいですよ。上から近づかれるのを嫌うため、ケージは前開きのものを選んでくださいね。
おすすめの爬虫類用ケージで紹介しているので、ご参考ください。
ライトは紫外線とバスキングが必要
照明には体を温めるためのバスキングライトと紫外線を浴びるためのUVライトの2つが必要です。
バスキングライトではバスキングスポットといって35度〜40度の高温地帯をつくり、そこで体を温められるようにします。紫外線ライトはカルシウムの吸収をよくするためのビタミンの生成に必要で、不足すると骨の病気にかかってしまいます。
アルマジロトカゲのライトについては爬虫類に必要なバスキングライトと紫外線ライトで詳しく紹介しているので、ご参考ください。
床材の選び方
床材はヤシガラマットや木材系チップ、砂漠砂などが使用できます。他にも新聞紙やペット用のトイレシートで代用することもできますよ。フンをした時にこまめに取り除く必要があり、後者の方が管理は楽になります。
上で紹介した幅45cm×奥行45cmのケージに厚み1cmの砂を敷こうと思ったら、1.2kgあればいいですよ。
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水飲み用に水容器
アルマジロトカゲは乾燥に強いですが、定期的に水を飲むので、小さな水容器をいれておいてください。2日に1回は新鮮な水に交換してくださいね。
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隠れ家になるシェルター
アルマジロトカゲは臆病な性格をしているため、隠れ家になるシェルターをいれておくことで早く飼育環境に慣れてくれます。コルクや流木、石などで全身がちょうど隠れるくらいのものをいれておきましょう。
シェルターをたくさんいれると隠れて出てこなくなり、餌を食べない時もあるので、いれすぎには注意が必要です。シェルターを入れておくと人になれるのに時間がかかるため、1ヶ月ほどしてからなくしてしまう方法もよく使われます。
アルマジロトカゲの飼育方法
アルマジロトカゲが生息している南アフリカは昼夜の気温差が激しく、乾燥しており、餌も少ない厳しい環境です。そのため、他の乾燥系トカゲよりも丈夫で飼育しやすいです。
価格と販売場所
アルマジロトカゲは乱獲によって数が激減し、絶滅危惧種に登録されました。そのため現地では輸出数が制限されており、非常に希少価値が高いです。値段は1匹あたり30万円〜とかなり高騰しています。
繁殖も難しく、海外ブリーダーからごく稀にCB個体(ブリード個体)が入荷されてくるという状態です。国内でもそういった海外ブリーダーと繋がりがある販売店しか取り扱えないため、爬虫類専門店の方と仲良くなって紹介してもらうか、ネットで情報を収集していきましょう。
飼育に適している温度と湿度
アルマジロトカゲが生息している環境は昼夜の気温差があるため、それに合わせる必要があります。
昼間は25度〜30度、夜は20度前後、バスキングスポットは30度〜35度を保ちましょう。暑さに強いですが、ケージ全体が30度を超えてくるとバテてくるので、夏場はクーラーをつけてあげてください。
冬場はパネル式ヒーターではなく保温球や赤外線ランプでケージ全体が20度以上になるように温めてください。
乾燥系のトカゲなので霧吹きなどは必要ありません。
おすすめの爬虫類用ヒーターで紹介しているので、ご参考ください。
餌はコオロギなど昆虫がメイン
アルマジロトカゲの餌はコオロギなどの昆虫が主食になります。ミルワームも好物ですがタンパク質が豊富で肥満になりやすいので月に数回に抑えておいてください。昆虫食だけだとカルシウム不足になるため、専用のカルシウム剤を餌にまぶしてから与えましょう。
個体によってはエサ入れに置いた人口餌を食べることもありますので、慣れてきたら乾燥トカゲ専用餌であるレパシーのクラブバイやブレンドフードなどを与えてみましょう。
ケージにコオロギを放つと床材の誤飲やコオロギが脱走することがあるので、なるべくピンセットを使って直接与えます。餌の頻度は2日に1回、1〜2匹ほど与えてくださいね。
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ハンドリングしやすい性格
アルマジロトカゲはハンドリングを楽しむことができますが、臆病な性格で飼育者に懐かせるまで時間がかかります。
餌やりや逃げない程度に手を近づけることで飼育者の臭いを覚えさせていきましょう。慣れた個体は手をケージにいれると近づいて来てくれるので、とてもかわいいですよ。
アルマジロトカゲに会える動物園はどこ?
アルマジロトカゲは非常に高価で珍しいので爬虫類専門店でも簡単に見つけることはできません。どうしてもアルマジロトカゲを見たいときは展示している動物園にいってみましょう。動物園での飼育数も多くなく、関西地方では見られないのが残念です。
北海道・東北地方
円山動物園 | 北海道札幌市中央区宮ケ丘3番地1 |
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男鹿水族館GAO | 秋田県男鹿市戸賀塩浜壷ケ沢93 |
関東・中部地方
東山動植物園 | 愛知県名古屋市千種区東山元町3丁目70 |
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こども動物自然公園 | 埼玉県東松山市岩殿554 |
四国・中国地方
とべ動物園 | 愛媛県伊予郡砥部町上原町240 |
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のいち動物公園 | 高知県香南市野市町大谷738 |
安佐動物園 | 広島県広島市安佐北区安佐町 |
徳山動物園 | 山口県周南市徳山5646 |
最新の動物園でのアルマジロトカゲの展示状況は日本動物円水族館協会の動物検索よりご確認ください。
アルマジロトカゲについてまとめ
今回はアルマジロトカゲの生態や特徴、飼育方法についてまとめてみましたがいかがでしたでしょうか。
アルマジロトカゲは見た目のかっこよさと身を守る態勢のユニークさ、体も小さく飼育が簡単ととてもおすすめのトカゲでありますが、絶滅危惧種で数が少なく、高価のため入手するのは困難です。あまり寿命は長くなく、日本に入荷されるのが止まる日もありえますので、姿を一目見ておきたい人は早めに動物園に行ってみましょう。
アルマジロトカゲも分類されているヨロイトカゲの他の種類についてはヨロイトカゲの飼育方法で詳しく紹介していますので、よろしければご参考ください。
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