夜に歩いていると、たまーにニホンヤモリを見つけて、おおお!と思うことがありますね。かわいい目玉と仕草はとてもかわいく、ペットとして飼育している人がいるほどです。
今回はそんなニホンヤモリについて体の大きさ、繁殖、適温など飼育方法を詳しく紹介していきます。
ニホンヤモリの特徴
ニホンヤモリは有鱗目(ゆうりんもく)トカゲ亜科ヤモリ科のグループに属しているトカゲの仲間です。
体色は個体差が激しく、灰色をベースに黒色や白色など様々な色が見られます。少しですが体色を変化させる生き物で、危険を感じると色が黒くなることがあります。
ぱっとみはわかりませんが、触ってみると無数の小さな鱗があることを確認できます。
足には趾下薄板(しかはくばん)と呼ばれる器官があり、そこにある無数の毛で木やコンクリートの壁だけではなく、ガラスやプラスチックでも自由に歩き回れます。指の数は5本ですが、親指にあたる第一指だけには爪がありません。
もともとは日本に生息していない外来種でしたが、江戸時代に中国から日本へ住み着きました。そのため寒さに弱く、冬眠するのは得意ではありません。
生息地
ニホンヤモリは日本の北海道を除く、本州、四国、九州地方と朝鮮半島、中国に生息しています。
家守(やもり)と呼ばれるように、隠れ家の多い木造建築や民家の近くに生息しています。冬でも暖かい屋根裏や物置に住むことで越冬しています。家がない場所では、木の皮や穴の隙間で休憩しています。
行動範囲は狭く、一度住み着いたらそこから離れることはほとんどありません。
体の大きさと成長速度
ニホンヤモリの大きさは平均して10cmです。胴体と尻尾の長さは半々くらいです。だいたいは7cm前後の大人になったばかりの個体をみかけることが多いですよ。
生まれたての赤ちゃんの大きさは4cm前後です。成長速度は1ヶ月で8cmまでなり、半年で10cmまで成長しますよ。
寿命の長さ
ニホンヤモリの寿命は平均して10年です。飼育するにはそれなりに長い期間世話しなければいけないことを覚悟しておいてください。
ニホンヤモリの生態
ニホンヤモリは夜行性で、夜になると街灯に集まったガやクモなどの昆虫を捕食します。
性格は臆病
ニホンヤモリは臆病な性格で、最初はケージの奥に隠れてなかなか前に出てきてくれません。
隠れ家を減らすことで、慣れやすくなりますが、ストレスで餌を食べないことがあるので、様子を見ながら変更してください。
あまりじっと見つめたり、物音をたてないようにしてくださいね。
ストレスを感じると鳴き声を出す
ニホンヤモリは驚いた時や威嚇するときに鳴く爬虫類です。
驚いたときには「ピッ!」と高い声を出して、威嚇をするときには「ケケケ」と低い声を出します。ストレスを感じさせているので、むやみに泣かせないよにしてください。
ヤモリの鳴き声で紹介しているので、ご参考ください。
脱皮をする
ニホンヤモリは成長するにつれて、古い皮を脱ぎ捨てるために脱皮を行います。大人には脱皮の周期や回数に規則性はありませんが、子供は2週間に1回のペースで脱皮を行います。
脱皮した後の抜け殻にはカルシウムが多く含まれているので、食べることがよくあります。
ニホンヤモリを捕獲する方法
ニホンヤモリは6月〜8月にかけて活発になるので、その時期になったら、夜間に虫が集まる街灯や自動販売機の近くで探してみましょう。
もし見つけたとしても素早く動くので捕まえるのは難しいです。素手で使えるときは、音に注意しながらゆっくりと近づき、素早く胴体を押さえつけましょう。尻尾を掴むと尾切りして逃げるので、注意が必要です。
なかなか見つからないときはペットボトルトラップを作ります。ペットボトルの上半分をハサミでカットして、口の部分を底にむくように被せます。中に小さなコオロギや蜘蛛、アリをいれておきましょう。
近くに昆虫ゼリーを置いておくと、虫をおびき寄せられるので、ニホンヤモリが来る確率も上がりますよ。
ニホンヤモリの飼育に必要な設備
ニホンヤモリは体がぴったりとはまる狭い隙間を好んでいますが、複雑なレイアウトにすると管理の手間がかかります。
人慣れさせるためにも、レイアウトはシンプルにして、少しだけ暗い場所を用意してあげましょう。
必要なケージの大きさ
ニホンヤモリのケージは虫かごのような横長でも飼育できますが、上に登るのが好きなので高さがあるケージがおすすめです。
大きさの目安は30cm(幅)×30cm(奥行き)×45cm(高さ)です。
おすすめの爬虫類用ケージで紹介しているので、ご参考ください。
床材の選び方
ニホンヤモリの床材は保湿性の高いヤシガラマットを使います。新聞紙やキッチンペーパーでも代用することが出来ます。
フンを見つけたら、その部分を床材ごと交換してください。
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飲み水用の水容器
水を飲むための水容器を用意してください。地上を歩くことは少ないので、壁面にくっつけられる水容器を選びましょう。
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レイアウトは立体移動できるように
ニホンヤモリのケージのレイアウトでは木やコルクなどの立体移動できる物を入れてあげましょう。いれすぎると隠れて出てこなくなるので、注意してくださいね。
ニホンヤモリの飼育方法
ニホンヤモリは体が丈夫なので飼育は難しくありませんが、餌に活きた昆虫を用意するのが大変です。
価格と販売場所
ニホンヤモリの値段は500円〜1,000円で販売されています。
身近に手に入る生き物なので、販売量は少ないですが、昆虫ショップや爬虫類ショップで販売されています。
すぐに欲しいときは自分で捕まえに行くのもいいかもしれませんね。
飼育に適している温度
ニホンヤモリに適している温度は18度〜26度です。
越冬は初心者に難しく、そのまま死んでしまうことが多いです。越冬中は餌を一切食べないので、越冬前にしっかりと太らせておいて、餌不足にならないようにしておきましょう。
ヒーターを使うときは乾燥に注意してください。爬虫類用のヒーターは乾燥が激しく、脱皮不全の原因になります。ケージの周りを発泡スチロールなどの保温性が高いもので覆い、赤外線電球で温め、多めにミズコケをいれておきましょう。
おすすめの爬虫類のヒーターで紹介しているので、ご参考ください。
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飼育に適している湿度
ニホンヤモリは高い湿度を好むため、毎日1回霧吹きでゲージの中を湿らせてあげてください。水の量は夜の消灯前に吹き付けて、翌朝には乾いているくらいが目安です。
植物や落ち葉を入れていると、葉に水が溜まるので、飲み水としても使えますよ。
おすすめの餌
ニホンヤモリの餌はデュビアやレッドローチなどのゴキブリ、コオロギ、ミルワームなどの活きた昆虫です。爬虫類店やネットで手軽に入手することができます。
虫以外だと食べてくれる可能性は低いですが、ヤモリ専用餌であるレオパゲルを与えられると、栄養価が高くて、飼育が簡単になりますよ。
ヤモリにおすすめの餌で詳しく紹介しているので、ご参考ください。
動きが速いので、脱走に注意して
ニホンヤモリは普段はじっとしていますが、ケージを開けると素早く動き出し、脱走することがあるので注意が必要です。
小さくて捕まえにくいので、ハンドリングにも向いていません。
多頭飼いができる
ニホンヤモリのオスは縄張り意識が強く、特に繁殖期にはオス同士で喧嘩するので、多頭飼いには向いていません。多頭飼いをするときはオスは1匹までで、メスを増やすようにしてください。
病気は脱皮不全に注意して
ニホンヤモリは栄養不足や、高齢化による体力の低下、湿度不足によって脱皮の皮が余ることがあり、これを脱皮不全と言います。特に目や手足の脱皮不全が多いです。
脱皮できないと、皮膚呼吸ができないので、そこから壊死してしまいます。脱皮不全を見つけたら、30度のぬるま湯にニホンヤモリをつけて、やさしく擦り落としてあげましょう。
ニホンヤモリの繁殖と産卵方法
ニホンヤモリの繁殖時期は5月〜7月になります。ペアを作るのは難しくないので、オス1匹とメス1匹を同じゲージで飼育しておきましょう。
卵は接着力が強く、木や石の隙間にあると取ることができないので、ガラスやプラスチックに産ませるようにゲージのレイアウトを変更してください。
1回の産卵で1〜2個の卵を産み、1年で3回ほど産卵を行います。卵の大きさは15mmほどで、温度を24度に保つことで2ヶ月ほどで孵化しますよ。
オスとメスの見分け方
オスとメスは尻尾の付け根で見分けることができます。
オスには前肛孔(ぜんこうこう)と呼ばれる、穴がウロコの間に9個ほどあります。メスはこれがないので、腹部と同じウロコの雰囲気です。
また、オスには左右に大きく膨らむのに対して、メスはスリムなままですので、簡単に判別できますよ。
子供の育て方
ニホンヤモリの親は子供を食べることはありませんが、子供の餌を親が食べてしまうので、隔離する必要があります。
餌にはコオロギに子供を産ませるか、ショウジョウバエなど小さな餌を準備しておいてください。餌の大きさは頭の1/4以下が目安です。
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小さい子供が逃げられないように、隙間がないかだけしっかりと確認しておいてくださいね。
ニホンヤモリについてまとめ
今回は日本人にも身近なニホンヤモリについて紹介していきましたが、いかがでしたでしょうか。
ニホンヤモリは丈夫で飼育しやすいヤモリですが、餌の活きた昆虫を用意するのが大変です。昆虫を捕まえやすい春~夏にかけてだけ飼育するのも良いかもしれません。
小型のケージで手軽に飼育できますので、興味を持たれた方は飼育に挑戦してみてくださいね。
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