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カクレクマノミの特徴|食べ物や寿命、混泳、なつく性格?

2018-09-10

カクレクマノミは映画「ファインディングニモ」で一躍有名になった海水魚です。見た目の美しさだけではなく、人になつく可愛らしさも備えており、観賞魚として魅力たっぷりです。

今回はカクレクマノミについて特徴や値段、性別の見分け方や混泳できる魚など飼育方法を詳しく紹介していきます。

カクレクマノミの特徴

カクレクマノミの飼育

カクレクマノミはスズキ目スズメダイ科クマノミ亜科に分類される海水魚です。沖縄や太平洋の暖かくて浅いサンゴ礁に生息しています。サンゴ礁には餌となる植物性プランクトンがたくさん繁殖しており、イソギンチャクも多く生息しています。

体色はオレンジと白の間に黒のラインがはっきり入っており、とても綺麗です。

クマノミの種類は多く、世界に30種類近くいますが、観賞魚として知られているのはクマノミとカクレクマノミの2種類になります。クマノミの種類と飼育方法で詳しく紹介しているので、ご参考ください。

体の大きさ

カクレクマノミは販売されている個体は4cmほどの小さな魚ですが、成長すると最大で8cmと少し大きくなるので注意が必要です。生後1年で5cmを超えて、成魚になります。そこから繁殖が可能になりますよ。

寿命の長さ

カクレクマノミの寿命は平均して5年から10年です。水槽飼育下では長寿になる事が多く、20年以上飼育された例もありますよ。

カクレクマノミの生態

カクレクマノミの飼育

カクレクマノミの生態には2つの特徴があり、性転換とイソギンチャクとの共生です。どちらも他の魚にはない特徴で、独自の進化を遂げてきた魚と言えます。

繁殖期は性格がきつくなる

イソギンチャクの中でペアで仲良く過ごす姿が印象的ですが、性格は気性が荒いです。特にペアができた時は他の魚を追いかけ回すこともあるため、混泳にはコツが必要です。

グループ内で性転換をする

カクレクマノミは性転換をする魚で、大人になる体長が5cmくらいの頃に、グループの中で一番大きな個体がメスに、二番目に大きな個体がオスになり、他の個体は繁殖を行いません。

メスが死ぬと2番目に大きかったオスがメスに変わるので、体の大きさで性別を見分けることができます。

ペアを作りたい時は幼魚を5匹ほど飼育し、イソギンチャクをいれておいてください。時間が経つと2匹がイソギンチャクを独占しているので、それがオスとメスになっています。

カクレクマノミはイソギンチャクと共生をする

カクレクマノミの飼育

カクレクマノミは体が小さく、天敵が多いため、触手から強い毒性をはなつイソギンチャクの中で生活をしています。

平らな体で触手の間を器用に泳ぎ、体表から特殊な粘膜を出す事で体を守っています。守ってもらう代わりにイソギンチャクについたゴミを掃除してあげています。

相性が悪いイソギンチャクもいる

カクレクマノミとイソギンチャクには相性があり、すべてのイソギンチャクに入れるわけではありません。

一番好きなのはハタゴイソギンチャク、次にセンジュイソギンチャクを好みます。

イソギンチャクに入らないこともある

イソギンチャクのいない環境で育った養殖のカクレクマノミはイソギンチャクに慣れていないので、入らないことも多いです。

時間をかければ自分から近づくこともあるので、暖かく見守ってください。確実に入る様子を観察したい時はすでに入っている個体を購入するか、ワイルド個体の販売を探してみてください。

初心者はイソギンチャクなしで飼育を始めよう

飼育の観点から言うと、どのイソギンチャクも移動をするので、自分が求めている場所にとどまってくれないのが難点です。飼育も難しいので、初心者はイソギンチャクなしでの飼育がおすすめです。

カクレクマノミが繁殖で敏感になっている時や、空腹、イソギンチャクが弱っている時は触手をつついてイソギンチャクを食べてしまうことがあります。

カクレクマノミの飼育に必要なもの

カクレクマノミの飼育

カクレクマノミの飼育に必要な器具や道具を紹介していきます。初めての方であれば小型水槽の飼育セットなども販売されているので、それを利用すると便利ですよ。初期費用では3万円ほどあれば十分です。

必要な水槽の大きさ

カクレクマノは30cmの小型水槽で飼育ができます。値段が安く、置き場所にも困りません。透明度が高い、熱帯魚用のガラス水槽を使いましょう。

長期飼育を考えるのであれば、巣量が多くて水質を安定させやすい60cm水槽がおすすめです。

飼育数の目安は30cm水槽で2匹、45cm水槽で4匹、60cm水槽で10匹です。

水槽サイズに合ったろ過フィルター

ろ過フィルター

カクレクマノミのろ過フィルターは水槽の大きさに合わせて選びます。

45cm以下の水槽であれば、メンテナンスが容易な外掛けフィルターがおすすめです。海水は塩分を含んでいるため、海水でも使えるフィルターを選びましょう。

60cm以上の水槽であればろ過力が強力な上部フィルターが必要です。

海を意識した青色の照明が似合う

照明の色はカクレクマノミの体色が綺麗に見えるブルー系がおすすめです。

海水魚の水槽では光量をより強くするためや、好みの色合いにするためにLEDライトを2本セットすることも珍しくありません。

薄い青色のシャイニングブルーというLEDライトが人気です。ゼンスイのホームページで光の色合いや組み合わせについて紹介されています。

青色をより強くしたいときは、こちらの商品を組み合わせましょう。色合いはKSSのホームページで紹介されています。

脱走を防ぐ水槽の蓋

水槽の蓋は水の蒸発や魚の飛び出しを防止に必要です。特に夏場は水が蒸発して塩分濃度が増加して、危険な環境になってしまいます。隙間がないようにしっかりと蓋をしておきましょう。

海水を作るための道具

人工海水を作るために、比重計と人工海水の素が必要です。

比重計は水中の塩分濃度を計測するのに使います。カルキを抜いた水に、人工海水の素を混ぜながら、1.023の比重に調整していきます。

人工海水の作り方で詳しく紹介しているので、ご参考ください。

カクレクマノミの飼育方法

カクレクマノミの飼育

カクレクマノミは水質の変化にうるさく、飼育には慣れが必要です。水槽の立ち上げから水換えなど水質管理をしっかりすることが大切です。

値段と販売場所

カクレクマノミは人気の高い熱帯魚ですが、海水魚を取り扱っていないお店も多く、探すのには少し苦労します。

値段は1匹あたり500円〜2,000円と幅が広いです。すでにペアになっている個体は高く、2匹で5,000円前後で販売されています。ホームセンターなど海水魚に力を入れていないショップだと高くなる傾向にあるので、熱帯魚専門店を探してください。

ネット通販は販売量が多いため、ペアでの販売を見つけることも簡単です。それでも、初めての海水魚を飼育する人には相談できるショップを作る事がおすすめします。

購入前に水槽の立ち上げておこう

カクレクマノミの飼育

水槽の立ち上げには1ヶ月ほどかかるので購入してくる前に準備しておきましょう。

立ち上げたばかりの水槽にはフンなどの有害物質を無害なものへ分解してくれるバクテリアがいません。バクテリアがいない水槽は水質悪化がどんどん進むため、1ヶ月もすると魚が棲めない環境になってしまいます。

バクテリアを増やす期間として1ヶ月ほど必要になります。

  1. 水槽を水道水で洗う
  2. 水槽と水槽台をセットする
  3. サンゴ砂を水道水で洗って3cmほど敷く
  4. フィルター、蛍光灯、ヒーターをセットする
  5. 人工海水をゆっくり入れる
  6. 各器具の電源を入れて様子を見る
  7. ライブロック(サンゴの死骸)をセットする
  8. 小型のスズメダイなど1ヶ月飼育する
  9. 水質が安定したらカクレクマノミをいれる

アクアリウム水槽の立ち上げ方でも詳しく紹介しているので、ご参考ください。

飼育に適している水温

カクレクマノミの飼育

カクレクマノミに適している水温は23〜25度です。

低水温に弱いので冬にはヒーターが必要です。必要なワット数の目安は30cm水槽で50W、45cm水槽で100W、60cm水槽で150Wになります。

低水温以上に高温に弱いので、夏は注意してあげてください。26度を超えるようになったらクーラーか冷却ファンをつけてあげましょう。

おすすめの水槽用のヒーターで紹介しているので、ご参考ください。

レイアウトはライブロックかイソギンチャクを入れる

ライブロック

カクレクマノミの水槽のレイアウトには、サンゴ砂を敷いて、ライブロックとイソギンチャクを入れる事が基本となります。

サンゴ砂は水質を弱アルカリ性に保ってくれるので水質の維持が楽になります。厚みを2cmほどまで敷いてください。

イソギンチャクの飼育は初心者には難しいので、隠れ家の代わりになる人口水草をいれるのもおすすです。

ライブロックとはサンゴの死骸であり、骨のことです。小さな穴がたくさんあいているので、微生物が繁殖し、水を綺麗にする役割を果たしてくれます。隠れ家にもなるので、ぜひいれてあげましょう。

青い照明を使うと綺麗なインテリアになりますよ。

かかりやすい病気と治療方法

カクレクマノミは導入したばかりの時は病気にかかりやすく、餌を食べなくなったり、元気がなくなるので、毎日観察して早めに気づけるようにしておきましょう。

白点病 全身に白い点々が広がる病気で、新しい環境に移動して、ストレスで体力が弱っているときに寄生虫に感染します。感染力が強いので、発症している個体を見つけたらすぐに隔離して治療を始めてください。初期症状であれば自然治癒できるので、水温を少しあげて、餌をしっかり食べさせます。本格的に治療するときはメチレンブルーで薬浴するか、薬局で市販されているオキシドール(消毒液)を使います。オキシドールは海水4リットルにたいして0.5mlをいれてください。
トリコディナ病 カクレクマノミの死因で一番多く、薄い膜が体表を覆います。輸入直後など弱っているときにトリコディナ菌に寄生されて発症します。治療には3分前後淡水浴をしてから、患部を手で優しくこすることで寄生虫を取り除きます。体力を消耗するので、2日に1回行い、少しづつ寄生虫の数を減らしていってください。

カクレクマノミにおすすめの餌

カクレクマノミの飼育

野生のカクレクマノミの食べ物は藻類や小型甲殻類、動物性プランクトンなどなんでも食べる雑食性です。

餌は人工餌がメイン

飼育下ではメガバイトという、海水魚専用の人工飼料がおすすめです。栄養バランスがよく、小さい粒状の餌でゆっくりと沈むため、食べ残しが少ないです。

餌やりの頻度は1日2回、2分で食べきれる量を与えましょう。

餌を食べないときの対処方法

導入したばかりのときは新しい環境にストレスを感じていることが多く、餌を食べなかったり吐いたりしてしまいます。サンゴ石やイソギンチャクなどの隠れ家を置いておいて、2週間は様子を見ましょう。

人工餌を食べてくれないときは、最初に冷凍アカムシなどの生餌を与え、ゆっくりと人口餌に餌付けしてくださいね。

カクレクマノミとの混泳に向いている生き物

カクレクマノミの飼育

カクレクマニモは小さくてかわいい見た目に反して、気性は荒く、混泳魚を攻撃することがあります。特にイソギンチャクを入れた時は他魚への攻撃性が増すので、混泳する時はイソギンチャクをいれないでください。

混泳相手にはカクレクマノミよりも体が大きくて、温和な性格をした熱帯魚を選びましょう。

カクレクマノミ同士は喧嘩しやすい

幼魚のときはおとなしいですが、5cmを超えると同種に対して縄張り意識が強くなります。ペア以外は排除しようとしてしまうので、混泳はさけたほうがいいですよ。

デバスズメダイとの混泳は相性が良い

デバスズメダイ

スズメダイは気性が荒い種類が多いですが、デバスズメダイは温和で安価、丈夫なので初心者にもおすすめの混泳相手です。群れで生活をするので、広いスペースをとって、お互いに干渉しないようにしておきましょう。

デバスズメダイの特徴と飼育方法紹介しているので、ご参考ください。

エビとの混泳は相性が良い

水槽の掃除役として人気があるホワイトソックスやキャメルシュリンプと混泳できます。体が小さいと餌になってしまうので、注意してください。

チンアナゴは混泳向きではない

チンアナゴ

チンアナゴとカクレクマノミは喧嘩をするわけではありませんが、チンアナゴが臆病な性格でカクレクマノミがいると砂の中に潜って出てこなくなります。

混泳は避けておいたほうがいいですよ。

チンアナゴの特徴と飼育方法で紹介しているので、ご参考ください。

ヤッコとの混泳は相性が良い

ヤッコ

体が大きいので、カクレクマノミに負ける事がなく、温和な性格なので、混泳の相性はとてもいいです。ルリヤッコやフレームエンゼルがおすすめです。

ハギとの混泳は相性が良い

キイロハギ

ハギも体高があって、温和な性格をしているので混泳の相性がいいです。

ファインディングニモでドリーとして知られているナンヨウハギは最大で30cmとかなり大きくなるため、混泳には向いていません。

フグは攻撃的で混泳出来ない

フグはつつく習性があり、強力な歯を持っているので混泳には向いていません。体表から毒を出すこともあるので、単独飼育が基本になります。

カクレクマノミの繁殖方法

カクレクマノミの飼育

カクレクマノミはよいペアが入手できれば繁殖は難しくありません。

ペアを作るために、3cm以下の幼魚を5匹以上購入してきて、しっかりと餌をあげて成熟させましょう。寄り添うように泳いでいる2匹が出てきたら、それがペアになっている証拠です。ペアができたら縄張り争いが激しくなるので、2匹を残して他の魚は別の水槽に移動させます。

イソギンチャクがあると産卵場所として最適ですが、ライブロックやガラス面にも産卵してくれます。オスが卵を守り続けて、産卵から10日前後で孵化が始まります。

稚魚が泳ぎだしたら、餌に栄養価が高いブラインシュリンプを与えてくださいね。

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  • この記事を書いた人

高木 浩二

ペットの中でも熱帯魚が一番好きで、飼育履歴は10年以上あり、ペットショップでアルバイトをしていました。今は多くの書籍やショップ店員との交流で最新情報をアップデートしています。あいまいな情報をなくして、はっきりと最後まで責任を持って飼育ができるのかどうかイメージを湧いてもらえるようにしていきます。正しい情報の掲載に努めてまいりますので、よろしくお願いいたします。

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