クマノミは丸みをおびたかわいい体つきと綺麗なオレンジ色で人気の熱帯魚です。長く飼育することで飼い主になつくことがあり、丈夫な魚なので初心者にもおすすめです。
今回はそんなクマノミについて特徴や種類、値段、おすすめの餌など飼育方法を詳しく紹介していきます。
クマノミの特徴
クマノミはスズキ目クマノミ亜科クマノミ属にはいっている海水魚の仲間です。沖縄やインド洋を中心とした熱帯地域のサンゴ礁に生息しています。浅くて日光がよくあたる場所を好んでおり、ダイビングでその姿を見ることもできます。
名前の由来は隈取り(歌舞伎役者が化粧をした姿)と実(小さい魚)が合わさって隈之実(くまのみ)と呼ばれるようになりました。
各ヒレは丸みを帯びており、かわいらしい印象を与えてくれます。赤色やオレンジ色の体色をベースに白色のラインが綺麗に入っています。
体の大きさ
クマノミは最大で15cmまでの大きさに成長します。平均サイズだと10cmほどです。
寿命の長さ
クマノミは小さい体に似合わず、寿命はとても長く、平均で10年ほどです。長生きすると20年は生きることができます。
クマノミの生態
イソギンチャクと共生する
クマノミはイソギンチャクと共生することで知られています。イソギンチャクの先端には毒性のある針があり、他の魚は近寄ることもできませんが、クマノミは体表から出る粘膜で刺されることはありません。イソギンチャクを隠れ家にすることで、天敵の多い海でも安全に生活することができています。
各ヒレが丸く、泳ぎが苦手なクマノミほどイソギンチャクへの依存度が高く、行動範囲も狭くなります。泳ぎが得意なクマノミもおり、それらの種類はイソギンチャクなどの隠れ家を必要としていません。
メスに性転換する
クマノミは性転換することでも有名で、グループの中で最も大きい個体がメスになり、次に大きい個体がオスとなり、他の個体は繁殖をすることがありません。メスがいなくなると、2番目に大きかった個体がメスに変わります。
クマノミの仲間とそれぞれの特徴
クマノミは種類数が多く、30種類を超えています。ここでは観賞魚やダイビングで人気の基本的な種類を紹介しますね。
クマノミ
クマノミの基本種です。オレンジ色の体に白いラインが2本入っています。個体差が激しく、体の上半分が黒くなっている個体が多いです。販売量は多いですが、体色が地味な分、カクレクマノミほど人気ではありません。
値段は最も安く、500円〜700円前後で販売されています。
カクレクマノミ
カクレクマノミは映画ファインディングニモで一躍有名になった種類です。オレンジ、黒、白がはっきりと分かれており、コントラストの美しさと丸みをおびたかわいい体つきをしています。クマノミの中で最も人気があり、値段は1,000円前後です。
カクレクマノミの特徴と飼育方法で詳しく紹介しているので、ご参考ください。
ハナビラクマノミ
ハナビラクマノミはピンク色の体をベースに頭部に白いラインが1本だけ入っています。泳ぎが得意なので、積極的にイソギンチャクに入ることはありません。
見た目が地味なので、販売量は少なく、値段は1,500円前後になります。
セジロクマノミ
セジロクマノミはオレンジ色の体をベースに背中にそって白いラインが1本だけ入っています。平均サイズは15cmほどでクマノミの中でも大型の種類です。
アラビアハタゴイソギンチャクなどの触手が極端に短いイソギンチャクを好んでいます。
販売量が少なく、値段は2,000円前後と高めです。
ハマクマノミ
ハマクマノミはハナビラクマノミと同じように頭部に白いラインが1本だけ入っている種類です。白いラインは少しだけ太く、綺麗なオレンジ色をしています。
幼魚のときには白い帯が3本あり、成長とともに消失しますが、少しだけその部分が黒ずみます。
値段は1,000円〜1,500円で販売されています。
トウアカクマノミ
トウアカクマノミは大きさが12cmになる、大型のクマノミです。ハタゴイソギンチャクと共生しています。
体色は背中に白い斑点模様があり、上部は黒く、アゴの周りがオレンジ色になります。個体によっては腹部もオレンジ色になり、美しいコントラストをみせてくれます。
値段は500円~1,500円で販売されています。
クマノミの飼育に必要な設備
必要な水槽の大きさ
クマノミはペアでの飼育なら45cm水槽、複数飼育なら60cm水槽なら5匹ほど飼育することができます。
水量が多い方が水質の変化が小さいので、初心者には60cm水槽がおすすめです。
おすすめの45cm水槽やおすすめの60cm水槽で紹介しているので、ご参考ください。
ボトルアクアリウムということでガラスの容器が販売されていますが、水量が少なく、体も大きくなるので、ずっと飼育することはできません。冬場の温度管理も難しいので、一時的なものとして使いましょう。
ろ過フィルターの選び方
ろ過フィルターは水槽の大きさに合わせて選びます。
45cm水槽なら外掛けフィルター、60cm水槽ならろ過力が高い上部フィルターを使いましょう。
蛍光灯の選び方
クマノミなどの海水魚には海水らしい青色のライトが似合います。
薄い青色のシャイニングブルーというライトが人気です。ゼンスイのホームページで光の色合いや組み合わせについて紹介されています。
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青色を強くしたいときは、こちらの商品を組み合わせましょう。色合いはKSSのホームページで紹介されています。
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海水の作り方
海水は自然のものは水質が悪いことがあるため、人工で海水を作ります。人工海水の素と比重計を用意してください。
最初にカルキを抜いた水道水を用意して、水温を水槽の温度を同じにします。次に海水の素をいれて、1.023の比重になるまでしっかりと混ぜ込みます。
人工海水の作り方で詳しく紹介しているので、ご参考ください。
クマノミの飼育方法
クマノミは丈夫な魚なので、初心者でも簡単で海水魚の入門にもおすすめです。
値段と販売場所
クマノミは人気の海水魚なので、比較的簡単に見つけることができます。値段は1匹500円〜1,000円ほどで販売されていますよ。
適している水温と水質
クマノミに適している水温は23度〜26度です。水温の変化に弱いので水温計をこまめにチェックしてください。
低水温になる冬はヒーターを入れましょう。外気との温度差で水が蒸発して、塩分濃度が高くなるので、しっかりと水槽の蓋をしておきましょう。
高水温になる夏には冷却ファンが必要になります。夏場の温度コントロールは難しく、照明の位置をなるべく上にしたり工夫が必要です。
おすすめの水槽用のヒーターで紹介しているので、ご参考ください。
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餌は人工餌がメイン
クマノミは藻類や小エビなどなんでも食べる雑食性です。餌のトラブルも少なく、人工飼料をしっかりと食べてくれますよ。
おすすめの餌は小型の海水魚専用餌であるメガバイトです。小さい粒でゆっくりと沈むので食べ残しも少ないです。
餌の頻度は1日2回、2分程度で食べきれる量を与えましょう。
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病気はトリコディナ病に注意して
クマノミの死因で一番多いのが海水魚でメジャーなトリコディナ病です。水温の変化やストレス、水質悪化など体力が弱っているときにかかりやすく、トリコディナ菌につかれることで、体が薄い膜に覆われ、さらに体力が奪われていきます。
治療するためには3分ほど淡水につけて、手の腹の部分で優しくこすり落としてください。かなりのストレスを与えてしまうので、2日起きに行なってくださいね。
クマノミと一緒に飼えるイソギンチャク
クマノミとイソギンチャクには相性があり、クマノミがはいられないイソギンチャクも存在しています。クマノミが好んでいるイソギンチャクはこちらの種類になります。
- サンゴイソギンチャク
- タマイタダキイソギンチャク
- シライトイソギンチャク
- センジュイソギンチャク
- ハタゴイソギンチャク
- ロングテンタクルアネモネ
イソギンチャクは光量の強さや水流、水質の維持など飼育がとても難しく、初心者はやめておいたほうがいいです。
基本的にはサンゴの死骸であるライブロックのレイアウトがおすすめですが、どうしてもという方には比較的難易度の低いサンゴイソギンチャクから始めてみてください。
クマノミについてまとめ
クマノミは小さくてかわいい、丈夫で飼育しやすい、安価で入手しやすいなど、初めての海水魚飼育の方にもおすすめの魚です。クマノミが少しいりくんだ、レイアウトの中をすーっと泳ぎ回る姿はみていて心が癒されます。
海水を作るのは大変じゃない?というイメージもありますが、海水を作るための器具も充実してきており、失敗することはほとんどありません。興味を持った方はぜひ飼育に挑戦してみてくださいね。
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