ミズクラゲは日本の海域をゆらゆらと遊泳している、日本人になじみ深いクラゲです。傘をさわるとポヨポヨとしており、泳いでいる姿はとてもかわいいです。
今回はそんなミズクラゲの生態や特徴、触手の毒性、ポリプの意味、餌やり、必要な水槽など飼育方法について紹介していきます。
ミズクラゲの生態と特徴
ミズクラゲは旗口(はたぐち)クラゲ目ミズクラゲ科に分類されるクラゲの仲間です。北海道の一部を除く日本の海域を遊泳しています。
最も日本人にとってもなじみ深いクラゲで、海水浴上での岩場や防波堤の隙間に挟まっているのを見ることがあります。
傘にフチにある触手の先端には刺胞と呼ばれる毒針があり、触ると刺されてしまいますが、毒性は弱いので少しピリッとする程度で、放置しても大丈夫です。
餌は水中に漂っている動物性プランクトンを触手で絡め取って食べています。傘の中心には4つの円形になった胃腔(いこう)があり、満腹になると黄色の模様がはっきりと見えるようになります。
海が栄養過多になったり、温暖化で水温が上昇すると大量発生することがあり、漁業にダメージを与えています。
体の大きさ
ミズクラゲの傘の直径の大きさは最大で30cmまで成長します。よく見かける大きさは20cm、飼育下だと10cm前後の個体が飼育しやすい大きさです。
参考ページ
寿命の長さ
ミズクラゲの寿命は平均すると半年~1年です。飼育下で長生きさせるのは難しく、4ヶ月程度で死んでしまうことが多いです。
クラゲの寿命で詳しく紹介しているので、ご参考下さい。
ミズクラゲの一生
ミズクラゲが海中を浮遊している期間は短く、ポリプと呼ばれる子供の頃は岩場に付着して成長していきます。
周りの環境によってはポリプの期間がなく、プラヌラから直接エフィラに成長することもあり、不思議な成長をします。
成長のサイクル
- オスのミズクラゲが精子を海中に放ち、メスが受精する
- 受精卵が孵化して、0.1mmほどのプラヌラになる
- プラヌラは繊毛を使って海中を泳ぎ、岩場に付着する
- プラヌラから触手が生えて、ポリプになる
- ポリプのまま2mmほどに成長し、子供のポリプを生み出す
- 水温が下がると赤色のストロビアになり、触手はなくなり数枚の皿が重なったようになる
- 皿が1枚づつ分離して、エフィラとなって海中を泳ぎ始める
- エフィラが成長してメタフィラという1cmほどの小さいクラゲになる
- メタフィラがそのまま成長してクラゲとなる。
ミズクラゲの飼育に必要なもの
水槽の選び方
ミズクラゲは体が大きくなるので、クラゲ用の小型水槽ではなく、熱帯魚用の60cm水槽が必要になります。特にクラゲの水槽は餌の食べ残しで水が汚れやすく、小型水槽では水質悪化で死なせてしまう可能性が高くなります。
おすすめの60cm水槽で紹介しているので、ご参考ください。
ろ過フィルター
ミズクラゲは泳ぐのが得意ではなく、ゆらゆらと流されながら遊泳するため、水槽の中層~上層にいられるくらいに水流を調整しなければなりません。ろ過フィルターは水流が調整しやすい「外部式フィルター」を使って、上手に水流を作ってあげましょう。
フィルターを使うときは吸込み口に巻き込まれないように、穴の開いたセパレーターで仕切りを作っておくことが大切です。さらに気泡がクラゲの傘を壊してしまうので、発生しないように細心の注意を払ってください。
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ライト
ライトは自分のお気に入りのカラーを選ぶと良いですよ。
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水槽の蓋
水槽の蓋はホコリが侵入したり、水が蒸発するのを防ぎます。隙間無くしておきましょう。
ミズクラゲの飼育方法について
ミズクラゲは寿命が短く、餌やりや水流の調整など手間が多いので、初心者向けの生き物ではありません。
クラゲ飼育水槽セットなどもありますが、実際にはかなりの手間がでてきます。それなりの覚悟を持って飼育に挑戦していきましょう。
値段と販売場所
ミズクラゲの値段は1,000円前後で販売されています。
しかし、寿命が短く観賞魚として人気の生き物ではないので、販売しているのを見つけるのは困難です。ネットショップで探してみるか、近くの海岸で探しに行くことをおすすめします。
適している水温
ミズクラゲに適している水温は20度~25度と熱帯魚よりも低水温を好んでいます。
春~夏にかけて飼育することが多いと思いますので、高水温対策に冷却ファンを設置するか、冷房をつけておく必要があります。
冬に飼育するときは温度調整機能がついたヒーターをいれてあげましょう。おすすめの水槽用のヒーターで紹介しているので、ご参考下さい。
おすすめの餌と給餌方法
飼育下でのミズクラゲの餌は熱帯魚の稚魚の餌で知られているブラインシュリンプが一般的です。
ブラインシュリンプは乾燥卵がペットショップで販売されているので、それを孵化させてから与えます。
餌を食べるのが苦手なので、食べ残しがかなり多く、水が汚れる原因になってしまいます。おたまですくいあげて、そこで触手めがけて餌を与えることで、水が汚れるのを防ぐことが出来ます。
餌の頻度は1日2回、胃腔に黄色の模様がはっきりとでるくらいの量を、朝と夜に与えてくださいね。
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ミズクラゲについてまとめ
今回はミズクラゲの生態や飼育方法について紹介していきましたが、いかがでしたでしょうか。
ミズクラゲは子供の頃はポリプと呼ばれ、岩場に付着して成長し、そこから海中へと飛び出して、クラゲへと成長していきます。
寿命はとても短く、上手に育てても1年しか生きることが出来ません。さらには餌やりの手間など飼育はなかなか難しいです。
それでも水族館では憧れの存在であり、自宅でゆらゆらと遊泳しているミズクラゲを鑑賞できれば、最高の癒やしとなってくれるでしょう。
手間さえ惜しまなければ、しっかりと育てていける生き物ですので、興味を持たれた方はぜひ飼育に挑戦してみてくださいね。
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