ツノトカゲは全身がトゲトゲのツノに覆われている、とてもかっこいいトカゲです。厳しい砂漠の環境を生きるために、目からは血を出したり、他のトカゲにはない奇妙な生態をしています。
今回はそんなツノトカゲの特徴や人気の種類、値段、寿命、おすすめの餌などペットとして飼育する方法について紹介していきます。
ツノトカゲの特徴
ツノトカゲはイグアナ科ツノトカゲ属に分類されるトカゲの仲間です。北米やメキシコの砂漠地帯に生息しており、暑くて乾燥した場所を好んでいます。
英語ではHorned lizard(ツノのあるトカゲ)と記載しますが、平らなお腹がカエルに似ていることから、Horned toad(ツノのあるカエル)と呼ばれることもあります。
名前の通り全身にはウロコが変化した鋭いツノがたくさん生えています。しかし、天敵を撃退する時はこのツノではなく、目から血を出すなど全く別の方法を使います。
普段は岩陰や砂の中で隠れており、灰色や赤褐色で砂漠に擬態しやすい体色をしています。
餌はアリを好んで食べる昆虫食です。ツノトカゲの大きさに比べたらアリはとても小さいので、大量のアリを食べます。
体の大きさ
ツノトカゲの体の大きさは10cm~12cmの小型のトカゲです。
寿命の長さ
ツノトカゲの寿命は平均して6年~8年です。飼育下では餌不足で短命になりやすく、長期飼育は困難です。
ツノトカゲの威嚇の方法
ツノトカゲが生息する砂漠地帯では食料が少なく、トカゲも多くの動物から餌として狙われています。ツノトカゲは走って逃げるのが得意ではないので、独自の天敵を追い払う方法を身につけています。
口を大きく開ける
ツノトカゲ同士で喧嘩をするときは口を大きく開けて、近づいてくる相手に噛みつこうとします。
飼育下では噛まれることがあるため、注意してください。元は大人しい性格なので飼い主さんに慣れると攻撃してくることはほとんどありません。
体を大きく膨らませる
ツノトカゲは天敵が近づいてくると体を倍以上に膨らませて、威嚇をします。ヘビや鳥などの中くらいの捕食者を撃退するときに使います。
目から血を出す
ツノトカゲはイヌやオオカミなどの大型の天敵が近づいてきたとき、相手に向かって一直線に発射します。この血はツノトカゲの全血液の1/3を勢いよく発射し、1mほど飛ばすことができます。血には獣が嫌がる成分が含まれており、これで追い払うことが出来ます。
ツノトカゲの種類
ツノトカゲで代表的な種類はサバクツノトカゲです。他にもアメリカの地域別にリーガルツノトカゲやテキサスツノトカゲ、アメリカツノトカゲなど種類が豊富です。
最も大きなツノトカゲはコリーマオオツノトカゲという種類です。このツノトカゲは最大で20cmの大きさになり、別名でジャイアントホーンリザードと呼ばれています。
ツノトカゲの飼育環境と必要なもの
必要なケージの大きさ
ツノトカゲの飼育に必要なケージの大きさは横幅で体長の2倍、奥行きは体長と同じ大きさが目安です。
体長が12cmのツノトカゲであれば、爬虫類ケージの規格サイズである30cm(横幅)×30cm(奥行き)で飼育できます。しかし、狭いケージだとバスキングスポットで暑くなりすぎるため、横幅で45cm~60cmのケージを選んだ方が温度管理しやすいです。
おすすめの爬虫類用ケージで紹介しているので、ご参考ください。
床材は砂漠砂がおすすめ
ツノトカゲは乾燥地帯に生息しているため、砂漠の砂がよく似合います。ツノトカゲと同じくらいの高さまで床材を敷いていると砂に潜って隠れるので、なるべく多くの床材をいれてあげましょう。
フン糞をしたらこまめに掃除してくださいね。
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紫外線ライトとバスキングライト
ツノトカゲは昼間に活動するトカゲなので、紫外線ライトとバスキングライトが必要です。
バスキングライトは35度~40度の高温地帯を部分的に作り出します。ツノトカゲは活動前や、食後の消化のためにこのバスキングスポットで体を温めます。あまりに長い時間バスキングスポットに滞在するときは温度不足が考えられるため、ライトの直下に石を置いて、ライトとツノトカゲの距離を近づけて温度を調整していきます。
紫外線ライトはカルシウムの吸収に必要なビタミンを作り出すために必要です。カルシウムが不足するとクル病など骨の病気にかかってしまいます。
爬虫類のバスキングライトと紫外線ライトで詳しく紹介しているので、ご参考ください。
ツノトカゲの値段と販売場所
ツノトカゲの値段は5,000円~20,000円で販売されています。養殖が盛んではなく、現地からの輸入個体であることがほとんどです。そのため、コンスタントには販売されておらず、お店によって販売価格の上下が激しいです。
入手が難しいため、爬虫類ショップの人と仲良くなっておき、入荷したらすぐに連絡をもらえるようにしておきましょう。日本全国で販売されているペット即売会であれば、珍しい爬虫類を販売しているため、出会える可能性が高いです。時期が合えば足を運んでみると良いですよ。
ツノトカゲの飼育方法
ツノトカゲは餌不足になりやすく、長期飼育が難しいトカゲです。飼育環境では砂漠の高温で乾燥した場所に住んでいるため、かなり暑い環境を用意しないといけません。
飼育に適している温度
ツノトカゲに適している温度は27度~30度と高い温度を好んでいます。
冬の寒さ対策では、ケージの底から暖めるパネルヒーターを使います。床全体を保温すると暑くなったときに逃げ場がなくなるので、床面積の1/3をパネルヒーターで保温します。温度が上がりきらない時はケージ全体を暖める暖突を併用しましょう。
詳しい使い方や選び方については爬虫類におすすめのヒーターで詳しく紹介しているので、ご参考下さい。
飼育に適している湿度
ツノトカゲに適している湿度は30%~50%と乾燥している環境を好みます。ケージ内の蒸れに弱いので、ケージは風通しが良い場所に置いておきましょう。
おすすめの餌
ツノトカゲの餌はアリをメインに食べる偏食家です。
餌用アリをコンスタントに入手するのは困難なので、飼育下ではアリくらいの大きさの小さいコオロギをたくさん与えます。慣れてきたら普通サイズのコオロギを食べてくれるようになりますよ。しかし、アリ以外の昆虫の餌付けは悪いため、急に餌を食べなくなる危険性もあり、長期飼育は難しいです。
昆虫食だけではカルシウム不足になるため、専用のカルシウムパーダーを昆虫にまぶしてから与えます。
餌の頻度は2日に1回、腹八分を目安に与えます。餌不足で痩せやすいため、餌の量は多めに与えましょう。
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スポイトで水を飲ませる
ツノトカゲは水容器から水を飲まないことが多いため、スポイトを使って直接飲ませる必要があります。個体によって水分要求量が変わるので、様子を見ながら調整してください。
ツノトカゲについてまとめ
ツノトカゲは名前の通り全身にあるツノが非常にかっこいいトカゲです。天敵を撃退するために、体を膨らませたり、目から血を出したり、非常にユニークな生態をしています。
餌はアリを食べる偏食家で、飼育下では小さいゴキブリを食べてくれますが、アリを用意しないと長期飼育は困難です。
販売量が少ないため入手も大変ですが、小さい体からは思いもよらないかっこよさをしているため、熱狂的なファンは少なくありません。興味を持たれた方はぜひ飼育に挑戦してみてくださいね。
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