コリドラスはあまり知られていませんが、繁殖が狙いやすい熱帯魚です。産卵や稚魚の育成も難しくないので、初心者でも挑戦することができますよ。
今回はそんなコリドラスの繁殖に必要な水温や餌、オスとメスの見分け方、飼育設備など詳しく紹介していきます。
コリドラスの繁殖の難易度は?
コリドラスは繁殖が簡単な熱帯魚です。混泳水槽でも、気づいたら赤ちゃんがいたということもあるほどであり、自然繁殖も可能です。
しかし、ロングノーズ系など高価で珍しいコリドラスはプロでも繁殖が難しいです。繁殖に挑戦する時にはどの種類ならできそうか調べておくといいでしょう。
コリドラスの繁殖させやすい種類は?
コリドラスで繁殖しやすい種類は白コリドラス、青コリドラス、赤コリドラス、コリドラスステルバイ、コリドラスパンダなどお店でよくみかける安価な種類になります。だいたい500円以下で販売されている種類は、養殖されたブリード個体であることが多いので、繁殖も比較的簡単というわけです。
自然とペアを作るためにも最低でも10匹は飼育しておきましょう。高価な品種は飼育数を揃えるのも難しいため、まずは安価なコリドラスで挑戦してみてくださいね。
見た目がかわいいコリドラスパンダで繁殖に挑戦される方が多いです。
コリドラスの繁殖で押さえておくポイント
コリドラスの繁殖でもっとも重要なポイントは健康敵に育った若い親がいることです。繁殖しないときは成熟している親がいない時がほとんどなので、ここでコリドラスの親魚を育てるポイントを確認してくださいね。
コリドラスの繁殖におすすめの餌
コリドラスの繁殖を狙うときは、食いつきがいい餌をしっかりと食べて成熟した親にすることが非常に大切です。卵を産まないときは、親が成熟していない可能性が高いです。
繁殖を専門にしている方は食いつきが抜群のイトメか冷凍赤虫、栄養価が高い稚魚餌であるブラインシュリンプを親魚に与えて飼育しています。
個体によって好物が変わってくるので、ほかにもアカメやコリドラス専用の人工飼料などいろいろ食べさせてみてください。餌の種類はコリドラスにおすすめの餌で詳しく紹介しているので、ご参考ください。
水換えで産卵を誘発する
コリドラスの繁殖を狙うときは、水質を意図的に調整する必要があります。
コリドラスの産卵は雨季の時期に川の水が大量に流れ込んでpHが大きく上昇するのがきっかけで産卵を誘発すると言われています。水槽飼育では水換えで水質を変化させて、産卵を誘発します。2週間に1回は1/2ほど換水して水質の変化を引き起こしましょう。
無理な換水はストレスを与えるだけなので、長期間続けて行わないでください。コリドラスを半年以上飼育できている水槽であれば繁殖する可能性が高いので、焦らずに行いましょう。
コリドラスの繁殖に適した水温
コリドラスの繁殖に適した水温は25度です。温度調整機能付きの水槽用のヒーターを使うと便利です。
隠れ家を用意する
コリドラスの親は落ち着ける環境でないと産卵ができません。隠れ家としてコリドラスが好きな土管をいれるか、水草をたくさん植えてあげましょう。
コリドラスの繁殖方法
コリドラスのオスとメスの見分け方は?
コリドラスはオスとメスの性別は体型で見分けます。
オスの方が丸みを帯びていて、腹の帯びが広く、メスはオスよりも体が大きいです。上から見るとわかりやすく、メスは体がふっくらとしています。繁殖期になるとオスがメスを追いかけ続ける様子が見られるので、区別することができます。
雌雄の見分け方は慣れていないと難しいため、複数のコリドラスを同じ水槽で飼育するのがいいでしょう。
コリドラスの産卵周期は?
コリドラスは養殖個体で1〜2年、野生種で4年〜5年で産卵できる成魚になります。そして一度産卵をすると、繰り返し産卵するようになってくれます。
6ヶ月の産卵周期があり、1週間に一度の産卵を3ヶ月間繰り返した後に、3ヶ月間やすみます。その後にまた1週間に1度の産卵をはじめます。
繁殖水槽のレイアウトは水草が大切
コリドラスの産卵場所は水槽ガラス面やアマゾンソードプラントやアヌビアスナナなど葉っぱが大きい場所を好むので、それらの水草を流木に縛り付けておきましょう。また、水草は落ち着ける隠れ家としても重要な役割をはたします。
卵はすぐに親魚と離す必要があるため、卵を取り出しやすいように、水槽はレイアウトはシンプルなものがおすすめです。
野生では流れのある川に生息しているので、水流をつけてあげることも効果的です。運動不足解消にもなるので、フィルターの吐き出し口を遊泳場所に向けてあげるといいですよ。
他の魚と混泳させている時は、繁殖用の水槽を用意してあげてくださいね。
繁殖を狙う時の飼育数は?
コリドラスはメスよりもオスの方が繁殖に積極的のため、メスを多めにいれておきましょう。目安はオス2匹にたいしてメスが3匹です。数はペアができやすいように、1つの水槽で5匹以上いれておきます。
飼育数の目安は45cm水槽で5匹、60cm水槽で10匹前後になります。
コリドラスの繁殖前の行動は?
コリドラスは繁殖が近づくと、お腹の膨れたメスがいたり、オスがメスを追いかけつようになります。
メスはオスの排泄口に口を近づけ、精子を口に含みます。精子はメスの体を通過して、排泄口に移動し腹ビレに抱えた卵に精子がかけられます。この姿がT字に見えることから、Tポジションと呼ばれています。水流が強い場所に生息しているので、精子が流されないように、このような体勢をとっています。
コリドラスの卵を孵化させる方法
コリドラスの卵は隠れ家の多い水槽なら放置していても孵化しますが、孵化率は高くありません。
コリドラスの卵の取り方は?
コリドラスは卵を食べてしまうので、産卵が終わったらすぐに卵を別の水槽に隔離しましょう。産卵は開始してから2〜6時間で終わることが多いです。
産卵直後の卵は粘着力が強いですが、殻が硬いので外すことは簡単です。卵は産卵から時間が経っているほど柔らかく、壊れやすくなってしまうの注意してください。卵をとるには、指の腹や綿棒を使って、慎重に移動させてください。
コリドラスの卵を孵化させるコツは?
コリドラスの卵を孵化させるときは、カビを防ぐために卵どうしをあまり近づけないようにしておきます。また、カビた卵を放置していると、別の卵に移ってしまうので、すぐに取り除いてください。
カビの繁殖を予防するためにメチレンブルーを3適ほどいれると効果的です。
水は繁殖の時に使った水をそのまま使ってくださいね。孵化までの日数は4日程度です。25度前後の水温を維持しておきましょう。
コリドラスの卵が無精卵ばかりの原因は?
コリドラスの卵が白っぽい時は無精卵であることが多いです。無精卵は水カビが生えてくるのですぐに取り除きましょう。
無精卵が多い時はオスの健康状態がよくないことがあります。餌を十分に食べられているか観察してあげてくださいね。他にもオスの運動不足が考えられます。水流をつけて、しっかりと泳がせてあげるといいでしょう。
コリドラスの稚魚の飼育方法
コリドラスの稚魚の生存率は?
コリドラスの稚魚の生存率は高く、70%ほどあるといわれています。
きれいな水を好むので、毎日水を交換してあげてください。しかし、水質の変化には弱いので、水換えの量は1/4以下にして、1時間以上かけてゆっくりと行います。
コリドラスの稚魚の成長速度は?
コリドラスの稚魚は成長が早く、1ヶ月で1.5cm、2ヶ月で2.5cmになります。2〜3週間もたてば親魚と一緒に飼育することができます。
生後3ヶ月で3cmほどになり、繁殖が可能になりますよ。
コリドラスの稚魚の飼育設備は?
コリドラスの稚魚を飼育する水槽では、掃除のしやすさを重視して底砂をいれる必要はありません。
フィルターは稚魚を吸い込まないように、スポンジをつけておきましょう。稚魚の数が多い時はエアレーションを増やすことも検討してください。
コリドラスの稚魚の餌は?
コリドラスの稚魚は孵化から3日ほどしたら餌を食べるために泳ぎ始めます。すりつぶした人工飼料や稚魚用餌のブラインシュリンプを与えてください。
稚魚は胃が小さいですが、たくさんの餌を食べるので、餌をあげる回数を多めにしてあげましょう。朝に2回、夜に2回の計4回を目安にしてくださいね。
コリドラスは他種でも繁殖するの?雑種もいるの?
コリドラスは他種との交雑繁殖はできません。しかし、白コリドラスなど改良品種としてつくられた種類だと、もとの種類であるコリドラス・アウネウス(赤コリドラス)と交配する可能性があります。他にも近縁種に当たる場合はハイブリッド個体が生まれることがありますが、狙ってできることは稀です。
それぞれが固有の種類として長いので、繁殖は難しくなってしまいます。なるべく同じ種類で狙うことをおすすめします。
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コリドラスの飼育方法|水温や水質、おすすめの混泳は?