ソメワケササクレヤモリは価格が安く、体が丈夫で飼育しやすいので、初心者向けのヤモリとして人気があります。大きな頭と小さな体はとてもかわいらしいですよね。
今回はそんなソメワケササクレヤモリの特徴や生態、性格、人気のモルフ、多頭飼い、餌やりなど飼育方法について詳しく紹介していきます。
ソメワケササクレヤモリの特徴
ソメワケササクレヤモリはヤモリ科ササクレヤモリ属に分類されるヤモリの仲間です。アフリカの南東に位置するマダガスカル島の固有種で、森林地帯や草原に生息しています。
ササクレヤモリ属の特徴として、頭部や背中、尻尾に小さい棘がたくさんあり、それがささくれのように見えるところです。ソメワケの名前の由来は様々な色に染めわけたような体色をしていることから名付けられました。
ニホンヤモリと同じように足の裏には趾下薄板(しかはくばん)と呼ばれる小さい毛が生えていますが、量が少ないため、天井や壁面を自由に歩き回ったりできません。かろうじて自分の体重を支えられる程度です。ですので木の上に登るのは得意ではなく、地表を歩き回ります。その分、すばしっこく動き回ることができます。
夜行性で昼間は岩陰や倒木の隙間で休んでおり、夜になると昆虫などの餌を求めて歩き回ります。
他のヤモリに比べると、頭部が大きく育ち、体が小さいです。アンバランスな体型がかわいくて人気を集めています。
体の大きさと体重
ソメワケササクレヤモリの体の大きさは15cm前後になる中型のヤモリです。体重は最大でも18gほどです。
寿命の長さ
ソメワケササクレヤモリの寿命は平均して10年です。上手に育てると最長で15年ほど生きてくれます。
臆病な性格で、ハンドリング向きではない
ソメワケササクレヤモリは臆病な性格をしており、人間が近づくと逃げようとするため、ハンドリング向きではありません。
人に慣れることはほとんどなく、手で捕まえてもジタバタしたり、噛みついてきたり、固まって動かなくなってしまいます。触れること自体がストレスなので、観賞用として考えておきましょう。
ソメワケササクレヤモリのモルフと種類
ソメワケササクレヤモリは繁殖がとても簡単で人気があるため、モルフ(カラーバリエーション)がたくさん作られています。
ノーマルの個体は茶褐色をベースに白色のバンドが入っていますが、所々にオレンジ色や赤色などが出ることがあります。この少しの色合いに着目して、定着や拡大させていくことがモルフの作成につながっていきます。
人気のモルフは白色をベースに黒色のラインがランダムに入ったゴースト、オレンジ色をベースに白い斑点模様が入ったザンティック、白色と黒色のメリハリが美しいアネリ、全身が白色ながらも透明感のあるスノーなどになります。
繁殖が簡単ですので、好みの傾向を持ったモルフを入手して、そこからさらに自分で品種改良していく楽しみ方もおすすめです。
ソメワケササクレヤモリの飼育環境
ソメワケササクレヤモリは小型のケージで飼育することができるので、コストを抑えれば初期費用は1万円もかかりません。しっかりとレイアウトをして飼育を楽しみたいときでも2万円もあれば十分です。
ケージの大きさ
ソメワケササクレヤモリは地表を歩き回るので、ケージの高さは重要ではなく、床面積の広さが大切になります。ケージの大きさの目安は横幅で体長の1.5倍、奥行きが体長と同じ大きさになります。体の大きさが15cmの個体だと25cm(横幅)×15cm(奥行き)以上の大きさがあれば十分です。
他のヤモリと違ってケージ内を活発に歩き回ることがあるため、横幅40cmのケージで飼育すると元気に動き回る姿を観察できます。流木もいくつか置くことで、少しながら立体移動もしてくれて、野生に近い姿を楽しめますよ。
日本に生息しているヤモリほどではありませんが、ガラス面も上ることができるので、しっかりと蓋をしておきましょう。
おすすめの爬虫類用ケージで紹介しているので、ご参考ください。
ライトは観賞用に
ソメワケササクレヤモリは夜行性なので日光浴をせず、バスキング用の照明や紫外線を含んだUVライトは必要ではありません。観賞用に蛍光灯を入れておくと良いですよ。
床材の選び方
ソメワケササクレヤモリは乾燥している環境を好んでいるので、吸水性が高いヤシガラマットやパームマットがおすすめです。厚く敷くと風通しが悪くなるので、2cmほどに抑えておきます。フンをしたらこまめに床材ごと捨てるようにしてください。汚れがたまっていくので、半年に1回はすべて床材を交換してください。
レイアウトを気にしなければ、ペット用のトイレシートや新聞紙で代用することができます。こちらは衛生的で交換が楽になるため、繁殖をさせてたくさんの個体を飼育している人が好んでいます。ただ、せっかく飼育するのですから、きちんとした床材をいれてレイアウトも楽しんで欲しいところではあります。
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水容器
ソメワケササクレヤモリはたまに水浴びをするので、全身が浸かる大きさの水容器をいれてください。水位があると溺れてしまう可能性があるので、フチが浅い容器にしておきましょう。
飲み水としても使いますので、毎日交換して新鮮な状態を保って上げてくださいね。
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隠れ家になるシェルター
ソメワケササクレヤモリは臆病な性格をしているので、日中は陰で隠れていることが多いです。そのためシェルターを入れておくことで落ち着いてくれますよ。湿度が高い巣穴を好んでいるため、シェルターの上に水を入れられる商品がおすすめです。
流木や石を上手に組み合わせて床材との隙間に巣穴を作ってあげるのも良いですよ。そのときは床材をさらに掘ることがあるので、流木がバランスを崩して窒息しないように注意してください。
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ソメワケササクレヤモリの飼育方法
ソメワケササクレヤモリは体が丈夫で飼育しやすく、値段も比較的安価なヤモリなので、初心者にもおすすめです。慣れてくると繁殖も狙えますよ。
値段と販売場所
ソメワケササクレヤモリは世界中のブリーダーの手によって養殖された個体と、現地から輸入されてくる野生種のどちらも定期的に入荷されてきます。飼育の難しさに差は無いので、好みで選ぶと良いですよ。
値段は5000円前後で販売されていることが多いです。
入手したいときはホームセンターなどではなかなか見かけないので、爬虫類専門店で探しましょう。特に爬虫類飼育が初めての方は気軽に相談できる店員さんを作っておくことが大切です。
飼育に適している温度
ソメワケササクレヤモリに適している温度は24度~28度です。生息場所は昼夜の気温差があるため、昼間は27度、夜間は20度くらいにすればいいですよ。
低温に弱いので、冬はパネル式ヒーターをケージの下に敷いて、床から温めるようにしてください。床に敷くときは床全体を暖めると暑くなりすぎたときに逃げられなくなるので、床の半分ほどを熱するようにします。場所によって温度差を作っておけば自分で勝手に動き回ります。
おすすめの爬虫類用ヒーターで紹介しているので、ご参考ください。
飼育に適している湿度
ソメワケササクレヤモリは40%~50%の乾燥した環境を好みます。巣穴の湿度は高めにして、メリハリをつけてあげましょう。ベビーの頃は乾燥に弱いので、毎日2回霧吹きするようにしてください。
餌は昆虫食、人工飼料はほぼ食べない
ソメワケササクレヤモリは昆虫を好んで食べるため、コオロギやデュビア、レッドローチなどの活き餌が主食になります。ミルワームも食べてくれますが、タンパク質が豊富で肥満になりやすいので、おやつとして与えてください。
昆虫食だけではカルシウム不足になるため、爬虫類専用のカルシウム剤であるマルベリーCaなどを昆虫にまぶしてから食べさせます。ピンセットをつかって直接与えることで、床材を誤飲する心配がなくなります。
レオパゲルなどの人工飼料はほとんど食べないので、昆虫飼育は必須です。専用の飼育容器を準備しておいてくださいね。
餌の頻度は成長期のベビーの頃は毎日食べられるだけ与え、大人になると週に2回ほど与えれば大丈夫です。
餌に関してはニホンヤモリとほとんど同じですので、ヤモリにおすすめの餌を参考にしていただけるといいかと思います。
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多頭飼いに向いている
ソメワケササクレヤモリは縄張り意識が少ないので、多頭飼いをすることができます。デメリットとしてはオスとメスを飼育していると勝手に繁殖してしまうので、増えすぎないように注意が必要です。
ソメワケササクレヤモリの繁殖は比較的簡単です
ソメワケササクレヤモリはオスとメスを一緒に飼育していると簡単にペアができて産卵までしてくれるので、初心者にも繁殖が簡単です。
体が小さいときでもペアになって繁殖してしまいます。そうなると、とても小さい子供が生まれてしまったり、親の成長が止まってしまうため、体長が12cmを超えるまでは繁殖させないでください。だいたい生後1年ほどで繁殖が可能になります。
メスは一度交尾を行うと、繁殖をしないでも数回にわたって産卵を行えます。何度も産卵を行うとカルシウム不足になってしまうので、餌にカルシウム剤を添加することを忘れないで下さい。
ペアができて2週間ほどで産卵を行い、2ヶ月で卵は孵化します。ベビーの頃からたくさんの餌を与える必要があるため、デュビアを自家繁殖させておきましょう。
ソメワケササクレヤモリについてまとめ
今回はソメワケササクレヤモリの特徴や飼育方法についてまとめてみましたが、いかがでしたでしょうか。
人気のヤモリであるヒョウモントカゲモドキと比べると、体は一回り小さく、尻尾は細いですが頭が大きく、また別のかわいらしさがあります。デメリットとしては人工飼料に餌付いてくれないこととハンドリング向きではないことがあげられます。
ヒョウモントカゲモドキ特徴と飼育方法で詳しく紹介しているので、ご参考ください。
ただ、モルフもそれなりの数から選べて、活発に動き回ってくれるので、鑑賞価値は十分にあると思います。繁殖が簡単ですので、飼育になれてきたら自分で繁殖させてオリジナルのモルフを作る楽しみがありますよ。
興味を持たれた方はぜひ飼育にチャレンジしてみてくださいね。
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