クサガメは動物園や川、神社の湖など多くの場所で見かけることがあり、日本人にとって身近な亀です。さらに長く飼育してくると飼育者になついて、顔を近づけるだけで寄ってきたり、ペットとしても人気があります。
今回はそんなクサガメについて特徴や生態、冬眠の方法、性格や販売場所、おすすめの餌など飼育方法について紹介していきます。
クサガメの特徴
クサガメはカメ目イシガメ科クサガメ属の分類されています。元々は朝鮮半島や中国に生息していた外来種で、現在は北海道を除く日本全国に分布しています。
他の亀と比較すると甲羅は平らになっており、中央と両端にキール(頭部から後部にかけて山なりに尖っている線状の部分)があります。甲羅の縁には尖った部分が少なく、全体的になめらからで丸みを帯びた形をしています。
甲羅は黒褐色で、腹部の甲羅には細くて黄色の線が入っています。首元には黒色をベースによりはっきりとした黄色のラインがランダムに入っていますが、オスは成長するにつれて首元のラインは消えて黒化していきます。
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臭いをだす
クサガメは人間や天敵に捕獲されたときに危険を感じると肛門付近にある臭腺からくさい臭いを出します。ペットとして飼育するときは、この臭いをだすことはほとんどないので、気になりません。名前の由来も草亀ではなく、臭い亀からきています。
ちなみに、子供の個体はゼニガメと呼ばれて親しまれています。ゼニガメの由来は、江戸時代に使われていた銭(ぜに)とクサガメの甲羅がよく似ていたためです。
体の大きさ
クサガメの大きさは性別によって異なり、オスで20cm、メスで30cmになります。成長速度はかなり早く、半年で15cm、1年で最大の大きさまで成長します。
よくみる大きさ5cmの子供と比較するとかなりの大きさになることがわかります。
寿命の長さ
クサガメの寿命は平均して20年、最長だと40年になります。体が丈夫で飼育下でも長生きさせやすく、最後まで面倒をみれるよう、計画的に飼育を始めましょう。
クサガメの生態
クサガメは河川や沼地などの水の流れの遅く、陸地には草などの隠れ家が多い場所を好んで生息しています。昼行性で朝や昼から日光浴を始めて、体が温まると餌を探して動き始めます。
活発な生き物ではなく基本的には水辺付近で動かずにぼーっと日光浴をしており、天敵がくるとすぐに水中に逃げられるようにしています。天敵はネコやカラス、ヘビなどの肉食性の生き物です。特に10cm以下の時に狙われやすく、大きくなると水辺付近には天敵はほとんどいません。
雑食性で食欲旺盛、水生と陸生の植物や果物、昆虫、甲殻類、魚、小動物の死骸などなんでも食べることができます。
なつく性格
クサガメは大人しくてなつく性格の子が多いです。しかし、性格の個体差が激しく、攻撃的で凶暴な子や神経質で隠れてしまう子もいます。小さいときから人から餌をもらっていれば、飼い主さんに慣れてくれる可能性が高くなります。
冬眠して越冬する
クサガメは変温動物で周りの気温に合わせて体温が変化する生き物のため、気温が10度を下回る11月頃から3月にかけて冬眠をおこないます。
水中と土中のどちらでも冬眠することができます。肺呼吸の生き物ですが、冬眠中は完全に水中に使っており、心拍数を1分間に数回まで減らすことで、肺に溜まっている酸素だけで寒い4ヶ月間を乗り切ることができます。
冬眠は難しいので、飼育下では冬眠させないことをおすすめします。どうしてもしたいときは、水深を30cm以上にして、大量の落ち葉をいれておいてください。水は凍らないように3度以上を維持し、気温の変化が少なく暗い場所にケージを置いておきましょう。
陸地で冬眠させる時は柔らかい土を高さが30cm以上になるように入れて、上に落ち葉や葉っぱ、水苔をいれておくことで自分で穴を掘って土中で冬眠してくれます。こちらもケージは気温の変化が少なくて暗い場所に置いておきましょう。
クサガメの飼育環境に必要なもの
クサガメの飼育に必要なものについて紹介していきます。初期費用では4万円ほどみておくといいですよ。
必要なケージの大きさ
クサガメのケージには水場と陸地の両方が必要なため、ケージには魚の飼育に使う水槽が一般的ですが、他にもプラスチックケース、発泡スチロール、トロ舟、衣装ケースなどが使えます。
ケージの理想の大きさはカメの大きさに対して横幅で5倍、奥行きだと3倍は必要なので、体長15cmだと75cm(横幅)×45cm(奥行き)とかなり大きなケージになり、最終的には90cm水槽が必要です。
意外にも脱走することがあるため、天井には金網など風通しがいいものでしっかりと蓋をしておきましょう。
おすすめの90cm水槽で紹介しているので、ご参考ください。
ライトは紫外線とバスキングの2つが必要
クサガメは日光浴で体を温めたり、紫外線を浴びてカルシウムの吸収を助けるビタミンDを作る必要があるので、屋外飼育を除いてライトなしで飼育することはできません。
バスキングライトと紫外線ライトの2つを用意しましょう。
水がかかってもいいミズガメ用のバスキングライトを購入して、陸地部分に向かって照明が当たるようにしてください。バスキングスポットの温度は30度〜35度必要です。
クサガメのライトについては亀に必要なバスキングライトと紫外線ライトで詳しく紹介しているので、ご参考ください。
水中フィルターの選び方
フィルターは水中に溜まったゴミがフンをろ過して綺麗な水を保ってくれます。必須ではありませんが、フン量が多くて水は汚れやすいため、管理を楽にしたい時はいれておきましょう。水深が浅いため投げ込み式フィルターかコーナーフィルターが必要になります。
フィルターを入れない時は週に2回は水換えをしてあげてください。
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レイアウトは石や流木などの陸地をつくる
クサガメの飼育には体の乾燥や休憩のために陸地が必要です。陸地は全身が乗れるくらいの大きさで、平らで安定した土台を作る必要があります。
大きな石やレンガ、人口で作られた亀専用の陸地などありますので、大きさに合わせて選んでくださいね。大粒の砂利などを敷く方法は水換えなどの管理が手間になるのでおすすめできません。
水中を泳ぎ回ることも大切なので、水深は最低でも20cmを用意しましょう。最低でも全身が浸かるくらいはいれてください。水量が多いほど立体的に泳ぎ回ってくれるので、見ている方も楽しいです。
屋外で飼育する時は照明が必要ありません。鳥などの襲われないようにしっかりと蓋をしておきましょう。
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クサガメの飼育方法
クサガメは環境適応力が高く、とても丈夫な生き物なので、初心者でも飼育しやすいです。しかし、飼いやすさゆえに油断しやすく、水換えを放置していると病気になったりしてしまいます。
飼育に必要なこととそれぞれの注意点について詳しく紹介していきます。
価格と販売場所
クサガメなどの爬虫類は対面販売が義務付けられているので、ネット通販での販売禁止されており、ホームセンターや爬虫類専門店などのお店で購入する必要があります。
値段は5cmほどの子供が500円〜1,000円で販売されています。
野生個体を採集するのもいいですが、体が15cm以上の大きい個体が多いので、好みに合わせてください。
水換えをして水質を維持する
クサガメの飼育でもっとも手間なのが水の交換です。たくさんの餌を食べてフンをたくさんするので、どんどん水が汚れてしまいます。さらに水深が浅く、水槽が大きいので水換えも一苦労です。
水換えをする時は水量が倍になるように水を先に足してから半分捨てる方法と、電動式のホースで水を吸い出す方法がおすすめです。
甲羅を掃除する
クサガメの甲羅はざらざらで、長期間清掃していないと固いコケが生えてきて、簡単にはとれないようになります。週に1回は指の腹や柔らかい歯ブラシ使って優しく甲羅をこすってぬめりを落としてあげてください。
病気と予防方法
甲羅の色が白くなる
水深が浅く、甲羅の水分不足で日焼けしたことが原因のため、水量を増やしてください。子供であれば治りますが、大人だと完治は難しいです。
甲羅がカサカサになる
日光浴不足か、水質が悪化している状態で放置してしまったことが原因です。飼育環境をすぐに見直しましょう。
クサガメにおすすめの餌
クサガメの餌はなんでも食べてくれるので、餌付けがしやすく、餌のトラブルはほとんどありません。カメ専用の人口餌があるので、それをメインにしましょう。
栄養バランスが整っているので、これ一つで終生飼育することができます。特に甲羅の形成にカルシウムが大切であり、不足すると甲羅が奇形になったり不自然に反ったりします。あまり偏った餌を与えずに人口餌だけで飼育する方がうまくいきます。
ごくまれに好みの問題で人口餌を食べない個体もおり、キャベツやニンジンなどの野菜、コオロギやミルワームなどの昆虫、牛ハツなササミなどの肉性など他のバリエーションを試していってください。
人口餌を食べない時でもカルシウムだけは確実に摂取するために、乾燥エビだけは必ず食べるように餌付けしておきましょう。
餌の頻度は2日に1回、1〜2分で食べきれる量を与えてください。
クサガメの餌については亀におすすめの餌で詳しく紹介しているので、ご参考ください。
クサガメについてまとめ
クサガメの生態や特徴、飼育方法についてまとめましたがいかがでしたでしょうか。
クサガメは体の大きさや寿命の長さから気軽に飼育することはできないと事前に知っていただいた上で、最後まで面倒をみれる環境を整えててから飼育に挑んであげてください。自然の生態系を壊したり、逃がされた子もちゃんと野生で生きていけるかもわかりませんので、決して無責任に放流はしないでくださいね。
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