朱文金はフナのようなしっかりとした体つきと藍色をベースにした色彩がとても綺麗な金魚です。大きく成長した朱文金は錦鯉にも負けることはありません。
今回はそんな朱文金について水槽の大きさや値段、混泳できる魚など飼育方法を詳しく紹介していきます。
朱文金(シュブンキン)の特徴
朱文金とは明治時代にキャリコ模様のサクション出目金と和金の交配によって作られた金魚です。キャリコとは赤色と藍色と黒色の3色模様のことを指しており、単純にいうとカラフルな和金ということになります。色のメリハリが出る透明鱗とキラキラ輝いて見える普通鱗をもっています。
名前の由来は薄い藍色をベースに綺麗な朱色(赤)が入っていることから名付けられました。
体型では尾びれが特徴的でフナ尾と呼ばれており、長く伸びています。長いヒレは水槽を泳ぎ回った時の見栄えがよくなります。障害物で切れてしまうことがあるので流木や石には注意してください。浅ければ、放置することで完治していきます。
成長につれて色が変わる
朱文金は2歳までは、環境と成長によって頻繁に色が変わる金魚です。
浅葱色(あさぎいろ:薄い葱ねぎの葉)と呼ばれる、薄い藍色が特徴的です。周りの環境が白っぽいと浅葱色がなくなっていきます。光量を弱くしたり、底砂を敷いて光の反射を防いだり、黒いサイドスクリーンやバックスクリーンを貼るのが有効です。
※画像上にいる朱文金の背びれ付近にある藍色が浅葱色です。
稚魚は銀色に近い黒色ですが、徐々に赤色と白色と藍色が増えてきます。個体によっては5年たっても色が変わることもあり、色の変化を楽しむことができますよ。
寿命の長さ
朱文金の寿命は平均して10年です。
長寿にするためには餌を腹8分にして、夏は水温を高く、冬は低くして四季を感じさせることが大切です。うまく育てれば15年は生きてくれるので、大事に飼育して下さいね。
長生きさせるコツについては金魚の寿命で紹介しているので、ご参考ください。
体の大きさ
朱文金の大きさは20cm〜30cmほどになります。平均的なサイズだと15cmほどです。
性格は温和で混泳向き
朱文金は温和な性格をしているので、安心して混泳させることができます。
また、餌を何度かあげていると、人に慣れてくれるのでペットフィッシュとしても人気があります。おねだりしてくる姿はとてもかわいいですよ。
朱文金とコメットの違い
※画像はコメットです。
朱文金とコメットはどちらも和金をベースにしているので体型はそっくりです。
しかし、朱文金の体色はサクション出目金をベースにしているので、体色の差で一目瞭然です。近い種類なので交配することができますよ。
コメットの特徴と飼育方法で詳しく紹介しているので、ご参考ください。
朱文金の種類
ブリストル朱文金
イギリスのブリストル地方で品種改良された種類で、尾びれがハート型になっており、横から見るととてもかわいいです。
ネット通販やヤフオクで千円〜2千円ほどの値段で販売されていますよ。
色の品種改良も進められており、鉄の色のようなアイアンブリステルや薄い緑がかったグリーンブリステルが販売されています。
藍朱文金
赤色がなく、藍色が濃く出ている朱文金です。赤色が全くない完璧な個体はとても珍しく1万円以上は必要です。
朱文金の飼育方法
朱文金は安価で丈夫なので初心者にもおすすめの金魚です。
飼育水槽の大きさと選び方
朱文金は横からの鑑賞に優れているので、透明度が高いガラス水槽がおすすめです。
飼育数の目安は45cm水槽で3匹、60cm水槽で6匹、90cm水槽で8匹です。60cm以上の水槽があればしっかりと大きく育て上げることもできるので、飼育の幅が広がりますよ。
金魚の水槽の選び方で紹介しているので、ご参考ください。
値段と販売場所
朱文金は模様の個体差が大きく、美しさによって値段が大きく異なります。安い個体であれば値段は300円から、最大だと2,000円前後になります。
色柄の差が激しいので、購入時にしっかりと見極めておきましょう。
人気の魚ではないので、ホームセンターや熱帯魚店で見つけるのは難しいので、金魚専門店やネット通販で探してみましょう。
飼育に適している水温
朱文金に適している水温は15度~28度です。
低水温に強く、冬でも水が凍らなければ問題ありません。それでも全く動かなくなるため、鑑賞するのであれば金魚用にヒーターをいれてあげましょう。
金魚に適している水温で詳しく紹介しているので、ご参考ください。
餌は色揚げ効果のある人工餌を与える
朱文金は水槽の中層で泳いでいるため、ゆっくりと沈む粒状の餌が食べやすいです。赤色の色揚げ効果のある金魚専用餌である咲ひかりがおすすすめです。
餌の頻度は夏は1日2回、冬は1日1回を目安に、1〜2分で食べきれる量を与えてください。
金魚は餌の量によって成長スピードをコントロールしやすい魚です。巨大化させたいときは1回に与える量は変えずに、1日3回与えるなど与える回数を増やすようにしてください。
金魚におすすめの餌で紹介しているので、ご参考ください。
かかりやすい病気と治療方法
朱文金は丈夫な魚なので、あまり病気にはかかりませんが、水質悪化には弱いので注意してください。一度病気かかると完治まで時間がかかるので、定期的な水換えなど予防が大切です。
白点病 | 全身が白い点々に覆われる病気で、水温が15度〜25度の低水温のときにかかりやすい病気です。感染力が強いので、発症している個体を見つけたらすぐに別の水槽に隔離してメチレンブルーで1週間薬浴してください。 |
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尾ぐされ病 | 尾びれが白く濁りながら溶けていく病気で、水換えの頻度が少なく、水質悪化によってカナムナリス菌が発生したことが原因です。すぐに全換水と掃除を行なって、発症した個体はグリーンFゴールドで1週間薬浴してください。 |
他の病気については金魚の病気で紹介しているので、ご参考ください。
朱文金の混泳方法
朱文金は温和な性格で他の生き物を攻撃することはありませんが、泳ぐのが上手なので混泳相手には注意が必要です。
おすすめの混泳相手は同じく泳ぐのが得意な和金やコメットなどの金魚です。餌の取り合いになるので、餌を食べられずに細くなってしまっている個体がいないか細めにチェックするようにしてください。
反対に泳ぐのが苦手な出目金やらんちゅうと混泳させると餌を横取りしたり、泳ぎ回ることで水流が発生してストレスを感じさせてしまいます。
他の生き物との混泳については金魚の混泳で詳しく紹介しているので、ご参考ください。
朱文金の繁殖方法
朱文金の繁殖は比較的簡単で、初心者にも狙いやすいです。
オスとメスの見分け方
朱文金のオスは生後2歳~3歳で繁殖期になると、エラブタに追星と呼ばれる、小さい突起物が出てきます。メスには追星はないので、これで見分けましょう。
繁殖の環境
朱文金は水温が20度を超える時期から繁殖期にはいります。
キンギョモやホテイアオイなど葉の小さい水草をたくさんいれておきましょう。5匹以上の群れで飼育していると、自然とペアができて繁殖していきます。
金魚の繁殖方法で紹介しているので、ご参考ください。
稚魚の育て方
朱文金の稚魚の餌には栄養価が豊富なブラインシュリンプが必要です。稚魚は一度にたくさんの餌を食べることができないので、1日3回にわけて与えてください。
病気予防のためにも水温は28度を維持して、成長を促進していきます。泳ぐ力がないので水流は弱めにしてあげてくださいね。
金魚の稚魚の育て方で紹介しているので、ご参考ください。
朱文金についてまとめ
朱文金はカラフルな模様を楽しめる金魚として、人気を集めています。飼育は難しくないため、はじめての金魚としてもおすすめです。
販売量は多くありませんので、お気に入りの模様をした1匹を探すのはなかなか難しいですが、そのぶん愛着を持って飼育することができるでしょう。成長とともに変化していく色合いも楽しんでいってくださいね。
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