どじょうは日本の河川に生息しているため、自分で採集してきた魚を水槽で飼育するという楽しみ方ができます。レイアウトを組むことで日本の川が近くに感じられるので、熱帯魚とはまた違った魅力があります。
今回はそんなどじょうについて生態や種類、混泳できる魚や寿命など飼育方法を詳しく紹介していきます。
どじょうとは?生態と特徴
どじょうはコイの仲間で、長い体に小さなヒゲが特徴的な淡水魚です。日本全国の河川に生息しており、流れが穏やかな水田や用水路を好んでいます。
体は丈夫で飼育しやすいです。また、えら呼吸だけでなく、酸素が少なくなってくると水面に上がってきて腸で空気呼吸を行うこともできるため、酸素欠乏にも強いです。
栄養価が豊富なので人間の食用として利用されたり、肉食魚の餌として人気があります。
地味な体色ではありますが、10本のヒゲが可愛らしく、日本の河川をイメージした水槽の掃除役として活躍してくれますよ。
体の大きさ
どじょうの大きさは種類によりますが、最小で6cm、最大で20cmになります。13cm前後になる種類が多いです。
成長速度は遅く、種類別の大きさとして紹介されているサイズになるまで3年は必要です。
寿命の長さ
野生のどじょうの寿命は平均して2年〜5年です。飼育下では長生きさせやすく、5年~10年は生きます。
体の大きさの割にはかなり長寿で、最高で15年も生きた例があります。
どじょうの種類
どじょうは種類によって生息場所や地域が異なります。寒さに強かったり、強い流れを好んだり、流れの遅い水田や沼地を好んだり様々です。
観賞用のどじょうだと、シマドジョウが人気です。どじょうの種類で詳しく紹介しているので、ご参考ください。
どじょうの飼育に必要なもの
どじょうの飼育に必要なものは一般的な熱帯魚と変わりありません。はじめて魚を飼育する人は一通り揃っている初心者向けの飼育セットがおすすめです。
必要な水槽の大きさ
どじょうは体が柔らかいので、45cm水槽で飼育することができます。
飼育容器は発泡スチロール、ガラス水槽、虫かごなどが候補になります。
飼育数の目安は45cm水槽で3匹、60cm水槽で7匹、90cm水槽で15匹です。
ろ過フィルターの選び方
どじょうは餌をよく食べるので、たくさんのフンをします。水が汚れやすいので、ろ過力が高いろ過フィルターを選びましょう。
しかし、酸欠や水質悪化には強いので、そこまで神経質になる必要もありません。
45cm水槽だと外掛けフィルター、60cm以上の水槽だと上部フィルターがおすすめです。
脱走防止のための水槽の蓋
どじょうは驚くとせわしなく泳ぎ回り、水面から跳びはねて脱走することも珍しくありません。飛び出し対策に水槽の蓋は隙間なくしておいてください。
砂に潜って落ち着かせる
小さくて丸い砂をいれておくと、どじょうが砂の中に潜る姿を見せてくれるようになります。角がない「田砂」がおすすめです。
土を固めた砂であるソイルはどじょうに影響はありませんが、潜った時に泥が出て、鑑賞しにくくなるのでやめておきましょう。
最初はストレス予防に砂を敷いておいたほうがいいですが、環境に慣れてくれたら砂なしでも飼育することができます。
水草は引っこ抜かれる
どじょうは底砂を掘り返すので、底に根をはるタイプの水草では倒されてしまいます。水草は浮かべておくタイプか、石や流木に活着するタイプがおすすめです。
浮かばせておくのであればカボンバやアナカリスなどの初心者向けの水草、活着系だとウィローモスやアヌビアスナナがおすすめです。
どじょうはビオトープでも飼育できる?
どじょうは水質の適応力があり、酸素不足に強いので、メダカを飼育するようにビオトープで飼育することができます。
水面から飛び出すことが多いので、しっかりと蓋をして、泥や土をいれてあげると落ち着けますよ。
寒さに強く、水が完全に凍らなければ、越冬することもできます。
メダカのビオトープで紹介しているので、ご参考ください。
どじょうの飼育環境を準備していこう
水槽の立ち上げは時間がかかる
立ち上げたばかりの水槽にはフンや餌の食べ残しなどの有害物質を無害な物質に分解するバクテリアがいません。
バクテリアがいないと水槽は水質悪化が早く、すぐに住めない環境になってしまいます。最初は2匹程度の少数飼育にして、1ヶ月ほどたってから飼育数を増やしていきましょう。
水槽立ち上げの手順
- 水槽の置き場所を決める
- 砂を敷きつめる
- カルキ抜きした水道水を入れる
- フィルターを稼働させて水の濁りを取る
- 水草や流木を入れてレイアウトを整える
- 水槽の蓋を照明を置いて、2日ほど水を循環させる。
- 水合わせをしてどじょうをいれる
水槽の立ち上げ方で詳しく紹介しているので、ご参考ください。
水合わせ方法
購入してきたばかりのどじょうをそのまま水槽に入れると、元の水と新しい水の水温や水質の変化に適応できずに死んでしまうことがあります。
新しい水に慣らすために、必ず水合わせを行なってあげましょう。
水合わせの手順
- どじょうがはいった袋を水槽に浮かべる。
- 15分おきに水槽の水をコップ1杯分袋にいれる。
- 2杯いれたら袋の水を半分捨てる
- 改めて15分おきに水槽の水をコップ1杯分袋にいれる。
- 手で触って水温が同じくらいであることを確認する。
- 袋の水を入れないように、どじょうを水槽に入れる
どじょうの飼育方法
どじょうは体が丈夫なので初心者にも飼育しやすいです。臆病な性格で驚きやすいので、ストレスを与えないようにしてください。
レイアウトは河川をイメージして
どじょうの水槽は日本の河川をイメージして、川砂と石、流木を多めに配置したレイアウトがよく似合います。
真ん中は遊泳のスペースを広々と確保して、流木など背丈が高いものは後方に設置していきましょう。
飼育に適している水温
どじょうは日本に生息しているので水温の適応範囲が広く、10度〜28度であれば大丈夫です。
水が凍らなければ越冬することができますが、鑑賞するのであれば水槽用のヒーターをいれておきましょう。
高水温に弱く30度を超える夏には冷却ファンが必要です。
飼育に適している水質
どじょうに適している水質はph6.5〜7.5の弱酸性から中性です。丈夫で水質の悪化に強いですが、2週間に1回は1/3ほど水を交換してあげましょう。
餌は人口餌を与える
どじょうは餌の好き嫌いが少ないので、どんな人工飼料でもよく食べてくれます。量が少ないと痩せてしまうので、毎日2回、2分程度で食べくれる量をしっかりと与えてください。
おすすめの餌の種類や食べないときの対策方法はどじょうの餌で詳しく紹介しているので、ご参考ください。
水槽が汚れたら掃除しよう
どじょうは糞の量が多いので、水が汚れやすいです。掃除の時には底砂にたまった糞を取り除くようにしましょう。
最初にガラス面や流木についた苔をスポンジでこすり落とします。そしてプロホースという底砂を吸わないホースで、砂をかき回しながら、砂に埋まったフンや水中の濁りを水ごと吸い出していきます。
新鮮な水を好むため、水換えは週に1回、1/3ほど行なってください。
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丈夫で病気にはかかりにくい
どじょうは丈夫な種類なので、あまり病気にはかかりません。しかし、長期にわたり水換えを怠っていると病気にかかることがあります。
薬に弱く、一度病気になると治療するのが大変なので、きちんと予防しておきましょう。
餌食いが悪い | 水温が低下すると餌食いが悪くなるのが普通ですが、水温が高い時にこの行動をとったときは注意が必要です。外見上、問題がないときは水質悪化が考えられるので、毎日 1/5の換水を行なって様子をみていきます。 |
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体を石にこすりつける | 流木や石、底砂に体を擦り付けているときは体表に寄生虫がついていることがあります。水質悪化や水温の変化でストレスを抱えて弱っている時に感染しやすくなります。初期症状であれば水換えで様子をみます。病気の進行が進むときは、治療を開始します。 |
白点病 | 体中が小さな白い点々に覆われる病気です。輸入直後で弱っている時にかかりやすく、感染力が強いのですぐに対処が必要です。発症している個体を見つけたら、別の水槽に隔離して規定量の1/3に薄めたメチレンブルーで1週間薬浴します。 |
水カビ病 | 白いワタのようなものが体に付着する病気です。スレ傷などの傷口から寄生虫がつくことで発症します。症状を見つけたらすぐに全ての水を交換し、発症した個体を隔離してグリーンFで薬浴します。 |
どじょうと混泳できる魚は?
どじょうは温和な性格をしているので、ほとんどの熱帯魚や川魚と混泳することができます。
しかし、体が大きく、素早く泳ぎ回るので、他の魚にストレスを与えてしまいます。驚かせないようにするか、どじょうよりも体が大きい魚と混泳させてあげるといいですよ。
金魚との混泳は相性抜群
金魚は体が大きくなるため、どじょうとの相性がとてもいいです。金魚につつかれて、驚いて水面を飛び出すことがあるので、しっかりと蓋をしておきましょう。
金魚の種類で紹介しているので、ご参考ください。
メダカとの混泳は体格差に注意
メダカはどじょうと生活スペースが異なるので、混泳することができます。
しかし、どじょうはメダカよりも体が大きく、水中を泳ぎ回るので、メダカにとってストレスになってしまいます。どじょうの数は2〜3匹におさえておきましょう。
メダカの特徴と飼育方法で紹介しているので、ご参考ください。
エビとの混泳はお互いにストレス
ヤマトヌマエビはコケ掃除役として人気の混泳相手ですが、どじょうと生活スペースが同じでストレスを与えてしまいます。混泳出来ないわけではありませんが、さけておいた方が無難です。
ヤマトヌマエビの特徴と飼育方法で紹介しているので、ご参考ください。
どじょうの飼育になれたら繁殖に挑戦しよう
ドジョウは水温が15度を超える春から夏にかけて繁殖期にはいります。
自然繁殖ができるのはホトケドジョウとフクドジョウです。他の種類で産卵は難しく、腹部が膨れても繁殖してくれません。
ドジョウはメス1匹にオス数匹が追尾行動をとるので、小型の水槽にオス2匹とメス1匹をいれて、田砂と産卵床としてウィローモスをいれておきます。
親魚が成熟して入れば1ヶ月ほどで産卵してくれますよ。
卵が生まれたらどうする?
どじょうの親は卵を食べてしまうので、1mmほどの卵を確認したらすぐに隔離します。早朝に産卵するので、朝の10時くらいに確認してみましょう。
卵は産卵から48時間後に孵化しはじめます。
どじょうの稚魚の育て方
どじょうの稚魚は孵化してから2日後に餌を食べるようになるので、そのタイミングで栄養価が高い稚魚餌のブラインシュリンプを与えます。
飼育環境ではフィルターを稚魚を吸い込まないようにスポンジフィルターか底面フィルターに変更しておきましょう。
水質の変化に弱いので、水の交換は3週間に1回、1/4ほどにおえさてくださいね。
どじょうについてまとめ
今回はどじょうの生態や飼育方法について紹介していきましたが、いかがでしたでしょうか。
どじょうは大人しい性格で体が丈夫なので、ビオトープでの屋外飼育や、川魚水槽の底砂担当として飼育されることが多いです。
くっついて岩陰で群れで休んでいる姿はとてもかわいらしく、メインでも十分な実力を発揮してくれますよ。
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