クラウンキリーは小型熱帯魚の中でも群を抜く美しさを誇っています。飼い込むほど体色が濃くはっきりとしてくるので、どんどん美しくなっていきます。
今回はそんなクラウンキリーの繁殖や混泳できる魚、おすすめの餌など飼育方法を詳しく紹介します。
クラウンキリーの特徴
クラウンキリーはリベリアやギニアなどの西アジアに生息している卵生のメダカの仲間です。
目は青く輝き、褐色をベースに黒いバンドが入ります。尾びれは赤色、青色、黄色とカラフルになります。長く伸長して優雅に泳ぎ回ります。クラウンは道化師という意味が由来で、体の縞々模様やヒレの長さから名付けられました。
体の大きさ
クラウンキリーの大きさは3cmほどの小型の熱帯魚です。体がとても小さいため、小型水槽で飼育を楽しむことができます。
寿命の長さ
クラウンキリーの寿命は平均して1年です。うまくいくと2年ほど生きてくれます。
短命なので、長期間飼育したい時は難易度が高いですが繁殖に挑戦する必要があります。
喧嘩しやすい性格
クラウンキリーは繁殖期になると縄張り争いが激しくなり、クラウンキリー同士で喧嘩をするようになります。他種の熱帯魚には大人しい性格で攻撃することはないため、混泳を楽しむことができます。
クラウンキリーの飼育に必要なもの
クラウンキリーの飼育には一般的な小型熱帯魚に必要なもので問題ありません。初期費用では3万円ほどみておきましょう。
水槽の大きさと飼育数の目安
クラウンキリーは熱帯魚専用のガラス水槽で飼育します。ガラス水槽は透明度が高く、傷つきにくいので、鑑賞しやすいです。
虫かごなどのプラケースは傷がついてくすんでくるので、長期飼育には向いていません。
飼育数の目安は以下の通りです。
30cm水槽 | 10匹まで |
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45cm水槽 | 20匹まで |
60cm水槽 | 30匹まで |
ろ過フィルターの選び方
ろ過フィルターは水槽の大きさによって使い分けます。
45cm以下だと外掛けフィルターか底面フィルター、水草飼育をするなら二酸化炭素を逃さない外部フィルタ、60cm以上の水槽ならろ過力が強い上部フィルターを使います。
ライト
暗い環境で飼育していると体色が薄くなるので、ライトは必ず入れてください。
長い時間、転倒しているとコケが生えやすくなるので、1日8時間を目安に毎日オンオフの時間を決めておきましょう。
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飛び出し防止の水槽の蓋
クラウンキリーは飛び出し事故が多いです。水面付近を泳いでおり、他の魚に驚かされてジャンプしてしまいます。
必ず水槽の蓋を用意し、隙間がないようにしておいてください。
クラウンキリーの飼育方法
クラウンキリーは体が小さい分、水質の変化に敏感なので、導入初期は少し注意が必要です。熱帯魚飼育に慣れてから挑戦したほうがいいでしょう。最初の1ヶ月を乗り切ることができれば飼育は難しくありませんよ。
値段と購販売場所
クラウンキリーの値段は200円〜300円になります。販売されている個体は1cm〜1.5cmの若魚です。
体が小さいため、弱っているとそのまま死んでしまうことがあります。購入前に元気に泳いでいるかどうかしっかりと確認しておきましょう。
ショップの慣れない環境でストレスを感じている個体は色が薄いですが、自宅で飼育していると綺麗な色に戻るので、そこまで気にしなくても大丈夫です。
ホームセンターで見かけることは少ないので、熱帯魚専門店かネット通販で探すといいですよ。
飼育に適している水温と水質
クラウンキリーの適温は20度〜28度です。低温に弱いので冬は水槽用のヒーターが必要になります。
夏場は30度が連日続く日は冷却ファンを用意したほうがいいですが、涼しい場所においておけば問題ありません。
水質はph5.5〜6.5の弱酸性を好むため、流木を2個ほどいれておくといいですよ。水質の変化に敏感なので、悪化しないように注意して、週に1回は1/4ほど水を交換してあげましょう。
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水槽のレイアウトは水流を弱くする
クラウンキリーは丈夫で飼育しやすい熱帯魚です。
小型魚に珍しく、群れを作らずに単独で水面付近を泳いでいます。同種だと喧嘩をすることもあるので、過密飼育は避けてください。
泳ぎが苦手なので水流は弱めにして、水面が波たたないようにしておきましょう。
また、臆病な性格なので隠れ家になる水草をたくさんいれてあげてくださいね。
春から夏にかけての暖かい時期であれば、メダカのビオトープのように野外で飼育するのも楽しいです。
おすすめの餌と与え方
クラウンキリーは好き嫌いせずになんでも食べてくれるので、餌やりには困りません。テトラミンなど浮遊性の人工飼料をあげましょう。
体が小さいので大きな餌は手ですりつぶす必要があります。
餌の頻度は1日2回、1〜2分で食べきれる量をあげましょう。
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混泳できる魚
クラウンキリーは他種には温和な性格で混泳向きの熱帯魚です。
しかし、泳ぐのが苦手なので、生活スペースが同じのグッピーやハチェットフィッシュなどの魚と混泳させるとストレスを感じさせます。
生活スペースが異なるネオンテトラやカージナルテトラ、プリステラ、ラスボラ、プラティがおすすめです。掃除役ならコリドラスやミナミヌマエビが大人しくて混泳相性も抜群にいいですよ。
病気は白点病に注意
クラウンキリーはかなり白点病にかかりやすいです。導入初期にかかりやすい病気で、全身が白い点々に覆われます。
感染力が強いので、症状を確認したらすぐに別の水槽に隔離してメチレンブルーで1週間薬浴させましょう。
クラウンキリーの繁殖方法
クラウンキリーは繁殖が簡単な熱帯魚で、雌雄で飼育していれば自然とペアができて繁殖してくれます。繁殖時期が近づくと、オス同士が縄張り争いで喧嘩することが増えるので、隠れ家になる浮き草をいれてあげてください。
砂底にばらまくように産卵しますので、ウィローモスやピートモスを薄く引いておきましょう。
卵は小さくで粘着性があるので移動させるのが大変です。産卵用の水槽を用意してそちらで繁殖させましょう。
性別の見分け方
オスは尾びれがスペード型になっており、各ヒレに色が入っています。メスは尾びれが円形で各ヒレは透明になります。
稚魚の育て方
孵化したばかりのクラウンキリーの稚魚は5mm前後と体が小さく、水質に敏感なので飼育が難しいです。成長速度は遅く、1週間で6mm、1ヶ月で1cm、2ヶ月で3cmまで成長します。
餌にはブラインシュリンプが必要です。生き餌なので食いつき抜群で、栄養満点と生存率もかなり変わります。隠れ家には水面に浮かぶホテイアオイなどの浮き草がおすすめです。
クラウンキリーについてまとめ
クラウンキリーはメダカの仲間で、大きさは3cmほどのとても小さい熱帯魚です。
長く飼育するほど青色や色のコントラストがはっきりとして美しく成長し存在感が出てくるようになります。
体が小さい分、環境の変化には弱いので、導入時の水合わせや掃除の水換えは慎重に行ってくださいね。
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