ミッキーマウスプラティは飼育が簡単で初心者におすすめの熱帯魚です。カラーバリエーションが豊富で自分が気に入った1匹を見つけることができます。
今回はそんなミッキーマウスプラティについて特徴や繁殖・産卵方法、稚魚の育て方、寿命、病気、混泳、適している水温など飼育方法を紹介していきます。
ミッキーマウスプラティの生態と特徴
ミッキーマウスプラティはプラティの品種改良で、卵胎生メダカの仲間です。尾の黒い部分がミッキーマウスの頭を横にしたような模様からミッキーマウスという名前がつきました。
性格はプラティと同じく、温和で飼育しやすい魚です。混泳にも向いており、色彩がカラフルなので水草でレイアウトした水槽にもぴったりですね。
繁殖が簡単なので、稚魚を飼育する楽しみ方もできます。同種のプラティと繁殖させることで、自分好みの模様や色をつけていくことができますよ。
体の大きさ
ミッキーマウスプラティの大きさは最大でも5cmの小型の熱帯魚です。
寿命の長さ
ミッキーマウスプラティの寿命は平均して1〜2年です。販売している個体は生後3ヶ月ほどなので、短いと9ヶ月ほどで寿命が訪れます。
長生きすると3年は生きますが、短命で繁殖を繰り返して生命を繋いでいく熱帯魚です。
ミッキーマウスプラティの人気の種類
ミッキーマウスプラティの種類は豊富で、プラティ同様に品種改良によって多くのカラーバリエーションが生み出されています。
ベースは同じプラティなので、交雑することも可能で、両親の色が混ざり合った子供が生まれてきますよ。
レッドミッキーマウスプラティ
基本種のプラティはオレンジ色をしており、それに一番近い種類です。別の色と交雑していない純粋なオレンジ色はとても綺麗ですよ。
ゴールデンミッキーマウスプラティ
オレンジ色が輝いており、白っぽい金色の体色に見える種類です。いい個体はとてもキラキラしているので、プラティで群泳している水槽でも存在感を発揮してくれます。
レッドトップミッキーマウスプラティ
口先から腹部までが白く、腹部から後ろは真っ赤になる種類です。赤と白のメリハリがはっきりとしており、人気があります。
ホワイトミッキーマスプラティ
全身が白く、ミッキーマークだけ黒色になっている種類です。血が濃い個体は本当に真っ白になるので、上品で美しいですよ。
ハイルフィンミッキーマウスプラティ
ヒレが長い種類のことをハイルフィンといいます。ヒレの長い遺伝子は弱いので、子供もハイルフィンになるとは限りません。別種と交雑すると高い確率でヒレが短い個体が生まれてくるので注意しましょう。
ミッキーマウスプラティの飼育設備
ミッキーマウスプラティの飼育に必要な水槽の大きさや設備、環境を紹介します。初期費用では2万円ほどみておきましょう。
水槽の大きさと飼育数
ミッキーマウスプラティの飼育容器は透明度が高いガラス製の水槽を使いましょう。プラスチック製は傷つきやすく、長期間の鑑賞には向いていません。
水槽のサイズは横幅で30cmの小型水槽で飼育することができます。群泳をするときは以下の飼育数の目安をご参考ください。
30cm水槽 | 4匹~6匹 |
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45cm水槽 | 10匹~15匹 |
60cm水槽 | 20匹~30匹 |
ろ過フィルター
ろ過フィルターは水槽の大きさによって使い分けます。
45cm以下の水槽では安価で設置しやすい外掛けフィルター、60cm以上の水槽ではろ過力がある上部フィルターがおすすめです。
ライト
ライトがあると鑑賞しやすいだけではなく、発色が良くなります。周りの環境が薄暗いと色が薄くなってしまいます。
ライトの点灯時間が長いとコケが生えやすくなるため、1日の点灯時間は8時間を目安に、ライトをつける時間と消す時間は固定しておきましょう。
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水槽用のヒーター
ミッキーマウスプラティは低水温に弱いので、冬は水槽用のヒーターが必要です。
昼夜の気温差が激しい春と秋にも電源をつけておいてください。
必要なW数と電気代の目安です。
30cm水槽 | 50w 450円 |
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45cm水槽 | 100w 900円 |
60cm水槽 | 150w 1,350円 |
おすすめの水槽用のヒーターで紹介しているので、ご参考ください。
水槽の蓋
水槽の蓋はホコリや水を蒸発するのを防ぎます。隙間がないように、しっかりと閉めておきましょう。
ミッキーマウスプラティの飼育方法
ミッキーマウスプラティは丈夫で環境適応力が高く、安価で入手しやすいので、初心者にもおすすめの熱帯魚です。
値段と販売場所
ミッキーマウスプラティの値段は300円前後で販売されています。多くの販売店で扱っており、お近くのホームセンター、熱帯魚専門店やネット通販で簡単に見つけることができますよ。
飼育に適している水温と水質
ミッキーマウスプラティの適温は24度〜28度と高い水温を好みます。
丈夫な魚なので低水温にも強いですが、15度を下回る冬は水槽用のヒーターが必要です。
水質は弱酸性を好みます。適応力があり、環境の変化にも強いので、特に気にする必要はありません。
しかし、弱酸性を保っていると体にツヤが出て、元気になります。余裕があれば流木や底砂には土でできたソイルを使ってあげてくださいね。
飼育におすすめの餌
ミッキーマウスプラティの餌は人工飼料から生き餌でもなんでも食べてくれます。
おすすめの餌は「テトラプランクトン」などの一口で食べられる熱帯魚用の人工飼料です。餌の食べ残しが少なく、水換えの頻度を減らすことができます。
口が上向きで水面付近を泳いでいる熱帯魚ですので、浮遊性の餌も食べやすいですよ。
泳ぐのが苦手なので、混泳飼育をしているときは、餌を食べれているかしっかりと観察しておいてください。
与えた分だけ餌を食べるので、肥満になりやすいです。餌の頻度は1日2回、1〜2分程度で食べきれる量が目安です。
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おすすめの水草
ミッキーマウスプラティは派手な体色をしているので、水草との相性は抜群です。反対に水草がない水槽では寂しく感じます。
水草は二酸化炭素や強い光が必要な種類が多く、熱帯魚の飼育よりも大変です。そこで丈夫で飼育しやすいミクロソリウムやアヌビアスナナ、アナカリス、カボンバなどの初心者向けの水草から挑戦することをおすすめします。
おすすめの混泳相手
ミッキーマウスプラティは温和な性格のため、多くの熱帯魚と混泳させることができます。
おすすめの混泳相手は同じく温和で、飼育が簡単なネオンテトラ、アカヒレ、グラミーなどです。水槽の掃除役として有名なコリドラスやヤマトヌマエビも人気があります。
攻撃性が強いベタやエンゼルフィッシュはやめておきましょう。また、同種の卵胎生メダカだと交雑してしまう可能性があるので、メダカやグッピーもさけておいたほうがいいですよ。
かかりやすい病気と治療方法
ミッキーマウスプラティは丈夫な魚なのでなかなか病気にかかりません。
しかし、水換えをしていないと、水質悪化で病気にかかってしまいます。病気を予防するためにも、水換えはこまめに行いましょう。
目立った外傷が無いのにじっとしている時は、病気ではなく寿命の可能性が高いです。
白点病 | 熱帯魚がもっともかかりやすい病気で、体が白い点々で覆われます。寄生虫が原因で、水質の急激な変化で魚が弱っている時にかかりやすい病気です。感染力が強くあっという間に他の魚も感染するので見つけたらすぐに対処しましょう。病気の個体を別の水槽に移動させてメチレンブルーで1週間薬浴してあげてくださいね。 |
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松かさ病 | ウロコが松ぼっくりのように逆立つ病気で一度かかると治療するのが難しい病気です。水質悪化で繁殖した細菌に寄生されることが原因で、治療にはグリーンFで1週間ほど薬浴させてくださいね。予防が大事な病気なので、水換えをしっかりと行なって下さい。 |
尾ぐれさ病 | 尻ヒレや背びれなどが溶けてなくなっていく病気です。こちらも病気をみつけたらグリーンFで薬浴してあげましょう。 |
腹水病 | 最初に食欲を失い、痩せていきます。次に腹部が膨張して、呼吸の回数が増加、白い線状の糞をだすようになる病気です。内臓へダメージを与える病気で、2段階目の症状で一つでも確認できたらすぐに薬浴してあげましょう。治療は難しく、発見から3日程度で死んでしまうことが多いです。ストレスや水質悪化が原因ですので、隠れ家を用意したり、こまめに水換えを行なっておきましょう。 |
ミッキーマウスプラティの繁殖方法
ミッキーマウスプラティのメスは繁殖期になると卵をお腹に抱え、オスから生殖器を挿入されることで受精します。そのまま稚魚が孵化するまでお腹の中で大切に育てます。
メスは出産直前になるとお腹がパンパンになり、水草や水底、水面付近であまり動かなくなります。
妊娠期間は受精してから25日〜30日前後で稚魚が生まれてきます。産卵してから1ヶ月以上出産しない時は、受精していないことが原因なので、オスの数を増やして様子をみてください。
性別の見分け方
ミッキーマウスプラティのオスとメスの性別を見分けるには尻びれを確認します。
オスには尻びれ付近にゴノポティウムという少しとがった生殖器がついており、メスの尻ビレにはなにも無いなので、そこで見分けられます。
一部のミッキーマウスプラティはソードテールの遺伝子をもっており性転換することがありますが、そのような個体はほとんどいません。繁殖を狙う時はオスとメスを購入しておきましょう。
繁殖時期
ミッキーマウスプラティは水温が暖かくなる春から夏の時期に繁殖を開始します。水温27度前後がもっとも繁殖しやすくなります。
繁殖期になるとオスがメスの体に沿わせるよう、追いかける行動が増えます。いつも以上にくっつているなと感じたら繁殖のタイミングが近いと考えていいでしょう。
またオス同士はメスをめぐって縄張り争いやつつき合いを行うようになります。弱いオスは一方的にやられてしまうので、注意してあげて下さいね。
繁殖に必要な飼育数
メス2匹に対してオス3匹の計5匹いると安定して繁殖を行います。容器は45cm水槽を用意します。喧嘩が起きないよう、隠れ家になる水草をたくさん植えておいてあげてくださいね。
何匹生まれてくるの?
最初は10匹程生まれてきますが、回数を重ねるごとに増えていって最終的には20〜30匹は産んでくれるようになりますよ。
繁殖しない時
ミッキーマウスプラティが繁殖しない時は、親魚が成熟していない、水温が低い、水質が悪く元気がない、混泳魚が多くストレスを抱えているなどが考えられます。水換えを行なったり、隠れ家を作ったり対策をしていきましょう。
ミッキーウスプラティの稚魚の飼育方法
ミッキーマウスプラティの稚魚は3mmほどであり、親を水槽から隔離をしないと食べられてしまいます。しかし、水槽の数が足りない場合などは隠れ家になる水草をたくさん植えておくことで、隔離しないでも十分に育てていくことができます。
成長速度は早く、生後1ヶ月で体長2cm、2ヶ月目で3cm、5ヶ月目で親魚として産卵できるようになります。
稚魚のおすすめの餌と与え方
ミッキーマウスプラティの稚魚の餌は栄養価が高く、食いつき抜群のブラインシュリンプがおすすめです。用意できない時は、親魚の餌を食べやすいようにバラバラに潰して、稚魚の近くにおいてあげてくださいね。
稚魚の色や模様はいつから出てくるの?
ミッキーマウスプラティの稚魚は生まれたばかりは色が無く、地味な体色をしています。
生後1ヶ月くらい経ってから色がつきはじめて、2ヶ月ほどで模様がみれるようになります。親と同じ色や模様が出るかどうかは、親の血の濃さに関係してくるので、成長するまではどうなるかわかりません。ミッキー柄の血が薄い時には元のプラティに戻ってしまうこともあります。
自分好みの体色を作ることもできるので、お気に入りの親同士を交配させて、挑戦してみるのも楽しいですよ。
稚魚が死ぬ原因
ミッキーマウスプラティの稚魚が死ぬ原因で一番多いのは、親魚や他魚に食べられてしまうことです。生存率をあげたいときは必ず別の水槽に隔離しましょう。
また、体が小さく急激な水質の変化に弱いので、なるべく飼育水は交換しないようにしておきましょう。他にもフィルターに吸い込まれていないか、餌は食べられる大きさかなど確認しておいて下さいね。
ミッキーマウスプラティのまとめ
ミッキーマウスプラティはかわいらしい模様をしており、体は丈夫で値段は安いので、初心者におすすめの熱帯魚です。
温和な性格で混泳にも向いています。
病気にかかることはあまりありませんが、寿命は短いので、長期間の飼育には向いていません。
繁殖も簡単で、稚魚を育てるのも難しくないので、飼育になれてきたら繁殖を狙いましょう。増えすぎないように注意してくださいね。
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プラティの種類と飼育方法|水温や水質、混泳、大きさは?