広告 日本のカメ

ニホンイシガメの飼育は難しい?寿命や性格、水槽サイズは?

2019-04-15

ニホンイシガメは数少ない、日本固有種のとてもかわいい亀ですが、現在はその数を減らしており、準絶滅危惧種にまで追い込まれています。

今回はそんなニホンイシガメの生態や生息地、特徴、価格、性格、おすすめの餌など飼育方法について詳しく紹介していきます。

ニホンイシガメの特徴

ニホンイシガメの飼育

ニホンイシガメはカメ目イシガメ科イシガメ属に分類される亀の仲間です。日本の固有種で、北海道を除く本州、四国、九州に広く分布しています。

名前の由来は日本の固有種であることと、石のように硬い甲羅を持っていることから石亀(イシガメ)と名付けられました。

甲羅の形は平べったく、真ん中にキール(山形に尖っている)があります。側面にもキールはありますがあまり目立ちません。甲羅の表側は黄褐色をベースに不鮮明な黒色が入っています。腹部は黒色です。

幼体の甲羅は明るい褐色をしており、外来種のクサガメと同様にゼニガメという呼称で親しまれています。クサガメの特徴と飼育方法で詳しく紹介しています。

体の大きさ

ニホンイシガメの大きさはオスは一回り小さく最大でも15cm、メスだと20cm前後まで成長します。

寿命の長さ

ニホンイシガメの寿命は平均して20年、最長だと30年ほど生きることができます。

ニホンイシガメの生態

ニホンイシガメの飼育

ニホンイシガメは陸上と水中の両方を移動する半水棲のカメです。人里にはあまりおらず、山の奥地にある池や湖、河川近くに生息しています。

水中で泳ぐのが得意ではないので、水深が浅くて流れが穏やかな場所を好んでいますあ。

天敵はカラスやイタチ、ネコ、アライグマなどの生き物です。特に生後2年までの幼体は体も小さく襲われやすいです。臆病な性格をしており、水辺付近を離れることはなく、天敵が近づくとすぐに水中に逃げられるようにしています。

昼行性の亀で、夜は石の隙間や土のくぼみの中で休んでおり、朝になると陸地で日光浴をしてから活動を始めます。雑食性で水草や藻類、昆虫、生物の死骸、エビ、カニ、巻貝などなんでもよく食べます。

冬は冬眠をする

ニホンイシガメは気温が15度を下回る11月ころから3月の間は冬眠をしています。

冬眠は陸上と水中のどちらでもすることができます。陸上だと湿度が高い水辺付近にある石の隙間や土の中、落ち葉の間で行い、水中だと水底に溜まった落ち葉の中で行います。

繁殖方法

水温が暖かくなる5月〜8月にかけて水中で交尾をします。1回の産卵で5個程度の卵を土の中に産み、2ヶ月ほどで孵化します。

ニホンイシガメの絶滅の危機

ニホンイシガメの飼育

ニホンイシガメは幅広い地域で、準絶滅危惧種か絶滅危惧種に指定されています。絶滅に追い込まれている理由は2つあります。

1つめは外来種で同種のミシシッピアカミミガメが輸入されて自然に帰化してしまったことです。ミシシッピアカミミガメはニホンイシガメよりも一回り体が大きく、倍以上の卵を産むため、体の強さと繁殖力の高さからニホンイシガメの餌場と生息地を奪っていきました。

2つめが新たな天敵である外来種のアライグマの出現です。アライグマは肉食性で、川辺で休んでいるニホンイシガメを襲って食べてしまいます。

他にもニホンイシガメは外来種のクサガメと交雑することができ、その子供はウンキュウと呼ばれる別の名前呼ばれます。

絶命危惧種に引き上げられると飼育することができなくなってしまうため、ニホンイシガメを守る活動は各地でみられます。外来種を日本の自然に放つことで日本の固有種が減っていくことは耐えられません。どんな生き物を飼うにしても、最後までしっかりと面倒を見てあげてくださいね。

なお、現時点では野生のニホンイシガメを捕獲して飼育することは禁止されていないので、ご安心ください。

参考ページ

ニホンイシガメの飼育環境

ニホンイシガメの飼育

ニホンイシガメの飼育に必要な設備について紹介していきます。水槽以外ではほとんどお金がかからないため、初期費用では3万円ほどみておけば十分です。

必要な水槽の大きさ

ケージは熱帯魚の飼育に使われるアクアリウム水槽を使いましょう。アクリル水槽は甲羅との接触で傷つきやすいため、ガラス水槽がおすすめです。

水槽の大きさは横幅でカメの体長の5倍、奥行きだと3倍は必要です。なので必要としている水槽は意外にも大きく、体長15cmの個体だと75cm(横幅)×45cm(奥行き)を目安にしてください。

脱走しないように水槽の蓋をして、しっかりと固定しておいてくださいね。

おすすめの90cm水槽で紹介しているので、ご参考ください。

ライトはバスキングと紫外線の2つが必要

ニホンイシガメは日光浴をすることで体に必要なビタミンを作り出しているため、トカゲなどの爬虫類と同様に紫外線を含んだUVライトとバスキング用の照明の2つが必要です。

大人であれば週に3回程度の日光浴でも大丈夫ですが、紫外線が不足すると、幼体は甲羅の成長に悪影響を与える可能性があります。

バスキングライトとは温度が30度〜35度のバスキングスポットを部分的に作り出し、体をあたためる役割があります。ニホンイシガメの場合には陸地に照射するといいでしょう。温度が高いと嫌がって陸地に上らなくなるため、様子を見ながら温度調節してください。

亀のライトについては亀に必要な紫外線ライトやバスキングライトで詳しく紹介しているので、ご参考ください。

フィルターは必要?

ニホンイシガメの飼育にろ過フィルターは必須ではありません。肺呼吸なので水中に酸素は必要ありませんが、餌をよく食べてたくさんフンをするので、水が汚れやすいです。フィルターを入れておくことで水中のゴミをとってくれるので、日々の管理が楽になりますよ。

水深が浅い環境だとコーナーフィルターか投げ込み式フィルター、水量が多い環境だとろ過能力が高い上部フィルターがおすすめです。

床材の選び方

フンの量が多いため、フンの視認と掃除しやすいように、底砂は何もいれないほうが管理が楽です。どうしても味気ないという時には粒の大きい川砂をいれるとよく似合います。

誤食の可能性があるため、粒が小さな川砂などは敷かないでくださいね。

ニホンイシガメの価格と販売場所

ニホンイシガメ

ニホンイシガメの値段はブリード個体(養殖)だと3,000円〜5,000円、ワイルド個体(野生種)だと値段は6,000円を超えてきます。生息数が少なくなっているので、日本固有種にしてはかなり高い価格で取引されています。

亀など爬虫類は対面販売が義務付けられているため、ネット通販で購入することはできません。ホームセンターや爬虫類専門店に行く必要があります。地域によってはブリーダーさんもいらっしゃるので、幼体を直接購入することもできますよ。春から夏にかけて販売量が増えてくるので、その時期になったら探してみてください。

ニホンイシガメの飼育方法

ニホンイシガメの飼育

ニホンイシガメは丈夫な亀なので、飼育は難しくありません。1点だけ注意するとしたら、水換えをこまめに行うことです。亀にとって水とは人にとって空気のようなものであり、空気が汚れている環境では生きていくのは気持ち良いものではありませんよね。

レイアウトは水中と陸地を用意する

レイアウトには陸上と水中の2つが必要です。

水深は20cm以上にしてあげてください。水深があるほど立体的に泳いでくれるのでいつもと違った顔を見せてくれるようになります。陸上は市販のカメ用浮島やレンガブロックを積み重ねて安定した陸地を作ってあげてくださいね。陸地は体の大きさよりも一回りほど大きいくらいを目安にしてください。

気温が高い春から秋にかけてであれば、同じレイアウトでベランダで飼育することもできます。カラスなどの鳥類に襲われないように水槽の蓋をしっかりとしてください。

飼育に適している水温

ニホンイシガメに適している温度は18度〜24度です。

高温に弱いので、夏は冷却ファンが必要になります。冬は水中用のヒーターを設置してあげましょう。陸上部分はバスキングスポットがあれば大丈夫です。

おすすめの水槽用のヒーターで紹介しているので、ご参考ください。

餌は人工餌がメイン

レプトミン

ニホンイシガメの餌は市販の亀専用の人口餌であるレプトミンをあげておけば生涯飼育することができます。最初はピンセットを使って顔の前まで餌を近づけ、食いつかせていきましょう。

雑食性でどんな餌でもよく食べてくれます。他にもレバーや牛ハツなどの肉類、エビやメダカ、ザリガニ、ミルワームなどの生き餌、乾燥エビや熱帯魚の肉食魚用餌もおすすめです。

亀は絶食に強いですが、幼体は栄養が不足すると甲羅の形がおかしくなってしまいます。餌の頻度は幼体の時は食べられるだけ与え、大人になると週に3回ほど与えてくださいね。

ニホンイシガメの餌については亀におすすめの餌で詳しく紹介しているので、ご参考ください。

水槽の水換えと甲羅の掃除

ニホンイシガメの飼育

ニホンイシガメは水質の悪化に強いですが、フンが多いため、水の汚れるスピードはかなり早いです。油断しているとひどい環境になってしまうため、週に1回は全ての水を交換してあげてください。

水換えの時に甲羅に付着したコケもこすり落とすようにしてください。放置していると甲羅にこびりついてなかなか取ることが出来なくなります。甲羅は傷つきやすいため、指の腹で優しくこすりましょう。

カメは体内にサルモネラ菌をもっているため、素手で触った後はすぐに手を洗ってくださいね。

ライトなしなら日光浴や甲羅干しをする

ニホンイシガメをライトなしで飼育するときは、日光浴をさせてあげましょう。

毎日2時間~3時間ほどさせることで、成長に必要なビタミンD3を作り出すことが出来ます。甲羅を日光でしっかりと乾燥させることを甲羅干しと言い、皮膚病の予防にもつながります。

日光浴では温度が25度~30度におさまるようにして、日陰を作ってあげてくださいね。

ニホンイシガメについてまとめ

ニホンイシガメの飼育

ニホンイシガメは日本の固有種でありながら、外来種のミシシッピアカミミガメミシシッピニオイガメクサガメと比べると知名度は低い亀です。生息数の少なさから値段は高く、入手も難しくなっています。

それでも外来種は凶暴な個体が多いなか、ニホンイシガメのおとなしさは他の亀とは違ったものがあります。

飼育自体は難しくなく、水換えをきっちりとしていれば長期間にわたり飼育することができます。最後までしっかりと大切に育ててあげてくださいね。

関連記事
ペットにおすすめの亀を10種類紹介|値段や飼いやすいのは?
  • この記事を書いた人

高木 浩二

ペットの中でも熱帯魚が一番好きで、飼育履歴は10年以上あり、ペットショップでアルバイトをしていました。今は多くの書籍やショップ店員との交流で最新情報をアップデートしています。あいまいな情報をなくして、はっきりと最後まで責任を持って飼育ができるのかどうかイメージを湧いてもらえるようにしていきます。正しい情報の掲載に努めてまいりますので、よろしくお願いいたします。

-日本のカメ