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ヘルマンリクガメの種類と飼育方法|大きさや値段、湿度は?

2019-04-07

ヘルマンリクガメはリクガメの中でも小型で飼育しやすいため、初めてのペットリクガメとして人気を集めています。野菜をもりもり食べる姿もとってもキュートです。

今回はそんなヘルマンリクガメの生態や特徴、食事やライト、温度、飼育環境など飼育方法について紹介していきます。

ヘルマンリクガメの特徴

ヘルマンリクガメの飼育

ヘルマンリクガメはリクガメ科ヘルマンリクガメ属に分類されるカメの仲間です。ヨーロッパの比較的乾燥している森や草原に生息しています。

甲羅には黒色とオレンジ色のコントラストがはっきりとしており、ツヤがあります。ギリシャリクガメと見た目は似ています。違いはヘルマンリクガメの手足に小さい鱗がないところです。

名前の由来はドイツの名前に多い「ヘルマン」さんと陸棲のカメから名付けられました。

種類

ヘルマンリクガメには生息地の違いでニシヘルマンリクガメとヒガシヘルマンリクガメ、ダルマティアヘルマンリクガメの3種類がいます。

ペットショップで販売されているのはニシとヒガシの種類です。違いはニシヘルマンリクガメは黒色の割合が多く、一回り小さいです。また、暖かい地域に生息しているので寒さに弱く、冬眠しません。ヒガシヘルマンリクガメは黄色の割合が多く、多湿で降水量が多い場所に生息しており、寒さに強いので冬眠をすることができます。

体の大きさ

ヘルマンリクガメはニシとヒガシで体の大きさは変わります。ニシだと甲羅の直径は平均して17cm、最大だと20cmまで成長します。ヒガシは一回り大きく、平均で30cm、最大で35cmまで成長します。

寿命の長さ

ヘルマンリクガメの寿命は平均して20年です。最長だと32年という記録があり、とても長寿です。

ヘルマンリクガメの生態

ヘルマンリクガメの飼育

ヘルマンリクガメは昼行性で夜はくぼみや石の隙間、落ち葉の間で休んでおり、太陽が出てくると日光浴で体を温めてから活動を始めます。乾燥が苦手のため、冬限定で夜行性になることがあります。

完全な草食性で草原に生えている草の葉を食べています。

冬は冬眠して越冬する

ヒガシヘルマンリクガメは気温が15度を下回ると冬眠を始めます。冬眠は土の中に潜ったり、石の隙間、落ち葉の下で行います。そして気温が暖かくなる3月頃にまた地上に出てきます。

飼育下での冬眠は難しく、そのまま死亡してしまうことも珍しくないので、慣れていない人はやめておきましょう。

ヘルマンリクガメの飼育環境

ヘルマンリクガメの飼育

ヘルマンリクガメの飼育に必要なものを紹介していきます。体の大きさの割には大きなケージが必要であり、初期費用では5万円ほど用意する必要があります。

必要なケージの大きさ

ヘルマンリクガメは運動量が多いので、ケージの大きさは横幅で体長の5倍、奥行きは3倍以上必要です。15cmの個体だと75cm(横幅)×45cm(奥行き)が目安です。

最初は60cmのケージを用意して、成長してから90cmのケージに移動させるといいでしょう。120cmだと3匹ほど多頭飼いすることもできますよ。ケージはグラステラリウムナノなどの前開きになっている爬虫類専用のケージが便利です。

日光浴が大好きですが、温度調整が難しくなるため、なるべく屋内の直射日光が当たらない場所にケージを置いてくださいね。

おすすめの爬虫類用ケージで紹介しているので、ご参考ください。

ライトは紫外線とバスキングの2つが必要

ヘルマンリクガメのライトにはバスキング用の地表を温めるライトと紫外線を含んだUVライトが必要です。

バスキングライトは40度前後のバスキングスポットを作り出し、ヘルマンリクガメは朝起きたらここで体を温めてから活動を開始します。自然界でいう日光浴に近いですね。

温度が高すぎるときはバスキングスポットにいる時間が短く、低いときは長くなる為、カメの様子を見ながら調整してあげてください。

ライトなしで飼育すると元気がなくなるため、必ず入れてあげましょう。

ヘルマンリクガメのライトについては爬虫類のバスキングライトと紫外線ライトで詳しく紹介しているので、ご参考ください。

床材の選び方

ヘルマンリクガメの床材は湿気を吸収するヤシガラマットや乾燥砂がおすすめです。新聞紙やトイレットペーパー、何もしかない場合は、床がツルツルして足を悪くしてしまいので、絶対にやめてくださいね。

隠れ家になるシェルター

明るすぎる環境を好まないので、日陰になるシェルターをいれてあげましょう。あまりにシェルターに入る頻度が多ければ、光量が強すぎると判断することができます。体がぶつかるのを嫌がるため、十分に高さがあるものを用意してください。

水浴びをするための水容器

ヘルマンリクガメ

水分補給がしやすいように深さと広さを調整してあげてください。たまに水浴びもする為、全身が浸かる大きさのものだとベストです。水の中でフンをすることが多い為、毎日新鮮な水に交換するようにしてくださいね。

誤飲防止にエサ置き場

ヘルマンリクガメは床材の上に餌を置くと誤飲することがある為、なるべくエサ置き場を設置しておきましょう。平たい石などなんでもかまいません。

ヘルマンリクガメの飼育方法

ヘルマンリクガメの飼育

ヘルマンリクガメは丈夫なカメなので、初心者にもオススメです。飼育には高温と多湿な環境を維持することが大切です。

値段と販売場所

ヘルマンリクガメはサイテス2類に登録されており、輸出には規制がかかるため、一般的にはCB個体(養殖)が販売されています。

値段は8cmほどの個体が2万円〜4万円で取引されています。コルシカ産やマケドニア産、トスカーナ産など産地によって甲羅の模様が変わってくる為、お気に入りの1匹を探してみましょう。

爬虫類は対面販売が義務付けられているのでネット通販で購入することはできません。ホームセンターでもなかなか取り扱いがないので、爬虫類専門店に行く必要があります。

飼育に適している温度

ヒーター

ヘルマンリクガメに適している温度は26度〜30度です。

保温をするときは甲羅の頂点の高さまで温度を保つ必要があるので、ケージ全体を暖める「暖突」を設置してください。

春や秋はもちろんのこと、気温によっては夏場でも保温球をつける必要があります。部屋がかなり暑くなる可能性がありますよ。

おすすめの爬虫類用ヒーターで紹介しているので、ご参考ください。

飼育に適している湿度

ヘルマンリクガメは50%〜70%の湿度を好みます。温湿度計で毎日チェックして、必要に応じて霧吹きをかけてあげてください。霧吹きの頻度は1日2回が目安です。

甲羅のお掃除

甲羅の腹側にフンが付着したときや、甲羅が汚れてきたときは温浴で綺麗に洗い流します。35度前後のお湯を作って、そこに10分程度温浴させて、柔らかいスポンジでこすり落としてくださいね。

部屋を散歩させる

野生のリクガメは草原を歩き回っており、ケージの中だけでは運動不足になってしまいます。時間の余裕を見つけたときは、なるべく外を歩かせてあげてくださいいね。

庭やベランダを散歩させるととても喜んでくれます。意外に動くスピードが速かったり、有害な植物を食べてしまうことがあるので注意しておいてください。

ケージのレイアウトはシンプルにして、なるべく運動できるようにしておきましょう。

ヘルマンリクガメの餌は野菜がメイン

ニンジン

ヘルマンリクガメの主食はチンゲンサイやコマツナ、ベビーリーフなどの葉野菜です。他にも大根、ニンジン、カボチャ、トウモロコシ、タンポポ、トマトなどを食べることができます。旬の野菜をバランスよく与えてください。バナナやリンゴなどの果物は糖分が多く、餌を食べないときなどの効果的ですが、他の餌を食べなくなるので、与えすぐには注意してください。

野菜だけでは栄養不足になる為、餌にはカルシウム剤をまぶしてから与える必要があります。リクガメフードという人工飼料もありますが、栄養価が高すぎてたまに与えるにはいいですが、主食にするのは難しいです。

個体によっては好き嫌いをすることがあるので、ショップの人に何を与えていたか確認しておきましょう。

餌の頻度

ヘルマンリクガメの餌の頻度はベビーの頃は1日3回、成体だと朝と夕方の1日2回です。食後にバスキングスポットで消化促進をしないと消化不良になってしまうので、夜間に与えるのはやめてくださいね。餌は少し残るかなという量をたっぷりと与えてください。

2泊ほどの旅行であれば絶食しても大丈夫です。心配なときは腐りにくいニンジンやカボチャなどを塊にしていれておきましょう。

ヘルマンリクガメに与える餌の種類や与え方については亀におすすめの餌で詳しく紹介しているので、ご参考ください。

ヘルマンリクガメについてまとめ

ヘルマンリクガメはリクガメの中でも小さい種類なので、小型のかわいいリクガメが欲しい!という方に人気があります。

飼育も難しくなく、初心者でも十分に挑戦することができます。唯一のデメリットとしては、高い温度を好んでおり、部屋が暑くなることと電気代がかかってしまうことでしょうか。それでも飼い主を見つけると餌をくれると近づいてきてくれる姿や、興奮して走り回る姿など可愛い一面もたくさんありますので、飼育していて損はないですよ。

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  • この記事を書いた人

高木 浩二

ペットの中でも熱帯魚が一番好きで、飼育履歴は10年以上あり、ペットショップでアルバイトをしていました。今は多くの書籍やショップ店員との交流で最新情報をアップデートしています。あいまいな情報をなくして、はっきりと最後まで責任を持って飼育ができるのかどうかイメージを湧いてもらえるようにしていきます。正しい情報の掲載に努めてまいりますので、よろしくお願いいたします。

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