ミドリフグはお腹のヒレをパタパタとしながら、ゆっくりと泳ぐ姿がとても可愛くて、愛好家がとても多い熱帯魚です。特に稚魚はとても小さなヒレを高速に動かしており、必死に泳いでいる姿がたまりません。
今回はそんなミドリフグの特徴やおすすめの餌、水槽のレイアウト、性格、歯切りなど飼育方法を紹介します。
ミドリフグの特徴
ミドリフグは東南アジアの汽水域、河口域に生息している熱帯魚です。飼育下では海水と淡水を半分づつ足した汽水の調整が必要です。
皮膚に弱い毒がありますが、体が小さいので、ほとんど無害です。退職のメリハリが美しく、背部から中央にかけて、輝くような黄緑色に大小様々な黒点が入っています。フグ特有の体型や表情、泳ぎ方の面白さなどもあり、とてもかわいい魚です。
一般的なフグと同じく、喧嘩や水質悪化でストレスを抱えているとお腹を膨らませることがあります。ストレスを抱えている個体は体が黒ずんできます。
性格
ミドリフグは気性が荒い性格をしています。
5cm以下の幼魚のときは、喧嘩することが少ないので、群泳していることが多いですが、成長すると気性が荒くなるので、長くは続けられません。もちまえの鋭い歯で他種はもちろん、同種でも噛み合いをし、ヒレの端や肌をボロボロにしてしまいます。
しかし、人になつくことでも知られており、なんどかミドリフグに餌やりをしていると喜んで近づいてきます。単独飼育することでペットフィッシュとして楽しむことができます。
体の大きさ
ミドリフグは最大で12cmの大きさになる中型の熱帯魚です。飼育下では10cm前後で成長が止まることが多いです。
成長スピードが遅い魚なので、成体での販売は少ないです。体を大きくしたいときは2cm〜3cmの幼魚を購入してきて、成長期にたくさんの餌をたべさせましょう。
寿命の長さ
ミドリフグの寿命は平均して5年です。病気にかかりやすく、汽水を作る手間があるので、水槽の飼育で長生きさせるのは難しいです。
ミドリフグの飼育は淡水、海水、汽水のどれがいい?
ミドリフグを元気に飼育しようと思ったら、飼育水は必ず汽水にしなければいけません。水質は弱アルカリ性をキープしつつ、一定の塩分濃度が必要になってきます。
ろ材にはサンゴ砂を使用し、人工海水の素を規定量いれることで、水を作ってあげましょう。
淡水や海水でも飼育することができますが、2週間程度で元気が無くなってしまいます。長期飼育するときには汽水にしてあげてくださいね。
汽水の作り方
ミドリフグに適している汽水は海水2/3、淡水1/3ほど混ぜた水になります。比重は1.004~1.010が目安になります。
塩分濃度を計測する比重計が販売されているので、これで海水の素の量を調整します。
最初はミドリフグが飼育されていたショップの水の比重に合わせるといいでしょう。
海水の作り方で詳しく説明していますので、淡水とまぜてあげましょう。
ミドリフグの飼育環境
ミドリフグを飼育するためには、水槽のサイズは最低でも45cm水槽が必要です。大きすぎる水槽は必要ないので、この大きさがベストサイズです。
しかし、個体によっては水槽飼育でも体が大きくなることがあるので、12cmを超えたら60cm水槽に切り替えてください。
ろ過フィルターは静音タイプやスリムタイプなどインテリア性に優れた外掛けフィルターがおすすめです。汚れやすいので、2週間に1回は掃除してあげてくださいね。
水槽の蓋は水が蒸発するのを防ぐために必須です。特に冬は水温差で水の蒸発スピードが早く、塩分濃度が変わってしまうので、しっかりと蓋をしておきましょう。
ミドリフグの飼育方法
ミドリフグの飼育の難しい点は3つあります。汽水を用意すること、気性が荒く混泳が難しいこと、餌に冷凍アカムシを用意することです。しかし、他の熱帯魚飼育と比べて手間があるだけで、慣れてしまえば、体は丈夫で長生きしてくれます。
値段と販売場所
ミドリフグの値段は500円〜2,000円で販売されています。
購入場所は熱帯魚専門店かネット通販で探しましょう。通販だとチャームがおすすめです。汽水魚は淡水魚よりも飼育が難しいので、販売量は多くありません。
ショップによって飼育している塩分濃度が異なる場合があるので、確認しておいてくださいね。状態がいい個体は黄色と黒点のコントラストがはっきりとしています。逆に体色が黒ずんでいる個体は元気がないので、選ばないようにしましょう。
適している水温と水質
ミドリフグに適している水温は22度〜26度です。低水温に弱いので冬は水槽用のヒーターが必要です。高水温にも弱いので、温度が上がりやすい夏は冷却ファンを用意してあげてくださいね。
適している水質はpH6.5〜7.5の弱アルカリ性です。餌はアカムシなどの生餌が中心となるので、水が汚れやすくなってしまいます。最低でも週に1回、1/3は水を交換してあげてください。
水槽の立ち上げ方法
ミドリフグの飼育水は汽水なので、海水に対応している飼育設備が必要になります。ミドリフグ専用の初心者向け飼育セットも販売されているので、初めて飼育するときは利用すると便利です。
淡水や海水、汽水のどれかにしても水槽の立ち上げ方に大きな差はありません。
立ち上げたばかりの水槽にはフンなどの有害物質を無害な物質へ分解するバクテリアがいないため、最初に体が丈夫なパイロットフィッシュを飼育する必要があります。汽水で飼育するときは、塩分に強いメダカがおすすめです。
最初からミドリフグを飼育するときは、水質悪化が早いため、飼育数は1匹にしておき、餌の量は少なく、水換えは2日に1回する必要があります。
水槽立ち上げの手順
- 水槽を置く場所を決める
- 水槽台と水槽をセットする
- 照明、フィルター、ヒーターをセットする
- 底砂にサンゴ砂を敷く
- 海水の素をつかって水をつくります。塩分濃度はミドリフグを購入したお店と同じにしておきます
- つくった水を水槽に入れる
- フィルターを稼働させて水の濁りをとる
- パイロットフィッシュとしてメダカを飼育する
- 水質が安定したらミドリフグを入れる
- 1週間は餌の量を抑えて、水質の変化と体調を観察する
水槽の立ち上げ方で詳しく紹介しているので、ご参考ください。
ミドリフグの混泳は難しい
ミドリフグの混泳はやめておいたほうがいいです。幼魚のときはおとなしいですが、成長するにつれて縄張り意識が強くなります。ミドリフグ同士でも飼育は難しいです。
強力な歯とつつく習性があるので、攻撃された魚やエビはボロボロになってしまいます。貝類は好物なので、ヤドカリなども殻を壊して食べられてしまいます。
単独飼育してあげてくださいね。
かかりやすい病気と治療方法
ミドリフグがかかりやすい病気は、白点病やアンモニア中毒です。
白点病は多くの熱帯魚がかかる病気で、体中に白い点がでてくる病気で寄生虫が原因です。水温を1〜2度あげて薬浴してあげましょう。
アンモニア中毒はアンモニア濃度が上がることでかかる病気で、呼吸のスピードが早くなり、最悪の場合死んでしまうことがあります。水槽内のバクテリア不足や水換えの頻度が足りないことが原因です。バクテリアの繁殖剤を投入し、水換えを2日に1回のペースで行いましょう。
繁殖は難しい
ミドリフグの繁殖はプロでも難しく、ほとんどの個体が海外から輸入されています。
オスとメスの性別を見分けることができず、水槽で混泳させると喧嘩をしてしまいます。国内での繁殖例だと120cmの大型水槽で5匹以下の少数で飼育していました。
ミドリフグの水槽のレイアウト
ミドリフグの水槽のレイアウトは掃除が簡単なサンゴ砂だけをいれたシンプルなものが好まれます。理由は餌である冷凍赤虫が水を汚しやすく、食べ残しをすぐに取り除かないといけないからです。
しかし、臆病な性格をしているので、隠れ家なしでは落ち着けません。最初はライブロックやサンゴ石などをいれてあげるといいですよ。
水草はかじられてしまうので、いれないでおきましょう。泳ぐのが苦手なので水流は弱めにしてあげてくださいね。
ミドリフグの餌と与え方
ミドリフグにおすすめの餌は生餌の冷凍赤虫です。他にも貝やエビが大好物なので、入手できたらあげてみましょう。
冷凍赤虫しか食べない個体も多く、人工飼料の餌付けには苦労すると思います。冷凍赤虫だけでは栄養バランスがよくないので、ふぐ専用の人工飼料の餌付けを頑張って行いましょう。
餌の頻度は1日2回、1~2分で食べきれる量を与えてあげてください。お腹がいっぱいになると、ぷっくりと膨らみます。
餌を食べないときは水質悪化が考えられるので、すぐに水槽の水換えをして様子を見てください。
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ミドリフグの歯切り方法とタイミング
ミドリフグは前歯が伸びるスピードが早く、伸びた部分はニッパーで歯切りする必要があります。野生のフグは貝を食べているので歯が削られていきますが、飼育環境だとアカムシがメインになるので伸び続けてしまいます。
歯切りは半年に1回必要になります。バケツに水をいれて、濡れたタオルで抑えながら歯を素早く切断してください。歯切りをしたくないときは、スーパーで殻付きのしじみを購入して積極的に与えてくださいね。
ミドリフグについてまとめ
今回はミドリフグの特徴や飼育方法について紹介していきましたが、いかがでしたでしょうか。
ミドリフグはかわいい見た目と美しい体色で人気がありますが、飼育には汽水が必要であったり、餌は赤虫を用意したりと手がかかります。
それでも飼い主さんになついて、近づいてきてくれる姿のかわいさといったら、もうたまりません。
慣れれば飼育は難しくないので、興味を持たれたらぜひ挑戦してみてくださいね。
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